iDeCo・確定拠出年金はどの様に受取るのが良い? 受取り方による税額計算の違い
iDeCoの「企業年金制度等の加入状況コード」
第2号被保険者(会社員・公務員)の方がiDeCoの手続きをするときに必要となる「企業年金制度等の加入状況コード」・「他制度掛金相当額」に関するご案内です。
1.「企業年金制度等の加入状況コード」とは
第2号被保険者(会社員・公務員)の方がiDeCoの掛金拠出に関する手続きをする場合、法令の規定により勤務先で加入する企業年金等の種類を届け出ることとなっています。
届出は国民年金基金連合会が定める2桁の数字で行います。「企業年金制度等の加入状況コード」といいます。2024年12月法改正前の呼称の「他年金区分」といわれることもあります。
iDeCoの届出にあたり「企業年金制度等の加入状況コード」は正確に記載する必要があります。iDeCo加入後も企業年金制度等の加入状況や被保険者種別に変更があれば、適時適切に届出変更が必要です。
「企業年金制度等の加入状況コード」は2024年12月法改正で番号体系が変更になっています。2024年12月以降の手続きでは2024年12月法改正後の書式を使用し、2024年12月法改正後の「企業年金制度等の加入状況コード」を記載してください。
企業年金制度等の加入状況の調べ方(1)早見表で判定する。
企業年金制度等の加入状況の調べ方(2)国民年金基金連合会公式書面で判定する。
国民年金基金連合会発行の公式書面(K-033) | 企業年金制度等の加入状況 |
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iDeCo(個人型確定拠出年金)への加入資格、拠出限度額、「企業年金制度等の加入状況」の確認 | 他年金区分のフローチャートは2枚目に記載されています。 |
企業年金制度等の加入状況の調べ方(3)勤務先へ照会する。
書式 | 備考 |
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事業主への照会票 | この書式は国民年金基金連合会への届出書類ではありません。 |

2.掛金上限額と「他制度掛金相当額」
第2号被保険者(会社員・公務員)の方が拠出できる掛金月額の上限額は「企業年金制度等の加入状況」と加入する企業型確定拠出年金の「事業主掛金月額」・加入するDB制度の「他制度掛金相当額」により異なります。
iDeCoの加入申出にあたり加入申出書に記載した掛金額が拠出できる掛金月額の上限額を超えている場合は、自動減額されることなく加入が認められません。拠出できる掛金月額の上限額の範囲内で再手続きが必要となります。
(1)第2号被保険者のiDeCoの掛金上限額(月額)
企業年金制度等の加入状況 | iDeCoの掛金上限額(月額) |
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00:他に加入する企業年金制度なし (公的年金制度の厚生年金のみ) |
月額23,000円 |
01~53:加入する企業年金制度が他にある方 | 次の①②の小さい方 ①月額20,000円 ②月額「55,000円-(企業型確定拠出年金事業主掛金月額+確定給付企業年金制度の定める「他制度掛金相当額」)」(千円未満の端数切捨て) 『企業型確定拠出年金事業主掛金月額 と 確定給付企業年金制度の定める「他制度掛金相当額」の合計』が35,000円以下であれば①月額20,000円が掛金上限額となります。 |
(2)確定給付企業年金制度の定める「他制度掛金相当額」とは
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お勤め先で加入されている確定給付企業年金(厚生年金基金・石炭鉱業年金基金)の規約で規定されている金額です。
勤務先に確定給付企業年金制度があっても、確定給付企業年金制度に加入されていない方の「他制度掛金相当額」は 0 で計算します。 企業年金は制度を運営している企業の退職金・企業年金制度に対する考え方により企業年金が手厚い企業とそうでない企業があります。
実態を反映する方法として2024年12月の法改正で「他制度掛金相当額」による調整が導入されました。 - 「他制度掛金相当額」という名前は、確定拠出年金から見た確定給付企業年金の手厚さを(確定給付企業年金からみたら他制度となる)確定拠出年金の掛金の尺度で測った場合にいくらに相当するかという意味です。
- 公務員・私学共済組合員の場合は厚生労働省の告示で規定されており、令和六年六月二十一日付厚生労働省告示第二百二十四号より
- 国家公務員共済の方の「他制度掛金相当額」:8,000円
- 地方公務員共済の方の「他制度掛金相当額」:8,000円
- 私立学校共済の方の「他制度掛金相当額」 : 7,000円
(3)どのように調べていいかよくわからないという方へ
お勤め先の人事、総務等、企業年金制度の担当者にご確認ください。どのように聞いていいかわからないという場合は適宜ご利用ください。

参考書式 | 備考 |
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事業主への照会票Ⓕ | 事業主への照会票Ⓕは国民年金基金連合会への提出書類ではありません。 |
(4)企業型確定拠出年金 事業主掛金月額
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お勤め先で加入されている企業型確定拠出年金に事業主(勤務先)が拠出している毎月の掛金の金額です。金額は企業型確定拠出年金規約で規定されています。
勤務先に企業型確定拠出年金制度があっても、企業型確定拠出年金制度に加入されていない方の「事業主掛金月額」は 0 で計算します。 - 企業型確定拠出年金制度では、勤務先が契約する企業型確定拠出年金制度の運営管理機関の加入者向けサイトのサービスで「事業主掛金月額」の情報が提供されています。
- ご参考:企業型確定拠出年金を りそな銀行でご契約いただいている場合の加入者向けサイトでの「事業主掛金月額」の調べ方iDeCoの掛金上限額・企業型確定拠出年金掛金額を調べる
- 企業型確定拠出年金制度で、事業主掛金の他に加入者掛金が表示されている場合は、マッチング拠出(加入者掛金)制度を利用していることとなるためiDeCoに加入(掛金拠出)することはできません。
3.iDeCo加入までのプロセス
(1)企業年金制度等の加入状況を確認する

(2)被保険者種別を確認する
会社員・公務員の方は国民年金第2号被保険者となります。
公務員の方・私立学校教職員の方で共済組合員(長期)資格の方はiDeCoでは共済組合員と区分されます。
公務員の方・私立学校教職員の方で共済組合員(短期)資格の方はiDeCoでは第2号被保険者と区分されます。

(3)掛金上限額を確認する

(4)掛金額を決める

(5)掛金の払込方法を選択する
iDeCoの掛金の払込方法は、基本は個人払込(口座振替)です。
第2号被保険者の方(共済組合員を含む)は掛金の払込方法として個人払込(口座振替)の他に事業主払込(給与天引き)を選択することができます。
必ずしもすべての事業所がiDeCoの掛金の払込方法として事業主払込(給与天引き)を取り扱いしているわけではありません。2024年7月時点で事業主払込の取り扱いがある事業所は全事業所の5%程度です。
事業主払込を選択する場合は、勤務先に「事業主払込の証明書」の作成を依頼し、iDeCoの加入申出書などの手続書類に添付して提出する必要があります。iDeCoの事業主の証明
事業主払込を選択した場合、年末調整・確定申告で使用する小規模企業共済等掛金払込証明書の発行対象外となります。
iDeCoの中小事業主掛金制度(iDeCo+)を利用する場合は個人払込の選択はできません。

(6)申込書類を作成し提出する
4.よくある質問「企業年金制度等の加入状況」
よくある質問 | 回答と対応 |
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「企業年金制度等の加入状況」がわかりません。書かなければならないのですか。(#qa8467_1) | 第2号被保険者の方(共済組合員を含む)の方の場合必須項目となっています。第2号被保険者の方(共済組合員を含む)が「企業年金制度等の加入状況コード」欄を空欄で提出されると形式不備となります。 正しくない「企業年金制度等の加入状況コード」を記載されると、加入申出(拠出開始)の場合は国民年金基金連合会において加入不該当(否認)となり、掛金額変更などの変更手続きの場合は国民年金基金連合会において掛金停止とされます。 |
国民年金基金連合会において「企業年金制度等の加入状況」がわかるのであれば、記載しなくていいのではないか。(#qa8467_3) | 法令上の規定で加入者本人による届出が必要のため、記載省略できません。法令上の規定とは「確定拠出年金法施行規則第三十九条第一項ニ(令和6年12月1日施行)」です。 |