確定拠出年金は解約できるの?必要な手続きとメリット・デメリット

確定拠出年金は解約できるの?必要な手続きとメリット・デメリット

どうすればいいの?確定拠出年金の解約と転職時の手続き

確定拠出年金は、企業型(企業型DC)も個人型(iDeCo(イデコ))も、老後資金づくりに適した制度です。しかし、原則として60歳になるまで資金を引き出すことはできません。
加入中にどうしてもまとまったお金が必要になって解約したい場合、あるいは企業型DCに加入しているものの転職の予定がある人は、どのような手続きをすればよいのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、確定拠出年金の解約または転職時の手続き方法について解説していきます。

中途脱退は可能だが…要件は非常に厳しい

結論から述べると、確定拠出年金は中途脱退して「脱退一時金」をもらうことが可能です。
しかし、脱退一時金が支給されるためには、一定の要件を満たす必要があります。どのような条件があるか、みてみましょう。

まず、企業型DCの脱退要件を見てみましょう。

個人別管理資産額が1.5万円以下の場合、下記(1)~(3)全てに該当することが必要です。

  • (1)企業型DC加入者、企業型DC運用指図者、iDeCo加入者及びiDeCo運用指図者でないこと
  • (2)個人別管理資産の額が1.5万円以下であること
  • (3)最後に企業型DCの資格を喪失した日の翌月から6ヶ月を経過していないこと

個人別管理資産額が1.5万円を超える場合、下記(1)~(7)全てに該当することが必要です。

  • (1)企業型DC加入者、企業型DC運用指図者、iDeCo加入者及びiDeCo運用指図者でないこと
  • (2)最後に企業型DCの資格を喪失した日の翌月から6ヶ月を経過していないこと
  • (3)60歳未満であること
  • (4)国民年金保険料免除者、外国籍の海外居住者等のiDeCoに加入できない者であること
  • (5)日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
  • (6)障害給付金の受給権者でないこと
  • (7)企業型DCの加入者及びiDeCoの加入者として掛金を拠出した期間が5年以内であること
    又は個人別管理資産の額が25万円以下であること

次に、iDeCo(イデコ)から脱退一時金の支給を受けるためには、以下(1)~(7)の要件をすべて満たす必要があります。

  • (1)60歳未満であること
  • (2)企業型年金加入者でないこと
  • (3)国民年金保険料免除者、外国籍の海外居住者等のiDeCoに加入できない者であること
  • (4)日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
  • (5)通算拠出期間(※)が1ヶ月以上5年以下、または個人別管理資産額が25万円以下であること
  • (6)障害給付金の受給権者でないこと
  • (7)最後に企業型確定拠出年金加入者又はiDeCo加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと
  • 掛金を拠出していない期間は含みません。「退職一時金」や「企業年金(注)」から確定拠出年金へ移換があった場合、それらの期間も含みます。
    (注)企業年金とは、「厚生年金基金」、「確定給付企業年金」および「適格退職年金」をいいます。

〔2016年12月以前の脱退要件〕

  • (1)個人型年金に加入できない方(加入資格がない方※1)が以下①~⑥の要件をすべて満たす場合
    • 60歳未満であること
    • 企業型確定拠出年金加入者でないこと
    • 掛金の通算拠出期間が3年以下(※2)または年金資産額が50万円以下であること
    • 確定拠出年金の障害給付金の受給権者でないこと
    • 企業型または個人型の確定拠出年金の加入者資格を、最後に喪失した日から2年を経過していないこと
    • 企業型確定拠出年金の加入者資格を喪失したときに.脱退一時金の支給を受けていないこと
  • (2)個人型年金に加入できる方(加入資格がある方)で、以下の①~⑤の要件をすぺて満たす場合
    • 継続個人型年金運用指図者(企業型年金加入者の資格喪失後、企業型年金運用指図者又は個人型年金加入者となることなく個人型年金運用指図者となった者(※3)で、その申出をした日から起算して2年経過している者)であること(但し、申出時から継続して個人型年金の加入資格のある者に限る)
    • 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
    • 通算拠出期間が3年以下(※2)、または年金資産額が25万円以下であること
    • 継続個人型年金運用指図者となった日から2年以内であること(※4)
    • 企業型確定拠出年金の加入者資格を喪失したときに.脱退一時金の支給を受けていないこと
    • ※1公務員、専業主婦(主夫)、企業年金制度のある会社員など。
    • ※2掛金がない期間は含みません。「退職一時金」や「企業年金(注)」から確定拠出年金へ移換があった場合、それらの期間も含みます。
    • ※3施行日(2014年1月1日)以前に運用指図者となった場合も対象となります。
    • ※4施行日において既に継続個人型年金運用指図者である者の場合は、施行日から2年以内。
      (注)企業年金とは、「厚生年金基金」、「確定給付企業年金」および「適格退職年金」をいいます。

上記を見ると、現役世代で健康な人の場合、脱退一時金を受け取ることのできる人はほとんどいないことが分かるでしょう。
iDeCoの加入資格について詳しくはりそな銀行「個人型確定拠出年金制度について」をご参照ください。

なお、保険商品で運用している場合は、中途解約となる際に元本割れする可能性もあることに注意しましょう。

企業型DCのある会社から、ない会社へ転職したら?

次に、企業型DCに加入していたものの、転職先に企業型DCがない人は、どうすればよいのでしょうか。
この場合は、6か月以内にiDeCo(イデコ)の口座を開設して、企業型DCの資産を移しましょう。掛金を積立てたり、運用することによって、将来の年金額を増やすことができます。※

iDeCo(イデコ)に加入する際は、自分で金融機関(運営管理機関)を選択します。

企業型DCに加入していた人の中には、以前と同じ金融機関を選ばなければならないのでは?と思っている人もいるようです。
しかし実は、どこの金融機関を選ぶのも加入者の自由です。
金融機関によって、取り扱う運用商品や手数料、サービスは大きく異なります。
りそな銀行の「つみたてiDeCoプラン」については、こちらのページをご覧ください。

りそな銀行のiDeCo
 

※転職先の確定給付企業年金(DB)に移換できる場合もあります。転職先の担当部署にご確認ください。
また、2022年5月1日以降に企業型DCの加入資格を喪失した場合、通算企業年金(企業年金連合会が退職者等向けに運用する年金の1つ)に移換することもできます。申出方法については、企業年⾦連合会にご確認ください。

企業型DCの加入資格を喪失した人が、手続きを放置しているとどうなる?

退職や転職などをしたにもかかわらず、6カ月以内にiDeCo(イデコ)へ資産を移換せず、脱退一時金も受け取らないで手続きを放置した場合はどうなるのでしょうか。
その場合、運用していた資産は現金化されて国民年金基金連合会に自動的に移換されてしまいます。これを「自動移換」といいます。

自動移換にはさまざまなデメリットがあります。

1つ目は、現金化されてしまうため運用指図ができず、資産を増やせなくなってしまうことです。

2つ目は、自動移換されるときに4,348円の手数料がかかるほか、自動移換4カ月目以降からは毎月52円(年間624円)の管理手数料が資産から差し引かれてしまうことです。

3つ目は、自動移換の状態は、確定拠出年金の通算加入者等期間としてカウントされないことです。
通算加入者等期間が10年に満たないと、受け取り開始時期が60歳より遅くなる可能性があります。

4つ目は、国民年金基金連合会に自動移換された状態では、60歳になっても資産の引き出しができないことです。いずれにしても、給付の請求をするためには、iDeCo(イデコ)に加入して口座を開設し、国民年金基金連合会に資産移換の手続きをしなければなりません。

マンガでわかる!iDeCoへの移換手続き 転職時には企業型確定拠出年金の移換手続きが必要です!

金融機関を変更したくなったらどうする?

iDeCo(イデコ)では、一度選んだ金融機関はできれば変更しない方がよいのですが、場合によっては変更したいと思うこともあるでしょう。そうした場合、金融機関の変更は可能です。

変更の際は、変更先の新しい金融機関に「加入者等運営管理機関変更届」(様式K-004号)を提出します。加入中(変更前)の金融機関への連絡は必要ありません。
ただし、金融機関を変更するときは、運用中の資産が一度現金化されます。
投資信託などの値動きのある商品や保険などの商品で運用していた場合は、中途解約により元本割れする可能性もあります。

また、移換には数か月程度時間がかかります。金融機関によっては、他の金融機関に移換するときに手数料を徴収するところもありますので、頻繁な変更は好ましくないことを覚えておきましょう。

確定拠出年金は無理のない範囲で続けよう

確定拠出年金の中途解約は厳格な要件をクリアする必要があるほか、金融機関の変更には手間と時間がかかります。
できれば、一度加入したら、最後まで長く続けるのが最も良い方法です。

また、確定拠出年金では、管理手数料や信託報酬が毎月差し引かれますので、資金を追加投入せず放置しておくと、どんどん資産が目減りしてしまいます。
企業型DCからiDeCo(イデコ)への資産移換は、すみやかに行うようにしましょう。
最後に、掛金の払込が難しくなったら、掛金の減額や一時停止もできます。無理のない範囲で確定拠出年金を続けましょう。

※当記事は2022年5月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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