掛金の積み立てだけではNG!? 確定拠出年金の「年末調整」「確定申告」の方法とは

掛金の積み立てだけではNG!? 確定拠出年金の「年末調整」「確定申告」の方法とは

税制メリットを享受するには「年末調整」「確定申告」が必要?

2017年から、これまで加入対象外だった人も個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)に加入できるようになりました。これをきっかけにiDeCo(イデコ)をはじめた人も多いのではないでしょうか。
さらに、2018年からは年単位で掛金の拠出ができるようになったことで、一段と柔軟性が高まりました。確定拠出年金は、税制メリットを享受しながら老後の資産作りができる制度ですが、実は、掛金を積立てているだけではそのメリットのすべてを享受することはできません。

2021年にiDeCoで掛金を拠出した人は、2021年の年末調整、確定申告を行うことになります。申告の方法をおさえておきましょう。

会社員、公務員なら「年末調整」

iDeCo(イデコ)の掛金は所得控除の一種に該当し、「所得控除(小規模企業共済等掛金控除)」の対象となります。そのため、会社員、公務員の場合は年末調整で税金が還付されることになります。
iDeCoの掛金を給与から天引きしている場合は、事業主が、給与からiDeCoの掛金分を所得控除して、毎月の税額を算出しているので、年末調整の手続きは不要です。

ではここから、「小規模企業共済等掛金払込証明書を準備する」「年末調整の書類に必要事項を記入する」「書類を勤務先に提出する」といった、年末調整の手順について解説していきます。

小規模企業共済等掛金払込証明書を準備する

まず、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」という証明書が届きます。
これは、iDeCoの加入者が1年間で支払った(12月末までの払込予定金額を含む)掛金を証明する重要な書類(はがき)です。

初回の掛金をいつ払い込んだかによって送付される月が変わってきます。例えば、9月までなら10月下旬頃になります。毎月掛金を納めていて、加入した年の初回掛金拠出が10月以降の場合は、証明書の発行が11月以降となり、年末調整に間に合わなくなってしまう場合もあります。また、年単位拠出を選んだ場合は、年間トータルの予定額が記載された証明書が10月下旬に届くことになります。

年末調整の書類に必要事項を記入する

生命保険料について控除を申請している方もいると思いますが、それと同じように、控除申告書に記入して提出します。
まずは勤務先から、「給与所得者の保険料控除申告書」という年末調整のための書類をもらいます。

記入箇所は、書類の右下部分に記載がある「小規模企業共済等掛金控除」の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」という欄です。送付された証明書に記載されている金額を確認しながら「合計額(控除額)」の欄にその年に支払った掛金を記入します。
記入方法が分からない場合は、勤務先の総務担当者などに確認してください。

書類を勤務先に提出する

記入が終わったら、「給与所得者の保険料申告書」に「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付して、書類を勤務先に提出します。

自営業なら「確定申告」

確定申告の対象者は、主に個人事業主やフリーランスを含む自営業の方です。自営業者やフリーランスの方には年末調整が無いため、「確定申告」が必要となります。所得税の還付金が4月から5月頃に指定の口座に振込まれ、その後、翌年度の住民税が確定する際も所得控除分の軽減を受けられるようになります。

また、確定申告は手書きで手続きを行うこともできますが、国税庁のホームページへアクセスすれば、「確定申告書等作成コーナー」を利用することでパソコンを使って入力・作成ができます。

「小規模企業共済等掛金払込証明書」を準備する

「小規模企業共済等掛金払込証明書」が手元に到着する時期は、会社員や公務員と同時期です。

「確定申告書B」に必要事項を記入する

確定申告書の準備ができたなら、「確定申告書B・第一表」の左下にある「小規模企業共済等掛金控除⑭」の右側の空欄に「小規模企業共済等掛金控除」に記載された金額(その年のiDeCoで支払った掛金の総額)を記入します。

次に、「確定申告書B・第二表」の右下に記載がある「⑭小規模企業共済等掛金控除」で「掛金の種類」欄に「個人型確定拠出年金」と記入します。

同様に「確定申告書B・第二表」の「支払金額」の欄と「合計」の欄に小規模企業共済等掛金払込証明書に記載された金額(その年のiDeCoで支払った掛金の総額)を記入します。

確定申告の期限は、翌年2月16日から3月15日までと定められているので、確定申告まで大切に保管しなければなりません。

書類を税務署に提出する

記入が終わったら、定められた期間内に「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付した「確定申告書B」※を税務署に提出して、終了となります。
※令和5年1月以降、申告書Aは廃止され、申告書Bに1本化されます。

小規模企業共済等掛金払込証明書は発送時期に注意

「小規模企業共済掛金払込証明書」は年末調整・確定申告に際しての重要書類であることは述べましたが、掛金を月単位拠出にしている場合、初回の掛金を払い込んだ月によって発行・発送時期が異なる点に注意が必要です。

初回の掛金を払い込んだ月が「1月から9月」の場合は、「10月下旬頃に送付予定」であり、10月の場合は11月下旬頃、11月の場合は12月下旬頃、12月の場合は翌年1月下旬頃に送付予定となります。

そのため、11月に初回掛金を支払った場合、「小規模企業共済掛金払込証明書」の発行が間に合わずに年末調整ができないという場合も想定されます。前もってスケジュールを確認しておくことをおすすめします。

年末調整を忘れたら確定申告が必要になる

会社員や公務員の方は、事業主の年末調整によっては確定申告が不要となります。 しかしながら、「小規模企業共済掛金払込証明書」の発送時期等によって年末調整ができなかったり、年末調整を失念していたりするケースが生じた場合には、確定申告が必要となります。

会社員や公務員が提出する確定申告書類は申告書Aとなり、先に述べた手順にて必要事項を記入して税務署に提出すれば終了となります。添付する資料としては、「小規模企業共済掛金払込証明書」が必要です。

確定拠出年金の所得控除のメリットは「本人」だけに適用される

確定拠出年金は、所得税と住民税の負担が軽減されるのがメリットの1つですが、国民年金保険料や国民健康保険料とは異なり、所得控除や還付を受けられるのは本人だけです。

また、所得税や住民税を払っていない専業主婦(夫)は、そもそも所得控除を受けることはできません。ただし、専業主婦(夫)の人でも、自分名義で老後資金の形成ができたり、運用中の運用益に税金がかからないというメリットはあります。

申告には「掛金払込証明書」の添付が必要!書類の紛失に気を付けて

年末調整や確定申告の手続き自体は、決して難しいものではありません。しかし、いずれの場合も申告には「証明書」が必要です。書類の紛失にはくれぐれも注意してください。

※当記事は2021年12月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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