iDeCo・確定拠出年金はどの様に受取るのが良い? 受取り方による税額計算の違い
iDeCoの2026年12月法改正
iDeCoの2026年12月法改正に関するご案内です。
iDeCoの2026年12月法改正の概要
(1)法改正のご案内方法
このページでは2025年6月13日に成立した年金制度改革関連法(令和7年度年金制度改正法)のうちiDeCoに関連する法改正についてご案内します。
令和7年度年金制度改正法は2025年6月20日公布されました。iDeCoの法改正の対象となる取扱 (個人型確定拠出年金(iDeCo)の拠出限度額の引上げ及び加入可能年齢の引上げ)については、 2025年12月24日政令第441号・第442号で令和8年12月1日施行(2027年1月26日引落分からの適用)となりました。
現時点で具体的な申込方法については未確定ですが、情報についてはこのページでご案内します。
確定拠出年金用のメールアドレスを登録いただいている方には、法改正の進捗について電子メールでご案内します。メールアドレスの登録をお願いします。
JIS&Tにパスワード再設定用メールアドレスを登録ください。
(2)iDeCoの法改正の対象となる取扱
掛金上限額:第2号加入者(第2号被保険者)については、iDeCoとしての上限額が勤務先での企業年金制度への加入の有無により現状月額23,000円(企業年金なし)または月額20,000円(企業年金あり)から月額62,000円に引き上げられます。(企業型確定拠出年金の事業主掛金・確定給付企業年金の他制度掛金相当額との合算規定は残ります。)
企業型確定拠出年金の変更点:企業型確定拠出年金の制度上の掛金上限額も月額62,000円に引き上げられ、マッチング拠出(加入者掛金制度)の掛金上限が事業主掛金額となる制限が廃止されます。
掛金上限額:第1号加入者(第1号被保険者)については、確定拠出年金制度としての上限額が現状月額68,000円から月額75,000円に引き上げられます。(国民年金基金掛金・国民年金付加保険料との合算規定は残ります。)
加入上限年齢:第1号加入者(第1号被保険者)・第3号加入者(第3号被保険者)については60歳、第2号加入者(第2号被保険者)については事実上65歳が加入上限年齢でしたが、条件付きで最大70歳まで加入可能な加入者の区分(第5号加入者)が設けられることで加入可能上限年齢が引き上げられます。第5号加入者の掛金上限額は第2号加入者と同じ月額62,000円となります。
加入上限年齢の引上げに関する条件:個人型確定拠出年金の加入者・運用指図者であった者又は私的年金の資産を個人型確定拠出年金に移換できる者であって、老齢基礎年金及び個人型確定拠出年金の老齢給付金を受給していない者 とされています。
(ア)掛金上限額の引き上げ
| 対象者 | 改正前 | 改正後(2027年1月26日引落分以降) |
|---|---|---|
| 第1号加入者(国民年金第1号被保険者) | 月額68,000円 (国民年金基金掛金・国民年金付加保険料と合算した上限) |
月額75,000円 |
| 第2号加入者(国民年金第2号被保険者)のうち他に企業年金のない方 | 月額23,000円 |
月額「62,000円-(企業型確定拠出年金事業主掛金月額+確定給付企業年金制度の定める「他制度掛金相当額」)」(千円未満の端数切捨て)
|
| 第2号被保険者のうち他に企業年金に加入されている方 | 次の①②の小さい方 ①月額20,000円 ②月額「55,000円-(企業型確定拠出年金事業主掛金月額+確定給付企業年金制度の定める「他制度掛金相当額」)」(千円未満の端数切捨て)
|
|
| 第3号加入者(国民年金第3号被保険者) | 月額23,000円 | 変更なし |
| 第4号加入者(国民年金任意加入被保険者) | 月額68,000円 (国民年金基金掛金・国民年金付加保険料と合算した上限) |
月額75,000円 |
| 第5号加入者 | 新設 | 月額「62,000円-(企業型確定拠出年金事業主掛金月額+確定給付企業年金制度の定める「他制度掛金相当額」)」(千円未満の端数切捨て)
|
(イ)加入可能年齢の引き上げ
(a)第5号加入者の新設
| 対象者 | 改正前 | 改正後(2027年1月26日引落分以降) |
|---|---|---|
| 第1号加入者(国民年金第1号被保険者) | 60歳 |
変更なし 但し、改正前の加入可能上限(国民年金被保険者資格の上限)年齢到達後の方は、新設される第5号加入者の要件を満たせば加入手続きすることにより掛金拠出が可能です。 |
| 第2号加入者(国民年金第2号被保険者) | 原則65歳 | |
| 第3号加入者(国民年金第3号被保険者) | 60歳 | |
| 第4号加入者(国民年金任意加入被保険者) | 国民年金被保険者期間40年到達または65歳 | |
| 第5号加入者 | 新設 | 70歳未満 |
- 従来の加入資格(第1号加入者~第4号加入者)の加入上限年齢に変更はありません。年齢到達により自動的に加入資格喪失となる取扱いは変更がないとみられます。
- 加入可能年齢の引き上げが第5号加入者という新設される区分により行われることから、年齢到達前の加入資格が自動延長されるのではなく、年齢到達時に手続きが必要になるとみられます。
- どのような手続きとなるかについては国民年金基金連合会から開示されておらず未確定です。
- 第2号加入者について加入上限年齢が60歳から65歳に引き上げられた2022年5月の確定拠出年金法改正とは取扱いが異なります。
(b)第5号加入者の加入資格
| 第5号加入者としてiDeCo加入に必要な前提条件 | 補足 |
|---|---|
| 年齢60歳以上70歳未満 | |
| 国民年金の被保険者(国民年金保険料の納付義務者)ではないこと | 60歳以上で国民年金保険料の納付義務のある方(国民年金 第2号被保険者・任意加入被保険者)は該当の加入者区分で加入申出してください。 |
第5号加入者として加入申出する時点でつぎの何れかの条件に該当していること
|
①②は、iDeCoの既存口座を保有している方ということです。 ①は、改正前の加入資格の加入上限年齢到達にともなう加入資格自動喪失に合わせて第5号加入者として加入する場合です。 ③は、iDeCoの既存口座を保有していない方で企業型DCからの資産移換と同時に第5号加入者として加入申出することができるとする規定です。 ①②③の要件については期間限定で経過措置があります。(みなし第5号加入者) |
| 基礎年金(国の年金)の老齢給付金の受給をしていないこと | 65歳以上の方は基礎年金を繰り下げしていることになります。 厚生年金を受給していることによるiDeCoの加入資格喪失要件は廃止されました。 |
| iDeCoの老齢給付金の受給をしていないこと | 過去にiDeCoの老齢給付金を一時金として受給されている場合も含め、iDeCoの老齢給付金の受給者はiDeCo第5号加入者としての加入資格はありません。 |
| 企業型DCの加入者でもある方は、加入する企業型DCで加入者掛金(マッチング拠出)を利用していないこと | |
| iDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者であること |
(c)第5号加入者の加入に係る経過措置(みなし第5号加入者)
| 第5号加入者としてiDeCo加入に必要な前提条件 | 補足 |
|---|---|
| 年齢60歳以上70歳未満 | |
| 日本国内に在住 | |
| 国民年金の被保険者(国民年金保険料の納付義務者)ではないこと | 60歳以上で国民年金保険料の納付義務のある方(国民年金 第2号被保険者・任意加入被保険者)は該当の加入者区分で加入申出してください。 |
| 施行日から3年を経過する日までの間に第5号加入者として加入申出すること | 施行日から3年を経過する日までの間:2026年12月1日から2029年11月30日まで |
| 基礎年金(国の年金)の老齢給付金の受給をしていないこと | 65歳以上の方は基礎年金を繰り下げしていることになります。 厚生年金を受給していることによるiDeCoの加入資格喪失要件は廃止されました。 |
| iDeCoの老齢給付金の受給をしていないこと | 過去にiDeCoの老齢給付金を一時金として受給されている場合も含め、iDeCoの老齢給付金の受給者はiDeCo第5号加入者としての加入資格はありません。 |
| 企業型DCの加入者でもある方は、加入する企業型DCで加入者掛金(マッチング拠出)を利用していないこと | |
| iDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者であること |
(3)iDeCoに関連する法改正
(ア)企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)に係る上限規制の廃止(2026年4月1日施行予定)
第2号被保険者:企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)に係る上限金額の制限のうち事業主掛金額を上限とする規制の廃止
- 企業型確定拠出年金とは:従業員を雇用する企業が、厚生労働省の承認を受けた規約に基づき実施する自社の従業員を対象とする私的年金制度のひとつです。制度の有無は勤務先により異なります。未実施の企業、他の私的年金制度を実施する企業もあります。企業型確定拠出年金の掛金は従業員を雇用する企業が負担します。
- マッチング拠出(加入者掛金)とは:企業型確定拠出年金の掛金は従業員を雇用する企業が負担しますが、企業型確定拠出年金規約に規定することにより勤務先の負担する掛金に加算して従業員が企業型確定拠出年金の掛金を拠出する取扱が認められており、マッチング拠出(加入者掛金)制度といいます。マッチング拠出(加入者掛金)制度の有無は、勤務先により異なります。マッチング拠出(加入者掛金)のない企業型確定拠出年金制度もあります。
- マッチング拠出(加入者掛金)に係る掛金の上限金額とは:マッチング拠出(加入者掛金)を取扱している企業型確定拠出年金規約において、従業員が拠出できるマッチング拠出(加入者掛金)は法令上・制度(規約)上で掛金上限額が設けられています。
- マッチング拠出(加入者掛金)に係る法令上の掛金の上限金額とは:2025年時点の法令上の上限金額は次の2点です。
- ①マッチング拠出制度による加入者(従業員)の掛金額は、勤務先が拠出する事業主掛金額を超えないこと。
- ②加入者掛金を含む企業型確定拠出年金全体の掛金額が月額27,500円を超えないこと(2024年12月1日施行の法改正以降に企業型確定拠出年金規約を変更して勤務先が改正法の適用を受けている場合は、月額[55,000円-(企業型確定拠出年金の事業主掛金)-(DB等の他制度掛金相当額)] を超えないこと)。
- 2026年4月1日施行予定の企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)に係る上限金額の制度変更とは:①の制限が廃止されます。
- 2026年4月1日以降のマッチング拠出(加入者掛金)に係る掛金の上限金額は:②となる予定です。
- 企業型確定拠出年金制度のマッチング拠出(加入者掛金)はiDeCoの掛金同様に所得控除の対象となるため、マッチング拠出(加入者掛金)制度を採用している企業の場合、マッチング拠出(加入者掛金)の利用について従業員(企業型確定拠出年金加入者)に向けて案内・推奨される勤務先があると想定されます。
- ご自身の勤務先に企業型確定拠出年金制度があるか、マッチング拠出(加入者掛金)できるのか、いつからいくらまでマッチング拠出(加入者掛金)できるか:ご自身の勤務先にお問い合わせください。
- iDeCoで掛金拠出されている方(加入者)は、加入申出した際の加入申出書に記載した加入する年金制度の区分で企業型確定拠出年金制度の有無を確認することもできます。また、確定拠出年金加入者サイトで調べることもできます。
iDeCoで掛金拠出されている方(加入者)に関連する影響
- iDeCoの加入(掛金拠出)と企業型確定拠出年金の加入(事業主掛金のみ)の併用はできますが、iDeCoの掛金拠出と企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)との併用はできません。この規定は2026年4月の法改正施行後も変更ありません。iDeCoの加入者(掛金拠出している方)が企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)を始めるとiDeCoの掛金引落は差止されます。差止されたiDeCoの掛金は追納できません。
- iDeCoの加入(掛金拠出)と企業型確定拠出年金の加入(事業主掛金のみ)を併用されている方が、企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)を開始する場合は、あらかじめiDeCoの加入資格喪失(掛金拠出停止)を手続の上勤務先に企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)をお申込みください。
- 確定拠出年金の掛金上限額の変更(第2号被保険者の場合、月額最大62,000円)は2026年12月1日施行(掛金引落日としては2027年1月26日引落分から)予定で関係手続きの準備が進められています。(現時点で実施時期は確定していません)
- iDeCoの掛金額の任意変更は個人型確定拠出年金規約で年1回と定められていますが、その時期は固定されていません。
- 企業型確定拠出年金のマッチング拠出(加入者掛金)に係る上限金額の制限のうち事業主掛金額を上限とする規制の廃止を受けてマッチング拠出を開始する選択肢の他、あえてマッチング拠出は申込まず、iDeCoの掛金額の上限変更を待ってiDeCoの掛金額を増やす選択肢もあります。
- 2026年4月1日法改正施行(予定)を受けてマッチング拠出(加入者掛金)の取扱開始など企業型確定拠出年金の制度変更をされる企業もあります。勤務先によりご事情はそれぞれ異なりますので、各自でご判断いただきますようお願いします。
- 一般的に、勤務先は従業員のiDeCoの加入状況は把握していません。マッチング拠出(加入者掛金)のメリット・デメリットを勤務先に相談される際は、iDeCoに加入していることはご自身からお申し出ください。
(イ)確定拠出年金の資産を一時金で受け取る際の退職所得控除の取扱変更(2026年1月1日施行)
第2号被保険者:iDeCoの資産を一時金で受け取った後、勤務先を退職して勤務先から退職金を受け取る場合の退職所得控除の取扱が変更になります。
iDeCoの資産を一時金で受け取る老齢給付金や、勤務先を退職して勤務先から受け取る退職金は退職所得として課税対象となりますか、税負担軽減のため退職控除控除が認められています。
iDeCoの資産を老齢給付金として受取後、勤務先から退職金を受け取る場合、iDeCoの老齢給付金受取から退職金受取まで期間か空いていればそれぞれ別々の退職所得として退職所得控除を計算しますが、iDeCoの老齢給付金受取から退職金受取まで期間が短い場合、iDeCoの老齢給付金と勤務先から受け取る退職金を一連と考え、勤務先から受け取る退職金の退職所得控除の計算はiDeCoの老齢給付金受取で使用した退職所得控除を引いて計算することになります。
iDeCoの老齢給付金と勤務先から受け取る退職金を一連と考える間隔が5年から10年に変わります。
従来はiDeCoの老齢給付金受取から退職金受取まで5年以上空いていれば別々の退職所得として退職所得控除を計算していました。今後はiDeCoの老齢給付金受取から退職金受取まで10年未満であれば、iDeCoの老齢給付金受取時の退職所得控除の適用額を退職金受取時の退職所得控除から差し引くため改正前に比べ退職金受取時の退職所得控除が小さくなります。
2026年1月1日以降に受け取る勤務先から受け取る退職金から変更後の期間が適用となります。
勤務先から退職金を受け取った後、iDeCoの資産を一時金で受け取る場合の退職所得控除の取扱はiDeCoの老齢給付金受取前19年以内の退職金が退職所得控除の調整対象になります。
(ウ)社会保険(厚生年金・健康保険)の加入要件緩和
短時間労働者:社会保険(厚生年金・健康保険)の加入する要件が緩和されます。短時間労働のため社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象外となっている第1号被保険者・第3号被保険者の方が法改正施行により第2号被保険者に変わる可能性があります。



