iDeCo(イデコ)とは?加入条件から運用まで幅広く解説

iDeCo(イデコ)とは?加入条件から運用まで幅広く解説

iDeCo(イデコ)とは

iDeCoとは「個人型確定拠出年金」という制度の愛称です。
確定拠出年金には「企業型」と「個人型」の2種類があり、日本では2001年に導入されました。
企業型は大企業を中心に徐々に導入されていきましたが、個人型はなかなか制度普及が進まず、2016年3月末時点の加入者数 は約25万人に留まっていました。その後、将来の備えや資産形成への関心の高まりや、法改正によるiDeCo加入対象者の拡大などにより注目を集め、2022年4月末時点の加入者数は240万人を超えています。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、その言葉が示す通り、「個人」が「掛金を自分で決め(確定拠出)」、自分で運用する「私的年金制度」です。
ここで注意したいのが、将来受取る金額は確定していないということです。拠出した掛金の額や、加入者自身が商品を選んで運用した運用結果によって、将来受取る金額が決まります。

iDeCoと企業型確定拠出年金の違いについて詳しくはこちら

iDeCo(イデコ)を活用するメリットとは

iDeCoには、3つのメリットがあります。

1掛金が全額所得控除

一番大きなメリットは、掛金全額が所得控除の対象となることです。
例えば、毎月の掛金が1万円であれば、所得税と住民税がそれぞれ10%の場合、年間2.4万円税金が軽減されることになります。

2運用益も非課税で再投資

通常は、金融商品を運用すると、運用益に対して課税されますが(源泉分離課税20.315%)iDeCoであれば非課税で再投資することができます。

3受取るときも大きな控除

iDeCoは分割、一括、分割と一括の組み合わせなど、受取方法を選択することが可能です。老後に受取る年金及び一時金が課税の対象となりますが、受取方法に応じて控除を受けることができます。

iDeCoを始める際の注意点について

では次に、iDeCoを始める際にどういったところに注意するべきなのかご紹介します。

手数料

iDeCoは税制優遇などのメリットがありますが、各種手数料がかかります。
口座開設時に、国民年金基金連合会への加入時手数料が2,829円かかります。この手数料は、どの金融機関で口座を開設しても必要です。
また、iDeCo加入後も口座管理手数料がかかります。掛金を拠出している間は運営管理機関、事務委託金融機関、国民年金基金連合会に対して、手数料を支払わなければなりません。運営管理機関手数料は金融機関毎に異なります。りそな銀行の場合、加入後2年間は運営管理機関手数料が無料です。
また、投資信託などの商品で運用するのにかかる手数料(信託報酬)は、資産額が増えるほど負担も増します。運用商品を選ぶ際は信託報酬も考慮しましょう。

手数料について詳しくはこちら

原則60歳まで引き出せない

一番注意するべきことは「原則60歳まで引き出せない。」ということです。
例えば、定期預金であれば予定外の大きな出費があったときは、解約してお金を引き出すことができます。iDeCoは原則60歳まで引き出すことはできません。
iDeCoを脱退し一時金を受取れるケースもありますが、国民年金保険料の納付が免除されており、且つ通算拠出期間が5年以下、また個別管理資産額が25万円以下などの条件が定められており、大きな出費があるからといった理由での引き出しはできません。

掛金の積立てが難しくなったときは、掛金の変更や停止をすることができます。停止後は年金資産の運用のみを行うことになりますが、その間も所定の口座管理手数料がかかります。また、再開するには再度加入申込み手続きが必要です。

元本割れのリスク

運用次第で受取る金額を増やすこともできますが、その反面元本割れのリスクもあります。(元本確保型の商品もあります)
あくまでも運用は、自己責任のため、運用方法や商品は慎重に選択する必要があります。

掛金の上限

掛金は毎月5千円以上、千円単位で設定する必要があります。また、掛金はお客さまの状況により上限があります。お勤めの方の場合は、勤務先の年金制度や加入状況によって掛金の上限が異なるため、まずはお勤め先で確認されることをおすすめします。

掛金の上限について詳しくはこちら

iDeCoに加入できる方

2017年1月から主婦(主夫)や公務員の方もiDeCoに加入できるようになりました。
2022年の法改正では、5月に加入可能年齢が引き上げられ、会社員・公務員、または国民年金の任意加入被保険者であれば60歳以降も掛金を掛けられるようになり、10月からは企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者も規約の定めが無くても、原則iDeCoに加入できるようになりました。

加入資格と掛金の上限額について詳しくはこちら

  • iDeCo(イデコ)に加入するメリットや注意点について

専業主婦の方はこちら

公務員の方はこちら

企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者の方はこちら

iDeCo加入から
受取りまでの流れ

次に、iDeCoの加入から受取りまでの流れを見ていきましょう。

運営管理機関を決定

運営管理機関は1人1社しか選ぶことができません。
運営管理機関によって、選択できる運用商品の数、口座管理手数料だけでなく、対面相談できる窓口の有無、コールセンターの営業時間、ホームページの分かりやすさ、なども異なりますので、ご自身の状況に合わせて運営管理機関を選択しましょう。
なお、時間と手間はかかりますが、運営管理機関を途中で変更することもできます。

始める際に必要な準備について詳しくはこちら

加入申込み

運営管理機関が決まれば、書類を取り寄せ、加入手続きを行います。
会社員や公務員の方は「事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書」が必要なので、勤め先に記入を依頼して下さい。
全ての書類が揃ったら運営管理機関へ提出します。

国民年金基金連合会の審査

運営管理機関は、iDeCoを統括する国民年金基金連合会へ書類を提出し、連合会での審査を受けます。1~2か月後、国民年金基金連合会から個人型年金加入確認通知書が、また記録関連機関から口座開設のお知らせとパスワードが届きます。
口座開設のお知らせとパスワードが届いたら、購入する運用商品の指定を行います。

初回掛金の引落し

原則毎月26日に掛金が引落しされます。
初回の引落しがいつから始まるかは、申込書類が各運用管理機関に到着した日によって異なりますが、申し込み月の翌月から1か月分、もしくは翌々月に2か月分の掛金が引落しされます。

確定拠出年金を受取る

原則60歳以降に、積み立てた年金資産を受取ることになります。
受取り方には、「年金」「一時金」「年金と一時金の組み合わせ」の3つの方法があります。退職金や公的年金の受取額やライフプランを考えた上で、受取り方法を選択します。

受取り方によって、税金の計算方法が異なります。

年金で受取る場合

老齢給付金を年金として受取る場合は雑所得として課税されますが、他の公的年金などの収入と合算して公的年金等控除の対象となります。
公的年金等の収入の合計額が65歳未満であれば60万円まで、65歳以上であれば110万円までは税金がかかりません。

  • 「公的年金等の収入の合計額」は主に以下の合計金額となります。
  • 国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法などの法律の規定に基づく年金
  • 恩給(一時恩給を除きます)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
  • 確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金

一時金で受取る場合

老齢給付金を一括で受取る場合は、退職所得となり、退職所得控除を受けることができます。確定拠出年金の積立期間(勤続年数)によって控除額が算出されます。複数の退職所得がある場合は、合算して退職所得となり、所定の調整が行われます。

受取り方による税額計算の違いについて詳しくはこちら

受取り前に加入者が亡くなった場合は、年金資産が「死亡一時金」として、遺族に支払われます。あらかじめ、受取人を事前に決めておくこともできます。
加入者が亡くなった時に自動的に支払われるという制度ではなく、遺族の方による請求が必要となりますので、ご家族に伝えておくとよいでしょう。

iDeCo加入後の変更手続き

掛金額を変更する場合

掛金額は12月から翌年の11月までの間に年に1回変更できます。所定の書類の提出が必要です。ご利用の運営管理機関へお問合せください。

運用商品の変更する場合

毎月の掛金で購入する運用商品の比率を変更したり(配分変更)、購入済みの運用商品を売却・解約し、他の運用商品に買い替えたり(スイッチング)することもできます。インターネットまたはコールセンターから手続きできます。

途中で転職した場合

iDeCoに加入後に、転職し状況が変わることもあるでしょう。その際、転職先が企業型確定拠出年金を実施しているか、iDeCoへの加入を認めているかによって、手続きが異なります。

企業型確定拠出年金にiDeCoの資産を移換するか、そのまま持ち続けられるか、勤務先に確認し、忘れずに必要な手続きを行ってください。

転職時の手続きや注意点について詳しくはこちら

  • 当記事は2022年10月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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