【企業型DC加入者向け】2026年制度改正で企業型DCとiDeCoはどう変わる?
公開日:2021/09/04
更新日:2026/06/08

確定拠出年金制度(DC)は、私的年金制度の一つです。社会環境の変化に応じてたびたび制度改正されており、制度の利用条件や拠出限度額などが変更されています。
2026年の制度改正には、マッチング拠出の制限撤廃、企業型DC・iDeCoの拠出限度額の増額などがあります。現在DCを利用している方は、改正内容を知っておきましょう。
今回は、企業型DC加入者へ向けて、2026年における私的年金制度の改正内容を解説します。改正に際しての注意点も取り上げますので、記事を参考に、運用方法を見直していきましょう。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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住宅会社・生命保険会社を経て2002年からファイナンシャルプランナーとして個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。
- ※りそなグループが監修しています
2026年制度改正における
4つのポイント
2026年制度改正のポイントは以下の4つです。
改正点①
退職所得控除の5年ルールが10年ルールに(2026年1月~)
改正点②
企業型DCのマッチング拠出制限撤廃(2026年4月~)
改正点③
企業型DC・iDeCoの拠出限度額引上げ(2026年12月~)
改正点④
iDeCoの加入年齢上限の引上げ(2026年12月~)
それぞれ内容を詳しく解説します。
改正点①
退職所得控除の5年ルールが10年ルールに(2026年1月~)
退職所得控除は、退職所得(退職金や企業型DC・iDeCoの一時金受取)にかかる税金を計算する際、収入額のうち一定額を課税対象から差し引ける制度です。退職所得控除が増えるほど、税負担を抑えられます。
2025年までは、企業型DC・iDeCoの一時金を受け取った後、異なる年に退職金を受け取る場合、企業型DC・iDeCoの一時金の受取り後、5年以上経過してから退職一時金で受け取れば、企業型DC・iDeCoの一時金と退職一時金の両方に退職所得控除を満額適用できました。しかし、2026年1月以降、退職所得控除を満額適用させるのに必要な期間が、5年から10年に変更されています。
なお、制度変更により、企業型DC・iDeCoの一時金と退職一時金の両方に退職所得控除を満額適用することが難しくなりますが、以下①②に該当する方は「改正点①」の影響を受けることはありません。
- ①「企業型DC・iDeCoの一時金と退職一時金を同一年内に受け取る方、退職一時金を受取った後、異なる年に企業型DC・iDeCoを一時金として受け取る方※」
- ※退職金一時金を受取った後、異なる年に企業型DC・iDeCoを一時金として受け取る場合、退職所得控除のいわゆる「19年ルール」が適用されるため、満額での控除を受けられない可能性があります。
- ※19年ルールとは企業型DCやiDeCoを一時金として受取った前年以前19年内に、退職一時金を受け取っている場合、企業型DCやiDeCoの退職所得控除が調整される制度です。
- ②「企業型DC・iDeCoの一時金と退職金の合計額が退職所得控除の枠内に収まる方」
詳しくはこちら
改正点②
企業型DCのマッチング拠出での加入者掛金額の制限撤廃(2026年4月~)
マッチング拠出は、企業が拠出する企業型DCの掛金に加入者も上乗せして掛金を拠出できる制度です。これまで、加入者掛金は事業主掛金の金額を超えられないという制限がありましたが、2026年4月から撤廃されています。
マッチング拠出と企業型DCの合計額が月額5万5,000円以内(※)でありさえすれば、加入者掛金が事業主掛金を超えてもよくなったため、運用の自由度が高まりました。自分に合った資産形成がしやすくなり、老後の人生設計にも影響を与えるかもしれません。
- ※2026年12月受付分(2027年1月引落し分)より月額6万2,000円に引上げ予定
ただし、企業型DCの制度変更には、導入企業の規約変更が必要です。法改正と同時にマッチング拠出制限を撤廃する企業もあれば、改正点③の拠出限度額引上げに併せて制度を変更する企業もあります。ご自身の所属する企業でどのような対応をするのか、調べておきましょう。
改正点③
企業型DC・iDeCoの拠出限度額引上げ(2026年12月~)
現行制度において、企業型DCとiDeCoを併用している場合(その他の企業年金への加入がない場合)、企業型DCとiDeCoの合計の掛金上限額は、月額5万5,000円であり、そのなかでiDeCoが月額2万円までとされます。
- ※企業型DC・iDeCoの他に確定給付年金(DB)等その他の企業年金へ加入している場合、その掛金も月額5万5,000円の枠に含めて計算します。
この上限額が2026年12月から月額6万2,000円となります。
企業型DCとiDeCoを併用した場合に、iDeCoの掛金上限額(月額2万円)も撤廃されます。
企業型DCとiDeCoは掛金が全額所得控除となるため、改正後に掛金額を増やせば、税制メリットを最大化できます。
ただし、加入されている企業型DCの掛金拠出額の上限を引き上げるには、制度導入企業の規約変更が必要です。
改正点④
iDeCoの加入年齢上限の引上げ(2026年12月~)
iDeCoは自営業・専業主婦(夫)の方は原則60歳、会社員・公務員の方は原則65歳までしか利用できませんでしたが、2026年12月から働き方に関わらず、70歳まで加入可能になる予定です(※)。加入期間が延びるため、より多くの掛金を拠出できます。これにより、老後資産形成の手段としてのiDeCoの価値が高まるでしょう。
- ※60歳以上70歳未満の老齢基礎年金およびiDeCoの老齢給付金を受給していない方のうち、以下のいずれかを満たす場合
- iDeCoの加入者または運用指図者であった方
- 私的年金の資産をiDeCoに移換できる方
企業型DC加入者が
知っておくべき注意点
企業型DC加入者が、今回の改正で注意したいポイントを2つ解説します。
マッチング拠出とiDeCoは併用できない
企業型DCとiDeCoは併用できますが、企業型DCでマッチング拠出をしている場合iDeCoの併用はできません。利用する制度を切り替えたい場合は手続きが必要です。
これまではマッチング拠出額が会社負担の掛金額を超えられなかったため、より多くの資産を運用したい場合、企業型DCとiDeCoを併用するのが有力な選択肢でした。今回の改正でマッチング拠出の制限が撤廃され、iDeCoからマッチング拠出への切り替えを検討する方もいるかもしれません。
ただ、利用する制度の切り替え手続には時間がかかります。手続のタイミングによっては、掛金がゼロになってしまう期間が生じる可能性もある点に注意しましょう。
マッチング拠出の制限撤廃と企業型DCの上限額変更の実施時期は企業によって異なる
企業側では、規約や社内制度の変更などが必要です。そのため、マッチング拠出の上限撤廃と企業型DCの上限額変更を実施する時期は、企業によって異なります。
上限撤廃がいつ行われるのか、所属する企業の担当部署に相談してみましょう。
また、マッチング拠出をそもそも行っていない企業の場合、今回の法改正は関係ありません。

企業型DCの
マッチング拠出とiDeCo
どちらを選ぶべき?
2026年4月の法改正により、マッチング拠出の制限が撤廃されました。現在、企業型DCとiDeCoを併用している方で、iDeCoの掛金額を上限の月額2万円よりも多くしたい方は、マッチング拠出に切り替えるのも一手です。
- ※マッチング拠出の制限が撤廃されるタイミングは企業により異なるため所属する企業の担当部署にご確認ください。
ただし、2026年12月の制度改正で、企業型DCとiDeCoを併用する場合、合計の掛金上限額が月額6.2万円に引き上げられ、iDeCoの掛金上限額も2万円も撤廃されます。企業型DCとiDeCoを合計した拠出額を増やしたい場合は、12月まで待つのも選択肢の一つです。
- ※改正後の制度を利用するには勤務先が企業型DC規約を変更する必要があるため、適用時期も含めて会社の担当部署に確認してください。
これらの法改正も踏まえながら、運用できる商品のラインアップや手数料、手続きのしやすさなどを考慮して運用方法を選びましょう。
まとめ
2026年の法改正により、企業型DCとiDeCoの利用の幅が広がります。マッチング拠出の制限が撤廃され、年末には企業型DCとiDeCoを併用する場合の掛金上限額の引上げなどが予定されているので、改正を機に資産運用を見直してみましょう。
iDeCoと企業型DCにはそれぞれ特徴があります。自身の運用方針や、手続きの手軽さなどをふまえて、利用する制度を選択しましょう。
iDeCo(イデコ)をはじめる場合は、まず自分の加入資格や掛金の上限額などを確認し、運営管理機関を決めることからスタートします。毎月の掛金額から運用商品選びまで、自分で設定するのは難しいと感じるかもしれません。 運営管理機関によっては、加入時だけでなく加入後も、店頭やコールセンターで個別相談できます。問合せや相談のしやすさも選定の基準となるでしょう。
当記事は2026年6月8日現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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