住宅ローン完済後にすること、考えたいこと
2022/01/28最終更新
長年返済してきた住宅ローンが完済となれば、喜びもひとしお。その分を何に使おうかと夢も膨らむのではないでしょうか。しかし、必要な手続きをうっかり怠ると後々面倒なことになる可能性もあります。まずは手続きをしっかり行うことが重要です。
そのうえで、これまで返済に充ててきた資金をどう使うべきかじっくり考えてみてはいかがでしょうか。余裕が出た分つい使いすぎてしまう、といったことを防ぐためには積み立て方式の金融商品の利用などが考えられます。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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大手生命保険会社、証券会社勤務を経て、2019年りそな銀行入社。
- ※りそなグループが監修しています
住宅ローン完済後にすること
~抵当権の抹消~
住宅ローン完済後に必要な手続きとして抵当権の抹消があります。住宅ローンを完済すると、ローンを借りていた金融機関からその手続きについて案内はありますが、手続き自体は債務者(借り手)が行います。抵当権の抹消手続きは義務ではないものの、そのままにしておくと後々面倒なことになる可能性もありますので、注意が必要です。
抵当権とは?抵当権の抹消手続きはなぜ必要なのか
そもそも抵当権とは、住宅ローンの債務者(借り手)がローンを返済できなくなった場合に、債権者(貸し手)が債務者の土地や建物から他の債権者より優先的に返済を受けることができる権利を言います。住宅ローンを借りる際には、通常、不動産の登記簿に抵当権設定の登記を行うことが条件であり、これには債権者が貸付金に対して担保を取るという意味合いがあります。
一方、住宅ローンを完済した場合には、債務者は不動産の登記簿から抵当権を抹消できます。住宅ローンを完済すると、金融機関から案内があり、抵当権抹消のために必要な書類が送られてきますが、手続き自体は債務者が行う必要があります。
手続きを怠ると、当該不動産の買い手が見つからない、その土地や建物を担保として新たな借入れができないことがある等の不都合が生じます。また、相続が発生したケースなどでは手続きが煩雑になる点も注意が必要です。
金融機関から送られてくる抵当権抹消に必要な書類には有効期限があるものもありますので、早めの手続きがおすすめです。
抵当権抹消手続きの流れ
抵当権抹消手続きの流れとしては下記のようになります。
①金融機関等から送られてきた申請に必要な書類を準備
②居住地を所管する法務局に抵当権抹消登記の申請
※現在ではマイナンバーカードがあればオンライン申請も可能となっています。
抵当権抹消の登記をオンライン申請したい方(法務局のサイトへリンクします)
抵当権抹消にかかる費用は数千円程度です。
なお、自分で手続きするのが面倒な場合には、司法書士に依頼することもできますが、その場合は費用が数万円程度かかります。なお、相続と同時の完済(債務者がなくなり、団体信用生命保険による弁済が行われた場合など)は手続きが複雑になるため、司法書士への依頼するのが一般的です。
住宅ローン完済後に考えたいこと
~返済に充てていた資金の使い道~
住宅ローンを完済すると、今まで返済に充てていた資金が浮くことになりますので、つい使い過ぎてしまうことがあります。そうならないように使い道はしっかり考えておきたいものです。
定年後、再雇用で働いている間は、現役時代よりは減ったとしても定期的な収入はあります。このため、ローンの返済に充てていた資金を全額とは言わないまでも、例えば半分は使わずに将来に備えて積み立てる、といったことは選択肢となりそうです。
その場合、毎月自動的に引き落とされて積み立てができるタイプの商品なら、知らず知らずのうちにたまっていき、使い過ぎ防止にもつながります。
おすすめは
積み立てができる商品
毎月自動的に普通預金から引き落とし、積み立てができる商品には様々なものがあります。状況に応じて選択するとよいでしょう。代表的な商品としては以下のものがあります。
積立定期預金
定期預金の積立版です。元本保証で安全性が高いため、数年以内に使い道が決まっているような場合に適しています。
ただし、近年では金利が非常に低いため、あまり増やすことはできません。預金に預け入れたままでは、中長期的にインフレによって実質的な価値が目減りしてしまうリスクにも注意が必要です。
積立投資信託
投資信託は専門家が投資先を選んで分散投資を行う商品です。例えば、株式投資に興味はあってもどの株式を買ったらよいのかわからない、といった投資初心者や投資経験に乏しい方でも始めやすい商品です。
この投資信託を定期的に買い付ける商品が積立投資信託です。投資信託には価格変動リスクがありますが、積立投資信託なら一度にまとまった資金を投じるのではなく、投資タイミングを分散させることにより、価格変動リスクを抑える効果が期待できます。
あらかじめ決めた一定の金額を毎月同じ日に買い付ける仕組みですので、相場をチェックしながらタイミングに悩む必要もありません。
また、販売会社によって違いはあるものの月々1,000円など少額から始めることができるため、投資は初めてという方でも気軽に始められる商品です。
人生100年時代における60代からの積立投資の効果
かつては、60歳で定年退職し、公的年金の受給も始まって悠々自適の老後という時代もありました。しかし、男性では2021年の4月2日に満60歳を迎えた人から(1961年4月2日以降生まれ)は公的年金の受給が65歳開始へ完全移行となるなど年金をめぐる事情も様変わりし、働く60代は近年急増しています。
60代のお金事情、平均貯蓄額は?できることから始めたい老後への備え
人生100年時代と言われる中、長生きすることで老後資金が底をついてしまうリスクに不安を抱く方は多いのではないでしょうか。しかし、定年時の退職金を運用するとともに、再雇用などで働いている間に積立投資を行えば、「資産寿命」をさらに伸ばすことが期待できます。
まとめ
住宅ローン完済後に必ずしておきたいこととして、抵当権抹消の手続きがあります。これを怠ると様々な不都合が生じる可能性があるため、できるだけ速やかに手続きをすることが重要です。
一方、これまで返済に充てていた資金をどう使うかもしっかり考えておきたいものです。つい使いすぎてしまうリスクを防ぐためには、自動引き落としで積立ができる商品が適しています。
当面使う予定のない資金であれば、投資タイミングの分散により価格変動リスクを抑える効果が期待できる積立投資信託などを検討してみてはいかがでしょうか。
りそなでは積立投資信託をご契約いただいた場合、お取引内容に応じてポイントを受け取ったりコンビニATM手数料が実質無料となる特典もあります。投資に興味はあるものの経験がなく不安といった方もお気軽にご相談ください。
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本記事は2022年1月28日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。
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