ノーロードとは?メリット・デメリットやファンドの選び方
公開日:2022/03/31
更新日:2025/05/27

「投資信託をしたいけど、ファンドの種類が多くてどれを選べば良いかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
投資初心者の方は、「ノーロード・ファンド」から選ぶのも一つの方法です。ノーロード・ファンドとは、購入時に手数料がかからない商品を指します。
この記事では、ノーロードの概要と、メリット・デメリット、ノーロード・ファンドの選び方などをわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 私が書きました
-
- 主なキャリア
-
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経てFP事務所開業。より豊かに自分らしく生きるためには、「お金と向き合うこと」が大切との想いから、相談・執筆・講師として活動。知識だけでない経験を踏まえたアドバイス、そしてサポートを提供。
- ※りそなグループが監修しています
ノーロードとは
「購入時手数料がかからない投資信託」

ノーロード(ノーロード・ファンド)とは、購入時手数料がかからない投資信託(ファンド)です。投資信託の購入時手数料をロード(load)と呼びます。
投資信託とは、投資家から集めた資金をもとに、ファンドマネージャーと呼ばれるプロが債券や株式などに投資し、運用で得た利益を投資家に還元する金融商品です。運用をプロに任せているため、投資家自ら運用する必要はありません。
投資信託は証券会社や銀行などの販売会社で販売されており、インターネットからでも購入できます。販売会社が投資家から集めた資金は、信託銀行(管理会社)に預けられ、信託銀行は運用会社からの指示にしたがって株や債券などを売買します。運用によって得られた成果が、分配金や償還金として、販売会社を通じて投資家に還元されるのです。
投資信託は、ファンドを選んだあとの管理運用を専門家に任せることができるので、自分で運用する手間がかかりません。
投資信託のなかでも、ノーロードは購入時手数料がかからないため、初期費用を抑えられる分、投資初心者にもおすすめです。
ノーロード・ファンドに
投資するメリット
ここからは、ノーロード・ファンドに投資するメリットを紹介します。
運用効率を高められる
投資信託には、購入・保有・解約のそれぞれのタイミングで、「購入時手数料」「信託報酬(運用管理費)」「信託財産留保額」といった手数料が発生します。
- 購入時手数料:投資信託の購入時に販売会社へ支払う手数料
- 信託報酬(運用管理費):投資信託の保有期間中に運用会社へ支払う費用
- 信託財産留保額:投資信託の解約時(売却時)に差し引かれる金額
信託財産留保額は償還時まで保有すれば発生せず、また、ファンドによって発生しないものもあります。
上記のほかにも、監査法人へ支払う「監査報酬」や、事務手続きに対する「換金時手数料」などがかかることもあります。これらの手数料はファンドによって異なるため、運用成果は同じでも手数料が違うことで利益に大きな差が出ます。
ノーロード・ファンドなら、買い付けた金額から購入時手数料が差し引かれないため、初期費用を抑えて運用効率がアップしやすい点がメリットです。
投資家が積極的に購入しやすい
購入時手数料がかかる場合、ファンドの購入回数が増えるほど支払う金額も増えていき、購入時の負担が大きくなります。
一方、ノーロード・ファンドなら購入時手数料がかからず、購入時の負担を抑えられます。そのため、投資家が積極的に購入しやすく、特に市場の変動などに合わせて頻繁に売買する方や、積立投資を希望する方に向いています。
ノーロード・ファンドに
投資するデメリット
ノーロード自体にデメリットはありませんが、注意点としてノーロードだからといって、トータルコストが低いとは言い切れません。
購入時手数料がかからないノーロードでも、信託報酬やファンドによっては信託財産留保額などのコストはかかります。これらの金額によっては、ほかのファンドよりもトータルコストが高くなる可能性もあるのです。
ファンドを選ぶ際は購入時の手数料だけでなく、保有中や換金時までのコストも含め、総合的に判断しましょう。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- ノーロード(購入時手数料が無料)で、信託報酬が年間2%の場合:10年間でかかる費用は20%
- 購入時手数料が2%で、信託報酬が年間1%の場合:10年間でかかる費用は12%
上記の場合、ノーロードではない後者のほうが、10年間のトータルコストを抑えられています。
商品購入の際は目論見書(※)などでファンドのコスト面を確認し、トータルコストを考えて最適なファンドを選ぶようにしましょう。
- ※目論見書とは投資信託説明書とも呼ばれ、投資信託の募集・販売の際に使用する投資信託の募集要項や費用、運用の内訳などを記した書類のこと。
ノーロード・ファンドを
選ぶ4つのポイント

同じノーロードでも、運用方針や投資対象はファンドによって異なります。ファンドを選ぶ際の4つのポイントを見ていきましょう。
運用手法
投資信託は、運用手法の違いによってインデックスファンド、アクティブファンドに分かれています。
投資成果を評価する基準(ベンチマーク)として、特定のインデックス(日本株ならば、日経平均株価など)を設定し、これと連動する投資成果を目指すのか、これを上回る投資成果を目指すのかという違いがあります。
- インデックスファンド:ベンチマークに連動する成果を目指すファンド
- アクティブファンド:ベンチマークを上回る成果を目指すファンド
ノーロード・ファンドにも、インデックスファンド、アクティブファンドがありますが、なかでも投資初心者におすすめなのがインデックスファンドです。
インデックスファンドは投資指数に連動して成果が出るように運用されているため、値動きがわかりやすいという特徴があります。また、一般的にアクティブファンドよりも信託報酬が安く設定されており、運用コストを抑えられます。
なお、インデックスファンドとアクティブファンドについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
投資対象
投資信託の運用対象となるものは債券や株式、不動産などがあります。投資地域も国内・海外と異なります。海外に投資すると言っても、全世界を投資対象とするものもあれば、先進国のみ、新興国のみと地域を限定しているものなどさまざまです。
投資対象によってリスクが異なり、結果としてリターンに差が生じます。例えば運用対象が株式の場合、投資先の会社に利益が出た場合は投資信託の基準価額が上昇し利益が出るかもしれませんが、反対に会社の業績が悪化すれば損失が出てしまうかもしれません。
投資対象にどのようなリスクがあるのか知っておけば、期待できるリターンもしくは損失の可能性を予測できます。
参考として、投資信託の主なリスクの種類は、以下のとおりです。
リスクの種類
価格変動 リスク |
投資対象の株式や債券の価格が変動するリスク |
---|---|
為替変動 リスク |
外貨建て商品において、「円とドル」「円とユーロ」などの為替相場が変動するリスク |
信用(デフォルト) リスク |
株式や債券を発行する国や企業が、財政難・経営不振などによって債務不履行(支払い不能)となるリスク |
カントリーリスク | 投資対象の国・地域の政治や経済が不安定化し、基準価額の下落や運用困難になるリスク |
流動性 リスク |
取引量が限定され、「売りたくても売れない」「低価格でしか売れない」といった状況に陥るリスク |
購入時手数料以外の費用
ノーロードでも、信託報酬などのコストはかかります。
信託報酬などのコストが高いと、利益がそれによって目減りしてしまいます。
特に、ファンドの長期保有を予定している場合は、運用中に発生する信託報酬が何%なのか調べておきましょう。信託報酬の差がわずかでも、長期的に見るとコストに大きな差が出ます。
運用実績
投資信託は、運用状況によっては損失が発生する可能性もあります。過去の運用実績は、今後の運用成果を保証するものではありませんが、ファンドを選ぶうえでの参考となります。
その場合、直近だけではなく、なるべく長期間の運用実績を確認するようにしましょう。
また、投資対象や運用手法が同じファンド(例えば日経平均株価をベンチマークとするインデックスファンド)を選び、運用実績を判断することも有効です。
ノーロード・ファンドを購入する際は、上記のようなポイントに注意しながら検討してみましょう。
ノーロード・ファンドの
購入方法
ここでは、ノーロード・ファンドを実際に購入する際の手順を紹介します。
口座を開設する
前章「ノーロード・ファンドを選ぶ4つのポイント」を参考に投資対象を決めたら、購入したい商品を扱う金融機関で口座を開設します。商品のラインナップは、金融機関のホームページなどで確認しましょう。
りそなで投資信託をはじめる場合は、普通預金口座と投資信託口座の開設が必要です。
商品を選択する
口座開設が完了したら、目的に合った商品を検索・選択しましょう。
りそなでは、購入時手数料が無料のさまざまなノーロード・ファンドを取り扱っています。一部のファンドでは信託財産留保額もかからないため、初期コストやトータルコストを抑えた運用が可能です。
購入手続きをする
最後に、商品の購入手続きに進みます。まとまった金額を一括購入するのか、毎月決まった金額を購入するのかを設定します。
なお、商品の購入後も、定期的に運用状況を確認することを忘れないようにしましょう。
まとめ
購入時手数料がかからないノーロード・ファンドは、初期費用を抑えて運用を始められるのが特徴です。ただし、信託報酬などその他の手数料が比較的高く設定されている場合もあり、条件によってはトータルコストが高くなる可能性があるため注意が必要です。
りそなでは、投資初心者にもおすすめのノーロード・ファンドを取り扱っています。一部のファンドでは信託財産留保額がかからず、信託報酬も抑えられているため、コストを抑えた運用が可能です。これから投資を始めたい方は、りそなのノーロード・ファンドをぜひご検討ください。
本記事は2025年5月27日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等または制度の改正等を保証する情報ではありません。