投資とは?初心者がまず押さえるべきポイント

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「失敗しにくい方法といわれても、投資はうまくいく気がしない」「損するイメージがあって、あまり気が進まない」、そんな方も多いかもしれません。
逆に、「長期・積立・分散なんておもしろくない。もっと儲かる方法があるのでは!?」と欲が出てくることも……。
今回は、投資を行う意味について、改めて考えてみましょう。

私が書きました
主なキャリア

銀行で資産運用提案業務等を経験後、資産運用会社にて投資商品・サービスの企画および投資教育セミナー・研修等の講師を多数担当。現場で培ったお客さま目線をもとに、一見わかりにくい資産運用の世界を「翻訳」し、疑問や不安を払拭することで、すべての人に資産形成を広めることを目指している。

  • りそなグループが監修しています

「投資=ギャンブル」というイメージは日本特有?

よく、米国や欧州に比べると、日本は個人の金融資産に占める投資の比率が低いといわれます。

この理由のひとつとして、日本人の「投資=ギャンブル」という感覚と、欧米人の「投資しないのはもったいない」という感覚の違いがあるのでしょう。

筆者は、米国の運用会社で研修を受けた時、現地の方から「アメリカ人は投資するのが基本で、投資しないのはもったいないと考えている人が多い」という話を聞いて、非常に衝撃を受けた記憶があります。

過去の投資体験の違い

この感覚の違いが何によってもたらされたかというと、過去の投資体験の違いが大きいのではないでしょうか。下のグラフをご覧ください。日本、米国、欧州の平均株価の推移を比較すると、大きな違いがわかります。

仮に、今から約31年前(1989年1月)に100万円を投資していた場合、米国の場合は、100万円がなんと1,128万円に増えています。
欧州では、米国ほどではありませんが、100万円が約30年で376万円に。

一方、日本では、約30年前に投資した100万円が69万円と、元本割れしています。
つまり、30年前に投資を行った人は、30年間長期投資を続けたとしても、損をし続けているということです。

投資信託等での世界への分散投資が一般的になる以前は、自国の株式市場で投資をしていた方が多いと考えられますので、この結果を見ると、日本では過去長期にわたり投資によって成功体験を得られた人が少なかったのではないかと推察できます。

【日本・米国・欧州の平均株価の推移】 期間:1989年1月末~2020年7月末

日本、米国、欧州の平均株価の推移

横スクロールできます。

【使用インデックス】日本:日経平均株価、米国:NYダウ平均株価、欧州:ユーロ・ストックス600指数
※1989年1月末を100として指数化。
(出所)ブルームバーグデータよりりそなアセットマネジメント作成

投資のリスク。偏ったマーケットに投資すると、報われないことも

日本のみで投資を行うことは、偏ったマーケットに投資していることになります。
この場合、運用の鉄則である「長期投資」を続けたとしても、報われないことも。

投資を始めて少しリターンが得られると、「せっかく投資をするなら、大きく価値が上がりそうな資産に投資をしたい!」という方も多いと思いますが、「大きく価値が上がりそうな資産」を狙おうとすると、失敗してしまうことがあります。

成長性がそもそもない資産への投資(例:為替や商品の価格)

「成長性がないもの」とは、たとえば「商品価格(原油、穀物、貴金属等)」や「通貨」等が該当します。

商品や通貨自体には持続的な成長性はなく、その時の価格を反映して値動きしているだけなので、長期的に持ってもあまり効果はなく、短期取引による差益を狙う手法が主流です。
仮想通貨もこの仲間に入るといえるでしょう。

以下のグラフで長期的に見ても、時代によって価格が上下に動いているだけで、持続的な成長は確認できません。

商品価格(原油、穀物、貴金属等)の値動き

(出所)ブルームバーグデータよりりそなアセットマネジメント作成
使用インデックス:ブルームバーグ商品指数

成長性が不安定・低い資産への投資

「成長性が不安定なもの」に投資をする場合にも注意が必要です。

先ほど、通貨自体には成長性がないとお伝えしましたが、新興国などにおいて国自体が大きく経済成長をしていく過程で、相対的にその国の通貨が強くなる(通貨高となる)場合があります。

以前は、新興国の代表格として注目されていた、ブラジルやトルコ等の通貨建てで投資を行う方も増えていました。
しかし、これらの国の通貨は、経済成長の低迷に伴い、高値からおよそ3分の1から5分の1程度まで下落していることが、グラフからもわかるでしょう。

また、「成長性が低い資産」として、先ほどあげたような日本の株式なども、残念ながらこの部類に入ります。

トルコリラ為替レート(対円)
ブラジルレアル為替レート(対円)

「当てにいく投資」と「当てにいかない投資」

ここで、改めて「なぜ投資するとリターンが得られるのか?」について考えてみましょう。それは、「投資したものが成長しているから」に他なりません。

リターンの源泉は「成長」!

GDPを世界と日本で比較してみると、世界経済はデコボコがありながらも、着実に過去数十年にわたり成長を続けています。

一方、日本は長い間経済成長は大きく変化していません。株の動きを見てみると、やはり同じように横ばい状態です。

自分が成長したからこそ、その見返りとして給料が上がるのと同じで、企業が成長したからこそ、株価が上がり、それに投資した人も投資成果(リターン)が得られます。

世界が成長を続けているからこそ、リターンが得られるのであって、成長性が低い国で投資を行っても、長い目で見るとリターンが得られないのは当然といえば当然です。

【世界のGDPと株価の推移】 期間:1989年1月末~2020年7月末

世界のGDPと株価の推移

横スクロールできます。

(出所)ブルームバーグ、IMFのデータよりりそなアセットマネジメント作成

高度な知識によって、相場の上げ下げを捉える「当てにいく投資」

長期的な成長に目を向けるのではなく、短期的な相場の上げ下げを当てにいく方法も、もちろんあります。投資というと、どちらかといえばこのようなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、この「当てにいく投資」では、毎日の価格の値動きやニュースに常に目を配るだけでなく、様々なデータを使った分析、海外の政治・経済動向の予想など、資産運用を仕事にしているプロが行っているような、相当高度な知識やテクニックが必要です。

また、投資するタイミングの当たり外れによって、投資成果が大きく左右されます。

長期分散投資は、誰でもできる「当てにいかない投資」

これに対し、長期分散投資は、世界全体に網を広げ、長い目で世界経済全体の成長をとらえる「当てにいかない投資」です。

先ほどのグラフが示す通り、長い目で見れば世界は成長を続けています。
働いている皆さんにとっては、四六時中相場を見なければならない「当てにいく投資」よりも、長期・積立・分散を継続する「当てにいかない投資」の方が、簡単に実践いただけるのではないでしょうか。

「当てにいく投資」と「当てにいかない投資」の対比表

横スクロールできます。

まとめ

投資初心者の方や、毎日忙しく働いている皆さんにおすすめしたいのは「当てにいかない投資」です。
実践方法は、世界に幅広く網を広げる「分散投資」が基本となります。

ただし、自身で世界各国の株式や債券をいくつも購入するのは非常に大変です。
また、分散できる数にも限りがあります。手軽に世界中に分散投資を行える方法として、「投資信託」を活用するのがおすすめです。

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