株価が下落する理由とは?相場の急変に備える2つの対処法
公開日:2022/09/30
更新日:2025/11/18

株式市場や為替市場などの金融市場は、日々動いていますが、時には急激に変動することもあります。例えば、株価が急落した場合、株式に直接投資している場合はもちろん、株式を投資対象としている投資信託を保有している場合も影響を受けることになります。また、為替相場が急変すれば、海外の資産を投資対象とする投資信託はその影響を受けます。
株価が下落した際、「保有している投資信託はどうなる?」「これからどうすべき?」といった不安を感じる方もいるはずです。
株価下落の際の選択肢には、様子見、売却、買い増しの3つがあります。相場の急変による資産への影響を抑えるには、対処法を理解しておくことが重要です。
本記事では、株価が下落する主な原因や、株価下落の際に避けたい行動、株価下落の影響を抑えるための対処法などについて解説します。
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なぜ株価が下落?主な6つの原因
株価の下落には、景気や金利、企業業績といった経済要因から、政治・地政学リスクや投資家心理まで、さまざまな背景があります。
相場の急変には複数の要因が重なることもあり、突発的に大きな値動きとなることも少なくありません。まずは、株価が下がる主な原因を解説します。
為替の変動
輸出や輸入を行う企業にとって為替の変動は、業績に直接影響し、株価にも反映される要因です。具体的には、輸出企業の場合、円高になると輸出による収益が目減りするため、業績が悪化して株価が下落しやすくなります。
急激な為替の変動は経済全体を不安定にさせるため、結果的に株価が下落する原因となることもあります。
市場心理・投機的要因
市場心理として、投資家の間で株価に対する不安が広がると、企業業績に関係なく売りが殺到することがあります。大勢が売るとほかも追随する「群集心理」が働くことで、株価の下落を加速させるのです。
また、短期利益を狙う投機筋の大量売買や、信用取引での強制決済が連鎖的に発生するなどの投機的要因が、株価の下落を引き起こすこともあります。
政治・地政学リスク
政策の先行きが見通せない政治リスクが、株価の下落につながることもあります。規制強化や金融政策の転換などが企業業績に悪影響を与える懸念が投資家のなかで高まると、売りが増加するためです。
そのほか、戦争やテロ、国際紛争による貿易量の減少や経済制裁などの地政学リスクが、市場に不安をもたらして株価を下落させることもあります。
企業業績の悪化
決算発表で売上高や利益が市場予想を下回ると、投資家の失望売りが殺到することがあります。特に株価下落の要因となりやすいのは、業績予想の下方修正です。
主力事業や新商品の売れ行きの不振、競合他社との競争激化などが、業績悪化の背景として懸念されます。また、赤字への転落や減配・無配の発表も、業績悪化の表れとして株価下落を招きやすくなります。
景気・経済指標の悪化
GDP成長率の鈍化や景気後退は、経済全体の収益の悪化を示唆しているとして、株価下落の要因になることがあります。失業率の上昇や個人消費の減少、設備投資の低迷といった指標の悪化は、投資家の将来に対する不安をあおることにつながるためです。
また、景気動向指数や小売売上高などの経済指標が予想を下回ると、市場全体に売り圧力が生まれます。貿易収支の悪化や為替変動も輸出企業の業績に対する懸念を高め、株価に悪影響を与えます。
金利の上昇
金利が上昇すると、企業や個人の借入コストが増すため、消費や投資が減少して業績が悪化しやすくなります。また、投資家が金利の上昇で利回りが高くなった債券などへ資金を移すと、相対的に株式の価値が下がって株価下落につながります。
株価が下落したときの3つの選択肢
相場が急変した際の行動としては、基本的にそのまま様子を見る、売却する(解約する)のいずれかになります。ただし、場合によってはあえて買い増すという選択肢もありえます。どのように行動するかは、投資目的が何か、どのような理由で相場が急変したのか(一時的と考えてよいのか)によって異なります。
そのまま様子を見る
相場には短期的な変動は付き物です。当面使う予定がなく、中長期で運用するつもりであれば、そのまま様子を見るという選択肢になります。
売却する(解約する)
相場が下がって、売却に踏み切るケースとしては、運用をはじめて相当時間が経過、運用期間のゴールが近づいている、目標の利益が出ているといったケース。これ以上下がるリスクを避けるために売却(解約)するケースです。利益が出ている状況で売却することは「利益確定売り」といいます。
他方、運用をはじめて相当時間が経過しているが長期にわたって低迷し、すでに損失が出ている中でさらに損が拡大しているようなケースではどうでしょうか。この場合、見切りをつけて損失を確定し、より高い成果が狙える投資先に乗り換える方が合理的とも考えられます。
このような手法は「損切り」、「見切り売り」と呼ばれ、投資においては難しい決断とされています。実際には、なかなか「損切り」に踏み切れず、いわゆる「塩漬け」になりやすいですが、時には「損切り」という決断が必要になることもあります。
買い増す
資金に余裕があり、一時的な下落と考えるのならば、下がったタイミングをチャンスと捉え、あえて買い増すという選択肢もあります。平均購入単価を下げるために下がったものと同じ銘柄を買い増すことを「ナンピン買い」といいます。
ただ、下がった時に買い増すという判断も案外難しいかもしれません。もしかしたら、さらに下がるかもしれないなどと考え悩んでいるうちに、チャンスを逸してしまうケースもありそうです。
その点、積立投資信託は、毎月決まった日に決まった金額を買付ける仕組みなので、自動的に値段が安いときに多く購入し、値段が高い時には少なく購入する仕組みになっています。つまり、値下がり時のチャンスを生かしやすく、逆に「高値づかみ」になりにくい仕組みといえそうです。
株価が下落したときに避けたい3つの行動
株価の下落局面では、感情的にならず適切な対応を取ることが重要です。ここでは、株価下落時に避けたい代表的な行動について解説します。
狼狽売り
狼狽売りとは、株価下落に動揺し、慌てて株式を売却することを指します。「これ以上損失が拡大する前に」という焦りから、冷静な判断ができないまま売却してしまうのです。
しかし、株価は一時的な下落後に回復することもあるため、底値で売却すると損失を確定させてしまうことにもなりかねません。下落時こそ冷静になり、企業の本質的価値を見極めることが重要です。
リスク管理が不十分な信用取引
信用取引とは、証券会社に一定以上の担保を預けたうえで、資金や株券を借りて、自己資金以上の金額で株式売買を行うことです。
冷静な判断ができなくなっている場合、リスクや資金の管理をおろそかにした取引をしてしまうことがあります。株価が下落した状況では、焦らずに一度立ち止まり、冷静さを取り戻してから判断することが重要です。
安易な理由での積立投資の
中断・減額
「これ以上損失を出したくない」という心理から、積立投資の中断や減額をすることは控えましょう。積立投資は長期的な資産形成を目的とした投資手法であり、短期的な株価の変動で方針を変えるのは、本来の目的から逸脱しているからです。
株価の下落時は低い価格で多くの株数を購入できるため、購入価格を平準化する「ドル・コスト平均法」の効果が出やすくなる絶好の機会です。感情に左右されず積立を継続することで、長期的な資産の増加が期待できます。
株価下落の影響を抑えるための2つの対処法
最後に、株価下落の影響を抑えるための2つの対処法について解説します。
買付けのタイミングを分散する
相場急変の際、様子を見る、売る、買い増す、といった行動を決断するにはある程度、相場の先行きを予想することが前提になりますが、正確に予想することは困難です。
例えば、次のようなケースで考えてみましょう。
<ケース1>
値下がり時に売却した場合、さらなる値下がりによる損失を回避できるが、売却したタイミングが底値でその後、上昇する場合もありうる。

<ケース2>
値下がり時に買付けた場合、その時が底値なら良いが、さらに下がる可能性もある。

このように予想が外れ、売買したことが裏目に出てしまうケースもありえます。そこで、相場の急変をとらえて売買する場合には、一度に実行せずにタイミングを分散するという考え方もあります。
先ほどのケースでは、一度に売買せずにタイミングを分散していれば、リスク分散につながります。
積立投資信託は、買付けのタイミングを自動的に分散する仕組みであり、買いのタイミングに悩まずに済むという利点があります。
ポートフォリオを
リバランスする
価格が変動する金融資産の中には、株式と債券など異なる値動きをする傾向のある資産があります。このような資産を一緒に保有することでリスクを抑えるのが分散投資です。
分散投資を行っていても、値動きの違いにより、時間の経過とともに資産構成が当初の状態とは大きく乖離し、偏りが生じることがあります。
そこで、値上がりした資産を売り、値下がりをした資産を買い増すことで、資産の配分比率が当初と大きく変わらないようにするという投資の手法があります。これは、「リバランス」と呼ばれています。
このリバランスにより資産全体のバランスを保つことで、株価下落時でも損失の影響を相対的に抑えることができます。さらに、値下がりした資産を買い増すことで、相場回復時の利益拡大も期待できます。
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まとめ
投資に価格変動は付き物ですが、相場急変時はつい慌ててしまうことも多いのではないでしょうか。しかし、投資目的や急変した理由を考えながら、冷静に考えることが重要です。
基本的には、様子見なのか売却するのか、あるいはあえて買い増しするのかのいずれかになりますが、売買を行う際に、場合によってはタイミングの分散も考えるとよいでしょう。また、値動きの異なる傾向にある複数の資産を保有している場合、値上がりした資産を売却し、値下がりした資産を買い増す、リバランスという手法もあります。
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本記事は2025年11月18日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。




