株価が下落!その時どうする?相場が急変した時の対処法
2022/09/30最終更新
株式市場や為替市場などの金融市場は、日々動いていますが、時には急激に変動することもあります。例えば、株価が急落した場合、株式に直接投資している場合はもちろん、株式を投資対象としている投資信託を保有している場合も影響を受けることになります。また、為替相場が急変すれば、海外の資産を投資対象とする投資信託はその影響を受けます。
ニュースなどで相場の急変が報じられた際に、自分の持っている投資信託がどうなっているか、これからどうすべきか気になった方も多いのではないでしょうか。ここでは、相場が急変したときどう対処したらよいか考えます。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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大手生命保険会社、証券会社勤務を経て、2019年りそな銀行入社。
- ※りそなグループが監修しています
なぜ株価が下落?相場急変の原因を知る
株価や為替など相場は中長期的にはファンダメンタルズ(=企業業績や景気など)に沿った動きをすると言われます。一方、短期的にみると、突発的な事件や市場の様々な思惑でも変動します。また、株価や為替の変動が実体経済に影響を及ぼすこともあります。例えば、株価が下落すると、株式を保有している企業や個人が設備投資や消費を抑えがちになる、といった現象(逆資産効果)が知られています。
相場変動の原因が何なのか、一時的な動きに過ぎないのか、大きなトレンドの転換点なのか、などについて情報収集した上で自分なりに考えてみることが重要です。
相場急変時の
選択肢とは
相場が急変した際の行動としては、基本的にそのまま様子を見る、売却する(解約する)のいずれかになります。ただし、場合によってはあえて買い増すという選択肢もありえます。どのように行動するかは、投資目的が何か、どのような理由で相場が急変したのか(一時的と考えてよいのか)によって異なります。
そのまま様子を見る
相場には短期的な変動は付き物です。当面使う予定がなく、中長期で運用するつもりであれば、そのまま様子を見るという選択肢になるでしょう。
売却する(解約する)
相場が下がって、売却に踏み切るケースとしては、運用を始めて相当時間が経過、運用期間のゴールが近づいている、目標の利益が出ているといったケース。これ以上下がるリスクを避けるために売却(解約)するケースです。利益が出ている状況で売却することは「利益確定売り」といいます。
他方、運用を始めて相当時間が経過しているが長期にわたって低迷し、すでに損失が出ている中でさらに損が拡大しているようなケースではどうでしょうか。この場合、見切りをつけて損失を確定し、より高い成果が狙える投資先に乗り換える方が合理的とも考えられます。
このような手法は「損切り」、「見切り売り」と呼ばれ、投資においては難しい決断とされています。実際には、なかなか「損切り」に踏み切れず、いわゆる「塩漬け」になりがちですが、時には「損切り」という決断が必要になることもあるでしょう。
買い増す
資金に余裕があり、一時的な下落と考えるのならば、下がったタイミングをチャンスと捉え、あえて買い増すという選択肢もあります。平均購入単価を下げるために下がったものと同じ銘柄を買い増すことを「ナンピン買い」といいます。
ただ、下がった時に買い増すという判断も案外難しいかもしれません。もしかしたら、さらに下がるかもしれないなどと考え悩んでいるうちに、チャンスを逸してしまうケースもありそうです。
その点、積立投資信託は、毎月決まった日に決まった金額を買付ける仕組みなので、自動的に値段が安いときに多く購入し、値段が高い時には少なく購入する仕組みになっています。つまり、値下がり時のチャンスを生かしやすく、逆に「高値づかみ」になりにくい仕組みといえそうです。
相場急変時の対策~売買のタイミングを分散する~
相場急変の際、様子を見る、売る、買い増す、といった行動を決断するにはある程度、相場の先行きを予想することが前提になりますが、正確に予想することは困難です。
例えば、次のようなケースで考えてみましょう。
<ケース1>
値下がり時に売却した場合、さらに値下がりすればさらなる損失を回避できるが、売却したタイミングが底値でその後、上昇する場合もありうる。
<ケース2>
値下がり時に買付けた場合、その時が底値なら良いが、さらに下がる可能性もある。
このように予想が外れ、売買したことが裏目に出てしまうケースもありえます。そこで、相場の急変をとらえて売買する場合には、一度に実行せずにタイミングを分散するという考え方もあります。
先ほどのケースでは、一度に売買せずにタイミングを分散していれば、リスク分散につながります。
積立投資信託は、買付けのタイミングを自動的に分散する仕組みであり、買いのタイミングに悩まずに済むという利点があります。
価格変動時のリバランスとは?
価格が変動する金融資産の中には、株式と債券など異なる値動きをする傾向のある資産があります。このような資産を一緒に保有することでリスクを抑えるのが分散投資です。
分散投資を行っていても、値動きの違いにより、時間の経過とともに資産構成が当初の状態とは大きく乖離し、偏りが生じることがあります。
そこで、値上がりした資産を売り、値下がりをした資産を買い増すことで、資産の配分比率が当初と大きく変わらないようにするという投資の手法があります。これは、「リバランス」と呼ばれています。
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まとめ
投資に価格変動は付き物ですが、相場急変時はつい慌ててしまうことも多いのではないでしょうか。しかし、投資目的や急変した理由を考えながら、冷静に考えることが重要です。
基本的には、様子見なのか売却するのか、あるいはあえて買い増しするのかのいずれかになりますが、売買を行う際に、場合によってはタイミングの分散も考えるとよいでしょう。また、値動きの異なる傾向にある複数の資産を保有している場合、値上がりした資産を売却し、値下がりした資産を買い増す、リバランスという手法もあります。
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本記事は2022年9月30日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。