老後破産する原因とは?定年退職前に備えておきたい対策や資産形成

老後に対しての不安は多くの人が持つものですが、50歳代前後になるとより一層、「老後破産」という言葉が気になってくる人も多いのではないでしょうか?不安を抱えている一方で、老後破産の原因が具体的には分からない、自分には関係ない話と考える方もいるかもしれません。

ここでは、実際に老後破産に陥らないためにも、老後破産に至ってしまう具体的な原因と、どのような対策があるのかを資産形成の話を交えてご紹介していきます。

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老後破産はなぜ起こる?どんな原因で破産するのか知っておこう

老後破産とは文字通り、「老後」に「破産」することです。「破産」という言葉には、いくつかの定義がありますが、ここでは「ある人が経済的に行き詰まる状態になること」として説明を進めていきます。

総務省が公表している、2018年の「家計調査報告」によると、二人以上の世帯のうち高齢無職世帯(世帯主が60歳以上の無職世帯)における1ヵ月当たりの可処分所得の平均は19万2,479円となっています。可処分所得とは、年金を含む実収入から税金や社会保険料などを差引いた、実際に消費に回せるお金のことを指します。一方、消費支出の平均額は1ヵ月当たり23万9,934円となっており、所得と支出を差引いた場合、毎月4万7,455円の赤字が生じることになるのです。

サラリーマンなど現役世代にとっては、収入の範囲内で生活費等を賄い、余った所得を貯蓄にまわすという形が一般的です。しかし、定年退職後の主な収入源は公的年金になるので、当然以前の収入よりも下回ることになります。生活水準を下げることは容易ではないと考えると、支出が収入を上回る状況になることが想像できるのではないでしょうか。

この赤字を埋め合わせるため、一般的には現役時代に築いた資産を毎月少しずつ切り崩したり、加入していた私的年金などで補填したりしながら生活していくことになります。しかし、長い老後生活の間には、住居のメンテナンスやリフォーム、車の買いかえ、旅行等といった生活費以外の支出が発生することも想定されます。現役時代とは違って定年後にはボーナスのような臨時収入はなく、貯めていた資産を切り崩すだけになり、その生活を続けた結果、資産が底を尽き、老後破産に陥りかねない状況になってしまいます。

最近では、政府による高齢者雇用促進などで高齢者が働ける環境が増えている影響もあり、定年後もできるだけ長く働きたいと考える人が増加しています。このように定年後も働くことにより、年金以外の収入を得られるように努める人は多く、実際に老後破産に至るケースはそう多くはないかもしれません。しかし、十分な資産がないと誰でもすぐに老後破産に陥る可能性はあります。

2019年9月に厚生労働省が公表した「生活保護の被保護者調査」によると、2019年6月時点では、生活保護受給者の約55.1%が高齢者世帯という結果になりました。高齢者世帯が占める割合を見ると、不安を感じるかもしれませんが、そうならないように早めに対策をとっておく必要があるでしょう。

要注意!老後破産してしまうのはこんなタイプ

老後破産に陥る原因はさまざまですが、次のようなタイプの人は老後破産しやすい傾向があります。下記に該当する項目が多い人は、日頃の生活を見直す必要があるかもしれません。

  1. 1.住宅ローンの負担が重い人

    収入における住宅ローン返済額が毎月高く、家計を圧迫していると、老後の貯蓄が十分にできていないことが考えられます。

  2. 2.子どもの教育費に糸目をつけない人

    子どもの教育費にお金をかけすぎてしまうあまり、自身の老後のための貯蓄までお金が回らないケースがあります。

  3. 3.子どもがいつまでも自立しない人

    子どもが成人しても親と同居しているなど、なかなか親離れ・子離れができていない場合は、生活費が通常より多くかかってしまいます。

  4. 4.高収入のわりに貯蓄が少ない人

    収入が多くても、支出も多くなる人の場合は、貯蓄にお金をまわすことが習慣化できていないのかもしれません。

  5. 5.夫婦仲が悪い人

    夫婦仲が悪い場合は、子どもの教育資金や老後資金など将来のための貯蓄という意識が薄い傾向にあります。

  6. 6.お金の問題を相談できる人がいない人

    病気で働けなかったり、仕事が見つからなかったり、お金に関する問題を抱えている場合は誰かに相談することが大切です。しかし、相談する相手がおらず問題を放置してしまう人も少なくありません。

  7. 7.定年退職後に生活レベルを下げられない人

    定年退職後、大抵の人の場合は収入が減りますが、現役世代の生活レベルを維持し続ける人もいます。収入と支出に差が生じるので赤字が拡大してしまいます。

  8. 8.熟年離婚をした人

    年をとってから離婚をした場合、専業主婦をしていた期間やパート労働期間に応じて年金が少なくなってしまうこともあります。

  9. 9.想定外の出費が発生した人

    何らかの事情で想定外の出費が発生してしまった場合、貯蓄の切り崩しが大きくなり、老後の資産が減少してしまうケースも考えられます。

自分や家族に思い当たる点があれば、できるところから改善し、老後の資産づくりに向けて対策していきましょう。なかには、お金の相談をできないことで問題を解決できず、老後破産に陥る人もいます。老後破産に陥らないためにも、弁護士・司法書士など法律の専門家に改善方法や対策を相談することも大切でしょう。

早めにはじめよう!老後破産しないための対策

老後破産しないために、次のような対策をしていきましょう。

  1. 1.家計の見直しからはじめる

    まずは、家計全体にムダな支出がないか見直してみましょう。そのうえで節約できるところは節約し、余った分を貯蓄にまわします。

  2. 2.住宅ローンを早めに返済する

    ボーナス収入などでお金に余裕ができたら、繰上げ返済に努めます。早期にローンが終わることで、老後にゆとりを持つことができます。

  3. 3.「健康」「共働き」を心がける

    たとえ、保険に入っていても病気をしてしまうと治療費や入院費など予想外の出費となります。健康を心がけ、可能な場合は共働きをすることで、収入の維持が見込めるでしょう。

  4. 4.できるだけ長く働く

    定年後に収入が途絶え、年金頼みの生活になってしまうと、やがては預貯金も底をついてしまうかもしれません。収入を維持するためにも、できるだけ長く働けるようにしましょう。

  5. 5.退職金や確定拠出年金も貯蓄のうちと考える

    退職金や確定拠出年金は老後資金の一部と考えます。一度にお金が入ったからといって、ムダな出費は控えましょう。

  6. 6.お得な制度を活用した運用を行う

    投資は老後の資金を維持するための手段ともいわれています。NISAなど非課税制度などを有効に活用し、無理のない範囲で資産形成の効率化を図りましょう。

長い老後生活の中で経済的に行き詰まらずに生きていくには、現役時代から早期の資産形成を始めることが大切になります。

老後破産しないためにおすすめの資産形成方法

資産形成を考えた場合、低金利が長く続く昨今の経済状況では、投資という選択肢が有効になってきています。しかし、投資は価格変動リスクを伴うため、専門的な知識も必要となってきます。そこでおすすめなのが投資信託の積立です。資産運用のプロが経済市場や企業の状況を見ながら分散投資をすることで投資リスクを抑えて運用してくれます。

投資信託の積立には「積立投資信託」や「つみたてNISA」があり、どちらも投資信託を毎月、一定金額を積立てながら運用していくもので、少ない金額からでもはじめられます。りそな銀行では、毎月1,000円から積立購入ができるため、投資初心者もスタートしやすくなっています。

毎月少ない金額でも長い期間をかけて積立運用していけば、将来的に大きな資産を形成することも可能です。老後破産など経済的に行き詰まらないよう、早いうちからじっくりと時間をかけて運用していきましょう。

つみたてNISAなら、資産運用で得た利益が非課税になり、利益を全て再投資に活かせます。利益を元手に次の利益を生み出す対策をおこなえるので、複利効果がより高まり、効率的な運用が期待できるでしょう。

「積立投資信託」と「つみたてNISA」の違いやメリット・デメリットについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

積立投資信託・つみたてNISAの違いとは?

まとめ

2018年の「家計調査報告」によると、現在の高齢者無職世帯の収支は、毎月約5万円の赤字という状況です。老後破産を招かないためにも、老後破産しやすい人のタイプや原因を知り、現役時代の早いうちから対策をとっておくことが大切になります。
老後の資産確保における対策法の一つとしては、比較的リスクが低めで投資初心者でもスタートしやすい「積立投資信託」や「つみたてNISA」がおすすめです。少ない金額からでも毎月コツコツと長い年月をかけて積立運用していくことで、将来的に大きな資産になることも期待できるでしょう。

老後の資産形成における悩みは誰しもが抱えるものであり、不安や疑問がある場合は抱え込まずに相談するように心がけましょう。銀行によっては、来店時間の事前予約が可能な店舗や、土日営業している店舗、平日夜遅くまで営業している店舗を設置している場合がありますので、平日仕事で忙しい人でも、休暇を活用して、家計の見直しから運用相談まで幅広くお金のことを相談することができます。
事前に来店予約ができる場合は、待ち時間も少なく、貴重な時間を有効に使えるでしょう。安心できる将来を目指し、資産形成の相談も時間を味方につけて効率的に対策していきましょう。
また、「積立投資信託」や「つみたてNISA」のほかにも、老後の資金を作る方法はあります。
たとえば、自宅を担保に資金を借りることができる「リバースモーゲージ」、老後の住まいとして、住宅の住みかえや自宅のリフォームを検討している方向けの「リバースモーゲージ型住宅ローン」などにも注目が集まっています。下記ページにて詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

リバースモーゲージとは?知っておきたいメリット・デメリット

本記事は2019年9月時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

續 恵美子(つづき・えみこ)
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保有資格:
日本FP協会認定CFP(R)

生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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