NISAは今すぐ始めるべき?メリット・デメリットを解説!
2023/12/27最終更新
最近よく耳にするNISA。しかし、実際には「何となく始めた方が良さそうだけど、本当にやった方が良いのか?」「メリットばかり強調されて、デメリットはないのか?」と疑問を持たれている方もいるかもしれません。
今回はそんな方に向けて、NISA制度のメリット・デメリットについてできるだけ簡単に、一から解説していきたいと思います!
※本コラムでは2024年以降のNISA制度について記載しております。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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2019年にりそな銀行に入社。2020年4月より、りそなアセットマネジメントにてWEBを通じた情報発信の主担当者としてホームページ/WEBサイトの構築に携わる。
現在は未来資産形成ラボにてポートフォリオ提案や資産運用の基礎知識についてのコラム執筆やコンテンツ制作等も行う。正しく学べて親しみやすい情報発信を目指して活動中。
- ※りそなグループが監修しています
NISA(ニーサ)とは?
NISAとは、少額非課税制度のことで、個人投資家のための税制優遇制度です。
個人が投資信託などに投資をする際に、NISA制度を活用すれば投資を行って出た利益が非課税になります。
運用益が非課税ってどういうこと?
まず原則として、私たちがNISAなどの制度を利用せずに、通常の口座*1で投資を行って利益が出た場合、その運用益には約20%の税金*2がかかることになっています。
- *1特定口座等
- *22023年12月時点、一般社団法人投資信託協会 投資信託の税金 より
一方、NISA制度を利用すれば、この運用益への税金がかからずに現金化することが可能です。
例えば、投資していた資産を売却して10万円の運用益が出たとします。特定口座で運用していた場合は、この10万円に約20%の税金がかかることになりますので、受け取れる利益は約8万円となってしまいます。
しかし、もしNISA制度を利用して運用していれば、運用益が非課税となるので、この10万円の利益がそのまま手元に残ることになります。
つまりNISA制度は、投資をして出た利益に税金がかからないという非常にお得な制度なのです。
つみたて投資枠と成長投資枠がある
NISAは2024年1月に大きな制度改正があり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの枠によって構成される制度となりました。この2つの枠は両方使っても良いですし、もちろん片方だけを使うこともできます。
- つみたて投資枠・・・積立投資のみで利用可能。毎月最大10万円まで
- 成長投資枠・・・積立投資も一括投資も可能。年間最大240万円まで
- ※制度の詳細については「【必見!お金の育て方】新NISAとは?いつから始まる?変更点をチェック」をご覧ください。
投資上限額(総枠)は1,800万円
運用益が非課税となる、NISA制度ですがその投資額の上限は1,800万円と決まっています。また、年間で投資できる金額も上限がそれぞれあり、つみたて投資枠は120万円まで、成長投資枠は240万円までとなっています。
NISAのメリットって?
NISAの最大のメリットは冒頭でお伝えした、「運用益が非課税になること」と言えます。
しかし、それだけではなく、他にもNISAを活用するメリットがいくつかあります。
非課税期間が無期限!
これは運用益が非課税になるというメリットに付随したものとなりますが、NISAでは運用益の非課税期間が無期限です。いつから始めても、何年間運用を継続したとしても運用益は非課税となります。投資・資産運用では、できるだけ長期で運用することが安定的なリターンを得るために重要と言われています。つまり、非課税期間が無期限であることは長期を見据えた投資・運用がしやすくなるということであり、この点でもメリットと言えるでしょう。
18歳以上なら誰でも利用可、投資上限額(総枠)も一律1,800万円!
次に挙げられるメリットとして、NISAは18歳以上の方(口座開設年の1月1日時点)であればどなたでも利用することができる点があります。また、投資上限額も本人の職業や年齢にかかわらず、一律1,800万円と決まっています。
同じように運用益が非課税となる制度、iDeCoと比較すると、iDeCoはNISAと異なり、投資できる年齢の上限があり、また、投資できる総額も人によってまちまちという特徴があります。iDeCoにはもちろんiDeCoならではのメリットも多くありますが、NISAは比較的シンプルでわかりやすい設計となっており、より多くの方にとって利用しやすい制度であると言えます。※
- ※iDeCoとNISAの制度の違いについて詳しくは「【どっちが得?】NISAとiDeCoはどう違う?制度の特徴と選び方」をご覧ください。
枠の再利用など、柔軟な活用ができる!
もう一つの大きなメリットとして、枠の再利用ができるという点が挙げられます。
これは、NISAで資産を運用していて、途中で一部の資産を売却した場合、1,800万円の上限額のうち、売却した分の枠は翌年から再度利用できるようになるというものです。
例えば、上限の1,800万円分、NISAで投資を行っていた方が、ある程度運用した時点でこのうちの1,000万円分を売却したとすると、当然ながらNISAでの運用資産は800万円に減少します。そこで、売却して空いた分の枠1,000万円分が翌年になるとまた利用することができるというルールになっているのです。
売却して空いた枠は翌年から再利用が可能!
これにより、自分のライフプラン等に合わせて柔軟に枠を活用することが可能になります。
NISAのデメリット(注意点)
では、NISAにはデメリットはあるのでしょうか?基本的にはメリットが大きく、デメリットと言われるものはあまりないNISAですが、利用する際には少し注意しておかなければならない点もあります。
NISAに元本確保型の商品はない
前提の話となりますが、NISAで購入できる商品は投資信託、ETF、株式などになります。iDeCoのように定期預金などを選択することはできないため、NISAを利用する際には元本割れの可能性があることを認識しておく必要があるでしょう。
NISA口座の開設は一人一口座、一つの金融機関でのみ
また、お得なNISA口座ですが、まず開設できるのは一人につき、一つの口座までである点には注意が必要です。また、一つの金融機関でしか開設ができないため、例えば、複数の金融機関で少しずつNISA制度を使用するということはできない点に気を付けましょう。
NISA口座は損益通算ができない
一般的に、複数の口座で投資信託等の商品を購入して運用を行っている場合、利益から損失を差し引くことで、税金がかかる所得を減らすことが可能です。これを損益通算と言います。
複数の口座で利益と損失が出ている場合
しかし、NISA口座で運用している分は他の特定口座や一般口座での運用分と損益通算することができません。従って、他の口座と損益通算をしようとして、NISA口座での運用資産を慌てて売却してしまわないように注意が必要です。
購入できる商品が限定される
また、NISAでは全ての投資商品を購入できるわけではないことも知っておくべきポイントです。特につみたて投資枠は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託という観点から、金融庁が定めた基準を満たしている商品が対象となります。従って、現在(2023年12月時点)世の中には約6,000本弱もの投資信託がありますが、つみたて投資枠の対象商品は約200本とかなり絞り込まれる予定です。
また、成長投資枠で投資できる商品にも一部条件があります。つみたて投資枠と比べると対象商品は多いものの、下記の3つの条件を満たさないものは、対象商品から除外されるため注意が必要です。
- 信託期間が20年未満
- 高レバレッジ型等のデリバティブ(金融派生商品)を特定の目的以外で利用するもの
- 毎月分配型
この条件に基づき、成長投資枠の対象商品は、約2,000本と世の中の投資信託の3分の1ほどに絞られると考えられます。
年間の投資上限がある
冒頭でも記載した通り、NISAの投資上限の総額は1,800万円であり、年間に投資できる金額の上限も決まっています。最大で、つみたて投資枠と成長投資枠を両枠合わせて年間360万円までが一年間で投資をできる金額の上限となります。
従って、手元に例えば500万円があるとして、それを今すぐNISAで運用したいと思っても、500万円を一括で投資することはできません。360万円と140万円に分けて2年間かけて投資を行うなど、年間上限額を超える場合には、何年かに分割をして投資を行う必要があります。
NISAはどんな人におすすめ?
NISA制度は、いくつか利用する上で注意するべき点はあるものの、基本的にはメリットの大きい制度です。「投資をするならNISAを使わない手はない!」と言っても過言ではありません。投資をこれから始める方、投資経験のある方問わず、年齢も若年層からシニア層まで幅広い方にとってメリットがあると言えるかと思います。
初めて投資を行う人はつみたて投資枠から!
「投資を始めてみたいけど何からすればよいのかわからない」、「難しそうでできていない」、という方は、NISAのつみたて投資枠で、まずは少額から始めることがおすすめです。
つみたて投資枠は積立投資のみでの利用が可能ですが、積立投資とは毎月(毎日)決まった額で投資信託などの商品を購入する投資手法のことです。積立投資は、少額からコツコツと長期的に資産を増やしていく投資方法なので投資のリスクを低減しやすいという特徴があります。
- ※積立投資のメリットや効果については「初心者におすすめ 資産運用の方法 「長期・積立・分散」投資について」をご覧ください。
また、先ほど注意点としてお伝えした通り、つみたて投資枠は対象商品が限定されていますが、これは、むしろ初めて投資する方にとってみれば、あらかじめ厳選された商品の中から自分の購入したい商品を選択することができるため、メリットとなるのではないかと思います。
毎月の積立金額も、必ずしも年間の上限まで投資をする必要はないので、無理のない範囲で少しずつ積立をしていくことが可能です。
- ※つみたて投資枠について詳しく知りたい方は、「新NISAのつみたて投資枠の始め方とは?基礎知識や開設時のポイントも把握しよう」をご覧ください。
課税口座のみで運用している方はNISA口座の利用も検討を!
現在、課税口座のみで運用を行っている方も、NISAの非課税メリットを考えるとぜひ利用を検討いただければと思います。
ただし、前述した通り、全ての商品がNISAで運用できるわけではありません。ご自身の運用したい商品がNISAで運用できるかなどは十分に確認する必要があります。
まとめ
繰り返しになりますがNISAは投資して出た利益が非課税になるというお得な制度です。
口座開設年1月1日時点で18歳以上の方であれば、どなたでも利用することができるため、NISAを利用する際の注意点を認識したうえで、ぜひまずは始めてみることをおすすめします。
NISAの活用方法についてもっと詳しく知りたいという方はぜひ下記のコラムもご覧ください。
なお、りそなの「NISA口座」では
“アプリを使えば、NISA口座と投資信託口座が同時に開設できる”
“インターネットの購入で1,000円からつみたて投資が可能”
“取引に応じて、りそなクラブポイントや関西みらいクラブポイントがたまる”
など、NISAを気軽に始めやすい特徴があります。
また、りそなの店舗なら口座の開設方法や購入商品について相談できるため、初めて投資を行う方でも安心して手続きを進めることができます。
ぜひ新NISAが始まるこの機会に、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事は2023年12月27日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。
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