人生100年時代とは?老後を不安なく過ごすために資産運用をはじめよう

日本人の平均寿命がどんどんのび、「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになりました。日本は、健康寿命が世界一という長寿社会を迎えており、今後はさらに超高齢化社会に突入していくと考えられます。

2019年6月に金融庁から公表された「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」で、老後生活資金に大きな金額が必要となることがメディアでも話題になりました。長い人生をより充実したものにするためには、お金の不安を感じずに暮らしていける基盤を築くことがポイントです。

そこで、今回は退職後に必要となる金額について、どれだけのお金を、どのように準備していけばいいか、政府の『人生100年時代構想会議』の概要とともにもご紹介していきます。また、老後に備えてお金を増やしたい人におすすめの資産運用や投資についても解説しますので、参考にしてください。

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人生100年時代とは?まずは覚えておきたい基礎知識

「人生100年時代」とは、英国ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が長寿時代の生き方について述べた著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)−人生100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社、2016年)のなかで提唱した概念です。同著では、寿命が延びて100歳を超えるようになると、これまでの生き方は覆され、「一人ひとりがどのように積極的かつ生産性の高い方法で社会の高齢化に向き合うべきか」が必要であると述べられています。

2019年7月に発表された「平成30年簡易生命表」によると、2018年の日本の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳と過去最高を更新しているとのことです。また、内閣府の高齢社会白書(2018年)で、2065年には男性84.95歳、女性91.35歳となり、女性は90歳を超えると推測されているため、長寿化の流れは継続する可能性が見込まれています。

同白書では、2065年には約2.6人に一人が65歳以上、約3.9人に一人が75歳以上になり、高齢人口の増加も示唆しています。高齢化は世界の多くの国で問題となってきているものの、とりわけ日本の長寿化は、世界から注目を集めています。

このような長寿社会において、老後のお金の問題は欠かせません。「教育を受け、社会で働き、定年を迎えて余生を送る」といった、これまで単線的に考えていたライフプランは通用しなくなってきているのです。

そのため、高齢になっても働く人生を考えていく必要性も出てきています。多くの有識者からも、人生100年時代を生き抜くための対策として、「キャリア形成」「資産運用」に関して100年時代に合わせた見直しの必要性が提言されています。

人生100年時代構想会議とは?自分の老後への影響を知っておこう

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)−人生100年時代の人生戦略』のなかで提唱された「人生100年時代」への対策は、日本政府の「人生100年時代構想会議」でも起用されています。「人生100年時代構想会議」とは、人生100年時代に備えて経済社会システムを作りあげるための政策のグランドデザインを検討する会議で、2017年9月に設置されました。

安倍首相を議長とし、各政府関係者および有識者で構成されており、2019年9月時点で9回にわたって議論が行われています。有識者議員の中には、同著者のグラットン氏も招かれました。

教育、キャリア、労働などの分野で、幼児から高齢者まで幅広い層を対象に、一人ひとりがより良く生きていくための知的および経済的資産の創出を目指した対応だといえそうです。

小泉進次郎氏をはじめ自民党若手議員らが立ちあげた、2020年以降の経済財政構想小委員会からは「人生100年時代の社会保障へ」という提言も発表され、次の3つのポイントが明示されました。

  1. 1.勤労者皆社会保険制度の創設(雇用形態に関わらず、働く人全員が入れる社会保険制度)
  2. 2.年金受給開始年齢の柔軟化(自分の選択で自分の人生を決めて年金をもらえる仕組み作り)
  3. 3.自助を促す自己負担割合の設定(医療制度を年齢ではなく健康への自助努力で自己負担割合が決まるような仕組み作り)

老後の不安は、多くの人が抱いているものです。しかし、その最も大きな要素となるのが「年金が目減りするなかで寿命がのび続け、生存中に資産が尽きてしまう可能性があること」ではないでしょうか。政府の人生100年時代に対する対策に期待するだけでなく、人生100年時代に生きる一人ひとりが将来への備えに向けて自助努力をしていくことも重要になってくるでしょう。

退職後にはいくら必要?老後に備えて投資も選択肢に

ここでは、退職後の人生でいくらの資金が必要になるのか考えていきましょう。

老後の支出は平均いくら?

総務省の「家計調査報告(2018年)」によると、2人以上の世帯における1ヵ月あたりの消費支出平均額は、世帯主が65歳以上の世帯で25万555円、70歳以上の世帯で23万7,034円となっています。つまり、65歳で退職し100歳まで生きると仮定した場合には65歳からの5年間で約1,503万円、70歳からの30年間で約8,533万円、合計して約1億36万円の支出になることが予測できます。

ただし、これは食費や光熱費など生活に必要な消費に対する支出です。たとえば、ペットを飼ったり、カルチャースクールに通ったりするといった余暇的な支出が加わると、支出合計額はさらに大きくなる可能性があります。

老後に期待できる収入は

老後の収入状況を見ると、夫が65歳以上、妻が60歳以上の高齢者夫婦無職世帯では、年金などの社会保障給付は月平均で約20万円です。毎月約20万円の収入がずっと続くと仮定すると、退職後の65歳から100歳までの35年間で収入合計は約8,400万円になります。

先ほどの合計支出額約1億36万円と比較すると、その差額は約1,636万円となります。この計算は、あくまで2019年現在における高齢者世帯の収支の平均であり、個々の世帯の暮らしぶりによっても増減します。それでも、将来的に年金制度が改正される可能性も考えると、不足額がより大きくなり得ることは頭に入れておきたいものです。

特に、自営業者の場合は国民年金のみだと、会社員に比べて年金額が少なくなるため、より自助努力に努めていきたいですね。

退職後に必要な貯蓄額は

前述のとおり、65歳で退職して100歳まで生きると仮定した場合、年金収入だけでは約1,636万円を自助努力で準備することが必要です。しかし、昨今の物価上昇や消費増税などによる家計負担の増加を考えると、100歳までの長い人生のなかでは想定よりも支出が増える可能性はあります。また、年を重ねれば病気にかかり医療費も増えることもあるでしょう。

そこで、今回参考にしたデータの支出金額よりも、毎月さらなる支出があると考えて計算してみましょう。

  1. 1.毎月さらに5万円の支出があった場合

    35年間で合計2,100万円の支出が増加するため、不足分の約1,636万円を加えると約3,736万円の貯蓄が必要になります。

  2. 2.毎月さらに10万円の支出があった場合

    35年間で合計4,200万円の支出が増加するため、不足分の約1,636万円を加えると約5,836万円の貯蓄が必要になります。

実際には、不足する金額から退職金や企業年金および個人年金などの私的年金を差引いた額を用意するのが老後資金の目安の一つとなるでしょう。ただ、なかには退職金で住宅ローンを完済したい人など、退職金をまるまる老後資金として活用できないケースもあります。そのため、個々の事情によって異なりますが、老後の医療・介護費用なども加え、一般的に3,000万円程度用意しておけば比較的安心といえるでしょう。

低金利が長く続く現在の経済環境のなかで、多くの老後資金を準備するのは簡単なことではないため、キャリア構築を見直し、退職後にも働いて収入を得るという努力も必要になってきます。また、今から取り組めることの一つに、投資でお金を増やすという手段もあることを覚えておきましょう。

人生100年時代に備えて今からできること

ここまで見てきた現在と将来の社会をイメージすると、人生100年時代に備えるために投資でお金を増やしていくことは、誰にとっても必要なことかもしれません。しかし、投資にはさまざまなリスクが伴います。投資で「どれだけリスクを許容できるか」は人それぞれ異なりますが、元本割れのリスクなどをできるだけ抑えたいのは皆同じでしょう。また、大切な老後資金であることを考えると、資産が減るようなリスクは避けたいものです。

私が個人的におすすめなのは「積立投資信託」と「つみたてNISA」です。どちらも投資信託を毎月一定金額ずつ、積立てながら運用していくもので、投資商品のなかでもリスクは低いといえます。

複利運用効果を利用し、毎月少ない金額でも長い期間をかけて積立運用していけば、将来的に大きな資産を形成することも可能です。今すぐ必要ではない老後資金だからこそ、長期運用を考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

日本の長寿化は世界中から注目されており、いまや「人生100年時代」はすぐそこに来ています。政府も来るべき長寿社会に向けて対策を検討していますが、生活者一人ひとりの自助努力も必要です。できるだけ長く働けるよう努力するとともに、今からできる取り組みとして投資で資産を増やしていくことも考えましょう。
その一つとして、じっくり長い時間をかけて毎月コツコツと積立運用していける「積立投資信託」や「つみたてNISA」がおすすめです。分散投資でリスクを抑えつつ、長期運用で複利効果を高めることが期待でき、複利効果は運用期間が長くなればなるほど高まります。老後資金が気になったら、まずはチェックしてみましょう。

昨今、世代を問わず運用相談を受ける必要があることから、多くの銀行が休日相談会という名前で土日に相談を受け付けています。銀行によっては、来店時間の事前予約が可能な店舗や、土日営業している店舗、平日夜遅くまで営業している店舗を設置している場合がありますので、ご予定に合わせてまずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか?

本記事は2019年9月時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

續 恵美子(つづき・えみこ)
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保有資格:
日本FP協会認定CFP(R)

生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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