積立投資は最強なのか?メリット・デメリットについて

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現代に生きる皆さんにとって、貯蓄だけでなく資産形成で将来に備える必要性が高まっています。
積立投資は、少額を毎月積み立てて購入することが可能で少ない負担からはじめることができ、資産運用が初めての方にもおすすめです。

しかし、積立投資にはデメリットもあります。
メリット・デメリットの両方を理解したうえで、資産形成に踏み出しましょう。

私が書きました
主なキャリア

銀行で資産運用提案業務等を経験後、資産運用会社にて投資商品・サービスの企画および投資教育セミナー・研修等の講師を多数担当。現場で培ったお客さま目線をもとに、一見わかりにくい資産運用の世界を「翻訳」し、疑問や不安を払拭することで、すべての人に資産形成を広めることを目指している。

  • りそなグループが監修しています

積立投資にもデメリットはある!

大前提として、元本保証のある商品はない

積立投資は長期的に継続することで、値動きを味方につけることができ、さらに分散を加えることでリスクを抑えながら、世界全体の成長を取り込んでいくことができます。

ただし、忘れてならないのは、大前提として「投資に元本保証はない」ということです。損をしにくい方法を選んでいても、絶対に損をしないわけではありません。

すぐに必要なお金まで投資に回してしまったり、偏ったものに投資してしまったりすると、大きな損を出してしまう可能性があります。将来の目的や投資金額を考えて、無理のない範囲で投資を行いましょう。

積立投資にかかる手数料と税金

積立投資を行ううえでは、手数料と税金がかかることも把握しておきましょう。

投資信託で積立を行う場合、負担する手数料は「購入時手数料」と「信託報酬」の2種類あります。

購入時手数料とは、毎回商品を購入するたびに差し引かれる手数料です。
たとえば、購入時手数料が1%の商品の場合、1万円で積立を行うと、購入時に手数料100円が差し引かれます。

最近では、ネットで購入できる商品の中には「ノーロード型」と呼ばれる、購入時手数料がかからない商品が増えてきています。積立投資を行う場合は、この「ノーロード型」の商品を選ぶと良いでしょう。

信託報酬は、ファンドの運用・管理を行うための維持費用のようなものです。
こちらは、購入時手数料とは異なり、直接差し引かれるものではなく、ファンド全体の残高から差し引かれる間接的なコストとなります。
長く運用を続けるうえでは、信託報酬によって運用成果に大きな違いが出てくるため、あまりにもコストがかかる商品には注意が必要です。

また、投資信託の運用で得た利益には、所得税及び地方税が課税されます。
税率は2020年9月現在で20.315%(個人投資者の源泉徴収時)です。増えた分がそのまま手に入るわけではないので、注意しましょう。

手数料と税金は、NISA(つみたて投資枠)で解決!

「自分で手数料の低い商品を調べるのは大変」「税金を取られるのはもったいない」と感じる方は、NISA(つみたて投資枠)を利用すればこの問題を解決できます。

NISA(つみたて投資枠)は、積立投資専用の非課税投資枠のことで、年間120万円までの投資で得られた利益が非課税になります。
非課税期間は無期限のため、長期の資産形成に最適です。

また、NISA(つみたて投資枠)の対象商品は、金融庁によって選定されており、購入時手数料がある商品や信託報酬が過度に高い商品は、対象商品から除外されます(右図参照)。
このため、NISA(つみたて投資枠)で積立投資を行えば、コストが高すぎる商品を避けることができます。

NISA(つみたて投資枠)対象の投資信託

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積立投資のメリットは「感情に左右されないこと」

一括投資の方が儲かることもある

コツコツ積立するのではなく、一括投資の方が利益を出しやすいこともあります。
価格が低い時に大きな金額で投資を始めれば、少額の積立で投資を始めるよりも、短期間で大きな利益を手に入れることができるでしょう。

ただ、誰しも「下がった時に買いたい」「上がった時に売りたい」と思っているものです。
感情に左右されて投資を行った場合は、成功体験を得にくいこともあります。

実際には、上がってきたときに、「やっぱり買っておけばよかった」と、乗り遅れないように後を追って高値で買ってしまう。下がってきたときに、「これ以上損する前に手放したい」と、安値で売ってしまう。
このような行動をとる方は非常に多く、感情に左右されて投資を行うと、結果的にリターンを損ねてしまうケースが多いのです。

「あの時買わなければ……」「あの時に売っておけば……」、そんな感情に苛まれていては、本業のお仕事にも支障が出てしまうでしょう。

「ドルコスト平均法」で、自動でお得に商品を購入できる

一括投資に対し、積立投資は、自分でタイミングを見ず「下がった時にたくさん買う」「上がった時には少なく買う」を自動的にできる方法です。

価格が変動する商品について、定期的に一定の金額で購入する方法(つまり積立投資)のことを、「ドルコスト平均法」といいます。
購入金額を一定に保つことで、価格が下がった時には多くの数量を購入し、価格が上がった時には少ない数量を購入します。結果的に、以下の図のように、平均購入単価を下げられます。

皆さんも、買い物をする際は、価格が高くなっているときは買うのを控え、セールになった時にまとめ買いをする方も多いでしょう。
同じように、積立投資なら、自動的にお得に商品を購入できます。常にタイミングを見計らいながら、自分の判断で売買をするよりも、はるかに簡単な方法です。

投資を長く続けていれば、「常に上がり続ける」「常に下がり続ける」ということはありません。値動きがあるからこそ、積立投資が有効なのです。

タイミングや感情に左右されず、長い間積立投資をほったらかしで継続していれば、気づけば皆さんもお金持ちになっているかもしれません!

「ドルコスト平均法」を利用した積立投資

横スクロールできます。

注:上図は実際の値動きを示すものではありません。購入手数料、税金等は考慮しておりません。
注:相場が継続して上昇した場合等、一括投資の方が有利な場合があります。

まとめ

資産形成は、とにかく長い間、積立を継続することが成功の秘訣です。

いざ、定年退職を迎えてから「この先資産が足りるかな?」と思っても、取り崩し期に入ってから資産形成はできないし、若い頃に戻って資産形成をやり直すこともできません。

つまり、人生で資産形成をできるチャンスは一度だけなのです。

手元の資産は少なくても、これから続く何十年という「時間」が、皆さんが持っている最も大きな財産です。
これからの長い時間(財産)を有効活用するために、資産形成をはじめてみませんか。
ぜひ、自分に合った商品探しやシミュレーションからスタートしましょう!

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