積立投資信託とは?メリット・デメリットを含めて徹底解説

積立投資信託とは?メリット・デメリットを含めて徹底解説

投資に興味はあるものの、「リスクが怖い」「専門知識がないと失敗しそう」といった不安から、なかなか手が出せないという人も多いのではないでしょうか?そんな不安を和らげ、投資初心者でもはじめやすいのが積立投資信託です。
ここでは積立投資信託の特徴や、メリット・デメリットなどの基礎知識から、期待できる利益や目標に達するための毎月の積立額など、積立投資信託をはじめる前に理解しておきたいことについてもあわせて紹介していきます。

私が書きました
主なキャリア

生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

  • りそなグループが監修しています

まずは覚えておきたい
積立投資信託の基礎知識

積立投資信託とは名前の通り積立型の投資信託のことで、毎月一定額を購入しながら積立てていく投資方法です。
たとえば、毎月1,000円、3,000円というように一定の金額を決め、決めた金額の範囲内で購入できる口数分だけの投資信託を購入し、積立てていきます。

投資といえば株式投資やFXなどを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、投資信託は投資のプロに資金を運用してもらいます。資金の運用をおこなう投資のプロが、一般の投資家から投資資金を集めてファンド(投資信託)を作り運用しています。

ファンドを設定する際には、以下のようにリスク許容度に応じて目標を設定してあるのが一般的です。

  • より高い利益を追求したい
  • ハイリターンは求めず、できるだけリスクを抑えたい
  • リスクとリターンをバランス良く保ちながら運用したい

その目標に合わせて、運用会社のファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが国内外の株式市場や債券市場等、金融市場で投資家から集めた投資資金を用いて投資をおこないます。投資信託はこうして得られた運用損益を投資家に還元するという仕組みの金融商品です。

プロに投資を委託することで、個人で投資するより大幅に資産を減らしてしまうリスクを下げることが期待できます。また積立投資信託は一度申し込めば、毎月自動で一定額の積立がおこなわれるため、投資の手間を最小限にしながら資産作りができることが特徴です。毎月1,000円など少額で積立できることもあり、株式投資やFXなどの他の投資商品に比べ、初心者でもチャレンジしやすい投資方法だといえるでしょう。

積立投資信託のメリット・デメリットとは?

投資初心者でもチャレンジしやすいとはいえ、投資にリスクはつきものです。積立投資信託のメリットとデメリットをきちんと理解しておきましょう。

積立投資信託のメリット

1

毎月自動積立なので
投資に
気を配る必要がなく
ストレスが少ない

毎月自動積立なので投資に気を配る必要がなくストレスが少ない

安いときに買って、価格が上がったときに売ることが投資で利益を得る方法の一つです。この方法で利益を得ようとする場合、常に市場動向を追いながら価格変動を確認しなければならないため、売買のタイミングを気にかける必要があります。

しかし、自動積立で運用される積立投資信託であれば、毎月決まった日に自動で購入されるため、自分で価格や売買のタイミングを気にする必要がなく、ストレスが少なくて済みます。

2

少額で投資をスタートできるので
初心者でもはじめやすい

少額で投資をスタートできるので初心者でもはじめやすい

金融機関にもよりますが、一般的に積立投資信託は毎月少額からの積立が可能です。りそなの場合は月々1,000円から投資可能とスタートしやすい金額になっています。

※りそな銀行、埼玉りそな銀行はインターネットの場合1,000円から。店舗の場合10,000円から。

3

投資のプロ
(ファンドマネージャー)が
運用してくれる

投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用してくれる

運用は、投資のプロがおこなうため、国内外の経済市場情勢や企業の動向などを調査・分析しながらファンドの投資先を選定したうえで、運用してくれます。会社員であれば、特に市場や企業を日中に調査する時間の確保が難しいので、そういった面においても安心といえます。

4

分散投資・ドルコスト平均法を
活用するため、
リスクの軽減が期待できる

安い時は多く買う 高い時は少なく買う 購入価格を平準化

多くの投資家から集めた資金を国内外の株式や債券など、ファンドの投資目標に応じてさまざまな金融商品に分散して運用するのが投資信託です。

投資の格言で「卵は1つのカゴに盛るな」というものがあります。もし、1つのカゴに卵をたくさん入れた状態で、運ぶ途中にカゴを落としてしまえば、卵が全部割れる可能性は高くなります。

投資も同様に、1つの運用商品に集中させるのではなく、複数の商品に分散させることでリスクを軽減させることが期待できます。

また、毎月購入することは、購入するタイミングを分散することになりますが、これも分散投資の一つです。このことを「ドルコスト平均法」といい、投資のリスクを抑える方法として広く利用されています。

積立投資信託のデメリット

1

短期間で大きな利益を
あげるのが難しい

積立投資信託は、比較的少ない金額を毎月積み上げて、じっくり時間をかけてリスクを抑えながら将来的に大きな資産を作ることを基本的な目的とする投資方法です。そのため、短期間に大きな利益をあげるのは難しくなります。

2

手数料がかかる

投資信託は、申込時・保有中・売却時に手数料がかかります。申込時には「販売手数料」、保有中には運用管理手数料としての「信託報酬」、売却時には「信託財産留保額」の支払いが原則として必要です。

通常、投資信託の販売資料などに表示されている運用利回りには、これらの手数料が考慮されていません。そのため、実際の手取り利益は想定していたものより少なくなる可能性があります。さらにいえば、これらの手数料を上回るだけの運用利益が得られなければ、自分が積立てた金額より受取額が少なくなる可能性があることを知っておきましょう。

3

元本保証がない

投資のプロが運用をするとはいえ、投資の対象となるのは国内外の株式や債券などで、価格が常に変動するものです。預貯金のように元本保証がなく、市場環境によっては元本割れするリスクがあります。

4

売却益や分配金に課税がある

投資信託から得られる売却益や分配金には、20.315%の税金がかかります。税金の内訳としては所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%となっており、実際の手取り額はこれらの税金が引かれたあとの金額です。

  • 国税庁「株式・配当・利子と税」

積立投資信託をはじめる前に

積立投資信託は、数ある投資商品のなかでも比較的リスクが少なく、預貯金よりも高い利回りが期待できる金融商品です。そのため、投資経験がない人にもはじめやすい投資方法といわれています。

しかし、ひとくちに投資信託といっても、求めるリターンとリスクのバランスが異なる投資信託の種類が様々あります。そのため、自分のリスク許容度に合った投資信託を選びましょう。

積立投資信託をはじめる前には、メリットだけでなくデメリットもよく理解し納得したうえではじめることが大切です。

積立投資信託をはじめるならNISAつみたて投資枠を活用しよう!

投資信託への積立投資を行うなら、NISAのつみたて投資枠を活用するのがおすすめです。非課税制度であるNISAには通常の積立投資信託にはない制限があります。双方の違いを理解して、上手にNISA制度を活用しましょう。

利益への課税

積立投資信託を含む投資信託では、基本的に売買益や分配金などの利益には20.315%※の税金がかかります。(復興特別所得税を含む)

※国税庁「株式・配当・利子と税」

一方、NISAは長期間にわたる少額積立および分散投資をサポートするために、政府主導のもと創設された税制優遇制度です。そのため、得られた利益に対して税金がかかりません。※

例えば、投資信託で10万円の利益が出た場合、通常は2万315円が税金として差し引かれますが、NISAを活用した場合は10万円をそのまま受け取れます。

※金融庁「新しいNISA」

積立する投資信託の種類

積立投資信託は、さまざまなリスクとリターンの組み合わせの商品から選択可能です。一方NISAのつみたて投資枠では、金融庁が選定した長期積立や分散投資に適していると認められた商品しか購入できません。

商品の選択肢は狭くなりますが、購入時手数料が不要であったり、コストが低い商品が多く、金融庁が認めた商品から選べるため投資初心者でも始めやすいというメリットがあります。

また、NISAの成長投資枠でもつみたて投資枠の商品を購入でき、つみたて投資枠を拡張させるイメージで投資を行うことも選択肢の一つです。

積立金額

積立投資信託とNISAでは積立金額の上限も異なります。積立投資信託では、販売する金融機関が決めた最低金額以上なら、いくらでも自分で積立額を決めることが可能です。

一方、NISAでは年間投資上限額はつみたて投資枠が120万円まで、つまり1か月あたり10万円までとなります。成長投資枠は年間240万円のため、併用すると年間360万円まで投資可能で、1か月あたり30万円まで投資可能です。また、非課税保有限度額(NISAを利用し個人で投資できる上限金額)はつみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1,800万円までです。

積立投資信託を検討している場合は、NISAも併せて活用することをおすすめします。

積立投資信託の計算方法とは?
目標を定めてシミュレーションをおこなう重要性

積立投資信託は、毎月一定額をコツコツと積立てていき、じっくり時間をかけて資産を形成することが基本です。しかし、「いつまでに」「いくら」資産を作りたいかは人それぞれ異なります。自分の目標に到達するためには、どの投資信託(想定利回り)で、毎月いくらの金額を、何年かけて運用していくかの3つの基準が必要です。それによって投資信託の選択肢も変わってくるため、シミュレーションをしながら検討してみましょう。

  • 下記は税金・手数料等は考慮していません

たとえば、想定利回りが年3%の投資信託を選び、毎月2万円ずつ積立運用していくとしましょう。この場合、積立期間が10年なら、10年後の元利合計額は約279.5万円(元金240万円+運用収益39.5万円)になる見込みです。その積立をそのまま継続していき30年間積立運用するとすれば、元利合計額は約1,165.5万円(元金720万円+運用収益445.5万円)になります。

  • 金融庁「資産運用シミュレーション」

利回り3%が30年間続くと仮定すると、金利が0に近い銀行口座に預金しておくよりも約445万円も多く資産形成ができることになります。これを見ると、リスクが低めの投資信託で、かつ少ない積立金額でも、じっくり時間をかけて資産形成していけば大きな成果を求めることが可能なことが理解できるのではないでしょうか。

とはいえ、数字上のシミュレーションだけでは、いまひとつ理解しづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。りそなでは、積立投資やドルコスト平均法を、ワインを例に挙げてわかりやすく解説しています。初心者にもわかりやすく説明されていますので、ぜひチェックしてください。

積立投資信託をはじめる理由

まとめ

積立投資信託やNISAについて、なんとなく分かっても、結局自身に合うのはどっちかわからない、という方も多いと思います。もちろん両方行うこともできます。

銀行では、積立投資信託やNISAはもちろん、その他にもお客さまのライフプランに合わせた資産運用を提案してくれますので、実際に窓口で相談してみるのもいいでしょう。

平日お仕事で忙しい方でも利用しやすいように、銀行によっては、来店時間の事前予約が可能な店舗や、土日営業している店舗、平日夜遅くまで営業している店舗を設置している場合がありますので、ご予定に合わせて気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

何からすればいいかわからない
という方は…

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本記事は2024年2月29日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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