ボーナスの平均支給額はどれくらい?業界・企業規模・年齢別に解説

2022/03/31最終更新

ボーナスの平均支給額

会社員の楽しみの一つであるボーナスは、平均的にどれくらい支払われているのでしょうか。

ボーナスの平均支給額は、業界や企業規模によって異なり、なかにはボーナスが支給されない場合もあります。

この記事では、業界・企業規模・年齢別のボーナスの平均支給額について解説していきます。自分が勤める企業や、就職・転職したい企業のボーナス額が、全体から見てどれくらいの水準にあるのか確かめてみましょう。

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東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強をはじめる。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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ボーナスはいつ何ヵ月分支払われる?

ボーナスはいつ何ヵ月分支払われる?

まずは、ボーナスの算出方法や手取り額の概要など、ボーナスの基本について解説します。

ボーナスの支給日と支給額は企業によって異なる

ボーナスの支給方法や支給額は、特に法律で定められてはいません。そのため、いつどのようにどれくらいの金額をボーナスとして支払うかは、各企業の判断にゆだねられています。

一般的に、ボーナスは夏(6~8月)と冬(10~12月)の年2回支給されますが、年3回ボーナスを支給する企業や、なかには一度も支給しない企業もあります。

ボーナスがない企業よりボーナスの回数が多い企業のほうが、年収が高いと思う方も多いでしょう。

しかし、一概に、ボーナスの回数が多い企業のほうが年収も高いとはいえません。ボーナスがない企業のなかには、ボーナスを支払わない代わりに、月々の給与を増額している企業もあるからです。年収の多い企業を探す場合は、ボーナスだけでなく給与にも注目するとよいでしょう。

なお、ボーナスの金額や支払い方法は法律に定められていませんが、毎月支払われる給与は最低賃金法や労働基準法などによって、金額や支払い方法などが定められています。

ボーナスの基準は基本給

ボーナスは「基本給の○ヵ月分」で計算されることがほとんどです。例えば、基本給が20万円、ボーナスが基本給の3ヵ月分なら、ボーナスは60万円となります。同じ企業に勤めていても、基本給が違えばボーナスも変わるので注意しましょう。

ボーナス額の目安は、公務員の場合で約4ヵ月分、大企業で約2~3ヵ月分、中小企業で約1ヵ月分といわれています。

なお、企業の業績や人事評価などによっては、ボーナスが加算・減算されることもあります。

ボーナスの手取り額は
どれくらい?

ボーナスは基本給によって決まりますが、その全額が手に入るわけではありません。給与から税金などが引かれるのと同様に、ボーナスからは所得税と社会保険料が引かれるからです。

基本給から算出したボーナス額を「額面」、額面から所得税と社会保険料を控除した金額を「手取り額」と呼びます。手取り額は額面のおよそ7~8割が目安となっています。

控除額は所得や扶養親族の人数、加入している健康保険組合などによって変化します。ボーナスを含めた資金計画を立てる際は、ボーナスの控除額がどれくらいかを把握しておくとよいでしょう。

なお、住民税は、給与とボーナスを合わせた年間所得にかかる住民税を12ヵ月で割って、毎月の給料から支払われています。そのため、ボーナスから住民税は引かれません。

【業界別・企業規模別】
ボーナスの平均値

ここからは、政府の統計資料をもとに、ボーナスの平均値についてさまざまな角度から解説していきます。

まずは、厚生労働省が公表している毎月勤務統計調査をもとに、業界・企業規模別のボーナス平均値を見ていきましょう。

業界別

毎月勤務統計調査によると、業界別の労働者一人あたりの平均賞与額は、以下のとおりとなっています。

業界別 労働者一人あたりの平均賞与額

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業界 2021年 夏季賞与 2020年 年末賞与
電気・ガス業 86万7,560円 82万664円
情報通信業 66万5,248円 65万9,022円
学術研究等 65万3,687円 59万1,905円
金融業、保険業 64万3,656円 64万6,614円
教育、学習支援業 49万9,483円 53万6,522円
不動産・物品賃貸業 49万9,325円 45万6,336円
建設業 49万5,958円 45万9,895円
製造業 49万2,661円 48万5,658円
鉱業、採石業等 48万7,432円 57万5,313円
複合サービス事業 42万5,436円 45万5,477円
卸売業、小売業 35万7,487円 33万2,330円
運輸業、郵便業 32万2,898円 33万4,099円
医療、福祉 27万5,482円 30万9,215円
その他のサービス業 23万618円 21万9,545円
生活関連サービス等 13万5,034円 14万1,119円
飲食サービス業等 4万7,083円 5万2,955円

出典:厚生労働省 毎月勤労統計調査
「令和3年9月分結果速報等 ≪特別集計≫令和3年夏季賞与(一人平均)」
「令和3年2月分結果速報等 ≪特別集計≫令和2年年末賞与(一人平均)」

どの業界も、夏季賞与と年末賞与の金額には差があり、夏季賞与の金額のほうが高い業界もあれば、年末賞与の金額のほうが高い業界もあります。

ボーナスが最も多いのは、電力会社や発電所、ガス会社などが分類される電気・ガス業で、夏季賞与が86万7,560円、年末賞与が82万664円です。

一方で、ボーナスが最も少ないのは、レストラン等の飲食店などが分類される飲食サービス業等で、夏季賞与が4万7,083円、年末賞与が5万2,955円です。

業界によって、ボーナスの金額に大きな差があるといえるでしょう。

企業規模別

続いて、企業規模別の平均賞与額を見ていきましょう。毎月勤労統計調査によると、企業規模別の労働者一人あたりの平均賞与額は、以下のようになっています。

企業規模別 労働者一人あたりの平均賞与額

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企業規模 2021年 夏季賞与 2020年 年末賞与
5~29人 26万5,204円 26万9,100円
30~99人 33万8,240円 35万1,201円
100~499人 41万7,894円 42万1,453円
500人以上 63万6,176円 61万7,610円

出典:厚生労働省 毎月勤労統計調査
「令和3年9月分結果速報等 ≪特別集計≫令和3年夏季賞与(一人平均)」
「令和3年2月分結果速報等 ≪特別集計≫令和2年年末賞与(一人平均)」

労働者一人あたりの平均賞与額は、夏季賞与・年末賞与ともに、企業規模が大きくなるほど金額が増えています。

また、企業規模別の総事業所数における、賞与支給事業所数の割合も見てみましょう。

企業規模別 賞与支給事業所数割合

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企業規模 2021年 夏季賞与 2020年 年末賞与
5~29人 61.6% 66.6%
30~99人 88.0% 89.0%
100~499人 90.8% 93.4%
500人以上 95.4% 96.0%

出典:厚生労働省 毎月勤労統計調査
「令和3年9月分結果速報等 ≪特別集計≫令和3年夏季賞与(一人平均)」
「令和3年2月分結果速報等 ≪特別集計≫令和2年年末賞与(一人平均)」

企業規模が大きくなるほど、総事業所数に対するボーナスを支払う事業所の数が増えていることがわかります。ボーナスがある企業に就職・転職したいなら、企業規模の大きい企業から探すとよいでしょう。

【年齢別】
ボーナスの平均値

続いて、年齢別のボーナスの平均値を見ていきましょう。

厚生労働省が実施した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、年齢別の年間賞与その他の特別給与額平均値は以下のようになっています。

年齢別 年間賞与その他特別給与額

年齢 年間賞与その他特別給与額
~19歳 12万7,000円
20~24歳 37万8,100円
25~29歳 66万5,100円
30~34歳 79万5,000円
35~39歳 93万5,400円
40~44歳 103万6,600円
45~49歳 113万3,100円
50~54歳 121万8,500円
55~59歳 119万200円
60~64歳 67万500円
65~69歳 36万3,400円
70歳~ 27万2,700円

出典:厚生労働省 「令和2年賃金構造基本統計調査」

50代前半までは、年齢が上がるごとにボーナスも増えていき、50~54歳の121万8,500円がボーナスのピークとなっています。50代後半になるとボーナスは減り、定年退職者がでる60代以降は金額が大きく減少しており、70歳以降のボーナスは27万2,700円です。

勤務年数に応じて給与が増える企業が多いため、経験年数の短い若年層より、経験年数の長い高年齢層のほうがボーナスの金額が増えているといえるでしょう。

ボーナスの使い道は?計画を立てて利用しよう

まとまった収入であるボーナスが手に入ると、ついついすぐに使ってしまいがちです。大切な収入を無駄にしないよう、ボーナスをどのように利用するか計画を立てておきましょう。

ここでは、ボーナスの使い道と、使う際の注意点を解説します。

ボーナスの使い道はさまざま

自分へのご褒美や両親や恋人、子どもへのプレゼント、自己投資など、ボーナスの使い道は人によってさまざまです。ボーナスを、車や住宅のローン返済に充てる場合もあるでしょう。

ボーナスの使い方は自由ですが、ボーナスが入ったからといって、無計画に趣味や生活費にお金をつぎ込むのはおすすめしません。

まとまったお金が手に入るボーナスだからこそ、その使用方法も計画的に決めておくことが大事です。

ボーナスは貯蓄にも回そう!みんなの平均貯蓄額は?

ボーナスをすぐに使わずに、将来のために貯蓄に回すこともおすすめです。

厚生労働省が実施した「2019年国民生活基礎調査」によると、各年代の1世帯あたり平均貯蓄額は以下のようになっています。

世帯主の年齢別にみた1世帯あたりの平均貯蓄額(万円)

出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」

仕事を始めたばかりで、収入があまり多くない29歳以下の平均貯蓄額が、各世代のなかで最も低い179.8万円となっています。

子育て世帯である30代から40代では、平均貯蓄額が少しずつ増えているものの、教育費や住宅ローンなどの返済のため、それほど貯蓄額は増えていきません。

子どもが独立し、自身も仕事で要職に就くことの多い50代と60代では、平均貯蓄額は1,000万円を超えており、60代で貯蓄額のピークを迎えています。

70歳以上は退職し、これまでの貯蓄を取り崩しながら生活する人が多く、60代の頃と比べると平均貯蓄額が減少していることがわかるでしょう。

このように、ライフステージによって必要となる資金は異なり、それによって貯蓄額も変わります。早めにライフプランを立て、それに沿ってボーナスや給与を貯蓄していくことは、将来の不安を取り除く有効な方法です。

投資信託などの資産運用も検討する

貯蓄に余裕がある場合は、投資信託などの資産運用がおすすめです。低金利が続く昨今では、ただお金を銀行に預けているだけでは、資産を増やすのが難しくなっています。お金を増やしたいなら、お金を貯蓄するだけではなく、投資にも挑戦してみましょう。

資産運用には、債券投資・金投資・株式投資・不動産投資などさまざま種類がありますが、なかでも初心者におすすめなのは投資信託です。

投資信託なら、資産の運用をプロに任せられるうえ、少額からの投資が可能なので、投資の知識が少ない初心者でも安心して資産運用できます。

将来のためにお金を増やしたいなら、まずは投資信託から検討してみましょう。

ボーナスの使い道に不安がある場合は、資産の管理運用のプロである銀行員への相談もおすすめです。

銀行員が教える!ボーナスの上手な使い道

まとめ

ボーナスの支給日や金額は企業によって異なります。ボーナスの平均額は、企業の規模が大きくなるほど高くなり、年齢が上がるほど高くなる傾向があります。

まとまった収入であるボーナスは、計画的に利用するのがおすすめです。むやみに使わず、将来の教育費や住宅費、老後資金のために貯蓄したり、投資信託などの資産運用を検討したりするとよいでしょう。

なお、ボーナスを適切に管理し、資産運用を行うなら、りそなの利用がおすすめです。

りそななら、口座開設や残高照会・定期預金・投資信託などの各種手続きをアプリから簡単に行えます。資産運用について銀行員に窓口で直接相談できるため、ボーナスの使い道について迷っている方は、気軽に相談してみるとよいでしょう。

資産運用のプロである銀行員おすすめの、ボーナスの使い道については下記記事にまとめられているので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

銀行員が教える!ボーナスの上手な使い道

ボーナスの活用方法について
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本記事は2022年3月31日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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