住宅ローンの金利はどう変わってきた?約35年の推移と今後の見通し

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棒グラフと上向きの折れ線が描かれたボードを指す家のイラスト

2026年6月、日本銀行(以下、日銀)が金融政策決定会合において、政策金利を1%まで引き上げました。これは約31年ぶりの高水準です。

なお、以前は公定歩合が金融政策の中心的な指標として利用されていました。1998年以降は、無担保コール翌日物金利を金融市場調節の誘導目標とする運営へ移行しています。こうしたなか、「これから住宅ローンを組んでも大丈夫?」「変動金利のままで問題ない?」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

現在の金利水準を正しく判断するためには、過去の金利推移や金利変動の背景を理解して、今後の動向を見通すことが重要です。

この記事では、過去約35年の住宅ローン金利の推移や、マイナス金利解除後の金融政策の動向、住宅ローン金利の今後の見通しなどをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

【過去約35年の住宅ローン金利推移】1990年代初頭は高金利だったが、その後は段階的な利下げやマイナス金利政策などにより、歴史的な低金利が長期間続いた。2024年3月のマイナス金利政策解除を機に、現在は上昇局面へ転換した。

【2026年最新の住宅ローン金利水準】2026年6月に日銀の政策金利が1%まで引き上げられ、約31年ぶりの高水準となった。変動金利・固定金利ともに上昇傾向が続いている。

【住宅ローンの今後の見通し】変動金利は日銀の政策金利の影響を受けやすく、固定金利は長期金利や市場の動向に左右されやすい。それぞれ異なる要因で変動するため、今後の動向を注視することが大切。

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【グラフで見る】
1990年代からの政策金利と住宅ローン金利推移

クリップボードを持つ人物と、上昇する折れ線グラフのイラスト

次のグラフは、住宅ローン金利に影響を与える政策金利、短期プライムレート(最頻値)、長期プライムレートの推移を表したものです。

一般的に、変動金利は政策金利に、固定金利はその時点の10年物の国債利回り(長期金利)に影響を受ける傾向があります。そのため、これらの指標を確認することで、住宅ローン金利の動向を把握しやすくなります。

1990年12月から2026年6月までの政策金利と住宅ローン金利の推移を示す折れ線グラフ。政策金利、全期間固定金利型、変動金利型の復週後・復週前の4系列が表示されている。
1990年代以降の政策金利と住宅ローン金利推移
縦軸は0%から9%、横軸は1990年12月から2026年6月。政策金利はピンク、全期間固定金利型はオレンジ、変動金利型(復週後)は青実線、変動金利型(復週前)は青破線で示されている。グラフ内には「バブル期」「デフレ・金融緩和の時代」「この先は…?」の注記がある。
  • ※1政策金利は日本銀行のホームページを元に現在の政策金利の指標である無担保コールレート(オーバーナイト物)を、全期間固定金利型(引下げ後)は、全期間固定金利型(引下げ前*2003年9月までは公庫基準金利、翌月以降は【フラット35】金利(借入期間21年以上、融資率9割以下の最頻金利))から【フラット35】S等の最大の金利引下げ幅を適用した場合の当初の借入金利を、変動金利型は主要都市銀行のホームページなどにより集計した金利(中央値)を掲載しています。
  • ※2このグラフは、住宅金融支援機構が各種資料を基に独自にまとめたものであり、将来の金利を予測するものではありません。
    出典:住宅金融支援機構「住宅ローンの金利推移」

株価や不動産価格の上昇を背景としたバブル経済のもと、短期金利・長期金利はともに高い水準で推移していました。1990年12月時点では、住宅ローンの変動金利が8.5%という記録も残っています。

1990年をピークに金利は下降局面へ転じ、バブル崩壊後は、1999年のゼロ金利政策や2001年の量的緩和政策などを背景に金利は下降局面となりました。

その後も、上記のゼロ金利政策や量的緩和政策などの影響で、各指標は徐々に低下しています。

さらに、デフレや低成長が続いたことで低金利環境が長期間維持され、2016年のマイナス金利付き量的・質的金融緩和が導入されます。その結果、住宅ローンの金利は歴史的な低水準となったのです。

グラフを見ると、1990年代前半の金利の高い時代と、その後の低金利時代では、住宅ローンを取り巻く金利環境が大きく変化していることがわかります。

近年は、金利が上昇局面に入っており、多くの住宅購入者にとっては、これまで経験したことのない金利環境の変化といえるでしょう。

マイナス金利解除後の金融政策と住宅ローン金利

ここで、近年の金融政策決定会合における、住宅ローンに関係する主な決定事項を見ていきましょう。

時期 決定事項
2024年3月 マイナス金利政策解除
2024年7月 政策金利の誘導水準を引上げ(0.25%)
2025年1月 政策金利の誘導水準を引上げ(0.50%)
2025年12月 政策金利の誘導水準を引上げ(0.75%)
2026年6月 政策金利の誘導水準を引上げ(1.00%)

2016年にマイナス金利政策が導入されて以降、住宅ローン金利は低い水準で推移していました。しかし、2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除したことを契機に、住宅ローン金利にも上昇の動きがみられるようになりました。

その後は段階的な利上げが実施され、2026年6月には政策金利の誘導水準が1%へ引き上げられました。これは、1995年以来、約31年ぶりの水準です。

このような金利環境の変化を受け、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。今後の住宅ローン金利を考えるうえでは、日銀の金融政策や経済情勢を注視することが重要です。

住宅ローン金利の種類と仕組みをおさらい

指を立て、冊子を持つ人物の線画イラスト

住宅ローンを選ぶうえでは、金利の種類と仕組みを理解しておくことが大切です。ここでは、代表的な3つの金利タイプについて、それぞれの特徴や仕組みを解説します。

変動金利型

変動金利型は、市場の金利動向に応じて定期的に見直しが行われる金利タイプです。一般的に、金利は半年ごと、返済額は5年ごとに見直されます。

変動金利は、日銀の政策金利をもとに各銀行が設定する「短期プライムレート」の影響を受けます。そのため、日銀が利上げを実施すると、変動金利も上昇する可能性があります。

固定金利と比べて金利は低い傾向にありますが、金利上昇によって返済負担が増える可能性がある点には注意が必要です。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、借入時に定めた金利が返済終了時まで変わらない金利タイプです。

主に10年国債利回りなどの長期金利をもとに設定され、景気や物価動向、市場の動向などが金利に反映されます。

返済額を一定に保ちやすいため、資金計画を立てやすい一方で、変動金利より金利が高めに設定されます。

なお、代表的な商品として、全期間固定金利型には住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット35」があります。

固定金利期間選択型

固定金利期間選択型とは、5年・10年・15年など、一定期間の金利を固定するタイプです。固定期間終了後は、その時点の金利をもとに金利タイプを選び直せます。

固定期間中は契約時の金利が適用されますが、期間終了後はその時点の市場金利をもとに新たな金利が決まります。一定期間は返済計画を立てやすい反面、固定期間終了後の金利動向によっては返済負担が変わる可能性もあるでしょう。

【2026年最新】
住宅ローン金利の相場はどれくらい?

ここでは、変動金利型・固定金利期間選択型(10年固定)・フラット35等の最新の金利相場を紹介します。

変動金利型の基準金利

変動金利型の基準金利は、各金融機関が設定する住宅ローンの店頭金利です。2026年7月現在、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行では基準金利が年3.125%前後となっており、2024年以降の日銀の利上げを受けて上昇傾向が続いています。

ただし、実際の借入時には金融機関ごとの金利優遇が適用されるため、適用金利は基準金利より低くなるのが一般的です。

住宅ローンを比較する際は基準金利だけでなく、優遇後の適用金利も確認しましょう。

フラット35等の最新金利

フラット35等の最新金利は次のとおりです。

商品 融資率 金利の範囲 最も多い金利
フラット20 9割以下 年2.820%~年5.080% 年2.820%
9割超 年2.930%~年5.190% 年2.930%
フラット35 9割以下 年3.140%~年5.400% 年3.140%
9割超 年3.250%~年5.510% 年3.250%
フラット50 9割以下 年3.320%~年5.240% 年3.320%
9割超 年3.430%~年5.350% 年3.430%

横スクロールできます。

出典:住宅金融支援機構 「フラット35」金利情報(2026年7月現在)

2026年7月現在は、フラット35(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下)の最も多い金利は年3.14%です。前月の3.21%からは低下したものの、依然として高い水準となっています。

固定金利期間選択型
(10年固定)の金利相場

2026年7月時点における固定金利期間選択型(10年固定)の金利は、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行で年3%台が中心です。

固定金利(10年固定)は、10年国債利回りなどの長期金利の影響を受けます。そのため、市場で将来の物価上昇や追加利上げへの警戒感が高まると、固定金利も上昇しやすい特徴があります。

実際に、2026年5月には10年国債利回りが一時2.8%まで上昇し、約30年ぶりの高水準を記録しました。背景には、円安やエネルギー価格の上昇によるインフレ懸念などがあるとされています。こうした状況が、固定金利の上昇要因の一つとなっています。

住宅ローン金利の
今後の推移はどうなる?

上向きの矢印、%記号、屋根の付いた家の中に「金利」の文字が描かれているイラスト

最後に、変動金利と固定金利の今後の見通しについて考えてみましょう。

変動金利の今後の推移の見通し

変動金利の基準金利は、各金融機関が短期プライムレートを基準に設定しています。短期プライムレートは、日銀の政策金利の方向性に連動しやすい傾向があります。

2024年以降は日銀の利上げ局面を受けて、主要銀行の短期プライムレートも徐々に上方修正されてきました。

以下の表は、2009年以降の短期プライムレートの推移です。

実施日 短期プライムレート(最頻値)
2009年1月13日~ 1.475%
2024年9月2日~ 1.625%
2025年3月3日~ 1.875%
2026年2月2日~ 2.125%

参考:日本銀行「統計」長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降

2026年6月の政策金利引上げを受け、主要銀行では2026年8月3日より短期プライムレートを2.375%へ引き上げました。

今後、日銀が追加利上げを実施した場合は、短期プライムレートの上昇にともない、変動金利の基準金利が引き上げられる可能性があります。

変動金利を選択している方は、金融政策の動きを日頃から注視しておくことが大切です。

固定金利の今後の推移の見通し

固定金利は、一般的に10年国債利回りなどの長期金利を参考にして決まります。10年国債の利回りは、国内外の経済動向や市場の需給関係によって変動します。長期金利が上昇すると、固定金利型住宅ローンの金利も上昇します。

また、固定金利は長期金利を通じて市場の将来予測をいち早く織り込む性格があるため、変動金利よりも先に動く傾向があります。そのため、市場環境の変化を受けやすい点が特徴です。

このように、固定金利は、さまざまな要因から影響を受けるため、今後の方向性を見通すことは容易ではありません。

固定金利を検討している方は、長期金利の動向も確認しておきましょう。

金利上昇が住宅ローンに与える影響|変動金利・固定金利の選び方と対処法

まとめ

住宅ローン金利は、バブル期の高金利時代から長期にわたる低金利時代を経て、現在は上昇局面へと転換しています。

2024年のマイナス金利政策解除以降は、変動金利・固定金利の双方で上昇が進んでおり、今後も金融政策や経済情勢によって変化する可能性があります。

住宅ローンの借入れや借換えを検討する際は、これまでの推移をふまえ、変動金利・固定金利それぞれの仕組みと最新の金利水準を正しく理解しておくことが大切です。

まずはシミュレーションで返済額の目安を確認し、不安な点は専門家への相談も検討してみましょう。

本記事は時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」の金利は、それぞれどのような指標の影響を受けて決まりますか?
変動金利は、日銀の政策金利をもとに各銀行が設定する「短期プライムレート」の影響を受けます。一方、全期間固定金利などの固定金利は、10年国債利回りなどの長期金利をもとに設定されます。

住宅ローンの「基準金利」と「適用金利」の違いは何ですか?
基準金利は各金融機関が設定する店頭金利のことです。金融機関ごとの金利優遇が適用されるため、実際の借入時に適用される適用金利は基準金利よりも低くなるのが一般的です。

住宅ローンの変動金利と固定金利のメリット・デメリットは何ですか?
変動金利は固定金利に比べて金利が低い傾向があるといったメリットがある反面、将来の金利上昇により返済負担が増えるリスクがあります。 一方、固定金利は返済額が一定で資金計画を立てやすいメリットがあるものの、変動金利よりも金利が高めに設定される点には注意が必要です。

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