金利上昇が住宅ローンに与える影響|変動金利・固定金利の選び方と対処法
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2024年3月のマイナス金利解除以降、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。2026年6月には政策金利が「1%」に引き上げられたことから、「住宅ローンへの影響は?」「返済額を抑える方法はある?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
実際に、金利上昇は住宅ローンに影響します。特に変動金利で借り入れている場合は、将来的に返済額が増える可能性があり、注意が必要です。ただし、返済額の見直しには一定のルールがあり、金利上昇に備える方法もあります。
この記事では、金利上昇が住宅ローンに与える影響や固定金利・変動金利の選び方、返済額が増えた場合の対処法などを解説します。より低金利の住宅ローンへの借換えについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【金利上昇が住宅ローンに与える影響】政策金利の引上げを背景に、住宅ローン金利は上昇傾向にある。特に変動金利型住宅ローンへの影響が大きく、固定金利型住宅ローンに関係する長期金利も上昇しているため、今後も住宅ローン金利は上昇が続く可能性がある。
【変動金利・固定金利の違いと選び方】固定金利は、当初の返済額が変わらないため返済計画が立てやすく、金利上昇への不安が抑えられる。変動金利は金利変動があるものの、固定金利と比較すると低い水準を維持している。それぞれの特徴を理解したうえで選ぶことが大切。
【金利上昇に備える具体的な対策】住宅ローンの金利上昇には、最新の金融政策や金利優遇制度をチェックする、借入金額を減らす、繰上返済する、変動金利から固定金利に変更する、低金利の住宅ローンに借り換えるといった対策がある。
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証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経てFP事務所開業。より豊かに自分らしく生きるためには、「お金と向き合うこと」が大切との想いから、相談・執筆・講師として活動。知識だけでない経験を踏まえたアドバイス、そしてサポートを提供。
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金利上昇の背景とは?
住宅ローンの今後の見通し
近年、住宅ローンの金利は上昇傾向にあります。その背景にあるのが、日本銀行による政策金利の引上げです。
2024年3月、日本銀行(以下、日銀)は長年続いたマイナス金利政策を解除し、政策金利を「-0.1%」から「0.1%程度」へ引上げました。その後も段階的な利上げが続いています。
実際に、近年の政策金利の推移を見てみましょう。
- 政策金利の推移
| 日付 | 引上げ後の金利 |
|---|---|
| 2024年3月 | 0.1% |
| 2024年7月 | 0.25% |
| 2025年1月 | 0.5% |
| 2025年12月 | 0.75% |
| 2026年6月 | 1% |
2026年6月の「1%」という数字は、1995年以来、約31年ぶりの高い水準です。政策金利が引き上げられると、変動金利型住宅ローンの金利にも影響します。
一方で、固定金利型住宅ローンは、長期金利(10年国債利回り)を基準に金利が決定されます。将来の物価上昇や経済成長、市場動向等が反映されるため、変動金利に先行して2023年ごろから金利上昇の傾向にあります。
このような状況から、住宅ローン金利は今後も上昇が続く可能性があり、返済額の増加や金利方式の選択に悩む方が増えるかもしれません。
金利上昇が住宅ローンへ
与える影響
今後も金利が上昇した場合、住宅ローンにはどのような影響があるのでしょうか。ここでは、「住宅ローンを現在返済中の方」と「これから住宅ローンを利用する方」に分けて解説します。
住宅ローンを返済中の方への
影響
現時点で変動金利型を利用している場合は金利上昇の影響により、今後の毎月の返済額や返済総額に影響がおよぶ可能性があります。
一方、全期間固定金利型を利用している場合は、今後金利が変動しても影響はありません。ただし、5年・10年など期限付きの固定金利型の場合は、固定期間終了後に適用金利が見直されるため、その時点の金利や社会情勢を踏まえて返済方法を検討する必要があります。
これから住宅ローンを
借りる方への影響
これから家を建てたり購入したりする予定があり、住宅ローンを借りる方は、直近の金利を確認しておきましょう。今後は借入時の適用金利が高くなることも想定されるため、金利の変動によって借入額や返済額が変わることを考慮しておく必要があります。
住宅ローンでは、年収に対する返済負担率を審査基準としている金融機関が多くあります。返済負担率とは、年収に対して年間の返済額が占める割合を示す指標です。金利が上昇して毎月の返済額が増えると、同じ返済負担率内に収めるために借入可能額が少なくなることもあるでしょう。
また、予定していた金額が借りられた場合でも、金利が上がると利息負担が増加し、返済総額が大きくなるケースもあります。
変動金利型住宅ローンは金利上昇の影響を受けやすい
固定金利型住宅ローンは、契約時に決められた期間中は金利が変わらないため、金利が上昇しても返済額への直接的な影響はありません。一方、金利上昇の影響を受けやすいのが変動金利型住宅ローンです。
変動金利は、「短期プライムレート」を参照して決定されます。短期プライムレートは日本銀行の政策金利の影響を受けるため、政策金利が引き上げられると、変動金利型住宅ローンの金利も上昇する可能性があります。
金利が1%上昇したら?
返済額シミュレーション
ここでは、金利上昇により返済額がどの程度増えるのか、シミュレーションをもとに見ていきます。
- ※以下のシミュレーションは筆者による試算です。
- ※試算の数値は金利差1%のイメージをわかりやすくするため、簡潔な数値で設定しています。
- ※実際の金利、借入残高、返済期間、返済額とは異なる点をご理解ください。
借入期間中に変動がなかった場合(固定の場合含む)
まずは、借入時の金利が1%の場合と2%の場合(金利差1%)を比較し、毎月の返済額と返済総額の違いを見てみましょう。
- 試算条件
- 借入金額 4,000万円
借入期間 35年
返済方式 元利均等返済
ボーナス返済 なし
- ※使用シミュレーター:高精度計算サイト ローン返済(毎月払い)
| 金利 | 毎月の返済額 | 総返済額(うち利息分) |
|---|---|---|
| 1%の場合 | 約11.3万円 | 約4,742万円(約742万円) |
| 2%の場合 | 約13.3万円 | 約5,565万円(約1,565万円) |
| 差額 | 約2万円 | 約823万円(利息の差額) |
横スクロールできます。
金利が1%上昇すると、同じ金額・同じ返済期間で借入れた場合でも、毎月の返済額は約2万円増えます。返済総額では、800万円以上の差が生じます。
上記借入を1%で実行したあと、借入10年後に2%になった場合
次に、①の条件で10年返済後、10年後に金利が2%へ上昇すると、毎月の返済額や返済総額はどのように変わるでしょうか。35年ローンで10年目に金利上昇したケースを試算します。
- 10年目時点の試算条件
- 借入残高 29,960,840円※以下シミュレーターによる
残りの返済期間 25年
返済方式 元利均等返済
ボーナス返済 なし
- ※使用シミュレーター:高精度計算サイト ローン返済(毎月払い)
| 金利 | 毎月の返済額 | ローンの総返済額(うち利息) |
|---|---|---|
| 35年間1%が維持された場合 | 約11.3万円 | 約4,742万円(742万円) |
| 10年目に2.00%に上昇した場合 | 約12.7万円 | 約5,165万円(1,165万円) |
| 差額 | 約1.4万円 | 約423万円(利息の差額) |
横スクロールできます。
このように、変動金利型で返済の途中に金利変更があった場合、毎月の返済額と総返済額は変わってきます。
すぐ返済額が変わるわけではない!変動金利型住宅ローンのルール
上のシミュレーションを見て、変動金利型住宅ローンを利用している方は、「金利が上昇すると来月にも返済額がアップするのでは……」と心配になるかもしれません。
しかし、変動金利には返済額の急激な増加を防ぐため、多くの場合、以下のような仕組みがあります。
変動金利の5年ルール
変動金利型の住宅ローンは、毎月の返済額の見直しを5年ごと、というルールが適用される場合があります。つまり、途中で金利変更があっても、すぐに返済額が増えるわけではなく、返済額は5年間据え置きです。
一方で、金利自体は半年ごとに見直されます。そのため、返済額が据え置かれている期間に金利が上昇すると、返済額に占める利息の割合が増え、元本が減りにくくなることがあります。
このような5年ルールの注意点については、後述する「5年ルール・125%ルールの注意点」で詳しく解説します。
変動金利の125%ルール
金利が変動しても、毎月の返済額は5年間据え置かれ、5年ごとの見直し時に変更されます。返済額が見直される場合でも、変更後の毎月返済額は、変更前の125%までと決められています。
例えば毎月の返済額が10万円の場合、見直し後の返済額は最大でも12万5,000円です。
5年ルール・125%ルールの
注意点
5年ルール・125%ルールは変動金利型の救済案のように見えますが、返済額の急激な増加は防げても、金利上昇分の利息が免除されるわけではありません。
返済額を超えて利息分が発生すると、「未払利息」として先送りされてしまいます。未払利息の状態が続くと、積み重なった利息を最終回返済時にまとめて支払わなければならない場合があるため、注意が必要です。
金利上昇幅が大きい場合など、最終回返済時に想定よりも大きい未払利息が請求される可能性があります。
なお、変動金利型でも5年ルール・125%ルールが適用されない金融機関があります。また「元金均等返済」など契約内容や商品によっても対象外になります。さらに、固定金利期間選択型の終了後に変動金利へ切り替えた場合も適用されません。
固定金利型・変動金利型の特徴と選び方
ここまで、変動金利型の金利上昇時の影響などを読んで、すぐにでも固定金利型に変えたいと感じた方もいるかもしれません。一度基本に立ち返り、固定金利・変動金利の特徴を整理してみましょう。
固定金利型の特徴
固定金利型とは、一定期間金利が変わらない方式です。固定金利型には、借入れから返済まで金利が変わらない「全期間固定金利型」と、5年・10年・15年など一定期間のみ金利を固定する「固定金利期間選択型」の2種類があります。
固定金利期間選択型は、固定期間中は返済額が変わらず計画を立てやすい一方、期間終了後はその時点の金利で新たな金利タイプを選択する仕組みです。
それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 【全期間固定金利型】ローン完済まで金利が変わらないため、返済計画を立てやすく家計管理しやすい
- 【固定金利期間選択型】固定期間中は金利が変わらず、全期間固定金利よりも金利が低い傾向
- 金利上昇の不安が少なく、金利上昇に対する精神的不安がない
デメリット
- 変動金利よりも設定金利が高め
- 【全期間固定金利型】金利が下がった場合に恩恵が受けられない
- 【固定金利期間選択型】固定期間終了後は、その時点の金利水準によるため返済額が増える可能性がある
選び方のポイント
固定金利では、金利上昇による返済額の変動を心配せずに済みます。ただし、将来の金利動向は予測できないため、変動金利と比べてどちらが有利になるかは一概にはいえません。子育てやライフイベントがあり、毎月の返済額を一定にしたいという場合は、固定金利を選ぶとよいでしょう。
変動金利型の特徴
変動金利型は短期プライムレートに連動し、半年ごとに金利の見直しが行われる方式です。
変動金利型のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット
- 固定金利よりも金利が低い場合が多い
- 上昇傾向にあるとはいえ、現在も比較的低めの金利水準
デメリット
- 政策金利の影響を受けるため、金利上昇時には、上昇幅に応じて総返済額が増える可能性がある
- 長期的なライフプランが立てにくい
選び方のポイント
変動金利は、固定金利と比較すると低い金利で借入れできる点が大きな魅力です。一方で、将来的な金利上昇によって返済負担が増える可能性もあるため、家計への影響を踏まえて選ぶことが大切です。
住宅ローンの金利上昇に備える6つの対策
これから住宅ローンを借りる方はもちろん、すでに利用している方のなかにも、「金利が上がって返済できなくなったらどうしよう」と不安を感じている方は多いでしょう。
ここでは、住宅ローンを検討中の方やすでに利用している方のそれぞれに向けて、金利上昇局面で考えておきたい6つの対策を紹介します。
最新の金融政策をチェックする
これから借りるすでに借りている
日頃から金利の動向に関心を持ち、状況を見定めるようにしましょう。日本銀行の金融政策決定会合のニュースなどは、ぜひチェックしてください。
金利優遇制度をチェックする
これから借りる
住宅金融支援機構が提供する「フラット35(固定金利)」には、子育て世帯を対象とした金利優遇制度などがあります。このような制度で利用できるものはないか、事前に確認しておきましょう。
また、「フラット35」は融資率(9割以下か9割超か)によっても金利が異なります。頭金を準備して借入金額を下げ、金利負担を下げることも有効な対策です。
借入金額を減らす
これから借りる
頭金を多めに用意するなどして、借入額そのものを抑えることも有効です。金利上昇で借入可能額に影響が出た場合でも、対応しやすくなります。
なお、借入期間は借入後に延長できないため、余裕をもった返済期間で借入れ、可能なら繰上返済により期間短縮を検討する方法が安心です。
繰上返済する
すでに借りている
金利が上がる前に、繰上返済を活用して元本(残債)を少しでも減らしましょう。借入金額(元本)を減らす、借入期間を短縮することで、利息負担を減らせる可能性があります。
ただし、金利がすでに上昇していて、5年ルール・125%ルールが適用されている場合は注意が必要です。一部繰上返済をしても、繰り延べられた未返済分に充当されるため、返済期間が短くならない・毎月の返済額が軽減されないケースがあります。
返済期間が残り少ない場合や、団体信用生命保険などの保障が充実している場合の繰上返済は、どの程度、どのようなメリットがあるかを相対的に判断してください。
変動金利から固定金利に
変更する
すでに借りている
変動金利で借りている場合は、金利変動のリスクを抑えるため固定金利に変更する方法も選択肢です。
固定金利への変更には、適用金利が高くなることや手数料がかかることなどのデメリットもあります。しかし、今後の金利上昇による不安を解消できるメリットもあるため、変更した場合のシミュレーションと比較し、慎重に検討することをおすすめします。
なお、りそなの住宅ローンでは、現在利用している住宅ローンの種類により、固定金利への変更を扱っていない場合や、取引状況などにより固定金利の取り扱いができない場合があります。
金利タイプを変動から固定に変更したい場合、まずは利用中のローンを扱っている金融機関に相談してみましょう。
低金利の住宅ローンに借換える
すでに借りている
利用中の住宅ローンから低金利のローンへの借換えは、有効な手段の一つです。銀行口座を給与振込口座や公共料金の支払口座に指定するなど、所定の条件を満たすと基準金利から金利引下げが可能なケースもあり、引下げ幅を活用することで、住宅ローンの借入金利が優遇される場合があります。
適用金利が下がれば利息負担を直接軽減できるため、返済負担を抑える方法として価値があるでしょう。
住宅ローンの借換えなら
りそながおすすめ
りそなの住宅ローンは、これから住宅ローンを利用する方だけでなく、借換えにも対応しています。
所定の条件を満たすことで、店頭表示金利よりも金利の引下げが適用される場合があります。また、豊富な団体信用生命保険が利用できる点も、りそなの住宅ローンの特徴です。
まとめ
政策金利の上昇により、住宅ローン金利は今後も上昇する可能性があります。変動金利は金利変動の影響を受けやすい一方、固定金利は返済額が変わらない安心感があるため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
変動金利型住宅ローンには、5年ルール・125%ルールなどの返済額の急増を抑える仕組みがあります。ただし、返済額が据え置かれていても利息負担は増えるため、早めに対策を検討しましょう。
金利上昇への対策はいくつかありますが、返済負担の軽減を目指す方法の一つが、より低金利の住宅ローンへの借換えです。
りそなでは、条件を満たせば金利引下げの可能性があり、働き盛りの方も安心の団体信用保険もご用意しています。住宅ローンの負担にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
本記事は時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。
よくあるご質問
変動金利の「5年ルール」や「125%ルール」とはどのような仕組みですか?
途中で金利が上がっても5年間は毎月の返済額は増えず、返済額が見直される場合でも、従来の125%までしか返済額を増やさない仕組みです。
これから住宅ローンを借りる場合、金利上昇に備えてできる工夫はありますか?
頭金を多めに用意して借入金額自体を減らすことや、子育て世帯向けなどの金利優遇制度(フラット35など)を活用することが有効です。また、繰上返済を活用すると利息負担を減らせる可能性もあります。
すでに変動金利で住宅ローンを借りている場合、返済負担を抑える方法はありますか?
繰上返済で元本を減らして利息負担を抑える方法や、条件を満たすことで金利引下げが適用される、より低金利の住宅ローンへ借り換える方法があります。また、手数料がかりますが、変動金利から固定金利へ変更すると将来のリスクを回避できる可能性があります。





