住宅ローンの固定金利とは?変動金利との違いや今後の見通し、向いている人の特徴

公開日:
更新日:

家とパーセント記号の吹き出しを見て、考え込む人物のイラスト

住宅ローンを検討する方のなかには、「固定金利にはどのような特徴やメリットがあるのだろうか」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。

住宅ローンの固定金利とは、借入時の適用金利が全期間、または一定期間変わらないタイプの金利を指します。

固定金利の主なメリットは、全期間固定金利型では完済まで、固定金利期間選択型では固定金利適用期間中の返済額が原則変わらないため家計管理がしやすく、金利が固定されている期間中は金利上昇リスクの影響を受けないことです。

この記事では、住宅ローンにおける固定金利の概要、メリットや注意点について解説します。併せて、変動金利との違いや住宅ローン利用者の金利タイプの選択傾向、今後の金利動向、固定金利が向いている方の特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 【固定金利の仕組みと種類】
    固定金利とは、借入時に決定した金利が変わらないタイプで、全期間固定金利型と固定金利期間選択型の2種類がある。
  • 【変動金利との違いとメリット・注意点】
    固定金利は返済額が一定で家計管理がしやすい反面、変動金利より金利水準が高い傾向があり、市場金利が下がっても恩恵を受けられない点に注意する。
  • 【固定金利が向いている方】
    毎月の返済額を確定させたい方、金利上昇リスクを懸念している方、将来に大きな支出を控えている方は固定金利が向いている。
私が書きました
所属企業・組織・団体

赤上FP事務所

専門分野

住宅ローンやマイカーローンなどの個人向け融資、NISA・投資信託を中心とした資産運用

主なキャリア

元銀行員。若年層から高年層まで幅広い資産運用の提案を行う。メディアを通じて、より多くのお客さまに金融の知識を伝えたい気持ちが強くなり、退職を決意。
現在は、編集者として金融機関を中心にウェブコンテンツの編集・執筆業務に従事している。

  • ※りそなグループが監修しています

住宅ローンの
固定金利とは?

まずは、住宅ローンにおける固定金利の概要を解説します。

全期間または一定期間を通して金利が変わらない

住宅ローンにおける固定金利の特徴は、全期間または一定期間を通して金利が変わらないことです。

固定金利は、借入後の市場金利の変動によって適用金利が変わらないため、長期的に安定した返済計画を立てやすい特徴があります。

固定金利・2つの種類

住宅ローンの固定金利には、次の2種類があります。

  • 全期間固定金利型
  • 固定金利期間選択型

全期間固定金利型とは、借入時から完済までの全期間にわたって金利が変わらない住宅ローンを指します。

一方の固定金利期間選択型は、3年、5年、10年などの一定期間は固定金利が適用され、特約期間終了後に再度固定金利とするか、変動金利に変えるかを選択できる住宅ローンです。

原則として、固定金利が適用されている期間中は金利タイプを変更できません。また、金利を固定する期間が長いほど、適用される金利は高くなるのが一般的です。

住宅ローンの固定金利と変動金利の違い

住宅ローンには、固定金利のほかに変動金利があります。以下で、変動金利の特徴と固定金利との違いを見ていきましょう。

変動金利の特徴

住宅ローンにおける変動金利の特徴は、市場の金利動向に応じて金利が定期的に見直されることです。

市場金利が低下した場合、変動金利もそれに応じて金利が下がるため、固定金利と比べて月々の返済額は低くなることがあります。しかし、市場金利が上昇し続けると、変動金利では固定金利より月々の返済額が増えるリスクを考慮しなければなりません。

変動金利は、市場金利を基準に年2回(4月・10月)見直されるのが一般的です。ただし、一部の金融機関では、借入れから5年間は金利が変動しても毎月の返済額を据え置く「5年ルール」や、返済額が増える場合も前回の125%までを上限とする「125%ルール」によって、返済額の急激な増加を抑える仕組みを設けています。

ただし、これらのルールは月々の返済負担の急増に配慮した仕組みであり、適用金利の上昇による利息負担がなくなるわけではない点に注意が必要です。ルールの有無や適用条件は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

固定金利と変動金利の違い

住宅ローンを選ぶ際は、固定金利と変動金利の違いを理解しておくことが大切です。主な違いを以下の表にまとめています。

固定金利 変動金利
金利水準 変動金利より高めの傾向 固定金利より低めの傾向
返済額 金利固定期間中は原則一定 市場金利に応じて変動
金利上昇リスク 金利固定期間中は受けない あり
返済計画の立てやすさ 立てやすい 立てにくい

固定金利は、返済期間中または一定期間の金利が変わらないため、毎月の返済額を把握しやすいことが特徴です。一方、変動金利は固定金利より借入当初の金利水準が低い傾向にあるものの、市場金利の上昇などにともない適用金利が上がり、返済額が増える可能性があります。

返済額の安定性を重視する場合は固定金利、当初の返済負担を抑えたい場合は変動金利のほうが適しているといえます。

金利タイプを選ぶ際は、子どもの進学や住宅リフォームなどのライフイベントも考慮し、長期的な返済計画に合ったものを選ぶことが重要です。また、変動金利を選ぶ場合は、金利が上昇した場合の返済額もシミュレーションし、家計への影響を確認しておきましょう。

金利タイプ選びに迷った場合は、金融機関に相談しながら決めるのも一つの方法です。

住宅ローンの固定金利・3つのメリット

右向きのオレンジ色の矢印の下に、黄色い円柱状のアイコンが3つ並んでいる。

ここからは、住宅ローンにおける固定金利の3つのメリットについて見ていきましょう。

返済額が一定で家計管理がしやすい

全期間固定金利型では借入期間中、固定金利期間選択型では固定金利適用期間中は適用金利が変わらず、毎月の返済額も原則として変動しません。そのため、金利上昇による返済額の増加を避けられ、家計全体の収支の把握が容易になるでしょう。

また、教育費や老後の資金など、将来の支出に備えた資金計画を立てやすいこともメリットです。

金利固定期間中は金利上昇の影響を受けない

全期間固定金利型では返済期間中、固定金利期間選択型では固定金利適用期間中は契約時に決まった金利が適用されるため、市場金利が上昇してもその期間中の返済額への影響を受けません。
そのため、市場金利が上昇しても返済額の増加を心配する必要はありません。

対して、変動金利では市場金利の上昇にともない、返済額が増加する可能性もあります。

特に大きな金利変動が見込まれる環境下だと、金利が変わらないという安心感は大きなメリットになるでしょう。

固定金利期間選択型では金利動向に応じた柔軟な選択が可能

固定金利期間選択型の利用では、特約期間終了後、変動金利に切り替える選択肢もあります。

当初は固定金利で金利上昇リスクを避け、将来的には市場金利の動向に応じて柔軟に金利タイプを変更できるため、より適した返済計画を立てることが可能です。

  • ※一部の金融機関では、特約期間終了後の金利優遇幅が当初(特約期間)よりも小さくなる場合があり、適用金利が想定よりも高くなる可能性があります。金利プランを選ぶ際は、特約期間終了後の条件も事前に確認しておきましょう。

住宅ローンの固定金利・3つの注意点

次に、住宅ローンの固定金利における注意点を3つ解説します。

市場金利が下がっても恩恵を受けられない

例として、住宅ローンを組んだあとで市場金利が下がったとしましょう。このような場合でも、固定金利では契約時そのままの金利が適用され、返済額は減りません。

住宅ローンの固定金利は、金利上昇リスクを避けられる一方で、柔軟性に欠けるというデメリットがあります。

「固定金利期間選択型」では原則として特約期間中のプラン変更ができない

固定金利期間選択型では原則として、固定金利の適用されている特約期間中にプラン変更ができません。

プラン変更を希望する場合は、適用期間の終了後に手続きを行うか、新たに借換えの検討が必要です。

変動金利よりも金利が高い傾向にある

住宅ローンの固定金利は、金利が変動金利より高めに設定されていることが一般的です。経済状況や市場の動向によって変動金利が低く推移している場合、固定金利を選択することで、変動金利よりも返済総額は多くなる可能性があります。

実際に選ばれている金利タイプは?住宅ローン利用者の実態

住宅金融支援機構が2026年1月に実施した「住宅ローン利用者の実態調査結果」によると、2025年4〜9月の住宅ローン利用者が選んだ金利タイプの割合は以下のとおりです。

  • 変動金利型:75%
  • 固定金利期間選択型:14.9%
  • 全期間固定金利型:10.1%

上記を見ると、変動金利型が最も多く利用されているものの、固定金利期間選択型や全期間固定金利型を選ぶ方も一定数いることがわかります。また、全期間固定金利型を選んだ方の割合は、前回調査(2025年4月)より1.3ポイント増加しました。

金利タイプの選択は、現在の金利水準だけでなく、返済額の安定性をどの程度重視するか、将来の金利上昇リスクをどの程度許容できるか、といった考え方によっても変わります。

固定金利は、毎月の返済額を一定に保ちたい方や、将来の家計管理を重視する方に適した金利タイプです。

今回紹介した調査では、変動金利型が最も多く選ばれていましたが、どの金利タイプが向いているかは人それぞれ異なります。各金利タイプの特徴を理解したうえで、自身の収入状況やライフプランに合った金利タイプを選ぶことが重要です。

住宅ローンの固定金利は今後どうなる?

ここからは、住宅ローンの固定金利の決まり方や、今後の推移について解説します。

固定金利に影響を与える要因

住宅ローンの固定金利は、以下のような複数の要因から影響を受けます。

  • 市場金利
  • 日本銀行の金融政策
  • 物価動向
  • 国内外の経済情勢

固定金利の動向を把握するには、住宅ローン金利だけでなく、長期金利をはじめとする金融市場の動向にも目を向ける必要があります。

また同じ時期でも、金融機関ごとに資金調達コストや金利の設定方針などが異なるため、金利水準に差が生じる点にも注意しましょう。

フラット35の金利の推移

フラット35とは、住宅金融支援機構と全国300以上の民間金融機関が共同で提供している、全期間固定金利型の住宅ローンです。

返済期間中の金利が一定かつ保証人が不要、繰上返済手数料が不要といった特徴があり、最長35年の返済期間が設定されています。

フラット35の金利は、10年物国債の利回りなど、主に長期金利の影響を受けるのが特徴です。そのため、長期国債利回りが上昇するとフラット35の金利も上昇する傾向があります。

2024年3月に日本銀行はマイナス金利政策を解除しました。しかし、この政策変更による政策金利の見直しで、影響を受けるのは短期金利です。

一方、フラット35の金利は長期国債利回りをもとに決まるため、この時点では長期国債利回りへの影響が限定的で、金利も大幅には上昇しませんでした。

フラット35の過去の金利推移を確認することで、固定金利がどのような経済局面で変動してきたかを把握でき、今後の金利動向を考えるうえでの参考になるはずです。

住宅ローンの固定金利を検討する際は、日銀の政策金利だけでなく、長期国債利回りの動向にも注目することが重要です。

住宅ローンの固定金利は今後上昇する可能性がある

住宅ローンの固定金利には多様な要因が複雑に絡み合っているため、上がるか下がるかを一概に予測することは困難です。

複数の要因のなかでも、日本銀行の金融政策は特に重要といえます。

先述のとおり、日本銀行は長年続いていたマイナス金利政策の解除を決定しました。これは物価が上昇傾向にあり、2%の物価安定目標達成が見込まれる状況になってきたためです。

今後、新規借入時に適用される固定金利は、長期金利の動向や日本銀行の金融政策など、複数の要因によって変動することが考えられます。物価動向や国内外の経済情勢によっては、固定金利が上昇傾向をたどる可能性もあるでしょう。

一方で、将来の金利動向を正確に予測することは簡単ではありません。金利上昇リスクへの備えを重視する方には、固定金利が有力な選択肢です。

住宅ローンを選ぶ際は「今後金利が上がるか下がるか」だけで判断せず、自身の収入やライフプランに合った金利タイプを選ぶことが大切です。

住宅ローンの固定金利に向いている人の特徴は?

疑問符の横で、指をあごに当てて考えている人物のイラスト

次に、住宅ローンで固定金利を選ぶのに向いている人の特徴について解説します。

毎月の返済額を確定させたい人

住宅ローンにおける固定金利の特徴は、全期間固定金利型では返済期間中、固定金利期間選択型では固定金利適用期間中、借入時に決まった金利が適用され、毎月の返済額も原則として一定であることです。

その結果、将来の金利変動リスクを避けられ、家計管理が容易に行えます。特に、安定した収入が見込まれる人や、将来の家計の見通しを立てたい人にとって固定金利は有効です。

金利上昇リスクを懸念している人

将来の経済状況に対する不安や、安定した生活を求める思いなどから、金利上昇リスクを心配する人も、住宅ローンで固定金利を選ぶのに向いているでしょう。

金利上昇が予測される局面では、変動金利よりも固定金利を選ぶことで、返済額の増加を避けられます。また、住宅ローンの固定金利は、金利変動に振り回される心配がないため、心理的な安定を得たい人向けの選択肢です。

教育費など将来の支出予定がある人

出産や子どもの進学、車の買い替え、起業など、大きな支出をともなうライフイベントを控えている場合は、あらかじめ家計の見通しを立てておくことが重要です。

固定金利であれば、月々の住宅ローン返済額が決まっているため、住宅ローンの支出を把握しやすく、ほかの支出とのバランスも取りやすくなります。長期的なライフプランを立てたい方や、家計の見通しを立てやすくしたい方は、固定金利がおすすめです。

住宅ローンを考える際の金融機関の選び方・3つのポイント

住宅ローンを選ぶ際は、金融機関の選び方が重要です。住宅ローンを組む金融機関を選択する際に押さえておきたい、3つのポイントについて解説します。

金利タイプや適用金利

住宅ローンには、大きく「固定金利」と「変動金利」の2つがあり、固定金利は「全期間固定金利型」と「固定金利期間選択型」に分かれます。

各金融機関で提供している金利のタイプや適用金利は異なるため、複数の金融機関を比較検討することが重要です。その際は、自分のリスク許容度やライフプランに合った条件かどうかをしっかり確認しましょう。

金利優遇キャンペーンも各社で実施している場合があるので、適用金利とともに、キャンペーンの実施条件も確認することが大切です。

手数料や諸費用

住宅ローンを組む際は、金利以外にも手数料や諸費用などが発生します。これらの費用は金融機関によって異なり、総支払額にも影響を与えるため注意が必要です。手数料や諸費用が低い金融機関を選ぶことで、総費用を抑えられる可能性があります。

サポート体制や
サービスの充実度

住宅ローンは長期にわたる契約であるため、返済期間中に金融機関のサポートを必要とする場面が出てくるかもしれません。

例えば、ライフイベントに応じた返済計画の相談や、金利タイプの見直しなどが必要になることもあるでしょう。担当者の対応や相談窓口の利便性、オンラインサービスの充実度といった、金融機関のサポート体制もしっかりチェックすることが重要です。

まとめ

住宅ローンの金利タイプに正解はなく、固定金利と変動金利それぞれにメリット・デメリットがあります。

住宅ローンの固定金利は、家計管理がしやすいことや、金利上昇リスクを心配しなくてよいことなどがメリットです。一方で、市場金利が下がっても返済額が変わらないことや、変動金利よりも金利が高い傾向にある点はデメリットといえます。

将来の金利動向を正確に予想することは難しいため、現在の金利水準だけで判断するのではなく、家計の状況やライフプラン、将来の支出なども踏まえたうえで自分に合った金利タイプを選ぶことが大切です。

りそなの住宅ローンには、主に変動金利型と固定金利選択型の2つがあり、自分に合った金利プランを選んで申し込めます。手続き方法は「マイゲート」「店頭」「テレビ窓口」の3つで、金利タイプの選択に迷った際は店舗で相談することも可能です。

住宅ローンの金利について詳しく知りたい、または専門家に相談したいという方は、お気軽にりそなへご相談ください。

本記事はの情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

目次に戻る

はじめてのマイホーム&住宅ローン完全ガイドバナーの
  • Line
  • X
  • このページのURLをコピーする