中古住宅購入時の注意点は?中古住宅のメリット・デメリット

公開日:2023/03/23

中古住宅購入時の注意点は?中古住宅のメリット・デメリット

マイホームの購入を考える際、選択肢の一つとなるのが中古住宅です。中古住宅は、新築住宅よりもリーズナブルで、豊富な選択肢のなかから選べるなどのメリットがあります。

一方で、住宅選びに失敗しないためには、リフォーム(リノベーション)の計画や、構造上の安全性の確認など、中古住宅ならではの注意点も理解しておくことが大切です。

今回は、中古住宅を購入するメリット・デメリットや、中古住宅購入時の注意点などを解説するので、ぜひ参考にしてください。

私が書きました
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元銀行員。若年層から高年層まで幅広い資産運用の提案を行なう。メディアを通じて、より多くのお客様に金融の知識を伝えたい気持ちが強くなり、退職を決意。
現在は、編集者として金融機関を中心にウェブコンテンツの編集・執筆業務に従事している。

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中古住宅を購入する4つのメリット

中古住宅を購入する4つのメリット

中古住宅が注目を集めるのには、理由があります。ここでは、中古住宅を購入するメリットを見てみましょう。

1新築住宅よりも価格が安い

住宅を購入しようと思ったとき、エリア・物件タイプ(戸建て/マンション)・間取りなどの希望をすべて満たそうとすると、新築住宅の場合は手が届かないかもしれません。

中古住宅は、一般的には新築住宅よりも低価格なため、理想を叶えやすいのが魅力です。中古住宅の物件価格は、築年数によって左右されます。目安として、築15年で新築時の7割程度になると覚えておきましょう。

2選択肢を広げられる

条件の良いエリアにはすでにたくさんの住宅があり、そのエリアで新たに住宅を建てようとすると、選択肢が限られるかもしれません。

中古住宅も対象にすれば、一度誰かが住んだ場所も候補となるため、条件の良いエリアでも希望に合う物件を見つけやすくなります。築年数も、古いものから新しいものまで豊富な選択肢があります。

3実物を見て決められる

新築住宅の場合は、完成するまで実物が確認できないため、間取り図やモデルルームなどの情報をもとに購入を判断しなければなりません。

中古住宅は、すでに実物がある状態のため、物件そのものや周辺環境を自分の目で見てから選べます。また、物件によっては、売主に話を聞くことも可能です。このように中古住宅のほうが、生活のイメージがしやすくなり、入居後のギャップが生じにくくなります。

4資産価値の下落ペースが
緩やか

住宅を購入することは、金融資産を所有することでもあります。自分や家族が一生暮らす目的で住宅を購入する場合でも、「何かあったときに売れる(貸せる)か」という観点を持つことが大切です。

新築住宅は、築5年を経過すると急激に資産価値が下がりますが、築年数が経過している中古住宅は、資産価値の下落ペースが緩やかなのが特徴です。物件価格と資産価値の下がりにくさのバランスを考えると、中古住宅の購入はメリットがあるといえます。

中古住宅を購入する
デメリット

メリットが豊富な中古住宅ですが、人によってはデメリットに感じる点もあります。以下が、中古住宅を購入するおもなデメリットです。

すぐに修繕が必要になる可能性がある

物件によって差はあるものの、一定の築年数が経過した中古住宅は、屋根や外壁、水回りなどが老朽化している可能性があります。そのため、リフォーム(リノベーション)してから住みはじめるケースや、入居後間もなく修繕対応が発生するケースがあることを知っておきましょう。

ただし、中古住宅を購入し、予算に応じて自分好みに手を加えられるのはメリットです。なかには、最初からリフォーム(リノベーション)を行うことを前提に、中古住宅を購入する方もいます。

物件購入価格とは別に仲介手数料がかかる

中古住宅を購入するときには、物件そのものの費用のほかに仲介手数料がかかります。仲介手数料とは、中古住宅の売買契約が成立した際に、不動産会社に支払う費用のことです。

仲介手数料の上限は、売買価格が400万円を超えるケースは「物件購入価格×3.3%+6.6万円」(税込)です。

例えば、2,000万円の中古住宅の場合、仲介手数料は最大で「2,000万円×3.3%+6.6=72.6万円」かかるため、注意しましょう。

中古住宅の注意点①
資金計画

中古住宅の注意点(1)資金計画

ここから、中古住宅を購入する際の注意点を解説していきます。1つ目は、資金計画に関する注意点です。

中古住宅購入時には、先述した仲介手数料のほか、不動産取得税や印紙代などの費用がかかります。さらに、中古住宅の場合は、リフォーム(リノベーション)費用も忘れてはなりません。

物件自体の価格は予算内であっても、諸費用を考慮すると予算を大幅にオーバーする可能性もあります。あとで「住宅ローンの返済が厳しい」とならないよう、しっかりと計画を立てておくことが大切です。

なお、リフォーム(リノベーション)には、国や自治体から補助金が出る場合もあるため、併せて調べておきましょう。

中古住宅の注意点②
物件選び

2つ目は、中古住宅の物件選びに関する注意点です。

前提として、中古住宅を探す際は、複数の仲介業者やリフォーム会社に相談し、狙い目の優良物件や見極めのコツを聞いておきましょう。そのうえで、以下の3点に注意してください。

再建築不可物件に注意する

建築基準法には「接道義務」があり、建物を建てる際には、幅4メートル以上の道路に敷地が2メートル以上接していることが求められます。

現時点で接道義務の条件を満たしていない住宅は「再建築不可物件」と呼ばれ、リフォーム(リノベーション)自体は可能なものの、増築はできません。

したがって、将来的に増改築する想定で中古住宅を購入する場合は、再建築不可物件を選ばないよう注意が必要です。

耐震性など構造上の問題を確認する

中古住宅の場合は、「新耐震基準」を満たしているか確認しましょう。

新耐震基準は1981年に施行されたもので、それより前に建てられた建物は「旧耐震基準」が適用されています。旧耐震基準では、震度6強以上の地震についての検証が行われていません。つまり、旧耐震基準のもと建てられた建物は、大規模地震で倒壊・崩壊するリスクが高いといえるのです。

構造上の安全を確保するなら、「安心R住宅」の購入を検討してはいかがでしょうか。安心R住宅とは、次の要件を満たした、「安心・きれい・わかりやすい」中古住宅のことをいいます。

  • 新耐震基準を満たしている、または耐震診断で安全性が確かめられている
  • 「建物状況調査等(インスペクション)」が実施され、構造上の不具合が認められていない
  • リフォーム済み、またはリフォーム提案が付いている
  • 点検記録などの保管状況について情報提供がなされる

リフォームの必要性を調べる

先述の安心R住宅に該当しない物件は、リフォーム(リノベーション)のタイミングや範囲を個別に判断しなければなりません。リフォーム(リノベーション)は、数十万円で済む場合もあれば、数百万円規模のお金がかかる場合もあるなど、ケースによって異なります。

なお、安心R住宅に似た住宅が、「適合R住宅」です。適合R住宅とは、建物の検査をしたうえで改修工事を施し、その記録を住宅履歴情報として保管した住宅を指します。万が一の不具合に対してもアフターサービス保証が付いているため、中古住宅の購入に不安がある方にもおすすめです。

中古住宅の注意点③
内覧

3つ目は、中古住宅の内覧時の注意点です。

欠陥・不具合を自分の目で確認する

内覧時には、不動産会社に許可を取ったうえで、想定外の欠陥や不具合がないか確認しましょう。おもなチェック項目は、次のとおりです。

<内覧時のチェック項目の例>

  • 屋根の破損やずれ
  • 軒天(屋根の裏側)の雨染みや亀裂
  • 外壁の剥がれやひび割れ
  • 壁紙の浮き
  • 床の軋みや傾き
  • 基礎のひび割れ
  • ドアや窓の立て付け
  • 室内や水回りの悪臭
  • さび水・つまり・水漏れ
  • 空調機器の不具合

事前に不具合を把握していた箇所も含めて、上記を丁寧に見て回ることが大切です。特に、床の軋みやたわみ、軒天の雨染みがある場合などは、シロアリ被害のリスクがあるため注意してください。

周辺環境をチェックする

建物内部だけでなく、家族が通勤・通学で使うルートを歩いてみる、近隣施設に足を運んでみるなど、利便性や周辺環境を確認することもポイントです。

また、トラブルを避けるために、隣接する敷地との境界線も確認しておくことをおすすめします。境界が曖昧な場合は売主の負担で測量し、境界を確定させてから住宅を購入するのが一般的な流れです。

中古住宅購入にはリフォーム資金がセットで借入できる
住宅ローンがおすすめ!

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中古住宅の購入を検討している方のなかには、リフォームローンを組んでリフォーム(リノベーション)をしようと考えている方もいるかもしれません。一般的に、リフォームローンは住宅ローンよりも借入期間が短く、金利が高い傾向にあるため、毎月の支払いが負担となりやすいといえます。

そこでおすすめなのが、リフォーム資金がセットで借入できる住宅ローンです。りそなの住宅ローン<リフォーム資金セット型>や関西みらい銀行リフォーム付き住宅ローンでは、中古住宅の購入資金とリフォーム資金をまとめて同じ金利で借りられます。

中古住宅購入とリフォーム(リノベーション)の支払時期が異なる場合でも、ローン契約は1本のまま、分割実行ができる点がメリットです。

まとめ

中古住宅は、新築住宅よりもリーズナブルに購入できるうえ、資産価値の下落ペースが緩やかな点が特徴です。豊富な選択肢のなかから、実際に物件を見て決められるメリットもあります。

一方で、リフォーム(リノベーション)のタイミングや費用について考えておかないと、住宅購入後に後悔してしまうかもしれません。中古住宅を購入する際は、リフォーム(リノベーション)に関することのほか、接道義務の条件や耐震性、欠陥・不具合などもきちんと確認しましょう。

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本記事は2023年3月23日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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