家の購入にかかる費用はいくら?初期費用・税金と資金が足りない場合の対処法
公開日:2020/09/16
更新日:2026/06/24

人生で最も高額な買い物といわれる「家」。家本体以外にも、購入時の初期費用や購入後には維持費などの諸費用がかかり、予想以上に高額となってしまうことも少なくありません。
では、実際に家を購入する際にはどのような費用がかかるのでしょうか。この記事では、家の購入にかかる費用の全体像や内訳、負担を抑えるための制度、手元資金が足りない場合の対処法をお伝えします。
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住宅会社・生命保険会社を経て2002年からファイナンシャルプランナーとして個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。
- ※りそなグループが監修しています
家の購入にはどのような費用がかかる?
まずは全体像を把握しよう
家を購入する際には、「どんな立地がいいか」「どんな家がいいか」「価格はいくらなのか」といったことを考えるでしょう。家にいくらかかるかを考える時は、物件価格だけでなく、購入時の諸費用や維持費用等も含めて考えます。
これらを事前に把握しておかないと、購入後の生活に負担が生じる可能性があります。無理のない資金計画を立てるためにも、費用の全体像を理解しておきましょう。
物件価格
購入する家本体の価格で、戸建て・マンションなどの建物の種類、立地、広さに応じて金額は変わります。
初期費用
初期費用とは、物件を購入する際に、物件価格とは別に発生する費用で、物件価格の5〜10%程度が目安です。具体的には、契約や登記にかかる税金・手数料のほか、住宅ローンを契約する場合は金融機関の手数料や保証会社への保証料が発生します。火災保険に加入する際は保険料も必要です。
購入後の諸費用
購入後も、引越し費用や家具などの購入費用のほか、毎年の固定資産税もかかります。一戸建ての場合は、約15~20年で外壁の全面補修、約20年で屋根の補修など、家の修繕費も必要となるでしょう。
これらの費用を合計するとまとまった金額になるため、あらかじめ見込んだうえで資金計画を立てておくことが大切です。
家の購入時にかかる
初期費用の内訳

次に、初期費用の内訳を確認しましょう。ここでは、不動産取得に関わるお金、ローン契約に関わるお金、その他の費用に分けて解説します。
不動産取得に関わるお金
初期費用のなかでも、不動産の取得時に発生するお金は負担が大きくなりやすい項目です。
頭金
頭金は、物件購入の一部資金として最初に支払うまとまったお金で、物件価格の2割程度が目安とされています。
「頭金ゼロ」で住宅ローンを組める金融機関もありますが、金利負担が増えることやその後の生活を考慮すると、ある程度まとまった頭金を支払うことが望ましいでしょう。
印紙税
家を買うときには、「不動産売買契約書」や「建築工事請負契約書」などを交わします。契約書を交わす際は、契約金額に応じた印紙税がかかります。例えば、「1,000万円を超え5,000万円以下」の場合は1万円(軽減措置後の金額※)です。
- ※印紙税の軽減措置は、2027年3月31日までに作成された契約書に適用される
仲介手数料
不動産仲介会社を利用して家を購入する場合は仲介手数料がかかります。仲介手数料は、「物件価格×3%+6万円+消費税」(売買価格が400万円を超える場合)で算出することが可能です。例えば、2,000万円の物件を売買した場合は、2,000万円×3%+6万円=66万円。消費税10%を加え、合計72万6,000円です。
不動産の売り手から直接購入する場合(売主物件)は、仲介手数料が必要ありません。ただ、不動産仲介会社を利用することで物件の比較や物件探し、手続きなどが容易になるため、一概に「売主物件がよい」と言い切ることはできないでしょう。
登記費用
不動産を購入した場合、「自分がその不動産の権利者」ということを示すためにも管轄の法務局で登記を行います。登記には税金(登録免許税)がかかるほか、司法書士に登記事務を依頼すると司法書士報酬も発生します。
不動産登記法では不動産登記が義務付けられているわけではありませんが、登記を行っておくと、所有権をめぐるトラブルの防止にも役立つでしょう。
なお、住宅ローンを利用する場合は、「抵当権設定登記」をする必要があるため、「登記をしない」というわけにはいきません。
不動産取得税
不動産取得税は、土地や建物を購入したときにかかる税金です。原則として税率は4%ですが、住宅や宅地については不動産取得税に係る特例措置が適用されており、現在は3%となっています。
具体的な計算方法は次のとおりです。
- 宅地:課税標準額×2分の1×3%
- 住宅:課税標準額×3%
なお、特例措置は2027年3月31日まで適用されます。
また、課税の基準となる「課税標準額」は、実際の購入価格ではなく「固定資産税評価額」が使われることも押さえておきましょう。
さらに、課税標準の特例措置として、住宅を新築した場合は1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)が控除されます。
中古住宅を取得した場合の控除額は、新築時における控除額と同額です。新築された時期に応じて、420万円~1,200万円の範囲で控除額が異なります。
固定資産税清算金
固定資産税は、毎年1月1日時点での土地や建物の所有者が支払う税金です。しかし、年の途中で家を購入した場合、それ以降の固定資産税は購入した人が負担するほうがわかりやすいため、不動産売買をするときに日割りで計算した固定資産税を売主に支払うのが慣例となっています。
また、関東では1月1日、関西では4月1日など、地域によって清算の起算日が異なることもあるため、不動産仲介会社へ確認しておくと安心でしょう。
なお、新築住宅には軽減措置が設けられており、一般的な戸建て住宅では3年間(マンションは5年間)、税額が1/2に減額されます。さらに、認定長期優良住宅の場合は、戸建てで5年間(マンションは7年間)となり、軽減率は1/2です。
一般の新築住宅に係るこの措置の適用期限は2026年3月31日で、認定長期優良住宅に係る特例措置は2031年3月31日まで延長されました。
ローン契約に関わるお金
次に、ローン契約に関わる費用を確認していきましょう。
印紙税
住宅ローンを利用する場合は、住宅ローン契約書(金銭消費貸借契約書)に印紙税が必要です。なお、不動産売買契約書と異なり住宅ローン契約書の印紙税には軽減措置はありません。例えば、契約書の金額が1,000万円超5,000万円以下の場合の印紙税は2万円です。
ただし、近年普及が進む電子契約だと印紙税は発生しません。
融資手数料
住宅ローンの受付や返済などの事務費用として、金融機関によっては融資手数料がかかります。目先の金利だけでなく手数料を含めて比較しておきたいところです。
登記費用
登記には登録免許税と、登記事務を司法書士に依頼する場合、司法書士報酬がかかります。なお、住宅ローンを組む場合は、抵当権設定を行わなければなりません。金融機関が指定する司法書士に依頼しなければならないケースもあります。
団体信用生命保険料
住宅ローンを契約する場合は、団体信用生命保険(以下:団信)への加入が条件となっている金融機関が多いです。これは、契約者が死亡した場合や高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残高を保険金で相殺する保険で、がん・急性心筋梗塞・脳卒中などの病気やケガでも保険金で相殺できる特約のついた団信もあります。
物件調査手数料
住宅ローンを借りるためには、担保にする物件が融資の基準を満たしていなければなりません。そのために物件調査が必要で、金融機関によっては手数料がかかります。
火災保険料
住宅ローンを契約する際は多くの場合で火災保険への加入が必要です。任意の保険会社を選べますが、金融機関が提携している保険会社を選ぶと優待が受けられる場合もあります。
その他の費用
新生活をはじめるにあたっては、引越しや上下水道を引くための費用も発生するため、それらも含めて資金計画を立てるようにしましょう。
修繕積立基金
修繕積立一時金とも呼ばれるもので、新築マンションを購入した際にかかる費用です。新築マンションの引渡しのときに支払い、大規模修繕のために備えます。一戸建てや中古マンションを購入した場合にはかかりません。
水道負担金
水道負担金は、上下水道を自分の土地まで引き込むための費用です。一戸建てを購入する場合などにかかります。ただし中古住宅の場合は、すでに水道管が引き込まれているため、水道負担金はかかりません。
引越し費用
購入前に住んでいた家から新居に引越すための費用です。仮住まいで生活する期間がある場合などは、引越し1回分だけの費用とは限りません。
気に入った新居を見つけ、購入手続きを進めていくものの、予算をオーバーしてしまいそうな場合はどうすればよいのでしょうか。もちろん、大幅にオーバーするのであれば、考え直すのが賢明です。しかし、借入額を増やしても問題ない程度であれば、ローンの活用も検討してみましょう(詳細は「家の購入で手元資金が足りない場合の対処法」をご確認ください)。
家の購入で活用できる住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは?
住宅を購入する際は、住宅借入金等特別控除、いわゆる「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」を活用すると、税負担を軽減できる可能性があります。具体的な内容を見ていきましょう。
住宅ローン控除
(住宅ローン減税)とは
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得した場合に、所得税や住民税が軽減される制度です。年末時点の住宅ローン残高に応じて控除額が決まり、控除率は0.7%、控除期間は最長13年となっています。まずは所得税から控除され、控除しきれない場合には翌年の住民税からも一部控除される仕組みです。
なお、省エネ性能など住宅の種類によって、借入限度額が異なるため、事前に確認しましょう。
主な適用条件
住宅ローン控除を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。
- 返済期間が10年以上の住宅ローンを組んでいること
- 床面積要件が40㎡以上(ただし、合計所得金額が1,000万円を超える場合や、子育て世帯などへの上乗せ措置を利用する場合は50㎡以上)
- 床面積の2分の1以上を自己居住用として使用していること
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
これらのほかにも細かな条件が定められており、制度は改正されることもあるため、最新情報を確認しておくことが欠かせません。
住宅ローン控除の仕組みや条件の詳細は、下記記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
最初の年は確定申告が必要
住宅ローン控除を受けるためには、給与所得者であっても、初年度は自分で確定申告をしなければなりません。2年目以降は年末調整で控除を受けられるため、確定申告は不要です。
家の購入後にかかる
諸費用の内訳
家を購入したあとにも、住宅ローンの返済や税金、修繕費用などがかかります。これらの費用は、一戸建てかマンションかで少し内容が異なるため、想定外の出費を避けるためにも、事前に確認しておきましょう。
一戸建て
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- 固定資産税・都市計画税
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毎年1月1日時点で不動産を所有していると、固定資産税(標準:課税標準額×1.4%)が課税されます。家の所在地が市街化区域に該当する場合は、都市計画税(上限:課税標準額×0.3%)も課税されるため押さえておきましょう。
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- 修繕リフォーム費用
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家を購入してから年月が経過すると劣化が生じることもあり、メンテナンスをするための修繕費が必要です。また、ライフスタイルに合わせてリフォームする費用が必要になるかもしれません。
マンション
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- 固定資産税・都市計画税
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一戸建ての場合と同じく、固定資産税と都市計画税が課税されます。
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- 管理費
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マンションでは共用部分の管理が必要になるため、毎月、管理費を支払うことが必要です。
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- 修繕積立金
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マンションは、13~16年程度のサイクルで大規模修繕を行いますが、その費用を一括で支払うのは負担が大きく、捻出が難しい方もいるかもしれません。そのため、毎月、修繕積立金として支払うのが一般的です。上述の修繕積立基金もありますが、これは修繕積立金だけでは費用が不足するケースが多かったために導入されるようになりました。
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- 自室の修繕費用
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上記の修繕積立金は、あくまで建物全体の修繕に備えておくものです。自室の修繕費用は、その都度自分で負担しなければなりません。
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- 駐車場代・駐輪場代
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マイカーやバイクを保有している場合、別途、駐車場代・駐輪場代が必要です。
その他
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- 家具購入費用
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家を購入した際には部屋の大きさや形が変わるので、それに合わせて新しいものや使いやすいものを購入しようと考える人もいるでしょう。
住宅金融支援機構「住宅取得に係る消費実態調査(2014年度)」によれば、住宅の建築または購入後、約1年で耐久消費財の購入にかけたお金の平均額は、一戸建ての場合約201万円、建売の場合約105万円でした。とりわけ家具や家電にはお金をかける傾向にあります。
一例を挙げてみましょう。
品目 購入世帯比率 カーテン 58.2% 照明器具 55.3% ルームエアコン 37.2% 応接セット 30.6% 電気冷蔵庫 28.9% 温水洗浄便座 21.2% たんす 13.7% すべての家具や家電を買い替えるわけではなくても、一度にまとめて購入すると予想以上に高額になることもあります。
家の購入で手元資金が
足りない場合の対処法
家の購入ではまとまった金額が必要になるため、自己資金だけでは不足することもあります。そのような場合は、ローン商品の活用も選択肢の一つです。
諸費用ローンを利用する
金融機関によっては、住宅ローンの対象外となる費用に対応するための「諸費用ローン」を用意している場合もあります。対象となるのは、仲介手数料や保証料、火災保険料、登記費用、引越し費用などです。ただし、住宅ローンとは別の借入れになるため、同じ金融機関であっても別途審査が行われます。
また、これらの費用を住宅ローンに含めて借入れできるケースもあります。りそなをご利用いただく場合は、諸費用を住宅ローンに含めて一本化することが可能です。
カードローンを利用する
家を購入するときは、さまざまな費用がかかることを見てきました。出費がかさみ、今後の生活費が足りるかどうか不安になる人もいるかもしれません。
そのような場合に備えて、カードローンを用意しておく方法もあります。カードローンは、申込時に利用限度額を定め、その範囲内であれば何度でも借入れ・返済が可能です。りそななど金融機関によっては住宅ローン契約と同時に申込むなどの条件を満たせば、金利の優遇が受けられるカードローンもあります。
まとめ
家の購入には物件価格だけでなく、初期費用や購入後の諸費用も発生するため、これらを含めた資金計画を立てることが欠かせません。個々の費用は小さく見えても、合計すると想定以上の負担になることもあるため、事前に全体像を把握しておくことが必要です。
また、住宅ローン控除などの税制優遇を活用すれば、税負担を軽減でき、家計への影響を抑えやすくなります。制度内容や適用条件を確認し、上手に取り入れていきましょう。
手元資金が不足する場合には、諸費用ローンやカードローンの利用も選択肢の一つです。無理のない返済計画を立てたうえで活用すれば、必要な資金を準備しやすくなります。
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本記事は2026年6月24日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。









