定年直前で相場が崩れた……
iDeCo(イデコ)の場合はどうすればいい?

2022/11/29最終更新

定年直前で相場が崩れた……iDeCo(イデコ)の場合はどうすればいい?

老後に備えiDeCo(イデコ)で積み立ててきた年金資産が、受け取る直前に大きく目減りしたら退職後の生活設計が変わってしまうかもしれません。例えば2008年のリーマン・ショックでは、日本株式は40%以上も下落しました。このような相場の急落にはどう対処すればよいのでしょう。

相場が大きく下がっても冷静に対処

株式型などリスクの高い投資信託で運用した状態で、受取直前に株式相場が暴落してしまった場合、やはり資産が減ってしまう可能性は高いです。給付金を「一時金」で受け取る予定にしていた方は、受け取るタイミングや受け取り方を変更できないか考えてみましょう。急落した場面で売却してしまうと、長期間、掛金を支払い運用してきた資産を大幅に目減りさせたまま受け取ることになってしまいます。

予期せぬ暴落に直面してしまった場合、給付金の受取開始時期を先延ばしにすることを検討しましょう。一時的に価格が下がることはあっても、いつまでも下がり続けるということは考えにくく、断言することはできませんが、過去の相場サイクルの一般的な傾向として、5~10年以上の長期で見れば相場は回復する可能性が高いのです。

例えばリーマン・ショック直後は大幅に下落しましたが、その後は株式市場が上昇して下落前の水準を回復しました。

iDeCo(イデコ)の場合、受取は原則60歳からですが、60歳以降は運用指図者として75歳になるまで運用を続けることができます(60歳以降も、国民年金被保険者※であれば、掛金を積立てることも可能です)。最長75歳になるまでに、相場などの状況に合わせて受取開始のタイミングを考えればよいのです。

年金形式を選択して運用しながら分割して取り崩す方法も

iDeCo(イデコ)の老齢給付金の受取方法には「一時金」と「年金」があります。受取時に相場が崩れていた場合、一時金で受け取ってしまうと損失が確定してしまいます。しかし「少しでもいいから給付金を受け取りたい」という場合は、受取方法として「年金」を選択するという方法があります。その場合、運用指図者となり年金資産を運用しながら受け取ることができるため、相場の回復を待ちつつ給付金を受け取ることができます。

ただし、年金を受け取るたびに1回440円(税込)の「給付事務手数料」も必要です。年間複数回受け取るとその分費用がかさんでしまいますので、年に1度受取るなど、回数は最小限にしましょう。

時期を見計らって「一時金」で受取る場合も、分割して「年金」で受け取る場合も、年金資産がなくなるまでの間、口座管理手数料がかかります。金融機関(運営管理機関)によって異なりますが、年間1,000~5,000円程度、年金資産から差し引かれます。

定年が近づいてきたら出口戦略を検討しよう。

ここまでは直前に相場が急落してしまった場合の対処法について解説してきました。しかし受取直前の価格下落リスクを避けるためには、「何歳からどのような形で受け取るか」を計画的に考え、運用商品のリスク資産の割合を調整することが一番の対策です。

もし60歳から受け取るのであれば、50歳代では売却時点の価格下落を避けるため、リスクの高い資産を徐々に減らしていくことも考えましょう。株式投信を売却して債券や元本確保型の商品に切り替えていくことで、短期的な相場変動による影響を抑え、受取直前の損失のリスクを回避することができます。

iDeCo(イデコ)の給付金の受け取りについては、以下のような内容を考えておくことが必要です。

  • 受取開始前のリスク回避方法
  • 何歳から受け取るか
  • 一時金で受け取るのか
  • 年金で受け取るのか
  • 年金の場合は何年間で受け取るか
  • 60歳以降も運用を継続するかなど

受取方法により税金の取扱いや各種費用負担も変わります。他の企業年金(退職金)や公的年金の受給額や貯蓄額なども併せて検討し、ご自分にとってベストな選択を総合的に判断しましょう。

当記事は2022年11月29日現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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