60歳以降にするiDeCo(イデコ)の受取り手続きまとめ

2022/11/29最終更新

60歳以降にするiDeCo(イデコ)の受取り手続きまとめ

節税しながら自分で資産を積み上げることのできる年金制度iDeCo(イデコ)。私的年金として知られる人気の制度ですが、「60歳になっても自動では受取れない」ということをご存知ですか?税制メリットばかりが注目されてしまいがちのiDeCo(イデコ)ですが、受取り方についてご存じですか?

今回は、iDeCo(イデコ)の受取りに必要な手続きについてまとめました。

自動的に受給できるわけではない?

iDeCo(イデコ)は、加入期間によって受給開始の年齢が変わります。

60歳以降、75歳に達するまでに受取りを開始することができますが、50歳以上で加入した場合など、通算加入者等期間(※1)が10年に満たない場合は受取できる年齢が引き上げられます。(下表参照)

また、60歳以降に加入する場合、60歳到達時の通算加入者等期間※1がある方は、下表のとおりです。60歳までの通算加入者等期間がない方は、加入日から5年を経過した日から受取りが可能となります。

【老齢給付金の受給開始年齢と必要な通算加入者等期間(※1)】

老齢給付金の受給開始年齢と必要な通算加入者等期間

※1 60歳時点のiDeCoおよび企業型DCにおける加入者・運用指図者の期間の合計

また、iDeCo(イデコ)の資産は自動で受取りが開始されるわけではありません。75歳になるまでの間にご自身で申請手続きをすることで受け取ることができるのです。

つまり、受給年齢の60歳になったタイミングですぐ申請をする必要はなく、資産価値が高まるまで待ってから受給するなど、75歳になるまでであれば自由に受取る時期を選ぶことが可能です。

受け取り方は
「3通り」ある

iDeCo(イデコ)の受け取り方には3通りあり、ご自身の状況に合わせて自由に選ぶことができます。 税金について説明します。

一括(一時金)

iDeCo(イデコ)を一括で受け取ると、その資産は「退職所得」扱いとなります。
その場合「退職所得控除」が適用されるので、控除の範囲内であれば非課税で受取ることが可能です。

分割(年金)

5年~20年の間であれば、分割形式で資産を受け取ることもできます。
この場合は年金と同様「雑所得」扱いとなり「公的年金等控除」が適用されるため、こちらも控除の範囲内であれば税負担を軽減させることができます。
ただし、受給期間中に毎月かかる「口座管理手数料」と、振込のたびに「振込手数料」がかかります。資産は受取完了するまで運用を続けられます。

一括と分割の併用

運営管理機関によっては、一時金と年金の受取り方を組み合わせることも可能です。
例えば、退職所得控除の上限ギリギリまでは一括で受け取り、残りを分割で受け取るなどの工夫をすることで、最大限の控除を受けることができます。

このように、iDeCo(イデコ)は拠出時だけでなく受取りのときにも税制優遇がありますので、ご自身の退職金の有無、年金の受給状況、ライフプランなどを見極めて、最適な受け取り方法を選びましょう。

受給申請をしないと
どうなる?

75歳になるまでに受給申請をしなかった場合は、自動的に一括での受取りとなります。

75歳時点で利益がでていれば特に問題はありませんが、利益が出ていない場合でも一括で受け取るしかなくなるので、運用状況を確認し、受取時期が近付いたら元本確保型や値動きの小さい商品に預け替えておくか、利益が出ているタイミングで受給手続きを済ませておくと良いでしょう。

なお、2022年5月施行の法改正により、iDeCoの加入可能年齢が引き上げられました。国民年金保険の第2号被保険者(※2)や任意加入被保険者(※3)は60歳以降も掛金を積立てることができます。

  • ※2会社員や公務員
  • ※360歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、40年の納付期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときに60歳以降も国民年金に加入している方

65歳未満で会社員や公務員として働いている場合、生活に必要な収入や貯蓄が確保できていれば、掛金が全額所得控除となるiDeCoの税制メリットを引続き活用して資産を増やすという選択肢もあります。

是非一度、受給のタイミングや受取り方も含めた資産運用計画を立ててみてはいかがでしょうか。

当記事は2022年11月29日現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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