iDeCoで「定期預金」を選択するメリット・デメリット

2022/11/29最終更新

iDeCoで「定期預金」を選択するメリット・デメリット

老後の資産形成の手段として注目を浴びるiDeCoですが、資産運用は自分で行う必要があります。どのような商品を購入したらいいかわからず、結局定期預金などの元本確保型商品ばかりで運用している方もいるのではないでしょうか。今回は、iDeCoで「定期預金」を選択するメリット・デメリットをご紹介します。

iDeCoのメリットと
デメリット

3つの税制メリット

iDeCoの最大のメリットは、掛金の拠出時、運用時、年金受給時に税制優遇があることです。

iDeCoで拠出した掛金は、全額が所得控除の対象になります。「小規模企業共済等掛金控除」の対象であり、課税所得から年間の掛金額が差し引かれ、その結果、所得税・住民税が軽減されるのです。
所得税・住民税の軽減効果は、ご本人の課税所得・掛金額により異なります。第3号被保険者など課税所得がゼロの方の場合、所得税・住民税の軽減効果はありませんので、ご注意ください。

またiDeCoでは、運用益が非課税になります。通常、金融商品の運用によって得た利益(運用益)には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでの運用益には税金がかかりません。

さらに、受給時にも所得控除が受けられます。受給年齢に達してiDeCoを一時金で受給する場合は「退職所得控除」、年金で受給する場合は「公的年金等控除」の対象になるのです。

デメリットは途中換金ができないこと

iDeCoのデメリットは、原則として60歳までお金を引き出せないことです。また、iDeCoは途中で解約することもできません。iDeCoに拠出したお金は、受給時まで自由に使うことができないのです。老後の資産として積立をするので、原則60歳まで引き出せない仕組みになっています。

手数料がかかる点にも注意

iDeCoでは、加入時、運用期間中、受給時にそれぞれ手数料がかかります。

銀行の積立貯金と異なり、iDeCoの口座には手数料がかかることを覚えておきましょう。なお、手数料の金額は金融機関によって異なります。

iDeCoで定期預金をする
メリット

iDeCoでは運用商品を自分で選ぶことになりますが、運用商品は大きく分けて「元本確保型商品」と「投資信託」があります。定期預金などの「元本確保型商品」では、基本的に期日まで保有すれば元本は保証されるので元本割れはしませんが、大きなリターンは期待できません。

投資信託と異なり、将来受取る金額が確定する

定期預金の最大のメリットは、元本割れしないという安心感でしょう。投資信託と違い利息があらかじめ決まっているので、月々○○万円の掛金を拠出すると10年後、20年後にはいくら貯まっているかを予測でき、資金計画が立てやすくなります。

iDeCoを使わずに定期預金に預け入れるより実質利回りが高い

iDeCoには、掛金が全額所得控除になるというメリットがあります。例えば毎月1万円をiDeCoに拠出すると、所得税10%(所得により税率が異なります)、住民税10%の場合、税金が年間で2万4,000円軽減されます。

定期預金自体のリターンは小さく、前述したように毎月手数料が差し引かれますが、税負担が軽減されるので、iDeCoを使わずに定期預金に預け入れるより実質的な利回りは高くなると考えられます。

iDeCoで定期預金をする
デメリット

インフレリスクに対応できない

定期預金に預ければ、元本割れしません。しかし、現在の金利は非常に低く利息はあまり期待できません。その一方で物価が上がれば相対的に資産価値は減ってしまいます。

手数料と元本確保型商品の運用利回りを考えると手数料負けする

前述のとおり、iDeCoでは運用期間中に毎月最低171円の手数料がかかります。つまり、定期預金だけで運用すると利息より手数料のほうが高くついてしまうのです。

運用益が非課税になるメリットを活かせない

iDeCoには、運用益が非課税になるというメリットもあります。例えば、100万円の資金が運用で200万円に増えた場合、本来運用益の100万円にかかる20万3150円(20.315%)の税金が、iDeCoではかかりません。これは非常に大きなメリットといえます。

しかし、そもそも運用益が期待できない定期預金では、このメリットを充分に活かすことができません。

iDeCoで「定期預金」は
アリ?ナシ?

税制メリットをフル活用できないのでもったいない

定期預金を選択すると、運用益が非課税になるというiDeCoのメリットを活かせません。税制メリットをフル活用できる金融商品を検討してみましょう。

資産運用の手段はiDeCoだけではないので、例えば毎月2万円はiDeCoで投資信託を買い、毎月3万円は銀行で積立貯金をするなど、それぞれの制度や金融商品の特徴を活かして、資産全体で考えるのがおすすめです。

それでも定期預金を選択する意味は・・・

値動きのある商品で運用して一喜一憂することを避けたいという人も少なくありません。老後資金だからこそ、元本確保型で手堅く貯蓄するという考え方もあるでしょう。定期預金だけで運用するとiDeCoの資産は手数料の分減ってしまいますが、収入があり税金を払っていれば、税制メリットを考慮してトータルで考えると一般の定期預金よりお得です。ご自身に合った方法で資産形成していきましょう。

当記事は2022年11月29日現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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