住宅ローン借換えのメリットや注意点とは?基本的なポイントを解説

住宅ローン借換えのメリットや注意点とは?基本的なポイントを解説

住宅ローンを利用されたことのある方の中には、過去に借りた高金利の住宅ローンをより低金利のものに借換えて金利支払いを減らしたいと考えている方も多いかと思います。ここでは、住宅ローンの借換えでメリットがあるのはどんな場合なのか?固定金利、変動金利どちらを選ぶべきか?注意点は?といった借換えを考える上での基本的なポイントを解説します。

私が書きました
主なキャリア

大手生命保険会社、証券会社勤務を経て、2019年りそな銀行入社。

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住宅ローン借換えの
メリットとは?

ここでは住宅ローンを借換えることで期待できるメリットについて説明します。

総返済額を減らせる

やはり一番のメリットとしては、過去に借りた高金利(固定金利)の住宅ローンを低金利の住宅ローンに借換えることで、金利の支払いが軽減され、総返済額を減らせることです。そうした借換えメリットは、借換え前と借換え後のローンの金利差が大きいほど、残高が多いほど、借換え前の返済期間が長いほど、大きくなります。

住宅ローンの借換えには諸費用がかかりますので、一般的には借換え前後の金利差が1%以上、残高が1,000万円以上、返済期間が10年以上残っていれば、借換えによるメリットが生じる可能性が高いとされています。

もっとも、これらの条件をすべて満たさなても、借換えメリットが生じることがあります。
例えば、現在の住宅ローンとの借換え後の住宅ローンとの金利差が年0.5%以上、ローン残高が2,000万円以上、残り返済期間20年の場合、借換えによって金利の支払額が約104万円少なくなります(金利引下げ効果のみの試算であり、借換えの際に必要な各種諸費用は含まれていません。今後の金利情勢によっては、試算通りとならないこともあります)。

団体信用生命保険の保障内容を充実させることができる

団体信用生命保険とは、住宅ローンを貸した銀行などの債権者が契約者となり、住宅ローンを借りた人(債務者)を被保険者として契約する生命保険のことです。債務者が死亡または高度障害状態となった場合にその時点の住宅ローンの残高が債権者に支払われることにより、債務者(債務者の相続人)は住宅ローンを返済する必要がなくなる仕組みです。多くの住宅ローンには団体信用生命保険がセットされています。

近年では、死亡や高度障害以外にガンなどの三大疾病にかかった場合などにも保障を拡大したタイプが登場しています。住宅ローンの借換えを機に団体信用生命保険の保障内容を充実させることができる点もメリットといえそうです。

現在の住宅ローンタイプと今後の金利動向に応じた
借換えタイミング

借換えが有利となりうるタイミングは、現在契約している住宅ローンが固定金利か変動金利なのかや、今後の金利の動向などによって異なります。以下でケースごとにみていきます。

現在のローンが変動金利のケース(固定金利への借換え)

近年では低金利の状態が長く続いていますが、将来金利が上昇した場合には、変動金利ローンの毎月の返済額は増加します(一般に金利は6カ月ごとに変動し、返済額は5年ごとに変動します)。このため、金利が上昇して返済額が増加するリスクを回避するために金利の低いうちに固定金利に借換えるという選択肢が考えられます。

固定金利に借換えておけば、将来金利が上昇したとしても月々の返済額は変わりません。一方、留意点としては同時点の変動金利と固定金利を比較した場合、通常は変動金利よりも固定金利の方が金利が高くなりますので、借換え後の返済期間が同じなら借換え直後の月々の返済額は借換え後の方が通常は増加します。

最終的な総返済額でみれば、将来金利が上昇した場合に固定金利への借換えが有利になることが期待できる反面、金利が横ばいで推移したり、低下した場合は借換えしない方が有利になります。

なお、残りの返済期間が比較的短い場合、近い将来大幅な金利上昇が見込まれない限りは、変動金利から固定金利に借換える必要性は低いといえます。

現在のローンが固定金利のケース①(固定金利への借換え)

現在のローンが固定金利で、同様に固定金利に借換えるというパターンがあります。このパターンは現在と同じように金利上昇リスクを避けながら、総返済額も減らしたい場合の選択肢となります。

この場合、現在の固定金利と比べて借換え後の固定金利が低ければ、借換えのメリットが出る可能性があります。現状のローンを継続した場合の今後の総返済額と、借換えた場合の総返済額を借換えに伴う諸費用も考慮した上で比較し、借換えのメリット出るかどうかを判断します。

固定金利から固定金利への借換えを希望する場合、今後も金利が低下すると見込むなら、少し待ったほうが有利になる可能性があります。一方、今が金利の底で今後は横ばいないし上昇を見込むなら借換えを考えるタイミングといえそうです。

現在のローンが固定金利のケース②(変動への借換え)

現在のローンが固定金利で、変動金利に借換えるというパターンがあります。現在契約しているローンの固定金利に比べて借換え後の変動金利が低い場合に選択肢となります。

このパターンの場合には、固定金利から固定金利の借換えと異なり、借換え後の総返済額は将来の金利動向によって変動します。借換え後の返済期間が同じなら、借換え直後の月々の返済額を安くできますが、今後金利が上昇した場合、最終的な総返済額は借換えをしなかった方が有利になることもあります。今後の金利動向について、様々なパターンでシミュレーションをした上で検討するとよいでしょう。

固定金利から変動金利への借換えについては、金利差が相当大きく、今後多少金利が上昇したとしても借換えた方が有利になる可能性が高い場合や、残りの返済期間が短い場合などに選択肢となりそうです。

変動金利と固定金利を組み合わせたプランへの借換えも

以上のように、借換え後に変動金利とするべきか固定金利とするべきか選択する上では、今後の金利動向をどう見るかがカギとなります。とはいえ、金利動向を正確に予想することは困難だと感じる方も多いのではないでしょうか。その場合、変動金利と固定金利を組み合わせたローンを取り扱っている金融機関もありますので、迷う場合には選択肢の1つとなりそうです。

借換えに関する注意点は?

借換えには手数料や抵当権の登記費用等の諸費用がかかります。借換えによる将来の支払い金利の軽減額に、借換え時の諸費用を加えてもなお総支払額が軽減される場合には、借換えのメリットがあると判断できます。

また、固定金利から変動金利へと換える場合、借換え後の返済額は一定の仮定に基づいて試算されています(例:金利が今後横ばいで推移した場合等)。このため、今後の金利動向によっては、借換えしなかった場合より総返済額が多くなる場合もありえます。今後の金利動向について様々なパターンを想定したシミュレーションを行っておくとよいでしょう。金融機関によってはネットで気軽に試算できるほか、休日も含め相談窓口で試算を受け付けている場合もあります。

まとめ

借換えのメリットは、借換え前後の金利差が大きいほど、残高が多いほど、借換え前の返済期間が長いほど大きくなります。
借換えの試算は、金融機関によってはホームページからネットで試算できたり、休日に窓口で相談できるところもあります。

借換え後の金利を変動、固定いずれにすべきかは、今後の金利動向をどうみるかによって異なります。りそなでは、変動金利と固定金利を組み合わせた住宅ローンを取り扱っていますので、迷う場合には選択肢となりそうです。

借換えには諸費用がかかるため、借換えを検討する際にはこの部分も考慮して判断する必要があります。また、固定金利から変動金利に借換える場合、将来の金利動向によっては結果的に総返済額が多くなる場合もありえます。

本記事は2021年4月6日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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