住宅ローン審査とは?審査の目線や流れ・押さえておきたいポイント

公開日:2024/12/20

住宅ローン審査とは?審査の目線や流れ・押さえておきたいポイント

現在マイホームの購入を検討しており、住宅ローン審査について知りたい方もいるのではないでしょうか。

各金融機関には住宅ローンにおける審査の目線があるため、申込みの前に目線や必要書類などのポイントを把握しておくことが大切です。

この記事では、住宅ローン審査の目線や流れ、申込みの際に押さえておきたいポイントや審査に通らなかった場合の対応方法を紹介します。

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元銀行員。若年層から高年層まで幅広い資産運用の提案を行なう。メディアを通じて、より多くのお客様に金融の知識を伝えたい気持ちが強くなり、退職を決意。
現在は、編集者として金融機関を中心にウェブコンテンツの編集・執筆業務に従事している。

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住宅ローン審査とは

マイホームの購入にあたっては、住宅ローンの利用が一般的です。住宅ローンを金融機関に申込むと、住宅ローン審査が実施されます。

住宅ローン審査とは、融資を行うかどうかを決定するために、利用者の返済能力や物件が持つ担保としての価値を金融機関が確認するプロセスです。

一般的に、住宅ローンの借入額は高額で返済期間も長期におよぶため、金融機関は年収や勤続年数などを審査し、融資が適切か慎重に判断します。

住宅ローンにおける
審査目線8つ

住宅ローン審査は、複数の目線に基づいて融資の可否が判断されます。どのような審査目線があるのか、見ていきましょう。

完済時の年齢

完済時の年齢は、審査における重要な目線の一つです。

一般的に、金融機関では完済時における年齢の上限を、80歳前後と設定している傾向にあります。そのため、40代以上の方が申込む場合、返済期間が長くなると完済時の年齢が上がり、審査が厳しくなる可能性があるでしょう。

健康状態

一般的に、住宅ローンを組む際には「団体信用生命保険(団信)」への加入が融資条件となっているため、健康状態も審査対象に含まれます。

団信は、住宅ローンの借り手が死亡し、または高度障害となった場合に、保険金で残りのローンを返済するための保険です。団信に加入できない場合、住宅ローン審査に通らなくなる可能性があります。

勤務に関する情報

審査では、年収だけでなく勤務先や勤続年数、雇用形態も重要な判断目線です。

安定した収入があるかどうかが評価されるため、公務員や正社員は比較的審査に通る傾向にあります。一方、個人事業主や経営者は審査が厳しくなる場合があるでしょう。

返済比率

返済比率とは、収入に対する年間返済額の割合で、返済負担が過剰にならないかを判断するための指標です。

住宅ローンだけでなく、教育ローンやカーローンなどほかの借入れも含めて計算され、返済不能リスクが評価されます。

家族に関する情報

住宅ローンの審査では、同居する家族の情報も確認されます。

家族構成や世帯人数は支出額に影響するため、住民票の提出を求められ、家族の状況が審査の一環として考慮される形です。

購入物件の担保評価

住宅ローンでは購入する不動産が担保となるため、その評価も目線の一つです。

万が一、返済不能となった場合には、金融機関が担保となる不動産を売却して回収を行うため、物件の担保評価額が低いと審査に通りにくくなることがあります。

築年数が古い物件や借地権が設定されている場合は、担保評価額が下がる傾向にあるだけでなく、そもそも取扱いができないこともあります。

個人信用情報

個人の信用情報も、審査における重要な判断目線です。過去の借入状況やクレジットカードの延滞履歴などが調査されます。

信用情報が良好な場合は、返済リスクが低いと判断されて審査に通りやすくなる反面、過去に延滞や債務整理が発生していると審査が厳しくなる可能性があるので注意しましょう。

【4ステップ】住宅ローン審査の流れ

住宅ローン審査の一般的な流れを、4つのステップに分けて解説します。

1.事前審査(仮審査)

住宅ローン審査は一般的に、事前審査(仮審査)と正式審査(本審査)に分けて実施されます。

事前審査は、正式審査を申込む前の簡易的に行われる審査で、住宅ローンを借入れできるかどうかの見込みの確認が主な目的です。

審査は複数の金融機関に申込むこともできます。事前審査を受けたからといって、借入れを決める必要はありません。

2.正式審査(本審査)

事前審査の通過後、必要書類を揃えて正式に住宅ローンに申込むと、正式審査が行われます。

正式審査では返済能力や物件の担保価値を正確に評価し、事前審査よりも詳細に書類が精査されます。事前審査に通過していても、正式審査での承認が保証されているわけではない点に注意しましょう。

3.契約手続き

正式審査を無事に通過すると、次は住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を締結する段階に進みます。

これは、提示された返済期間や金利、手数料などの条件を確認し、住宅ローンの利用に同意するための契約です。

4.融資の実行

契約が完了すると融資の実行に移ります。融資は、物件引渡しと同時に行われるようにスケジュールを調整されるのが一般的です。

多くの場合、以下の順序で進められます。

  1. 1.融資実行
  2. 2.残金決済(住宅の売買契約時に支払った手付金を差し引いた金額の決済)
  3. 3.所有権・抵当権設定
  4. 4.物件引渡し(鍵引渡し)

住宅ローン審査の期間と必要書類

審査にはある程度の時間がかかるうえに、金融機関に提出する書類の用意が必要です。ここでは、審査期間の目安と必要な書類を紹介します。

審査期間の目安

一般的に、事前審査にかかる期間は1~3日間で、長くとも1週間程度で結果が出ます。

そして、正式審査にかかる期間の目安は1~2週間程度です。

ただし、事前審査の段階から事情変更があった、金融機関が繁忙期を迎えているなど、場合によっては3~4週間と長めにかかることもあります。

必要書類

<事前審査の主な必要書類>

  • 住宅ローンの事前審査に対する申込書
  • 本人確認書類
  • 前年分の源泉徴収票など収入を確認できる書類
  • 物件の概要がわかる資料(間取り図や物件販売チラシ、見積書など)
  • ほかに返済しているローンがある場合、返済予定表または残高証明書

<正式審査の主な必要書類等>

  • 住宅ローンの本審査に対する申込書
  • 本人確認書類
  • 団体信用生命保険申込書兼告知書
  • 住民票の写し
  • 実印と実印に対応した印鑑登録証明書
  • 前年分の源泉徴収票など収入を確認できる書類
  • 勤続年数を確認できる書類(健康保険証など)
  • 物件に関する書類(売買契約書の写しや重要事項説明書の写しなど)

<契約時の主な必要書類等>

  • 本人確認のための顔写真付き公的書類(運転免許証など)
  • 住民票の写し
  • 実印と実印に対応した印鑑登録証明書
  • 収入印紙(金銭消費貸借契約証書に貼付するもの)
  • 入金口座の通帳とキャッシュカード

ここで紹介した必要書類はあくまでも一例です。実際の必要書類は利用する住宅ローンごとに確認する必要があります。

なお、りそなの住宅ローンの必要書類に関する詳細は、下記のページでご確認ください。

住宅ローン審査の前に押さえておきたいポイント

審査がスムーズに行われるようにするために、申込みの前に押さえておきたいポイントを2つ紹介します。

長期的に無理のない返済計画を検討する

住宅ローンでは、年収に対する返済比率を考慮して、無理のないように返済計画を立てることが重要です。

申込みの前に返済比率を計算し、適切な借入可能額を把握しておくことで、審査がスムーズに進みます。

返済比率の目線は各金融機関で公表されていませんが、一般的な目安は30~35%です。ただし、理想的な割合は手取り収入の20~25%といわれています。

返済比率が大きいと審査が厳しくなる可能性があるため、現実的な返済計画を検討しましょう。

可能であればほかのローンの返済は済ませておく

ほかのローンがあると返済の負担と見なされるため、返済状況をあらかじめ整理しておくことがポイントです。

車などのローンだけでなく、クレジットカードのキャッシング利用枠も、必要に応じて見直しを検討するとよいでしょう。

金融機関によっては、実際の利用の有無にかかわらずキャッシング枠自体を借入れの可能性として評価する場合もあるため、注意が必要です。

住宅ローン審査に
通らなかったときはどうすればいい?

審査に通らなかった場合にはどうすれば良いか、不安になってしまうこともあるでしょう。ここでは、具体的な対処法を4つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

借入希望額を下げる

収入や職業をすぐに変えることは難しいため、借入希望額を下げることが現実的な対処法の一つです。希望額を下げることで返済負担が軽減され、審査に通る可能性が高くなるでしょう。

有効な方法として挙げられるのは、頭金を増やして借入額を減らすことです。その場合、生活に支障が出ないよう、手もとの資金のバランスに注意する必要があります。

収入合算を利用する

1人の収入では希望額の借入れができない場合、収入合算を利用するのも選択肢の一つです。

収入合算とは、申込者の収入だけではなく、親族(配偶者や親子など)の収入を合算した金額に基づき住宅ローン審査が実施され、借入可能額が決定される方法を指します。申込時の収入額が増えることで、審査に通る可能性が高くなるでしょう。

ただし、収入合算者も一般的に連帯保証人となるため、責任や影響について十分な理解が必要です。

ほかの金融機関の審査を受ける

審査が通らなかった場合は、別の金融機関への申込みを検討するのも一つの方法です。

審査の目線は金融機関ごとに異なるため、ある金融機関で落ちてもほかの金融機関では結果が変わる可能性があります。諦めずに複数の選択肢を検討することが大切です。

しばらく期間を空ける

住宅ローン以外のローンを同時に申込んだり、他社からの借入れなどを整理しないで審査に落ちた場合は、整理した後に期間を空けて再申請してみましょう。

例えば、短期間で複数のカードローンなどの申込みがあったり、他社からの借入額が多いと審査に不利な影響を与える可能性があります。したがって、期間を空けて再度申込むのも一つの方法です。

信用情報は、株式会社シー・アイ・シー(CIC)や株式会社日本信用情報機構(JICC)といった信用情報機関で確認できるため、気になる場合は確認してみてください。

まとめ

住宅ローン審査では、完済時年齢や健康状態、勤務先の安定性などが確認されます。また、収入に対する返済比率や物件の担保価値、個人信用情報も審査のポイントです。

無理のない返済計画を立てて、スムーズな審査通過を目指しましょう。

りそなの住宅ローンでは、このような目線に合わせて無理のない返済計画を立てられるよう、店頭・オンラインを問わずローンのプロが手厚くサポートしています。

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本記事は2024年12月20日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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