サラリーマンなどの個人ができる節税対策10選

公開日:2021/10/29
更新日:2026/09/18

サラリーマンなどの個人ができる節税対策10選

サラリーマンは給与から所得税、住民税が毎月差し引かれていますが、税金の仕組みを理解すると、個人でも節税をして、手取り収入を増やせることがあります。

しかし、節税方法には適用要件があるので、それぞれしっかり確認しておく必要があります。

この記事では、サラリーマンでも利用できる10種類の節税方法の概要について解説します。自分でも活用できる制度があれば積極的に活用して手取り収入アップに役立ててください。

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サラリーマンが支払う
「税金」の種類

サラリーマンは毎月の給与から、以下の税金と社会保険料が差し引かれた金額を手取りとして受け取ります。

税金 所得税・住民税
社会保険料 健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料

毎月の給与から、上記の社会保険料や税金を差し引いた金額のことを、「可処分所得」といいます。

給与-(税金+社会保険料)=可処分所得(実際に自由に使えるお金)

サラリーマンは給与アップを目指すだけではなく、節税することによってこの可処分所得を増やすことが可能です。

サラリーマンができる
節税対策10選

サラリーマンができる節税対策10選

サラリーマンの所得税は、個人の所得と、所得に応じた税率を乗じ、控除額を差し引いて算出します。

例えば、課税される所得195万円超330万円以下の方の税率は10%。この仕組みで所得200万円の方と300万円の方の税率を計算してみると、所得200万円のほうが税金は安くなることがわかります。

つまり、課税される所得が低ければそれだけかかる税金が安くなり、節税につながることになるのです。サラリーマンの節税のほとんどは、「利用することによって所得を減らす所得控除」を活用した方法です。ここからは、その具体的な控除制度について解説します。

各制度に関しては国税庁のサイトから最新の情報を得るようにしましょう。

扶養控除

子や親など控除対象の扶養親族がいる場合は、所得控除を受けられます。控除対象の扶養親族に該当する人の範囲は、以下の要件にすべて該当する人です。

  • その年の12月31日の時点で16歳以上であること
  • 配偶者以外の親族であること
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が58万円以下(給与のみの場合は123万円以下)であること
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与を受け取っていないこと、または、白色申告者の事業専従者でないこと
区分 要件(※1) 控除額
一般の控除対象扶養親族 16歳以上 38万円
特定扶養親族 19歳から23歳未満 63万円
老人扶養親族 70歳以上で同居老親等以外の者 48万円
70歳以上で同居老親等の者 58万円

(※1)その年の12月31日時点での年齢

なお、老人扶養親族の場合、病気で入院しているなどの理由で納税者と別居となり、その期間が1年以上の長期にわたるものであっても、同居として扱うことができます。ただし、老人ホームに入所している場合は、居所は老人ホームとなり、同居扱いとはなりません。

また、令和7年度の税制改正により、合計所得金額が58万円超123万円以下(給与収入で123万円超188万円以下)の19歳以上23歳未満の親族を対象にした「特定親族特別控除」が創設されました。

税制を要因とした大学生などの「働き控え」を軽減するのが主な目的で、所得が58万円を超えても控除が受けられるよう、段階的に控除額が設定されています。

特定親族の合計所得金額 控除額
58万円超 〜 85万円以下 63万円
85万円超 〜 90万円以下 61万円
90万円超 〜 95万円以下 51万円
95万円超 〜 100万円以下 41万円
100万円超 〜 105万円以下 31万円
105万円超 〜 110万円以下 21万円
110万円超 〜 115万円以下 11万円
115万円超 〜 120万円以下 6万円
120万円超 〜 123万円以下 3万円

医療費控除

納税者がその年の1月1日から12月31日の間に自分または、自分と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費が一定額を超える場合、所得控除の対象です。

医療費控除額の計算方法は次のとおりです。

【医療費控除額の計算方法】
  • 医療費控除額(上限200万円)=実際に支払った医療費の合計から民間の医療保険などで補填された額を引いた金額-10万円
  • 総所得金額が200万円以下の場合、10万円ではなく総所得金額の5%が控除されます。

控除対象の医療費には、出産費用や入院費用なども含めることができます。
なお、未払いの医療費があるときは、実際に支払った年の医療費控除となるので注意が必要です。

医療費控除の医療費に含まれるおもな項目は、次のとおりです。

  • 医師、歯科医師による診療・治療の対価(健康診断の費用や医師への謝礼などは対象外)
  • 治療、療養に必要な医薬品の購入費用(ビタミン剤などの健康増進に用いるものは対象外)
  • 医師などによる診療や治療を受けるために直接必要な義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯など

セルフメディケーション税制

薬局やドラッグストアなど、自分で選び、対面で購入できるOTC医薬品を購入費用のうち、1万2,000円を超える部分が所得控除の対象です。所得控除の上限は8万8,000円です。

セルフメディケーション税制は、自分自身で健康管理を行い、軽い症状ならOTC医薬品を利用して健康を管理するセルフケアを推進することが目的です。
そのため、セルフメディケーション税制を利用するためには、予防接種や健康診断の受診など、健康のための取り組みを行っていることが要件です。

注意点として、先述の医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないことが挙げられます。

生命保険料控除

生命保険料などを支払っている場合は、所得控除を受けられます。

所得控除を受けられる項目は次のとおりです。

  • 一般生命保険料控除 死亡・高度障がいなど万が一に備える生命保険の保険料
  • 個人年金保険料控除(※2) 個人年金に加入をしたときの保険料
  • 介護医療保険料控除 入院・通院・介護などを保障する医療保険や介護保険に支払う保険料

(※2)個人年金保険料控除を受けるには、以下の要件をすべて満たし、かつ「個人年金保険料税制適格特約」をつけることが必須です。

  • 年金受取人が契約者、その配偶者のいずれかであること
  • 年金受取人=被保険者であること
  • 保険料払込期間が10年以上あること
  • 年金種類が確定年金や有期年金の場合、年金支払開始日における被保険者の年齢が60歳以上、かつ、年金支払期間が10年以上であること

また、上記3つの控除は契約日が2012年(平成24年)1月1日以降か2011年(平成23年)12月31日以前かで控除額が異なります。

【2012年(平成24年)1月1日以降の契約の場合】
年間の支払保険料 所得税の控除額
2万円以下 支払保険料全額
2万円超4万円以下 支払保険料×1/2
+1万円
4万円超8万円以下 支払保険料×1/4
+2万円
8万円超 一律4万円

一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除それぞれ上記控除額が適用となるので、最大12万円の控除を受けられます。

【2011年(平成23年)12月31日以前の契約の場合】
年間の支払保険料 所得税の控除額
2万5,000円超5万円以下 支払保険料×1/2
+1万2,500円
5万円超10万円以下 支払保険料×1/4
+2万5,000円
10万円超 一律5万円

2011年(平成23年)12月31日以前の契約について、医療保険・介護保険の保険料は生命保険料控除として扱われます。

また、23歳未満の扶養親族がいる子育て世帯の場合、2027年まで一般生命保険料控除(所得税)の限度額が6万円となります。

年間の支払保険料 所得税の控除額
3万円以下 支払保険料全額
3万円超6万円以下 支払保険料×1/2
+15,000円
6万円超12万円以下 支払保険料×1/4
+3万円
12万円超 一律6万円

ただし、「一般生命保険料」「個人年金保険料」「介護医療保険料」全体の所得税の控除限度額は12万円のままで変更はありません。

地震保険料控除

納税者、または納税者と生計を一にしている配偶者やそのほかの親族が所有している居住用の建物や家財を保険の対象とする地震保険の保険料は、地震保険料控除の対象です。

地震保険料
控除
保険料 控除額
5万円以下 支払保険料全額
5万円超 5万円

特定支出控除

サラリーマンのような給与所得者でも、仕事に関連する以下の項目で自己負担が一定額を超えると、特定支出控除を受けられます。

通勤費 通常必要であると認められる通勤費用
職務上の
旅費
勤務する場所を離れて職務を遂行するための旅行費用のうち、通常必要と認められる経費
転居費 転勤にともなう転居のために通常必要と認められる経費
研修費 職務に必要な技術や知識をえるために受講した研修費
資格取得費 職務に必要な資格をえるための支出(2013年(平成25年)分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの取得費も特定支出の対象になる)
帰宅旅費 単身赴任などで勤務地や居所と自宅を移動する費用のうち、通常必要と認められる支出
勤務
必要経費

以下の項目については支出の合計が65万円を超える場合は、65万円が上限

  • 職務に関連する書籍・定期刊行物の購入費用(図書費)
  • 制服、事務服、作業服など着用が必要とされる衣服の購入費用(衣服費)
  • 交際費、接待費、得意先や職務上関連する者への接待、贈答、またはこれに類する行為に要した費用(交際費)

出典:給与所得者の特定支出控除(国税庁のサイトへリンクします)

なお、特定支出控除を受けるためには、給与支払者の証明が必要です。

住宅借入金等特別控除
(住宅ローン控除)

マイホームの新築や購入、リフォーム等のために住宅ローンを利用して一定の要件を満たした場合に所得税と住民税の一部が控除される制度です。最長で約13年間、年末残高の0.7%を所得税や住民税から控除できます。

前述の所得控除と異なり、所得税(住民税)から直接控除される「税額控除」であるため、適用できれば節税効果が高い制度です。

住宅ローン控除は、住宅取得を後押しする目的で創設された制度ですが、要件や控除額は取得の時期により異なります。2026年度(令和8年度)税制改正では、制度の5年間延長とともに、省エネ・環境性能の高い住宅取得に対する制度拡充、子育て世帯等に対する限度額引上げなどが盛り込まれています。

【2026年度(令和8年度)制度改正の内容】

  • 所得要件 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下(従来と同じ)
  • 床面積要件 40平米以上(従来は50平米以上)
  • ※ただし、所得1,000万円超の人、子育て世帯で上乗せ措置利用時では50平米以上

子育て世帯・若者夫婦世帯とは、「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」のことです。

  • 省エネ・環境性能の高い住宅の控除拡大

取得した中古住宅(既存)が省エネ・環境性能の高い「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅」であれば、新築と同様13年間にわたって控除可能
一方で、これまで対象であった省エネ基準適合住宅では、2028年以降の新築の場合、対象外となります。

  • ※2025年までに入居した方は旧制度の対象となるため、こちらをご確認ください。

【今後の制度(2026年以降入居)】

2026年以降は、住宅ローン控除を受けられる住宅区分が段階的に縮小され、特に2028年以降に建築確認を受ける新築住宅が対象外 (経過措置あり)となります。控除を受けるには、より高い省エネ性能(認定住宅やZEH水準)が求められる方向です。つまり、「性能が高い住宅ほど優遇される仕組み」にシフトしています。

すでに購入済みの方は、自身の入居時期に応じた制度が適用されるため影響はありません。一方で、これから購入する方は、住宅性能と税制メリットのバランスを踏まえた判断が重要になります。

ふるさと納税

ふるさと納税は、自分の好きな地方自治体に寄付をすることで、寄付金控除を受けられる制度です。控除上限額の範囲内であれば、寄付をした金額が翌年の住民税額から控除されます。

ふるさと納税の仕組みとしては、翌年の住民税を前払いしているため、実質的に節税効果が高いとは言えません。
しかし、寄付をした金額に応じて、自己負担2,000円で地方自治体から寄付額の最大3割相当の名産品などが手元に届くので、お得な制度といえます。

ふるさと納税について更に詳しく知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。

ふるさと納税とは?仕組みやメリットをわかりやすく解説

確定拠出年金
[個人型DC(iDeCo)・企業型DC]

確定拠出年金は老後の資産形成を目的とした制度です。運営管理機関(金融機関等)が選定した運用商品の中から、加入者自身が商品を選んで運用します。

確定拠出年金には、退職金制度の1つとして掛金を勤務先の企業(事業主)が拠出する企業型DCと、自分の老後のために加入者自身が掛金を拠出するiDeCoがあります。
確定拠出年金は、原則として60歳まで資産を引き出せないことに留意が必要です。

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個人型DC(iDeCo) 企業型DC
加入 自分で加入する 勤務先の企業が退職金制度として導入している場合に加入
掛金※1 自分で掛金を拠出する 勤務先の企業が掛金を拠出する
  • ※企業の制度によっては自分で上乗せして拠出も可能(マッチング拠出)
運営管理機関(金融機関等)※2 自分で金融機関を選択可能 勤務先の企業が指定した運営管理機関
  1. ※1掛金は月額5,000円以上、上限額はご職業等により異なります
  2. ※2金融機関ごとに運用できる商品、手数料、サポートなどが異なります

出典:確定拠出年金とは? 個人型と企業型の違い(個人型確定拠出年金ナビ「iDeCo(イデコ)ナビのサイトに移動します。)

自分で拠出した掛金は全額所得控除の対象となるため、所得税・住民税の負担を軽減することができます。
ただし、課税所得がない場合は、掛金拠出時の所得控除の税制メリットを受けることができませんのでご注意が必要です。

また、運用による運用益には税金がかからない(非課税)ため全額再投資に回し、長期間運用することで、単利運用に比べて複利効果による利益の増幅が期待できます。

  • ※運用資産には特別法人税が加算されますが、現在は課税が停止されています。

積立てた資産を受け取る際に、年金形式での受け取りには公的年金等控除が、一時金での受け取りには退職所得控除が適用され、税制優遇が受けられます。
ただし、原則60歳まで引出しができない点には注意が必要です。

関連記事:確定拠出年金の「個人型」と「企業型」の違いとは?

NISA
(少額投資非課税制度)

NISAとは少額投資非課税制度のことで、今まで紹介した控除制度とは異なりNISA口座を利用して運用して得られた収益に税金がかからない(非課税)制度です。

NISAには少額からの積立てで利用できる「つみたて投資枠」と、自分のタイミングで投資信託等が購入でき、対象商品も幅広い「成長投資枠」があります。それぞれの枠は併用可能です。違いは以下の通りです。

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  成長投資枠 つみたて投資枠
購入方法 一括・積立 積立のみ
非課税保有限度額
(生涯での投資可能額)
1,800万円
  • ※うち成長投資枠は1,200万円まで
1年間の投資可能額 240万円 120万円
非課税の対象期間 無期限
投資対象商品※ 一定の基準を満たした投資信託
つみたて投資枠より商品数は多い
一定の基準を満たした投資信託
長期の積立・分散投資に適した投資信託
  • ※投資対象商品はりそなグループ各社で取扱いのあるものを記載しています。

まとめ

手取り額を少しでも増やしたいと考えているサラリーマンは、今回ご紹介した医療費控除や住宅ローン控除などの節税方法を検討しましょう。

税負担が軽減すると、手取り額が増え、自由に使えるお金も増えます。そのお金を教育費や老後資金、資産運用に充てて、将来に備えることも可能です。
まずは制度を使って、できるところから自分の手取り額を増やしてみてはいかがでしょうか。

りそなでは、節税対策に有効な商品の提案が可能です。ぜひお近くのりそなの窓口で相談してみてください。

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本記事は2026年9月18日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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