がん保険は必要?不要?知っておきたい治療費と保障内容
2024/06/05最終更新
がん保険への加入を検討するなかで、「がん保険は不要と聞いたことがある」「がん保険は本当に必要なの?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
がん保険は、がんでの治療等に備えるためのがん保障に特化した保険ですが、加入の必要性は生活習慣や家系、貯蓄や保険加入状況などによって異なります。
今回は、がん保険の必要性やがんの治療にかかるお金、がん保険の保障内容と選ぶ際のポイントを解説します。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強をはじめる。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
- ※りそなグループが監修しています
がん保険の3つの必要性
がん保険に加入したほうがよい理由は、主に3つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
がんと診断された時点でまとまった一時金を受け取れる
一般的な医療保険では入院や手術などの条件を満たさない限り、給付金は受け取れませんが、がん保険では「がん」と診断された時点で、診断給付金として一時金を受け取れるものがあります。
がんで入院や通院をする際には、医療費や当面の生活費が必要です。診断給付金は治療内容にかかわらず給付されるため、入院の準備や生活費などあらゆる用途に使うことができ、貯蓄が少ない場合でもさまざまな費用にあてられます。貯蓄がある家計でも診断給付金があれば、その分、貯蓄を崩さずに済む可能性もあるでしょう。
長期療養や高額な治療費に備えられる
がん保険に加入すると、長期療養や高額な治療費に備えられます。がんの治療は部位やステージによって、入院や手術が必要なものから、通院で治療できるものまでさまざまです。
医療費負担軽減のために「高額療養費制度」があるとはいえ、長期的な治療は大きな出費です。さらに、治療によって休業や退職を余儀なくされるケースでは、収入が減るリスクもあります。がん保険は生活費の工面にも使えるため、長期の治療にも安心して臨めるでしょう。
がんに特化した手厚い保障が受けられる
がんに特化した手厚い保障が受けられることも、がん保険の特徴です。
例えば、最近では、がんと診断されたときから行う、身体的・精神的な苦痛を和らげるための緩和ケアをしたときに給付金が支払われるがん保険もあります。
また、抗がん剤やがんによる先進医療などの治療も保障の対象とすることもできます。先進医療では数百万円の技術料がかかるため、がん保険でカバーできると治療の選択肢が広がります。
ただし、特約を付けないと抗がん剤や先進医療は保障されないのが一般的です。
がん保険の必要性が高いケース
前述のように、がん保険はがん発症後の経済的リスクに備えるうえで役立ちますが、加入の必要性は本人の状況により変わるものです。ここでは、がん保険の必要性が高いケースを2つ紹介します。
がん治療中の生活費や治療費の出費に不安がある方
がん治療中の生活費や治療費の出費に対して不安のある方は、がん保険の必要性が高いでしょう。がんになったときの治療費は公的医療保険、高額療養費制度を使っても自己負担は発生するでしょう。
がん治療中は仕事をできないケースがあるため、収入の減少なども含めて家計に影響を与えることが考えられるでしょう。厚生労働省が発表した「がん患者の就労や就労支援に関する現状」では、がんと診断された方の34%が依願退職や解雇をされ、自営業では13%の方が廃業しています。
特に自営業や個人事業主は傷病手当金が出ないため、収入が途絶えることになりかねません。会社員でも、収入途絶・減少のリスクがあるため、がん保険が役に立つでしょう。
生活習慣や親族のがん罹患を理由にがん発症に備えたい方
生活習慣の乱れや喫煙習慣などでがん発症のリスクを感じる方も、がん保険の必要性が高いといえます。がんにはさまざまな発症要因がありますが、以下のような生活習慣はがんの発症リスクを上げるといわれています。
喫煙 | 肺がんをはじめとするさまざまながんの原因となる |
---|---|
飲酒 | 咽頭・喉頭・食道・大腸・肝臓・乳がんのリスクを上げると報告されている |
牛・豚・羊などの 赤身肉や加工肉 |
大腸がんのリスクを上げるとされている |
参考:国立研究開発法人国立がん研究センター「がんの発生要因」
これらの生活習慣が気になる場合は、がん保険に備えておくと安心です。
また「がんになりやすい体質」は、血のつながった家族同士で共有することがあります。必ずしも発症するとは限りませんが、がんと診断された親や兄弟、近しい親族がいる場合はがん保険への加入も選択肢の一つです。
がん保険はいらない?不要と考えられるケース
一方、がん保険への加入が不要と考えられるケースは以下の2つです。
- がんの治療費を自分の貯蓄でカバーできる
- 医療保険や就業不能保険で、すでにがん治療時の出費に備えている
収入や貯蓄が十分にあり、がんの治療費や生活費が十分にカバーできているケースでは、がん保険への加入は不要でしょう。
また、すでにほかの保険で万が一の治療費や生活費などの出費に備えている場合も、がん保険への加入は不要と考えられます。
例えば、医療保険のがん特約を付加しているケースや、就業不能保険で収入減少に備えているケースなどです。保障が重複して家計に負担がかかる可能性があります。ただし、特約のみの場合、保障が不足しているケースもあるため、がん保険と合わせて保障を持っておくことでより安心できます。
現代人ががんにかかる
リスク
現代人ががんにかかるリスクは、生活習慣以外に年齢・性別によっても異なります。
国立がん研究センターの「がん統計」(2019年データに基づく ※2024年2月時点での最新データ)によると、生涯でがんと診断される確率は男性が65.5%、女性が51.2%です。男女とも2人に1人が生涯でがんと診断される計算になります。
年齢別のがん罹患率も見ていきましょう。同データによると、がんの罹患率は以下のように年齢ごとに上昇していきます。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
グラフのとおり、男女ともに働き盛りの30代後半から罹患率が上昇しはじめ、55歳を過ぎた頃から罹患率が急騰しています。
このように、がんは身近な病気であり年齢とともにリスクが上がり、かつ、一度り患した場合は長く付き合っていく可能性がある疾患ですので、保険で備えておくと安心です。
がんの治療にかかる費用
がんに罹患した場合、治療費はどれくらいかかるのでしょうか。ここでは、がんの治療にかかる費用の目安を解説します。
がんの治療にかかる費用
がんの治療費は、がんの部位によって異なります。全日本病院協会が公表した2022年のデータによると、がんを発症した部位ごとの1回の入院にかかる費用は以下のとおりです。
- 胃がん:99万6,965円(一日当たり7万6,901円)
- 結腸がん:97万8,567円(一日当たり8万4,672円)
- 直腸がん:115万26円(一日当たり8万8,925円)
- 肺がん:91万3,065円(一日当たり10万4,558円)
- 乳がん:79万2,609円(一日当たり10万6,681円)
参考:公益社団法人全日本病院協会「医療費(重症度別)【年間】」
なお、上記の費用は実費ではなく、公的医療保険を適用する前の金額です。実際は3割程度の負担となり、高額療養費制度もあるため、負担額は8万円~9万円程度に抑えられるでしょう。
がんの治療にかかる費用のうち、以下のような費用は公的医療保険の対象です。
- 診療費
- 検査費
- 入院費
- 手術、放射線治療費
- 薬物療法費
- 介護サービス費など
ただし、治療の内容次第では全額自己負担になることもあるため、治療の際に確認することが大切です。
公的医療保険の対象にならない費用もある
がん治療費用のうち、以下のような費用は自己負担です。
- 差額ベッド代
- 通院・入院時の交通費
- 診断書作成費
- 食事代
- 生活費
- 付添者の交通費や食事代
- お見舞いのお返し
- 公的医療保険適用外の治療費など
治療費のなかでも、適用外薬や未承認薬など自由診療の場合は自己負担で、薬剤費が100万円以上など高額になるものもあります。近年、こうした自由診療の数は増加傾向にあります。
また、治療費以外の費用も必要です。主に入院の際に使う日用品や通院時の交通費、食事が取れないときの栄養剤費用、陶板浴(とうばんよく)費用などがかかります。がんの種類によっては、ウィッグや乳房の再建費用などもかかるでしょう。
治療が長引くほど自己負担は膨らみ、影響が出てくる可能性は高いので、きちんと備えておく必要があります。
がん保険の主な保障内容
がん保険の主な保障内容を、下表にまとめました。
横スクロールできます。
保障の種類 | 保障内容 |
---|---|
診断給付金 |
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入院給付金 |
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手術給付金 |
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放射線治療給付金 |
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通院給付金 |
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抗がん剤治療給付金 |
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がん先進医療特約 |
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上記のようにがん保険では、治療や生活費にかかわる手厚い保障を受けられます。
このほかにも、自由診療の給付金や緩和ケアを受けた場合など、給付対象はさまざまです。自分で給付金をカスタマイズできる保険もあるため、商品を選ぶ際は保障内容についてもよく確認しましょう。
がん保険選びのポイント
がん保険は商品ごとに保障内容や保障期間、金額が異なります。選ぶ際には自分の年齢や家族など、状況に合わせて選びましょう。
がん保険には保障期間に期限がある「定期タイプ」と、一生涯保障される「終身タイプ」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
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メリット | デメリット | |
---|---|---|
定期タイプ |
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終身タイプ |
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例えば、若い頃から老後までがんに備えたい方には、終身タイプが適しているでしょう。一方で子どもの教育費など、一時的に出費が多い場合は定期タイプで保険料を抑えるのも一つの手段です。
また、貯蓄が少ない場合は、診断給付金が受け取れる保険を選ぶと安心です。前述のように、診断給付金は使い道に制限がないため、治療費・入院費だけでなく休業による収入減少にも備えられます。
なお、早期発見により上皮内がんと診断された場合に、がん(悪性新生物)と同額の給付金がでるタイプと一定割合削減されているタイプがあります。早期発見・治療にも安心したい場合はがん(悪性新生物)と同額の給付金がでるタイプを選ぶとよいでしょう。
まとめ
がん保険はがんになったときの治療費などの保障をしてくれるものです。がんは身近な病気といえるため、がん保険の加入可否を検討することは大切です。
がん保険の必要性は本人の貯蓄やほかに加入している保険などにより異なるため、自身の状況と照らし合わせて考えましょう。
りそなでは、ライフステージや貯蓄状況に合わせて、がん保険の必要度や必要な保障内容などの相談に応じています。
なお、りそな銀行で取り扱っているがん保険「ネオdeがんちりょう(正式名称:無解約返戻金型終身がん保険(引受保険会社:ネオファースト生命))」は、プランによってはお手頃な保険料で加入できます。また、自分にピッタリな保障を組み合わせることができ、過去1年以内にたばこを吸っていない方は保険料が安くなるという特長があります。
※詳細はパンフレット等をご確認いただきますようお願いいたします。
Web上で24時間いつでも検討することが可能です。
がん保険をご検討の方は、お気軽にりそなへご相談ください。
本記事は2024年6月5日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。