生命保険に毎月いくら払ってる?全体や世代・家族構成別に平均を解説
公開日:2021/10/29

「自分が払っている保険料は適切なのか」「みんなはどれぐらい払っているのか」など、生命保険料が気になっている方もいることでしょう。生命保険は、必要性に応じて加入するものであり、支払額は人それぞれ異なります。
しかし、一般的な平均支払額を理解すれば、保険加入時の過不足を見極めやすくなるのではないでしょうか。そこで本記事では、生命保険料の平均額や加入条件別の平均額、生命保険を選ぶ際のポイントなどを説明していきます。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
- ※りそなグループが監修しています
生命保険の平均的な
保険料はいくら?
まずは、世間の人がどれぐらい生命保険料を支払っているか、平均額を紹介します。
平均的な生命保険料は
年間38.2万円
生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、2018年(平成30年)時点における生命保険の世帯年間払込保険料は、平均38万2,000円でした。これを毎月の金額に換算すると、平均額は約3万2,000円です。
平均額を見て「自分は保険料を払いすぎている」「加入額が足りない」などと考える方もいるかもしれません。しかし、あくまでもこの金額は民間生命保険会社や簡易保険(郵政民営化以前の加入分)、JA、生協の共済なども含めた全生命保険の平均です。また、この金額には死亡保険や医療保険、個人年金保険も含まれています。
生命保険は、種類や保障内容、年齢、性別などさまざまな条件で保険料率が変わるため、加入している保険の種類や契約内容によって平均額と差が出るのです。
生命保険の平均保険料は
年々低下している
世帯の年間払込保険料は、年々低下傾向にあります。生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、2015年(平成27年)からは約3,000円、2006年からは約14万4,000円が減少していることがわかりました。
調査年 | 平均世帯保険料 (年間) |
---|---|
2006年(平成18年) | 52万6,000円 |
2009年(平成21年) | 45万4,000円 |
2012年(平成24年) | 41万6,000円 |
2015年(平成27年) | 38万5,000円 |
2018年(平成30年) | 38万2,000円 |
同調査を見ると、世帯の普通死亡保険金額も年々低下傾向にあります。このことから、生命保険料の平均額が低下傾向にある理由として、おもに次の2つが推察されます。
- 1.低い保険金額で契約できるようになった
- 2.契約者が高額契約を避けるようになった
「いくらから契約できるか」は、保険会社や保険商品によって異なります。しかし、保険商品設計や契約チャネルの多様化(代理店・インターネット販売など)などにより、低い金額で契約できる保険商品が増えたことが関係し、平均額の低下につながっています。
また、契約者が高額での契約を避けるようになったことも、要因の一つと考えられます。そもそも、死亡や病気・ケガなどの保障には、遺族年金や健康保険などの公的保障があります。公的保障だけでは心許ない分を民間保険で補うような加入をすれば、高額な保険商品を契約しなくてすむケースもあるかもしれません。
保険商品の契約や見直しについて、各種メディアで公開している保険に関する説明記事や、ファイナンシャルプランナーの個別アドバイスなどを参考にすることで、過度な加入を慎む人が増えてきているのかもしれません。これらの結果から、平均額の低下につながってきていると考えられます。
条件別に見る生命保険料の平均支払額
ここでは、世代別、家族構成別に生命保険料の平均額を紹介します。
世代別では生命保険料を
毎月いくら払ってる?
同調査で生命保険料の平均支払額を世帯主年齢別に見ていくと、最も高い金額となっているのが「50~54歳」で、年間48万3,000円です。月額に換算すると約4万円です。
なお、世帯主の年齢別の平均支払額をいくつか抜粋して紹介します。
世帯主の年齢 | 平均世帯保険料 (年間) |
---|---|
29歳以下 | 23万3,000円 |
30〜34歳 | 29万8,000円 |
35〜39歳 | 38万円 |
40~44歳 | 34万5,000円 |
45~49歳 | 42万7,000円 |
50~54歳 | 48万3,000円 |
55~59歳 | 45万3,000円 |
60~64歳 | 43万9,000円 |
平均額は、世帯主の年齢が上がるにつれて徐々に増加し、「50~54歳」をピークに減少しています。近年は、「低解約返戻金型」「無解約返戻金型」など、保険料を安くするような保険商品も少なくありません。
しかし、「50~54歳」世代の方々は、このような保険商品が発売される前に子どもの誕生などで保険加入が必要になったケースが推測されるでしょう。
また、当時も今も保険期間に限りのある定期保険で、特約部分を更新していくタイプもあります。この定期保険(特約)が更新時期を迎えて保険料が上がり、生命保険料が高くなったことも考えられるでしょう。
さらに、この世代は老後の資金準備も本格的に進めはじめる時期です。老後を見据えて医療保険を充実させたり、個人年金保険に加入したりする人が多くなる点も、保険料が増加する要因の一つといえます。
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家族構成別では生命保険料を毎月いくら払ってる?
同調査結果の家族構成別では、「末子が高校生・短大生・大学生」という世帯の年間払込保険料が最も高く、46万2,000円でした。毎月の金額に換算すると約3万8,500円を支払っています。
なお、「末子が保育園児・幼稚園児」という世帯から「末子が就学終了」という世帯まで、子どもを扶養している世帯では、年間払込保険料がすべて40万円を超えています。万一の場合の死亡保障など、保険の必要性の高さがうかがえます。
一方、40歳未満および60歳以上の夫婦のみの世帯は年間払込保険料が低い傾向にあり、40歳未満の夫婦のみの世帯では20万円台となっています。60歳以上の夫婦のみの世帯では、有職の高齢夫婦の場合は約32万円、無職の高齢夫婦の場合は約25万6,000円となり、仕事をしているかどうかで金額が大きく左右されます。
生命保険の内容によって保険料の平均は異なる
生命保険は、種類や保障内容、被保険者の年齢など、さまざまな条件で保険料が変わるのが特徴です。生命保険は、大きく分けて「貯蓄型」「掛け捨て型」の2タイプがあるため、ここではタイプ別の違いを説明します。
貯蓄型の生命保険は
保険料が高い
貯蓄型保険にもいくつか種類がありますが、そのうちの一つである終身保険は「ある程度まとまったお金が必要になった」「保障が必要なくなった」という場合に、解約返戻金としてお金を受け取れる貯蓄性があります。貯蓄型の保険にはこのような性質があるため、掛け捨て型と比べて保険料が高くなる傾向にあるのです。
解約をしなければ保障が一生涯続く安心感もありますが、保険料が高めに設定されているため毎月の支払い負担が大きくなる点が終身保険の特徴といえます。
ただし、保険料の払込期間満了前に解約をすると、解約返戻金がそれまでに払い込んだ保険料総額を下回る場合があることに、注意が必要です。
掛け捨て型の生命保険は
保険料が安くすむ
掛け捨て型は支払った保険料が戻らない、貯蓄性のないタイプの保険であるため、貯蓄型保険よりも毎月の保険料が安く設定される傾向にあります。例えば、定期保険は掛け捨て型の代表例といえます。
定期保険は保険金額を高めにしても、保険料を抑えやすい点がメリットです。ただし、契約期間満了後に生存していても、満期保険金や既払保険料を受け取ることはできません。
なかには、貯蓄型の終身保険と掛け捨て型の定期保険を組み合わせた保険商品もあるため、手厚い死亡保障がありながらも、保険料を抑えたいという場合は加入を検討しましょう。
生命保険を選ぶときの
3つのポイント

生命保険料について説明してきましたが、生命保険はご自身の必要性に合わせたものを選ぶことが大切です。ここからは、生命保険を選ぶときのポイントを3つ説明していきます。
保険料だけで
選ばないようにする
扶養家族の人数や収入、年齢、世帯の資産状況など複数の要素によって、保険加入の必要性は変わります。同時に、無理なく支払える保険料も世帯ごとに異なるため、最適な生命保険商品は世帯によって大きく異なるといえます。
先述したように、保障内容や保険種類、被保険者の加入年齢などで保険料は異なるため、保険料の金額を見ただけでは、どのような保障の保険にいくらの保険金額で契約しているのかはわかりません。
したがって、生命保険に加入している人全体の平均支払保険料だけを参考にして、生命保険を選ぶことはやめましょう。保険料で保険商品を選ぶと、自分の世帯の状況に適さない保険に契約してしまい、保険料が無駄になりかねません。
平均支払保険料は目安の一つとして参考にするに留め、まずは生命保険の必要性や無理なく支払える保険料から生命保険を選ぶようにしましょう。
保障内容を
しっかりと確認する
せっかく生命保険に加入していても必要な保障額に届かなかったり、過度に加入して余計な保険料を支払ったりすることは、適切な加入とはいえません。自分の世帯に必要な保障額や保障内容をしっかりと確認し、契約するようにしましょう。
例えば、家族がいる方と独身の方とでは必要な保障額が異なります。基本的には保障額が大きくなればなるほど毎月の保険料も高くなるため、終身保険や医療保険などタイプの異なる保険を組み合わせ、タイプごとに保障額を調整しながら保険を選ぶとよいでしょう。
保障期間も、家族の年齢やライフプランに合わせて決めていきましょう。扶養すべき家族がいる期間中に扶養者が死亡したり、病気で働けなくなったりすると、遺族の生活が困窮するリスクがあります。
一般的に、生命保険は保障期間が長くなるほど、保険料が高くなるものです。そのため、扶養家族がいる期間分だけ保障を手厚くするなど、適切な保障期間を見定めて保険を選ぶこともポイントの一つでしょう。
現在の生命保険が適していなければ見直しを検討する
現在支払っている保険料の金額が平均支払保険料に近しいからといって、自分の世帯にとって最適な生命保険であるとはかぎりません。ただし、年齢別や家族構成別の平均保険料と大きく乖離している場合は、適した生命保険に加入していない可能性があります。
現在加入している生命保険が自分の世帯の必要性や状況とズレている場合には、早めに見直しを検討してみましょう。また、見直しをする際には、あらためて「どういった保障が」「いくら」「いつまで」必要かを確認してください。併せて、無理なく支払える保険料がいくらか計算することも、家計を圧迫させないために重要です。
これまで説明したポイントを押さえ、保険のタイプや保障期間、保険料の払込期間などを調整していきましょう。
生命保険はりそなに相談を
先述した通り、ライフスタイルによって加入すべき保険は異なってきます。りそなでは保険商品だけでなく、お客さまのライフプランを考慮し、他金融商品も合わせたトータルな提案が可能となっています。
保険や将来のお金について考え始めたら、まずはお金のプロであるりそなに相談してみてください。
まとめ
自分と近い世代や、自分と似通った家族構成の平均保険料を知れば、自分が支払っている保険料が適切であるかどうかを判断する目安になるでしょう。平均額よりも多い・少ないなどの大きなズレがあるなら、保障の過不足があるかもしれません。
現在の家族の扶養状況や年齢、収入、資産状況などに合わせて、保険の見直しを定期的に行うことが大切です。ただし、生命保険は平均保険料だけで選ぶのではなく、自分の世帯にマッチした保障内容を選ぶことが最優先です。
必要な保障を備えつつ、保険料を抑えられるよう、さまざまな条件を調整してみましょう。りそなでは、多くの商品のなかからお客さまに合った商品を提案することが可能です。身近にある、りそなの窓口で保険や資産対策を相談してみてはいかがでしょうか。
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本記事は2021年10月29日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。