老後資金はいくら必要?退職金の上手な活用方法をシミュレーション付きで解説

老後資金はいくら必要?退職金の上手な活用方法をシミュレーション付きで解説

「そろそろ、退職後のことを考えなくては……」という方に向けて「老後資金はどのぐらいかかるのか」「退職金だけで十分なのか」「ゆとりを持って過ごすためにはどうすればいいのか」解説します。

老後資金の目安とは?平均的な生活にかかる費用はどれくらい?

人生における一般的な資産の推移は、就職から退職までの「つみたて期」と、退職後の「取り崩し期」に分けられます。退職後は、勤め先からの収入がなくなり、基本的には支出が収入を上回るようになるため、資産の「取り崩し期」に入ります。

取り崩しの金額はどれぐらいになるのでしょうか?のイメージ図

では、取り崩しの金額はどれぐらいになるのでしょうか?

平均的な生活を送りたい場合

家族のイメージ画像

高齢夫婦世帯の年金受給額は、平均で月額約20.4万円です。
平均的な生活(趣味など娯楽に使えるお金が二人で約2.5万円と仮定)を送る場合、生活費は約26.5万円ですから、毎月約6万円を貯蓄から取り崩すことになります。

また、単身世帯の場合は、年金受給額は月額約11.5万円。生活費は約16.2万円です。年金だけでは毎月約4.7万円が不足します。

平均的な生活を送りたい方

ゆとりある生活を送りたい場合

海外旅行のイメージ画像

一方、夫婦でレジャーや海外旅行などを楽しむ「ゆとりある生活」を送りたい場合、必要な生活費は毎月約36.1万円です。
年金受給額を考慮すると、毎月約15.7万円を貯蓄から取り崩すことになります。

単身世帯の場合、ゆとりある資金を上記夫婦の半分と考えると、必要な生活費は毎月約23.2万円です。この場合、毎月約11.7万円を取り崩すことになります。

ゆとりある生活を送りたい方
(出所)
  • 2018年家計調査報告 家計収支編(総務省)
  • 2016年(財)生命保険文化センター・生活保障に関する調査

取り崩し期は何年ぐらい続く?

では、この金額を取り崩す期間はどれぐらいになるのでしょうか?

平成30年簡易生命表(厚生労働省)によると、60歳男性の平均余命は約24年、60歳女性の平均余命は約29年です。※平均余命=ある年齢まで生きた人が残り何年生きられるかを表したもの

ただし上記は「平均」の余命です。半数の方はそれ以上長生きする可能性があります。取り崩し期は、30年程度続くと見ておいたほうがいいでしょう。

60歳の方の平均余命

退職金(老後資金)を取り崩していくと
どうなるか計算してみよう

ここからは、退職後に資金を取り崩していくシミュレーションを見ていきましょう。

例えば貯蓄が1,000万円あり、退職金が2,000万円支払われた(計3,000万円が手元にある)場合、資産はいつまで持つのでしょうか。

先ほどの生活費の金額を参考にすると、ゆとりある生活を送った場合(毎月16万円取り崩し)の資産寿命は約15年となります。平均的な生活を送った場合(毎月6万円取り崩し)の資産寿命は約41年です。

ゆとりある生活の場合のシミュレーション(預金のみ/運用あり)

「平均的な生活が41年も送れるなら十分」と思われるかもしれません。
しかし高齢になると大きな病気で医療費が必要となったり、介護が必要になったりするなど、大きな出費がつきものです。予期せぬ大きな出費があると、資産寿命はぐっと縮まります。

また、平均的な生活が送れたとしても、趣味や付き合いを楽しみながら、ゆとりある生活を送ることは難しくなります。「せっかくのセカンドライフなのに、楽しみを我慢してお金を切り詰める生活は送りたくない」と考える方も多いのではないでしょうか。

老後資金の貯め方は預金がベスト?
退職金を有効活用する方法について

では、退職金を活用し、預金だけではなく資産運用を取り入れた場合はどうでしょうか。

60歳の退職以降、ゆとりある生活を送った場合(毎月16万円取り崩し)と平均的な生活を送った場合(毎月6万円取り崩し)で、それぞれ預金のみで置いていた場合と資産運用をしていた場合を見てみましょう。

60歳以降、3,000万円でゆとりある生活/平均的な生活をした場合

ゆとりある生活の場合、預金だけでは約75歳で資産が底をついています。しかし、資産を運用することにより81歳まで資産の寿命を延ばすことができています。

平均的な生活の場合のシミュレーション(預金のみ/運用あり)

また平均的な生活の場合、預金のみでは100歳時点で残りの資産が120万円となっていたのが、運用をしていると、100歳時点の残りの資産は約4,390万円となっています。毎月6万円を取り崩しているにも関わらず、運用することでむしろ資産が増えていくという結果になります。

このように、資産運用で増やしながら取り崩すことにより、資産が減るスピードを遅くすることができるのです。「資産を減らしたくないから運用はしたくない」とお考えの方もいるかもしれません。しかし預金だけで過ごすほうが、実は資産が減るスピードは早くなってしまう可能性が高いのです。

ただし、退職後の無理な運用には注意!

もちろん、資産運用で損失が出ないわけではありません。

退職前は、働いて得られる収入があるため、もし運用で損失が出ても、働いた分でマイナスをカバーすることが可能です。また、資金を使う必要が無ければ、損失が出ても長く置いておき、回復を待つことも出来ます。

しかし、退職後は今ある資産以外に、資産を新しく蓄積していくことは基本的にできません。運用で大きな損失が出た場合は、生活に大きな支障が出てしまう場合もあります。
このため、すべての資金を運用に回したり、むやみにハイリスクな商品に手を出したりするのは、やめておいた方がいいでしょう。

先ほどの例で、資産の半分だけを運用に回した場合でも、平均的な生活であれば十分に資産を確保できます。

下記の図は、1,500万円を預金に置いておき、残りの1,500万円を運用した場合のシミュレーションです。

60歳時点で、半分を預金、半分を運用に回した場合

預金部分から毎月6万円を取り崩すと、80歳あたりで預金が0になります。この時点で運用資産から1,500万円を下ろし、残りの1,300万円で運用を継続したとします。この場合、100歳時点でも資産が2,400万円程度残り、資産を大きく減らさずに過ごせたことが分かります。

いまや老後は数十年続く長期間となっているため、退職後からはじめても数十年にわたり運用ができる時代です。つまり、退職後からでも資産運用の鉄則である「長期・分散」投資を実践することができます。
「長期・分散」投資などのリスクを抑えた方法で、退職金の運用を検討してみてはいかがでしょうか。

今からできる老後資金の貯め方

一方、退職金を受け取るまでにまだ時間があり、今からでも老後の資金を貯めておきたい、という方もいらっしゃるかと思います。退職金というまとまった資金が入ってからでなくても、毎月の収入や手元の貯蓄から、少しずつ積立を行う方法も検討してみましょう。

積立を行う際は、「iDeCo」や「つみたてNISA」「NISA」など、運用益が非課税となる制度を利用するのがお勧めです。

「iDeCo」では、運用益が非課税となるだけでなく、所得控除などの非課税のメリットを受けながら、積立投資による資産形成ができます。
ただしiDeCoで積立ができる年齢の上限は60歳です(2021年2月現在)。60歳以降は積立が出来なくなりますので注意しましょう。

一方、「NISA」や「つみたてNISA」には、年齢の上限はありません。iDeCoと違い、所得控除はありませんが、退職後にも積立投資を継続することができます。

もちろん、iDeCoやNISA・つみたてNISAを利用して投資を行う場合は、元本割れのリスクが生じます。
しかし、積立投資のメリットは、投資を開始するタイミングを分散することで、リスクが低減できる点です。
資産形成期だけではなく、退職以降も、資金の一部を積立に回し継続することで、投資のタイミングを分散する効果が得られます。
「まとまった資金を全部運用に回すのは怖い」という方も検討できる方法です。

もちろん元本割れリスクの無い定期預金で老後資金を貯めておくことも可能ですが、老後は数十年以上続く長い期間となります。資産運用を今から取り入れ、長い期間を有効活用することで、豊かな老後に向けた準備をはじめてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いざ退職を迎えたとき、「十分な資産形成ができていなかった」「手元にある資金で老後生活を送れるだろうか」と不安になるかもしれません。
今からでも決して遅くはありません。
今回紹介した方法を参考に、資産運用を検討し、ゆとりを持った老後生活を目指してみましょう。

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本記事は2021年3月5日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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