住宅ローン繰り上げ返済のメリット・デメリット、最適なタイミングとは?

住宅ローン繰り上げ返済のメリット・デメリット、最適なタイミングとは?

お子様の独立や相続等により余裕資金が生じた場合、その使いみちとして思い浮かべるのが住宅ローンの繰り上げ返済。なるべく早く住宅ローンを返してしまいたい、と考える方も多いようです。住宅ローンの繰り上げ返済には確かにメリットもありますが、デメリットもあります。また、繰り上げ返済をするにしても適切なタイミングや金額で実行することが重要です。

住宅ローンの繰り上げ返済とは?

繰り上げ返済とは、元金の一部または全部を当初の予定よりも前倒しで返済することです。これにより、繰り上げ返済した元金部分に対応する金利を支払わずに済みます。

住宅ローン繰り上げ返済のメリットは
将来支払うはずだった金利の節約

横スクロールできます。

繰り上げ返済とは、元金の一部または全部を当初の予定よりも前倒しで返済することです。これにより、繰り上げ返済した元金部分に対応する金利を支払わずに済みます。

住宅ローンの月々の返済額は、図のように元金部分と金利部分の合計となります。
一般によく利用されている「元利均等返済」の場合、返済額に占める金利の割合が徐々に減少し、元金の返済に充てられる部分が増加していきます。図は全期間固定金利ローンのイメージ図で、変動金利ローンの場合は5年ごとに毎月の返済額が変動します。図の赤い部分は、全額繰り上げ返済した場合に、支払わずに済んだ金利を示しています。このように、繰り上げ返済には「将来支払うはずだった金利が節約できる」というメリットがあります。

繰り上げ返済には図の例のように、その時点で未返済の元金をすべて返済する全額繰り上げ返済の他に一部繰り上げ返済という方法もあります。一部繰り上げ返済とは、将来返済予定の元金の一部を前倒しで返済することです。この場合も繰り上げ返済した元金に対応して支払う予定だった金利を節約することができます。
一部繰り上げ返済には、期日短縮型と期日据置型があり、いずれかを選択できます。期日短縮型は毎月の返済金額を変えずに返済期間を短縮する方式です。期日据置型は、毎月の返済金額を少なくし、返済期間は当初の期間のままとする方式です。繰り上げ返済する額が同じであれば、期日短縮型の方が今後の金利支払い額は少なくなります。

住宅ローン繰り上げ返済のデメリットは資金不足のリスクなど

他方、繰り上げ返済のデメリットとして、資金不足のリスクが挙げられます。繰り上げ返済によって将来の支払金利が節約できる一方で、短期的には手元のお金が減ってしまうことになります。なかでも一部繰り上げ返済期日短縮型の場合には、返済期間は短くなるものの、毎月の返済金額は変わらないため、資金不足に陥りやすいので注意が必要です。毎月の返済額を減らしたい人は期日据置型を選択すると良いでしょう。

このほか、繰り上げ返済時に手数料がかかる場合がある点にも注意が必要です。何度も繰り上げ返済をすると手数料もかかってしまうので、できる限りまとめて返済を行うようにしましょう。

また、住宅ローン控除を受けている場合にも注意が必要です。住宅ローン控除は、年末時点の借入残高に基づいて金額が決まりますので、一部繰り上げ返済を行うことで住宅ローン控除の金額は減少します。
また、期日短縮型の一部繰り上げ返済を行った結果、当初の返済開始からの返済期間が10年未満となった場合は住宅ローン控除の適用が受けられなくなります。

住宅ローン繰り上げ返済の最適なタイミング

このように住宅ローンの繰り上げ返済を行った場合、将来の支払金利が節約できる反面、手元の資金が減ってしまう点に注意が必要です。

例えば、自宅が古くなり、傷みが目立つよう場合は修理やリフォーム費用がかかるかもしれません。また、病気などで医療費が思いがけずかさんでしまうケースもありえます。住宅ローンをいったん繰り上げ返済してしまうと取り消すことができません。このため、繰り上げ返済については、家族のライフイベント等を考慮しながら、資金不足に陥らないよう、無理のない金額の範囲内でかつ適切なタイミングを選んで行うことが重要です。

繰り上げ返済ではなく、借換えによって支払い金利を節約

資金不足のリスクを避けながら、将来の支払金利を節約する方法としては、今よりも低金利のローンへ借換えるという選択肢もあります。

借換えのメリットが生じるケースは?

借換えには諸費用もかかるため、一般的には、住宅ローン残高が1,000万以上、返済期間が10年以上、借換え前の金利と借換え後の金利差が1%以上あれば、借換えのメリットが生じる可能性が高いとされています。

ただし、これはあくまで目安であり、この条件を満たさなくてもメリットが生じることもあり得ます。
金融機関では、店頭窓口のほか、ネットでも借換え試算ができる場合があるため、一度試算してみる価値はありそうです。
(借換えについて、詳しくはこちら

余裕資金の活用法として運用という選択肢も

既に借換えをしていることなどにより住宅ローンの金利が低い場合、繰り上げ返済をしても支払金利の節約効果は小さくなります。繰り上げ返済よる資金不足のリスクも考慮すれば、生じた余裕資金を繰り上げ返済するのではなく、運用することも選択肢として考えられます。

例えば、住宅ローン金利が1%なら、1%以上で資金を運用できれば、繰り上げ返済するよりも有利になります。
現在まとまった余裕資金はないものの、月々でみれば余裕資金が生じるような場合、積立投資という選択肢もあります。

なお、資金を運用する場合、商品によっては元本を割り込むリスクがある点には留意が必要です。
(積立投資について、詳しくはこちら

まとめ

住宅ローンを繰り上げ返済する最大のメリットは、将来支払うはずだった金利分の節約です。一方、デメリットは資金不足となるリスクがあることです。

資金不足のリスクを避けながら、将来の支払金利を節約する方法として低金利ローンへの借換えすることも選択肢となるでしょう。既に借換えなどを行っていて住宅ローンの金利が低い場合には、繰り上げ返済よりも運用する方が有利な場合もあります。

本記事は2021年4月6日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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