二世帯住宅のメリットとデメリットとは?!快適に暮らすためのポイントと補助金制度などを紹介
公開日:2019/09/19
更新日:2026/03/25

ご両親のことなどを考えて、「二世帯住宅を新築で建てようか」「リフォームして二世帯住宅に増改築しようか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
二世帯住宅にはさまざまなメリットがある一方で注意したいデメリットもあります。デメリットは工夫次第で解消できるため、二世帯住宅で快適に暮らすなら事前の準備が重要だといえるでしょう。二世帯住宅にするか悩んでいるなら、メリットとデメリットを総合的に判断することが大切です。
「これから二世帯住宅を建てたい」と考えている方のために、ここでは二世帯住宅のメリットやデメリット、二世帯住宅で快適に暮らすためのポイントを解説します。また、知っておきたい二世帯住宅の補助金や税金の情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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住宅会社・生命保険会社を経て2002年からファイナンシャルプランナーとして個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。
- ※りそなグループが監修しています
そもそも二世帯住宅とは?
親世帯と子ども世帯など、2つの家族が同じ建物に住むことを前提として設計された住宅を「二世帯住宅」と呼びます。単純な同居とは異なり、二世帯住宅は世帯ごとで居住空間が独立しているのが特徴です。
二世帯住宅には、「完全同居型」「部分共有型」「完全分離型」という3つのタイプがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
| 完全同居型 | 通常の一戸建て住宅に二世帯が同居し、お風呂や洗面、キッチンなどを共有するタイプ |
|---|---|
| 部分共有型 | 玄関は共有される一方で、1階は親世帯、2階は子ども世帯など、世帯によって居住スペースを分けているタイプ |
| 完全分離型 | 玄関を含め、完全に居住スペースを分離しているタイプ |
二世帯住宅のメリット
二世帯住宅には、家族などと同じ住宅に住むことによって精神的、経済的なメリットがあります。ここでは、二世帯住宅のメリットについて2つ紹介します。
子育てや介護を互いにサポートできる
同じ住宅に住むことで、子育てや家事、介護など、生活のさまざまな面で互いにサポートしやすくなります。普段からコミュニケーションをとり、協力し合える関係を築けているなら、二世帯住宅はより住みよいものになるでしょう。
また、誰かが家にいる時間が長くなることで、暮らしに安心感が生まれるのも二世帯住宅のメリットです。
税金を抑えられる可能性がある
特例制度を活用すれば、住宅に関する税金を抑えられる場合があります。
「小規模宅地等の特例」を利用した場合、土地の評価額が80%減額※になり、相続税を抑えることが可能です。
ただし、二世帯住宅で小規模宅地等の特例を利用するには、次の条件を満たさなければいけません。
- 相続前から被相続人と同居していること
被相続人の配偶者がその宅地を相続する場合は、条件は必要ありません。この条件は税金を支払う目的で住んでいた宅地を売却することを防ぐ目的もあるため、被相続人の配偶者以外の場合は、相続前から同居していたことが条件です。 - その建物に住み、相続開始時から相続税の申告期限までその土地を保有していること
相続開始前はもちろん、相続後も10ヵ月以上(相続税の申告期限)その建物に居住していないと対象にはなりません。
完全分離型の二世帯住宅であったとしても、1棟の二世帯住宅であれば特例の対象となりますが、区分所有の登記がされている場合は被相続人の居住していた部分のみが対象となるので注意が必要です。
二世帯住宅のデメリット
二世帯住宅にはデメリットもありますが、事前の工夫でカバーできます。デメリットの内容を具体的に知って対策し、心地よい生活環境を作りましょう。二世帯住宅の主なデメリットを3つ解説します。
生活上のストレスを感じやすい
世代の異なる二世帯が一緒に暮らすと、生活リズムや価値観の違いにより精神的ストレスを感じてしまうことがあります。共有スペースの使用方法でトラブルになると、最悪の場合、関係が修復できないまま、二世帯での暮らしを解消してしまう可能性もあるでしょう。
特に、完全同居型の場合、住宅の大部分が共有スペースとなっていることから、よりプライバシーが守られにくくなります。生活空間の分け方を工夫して、それぞれのプライバシーを守りやすい住まいにしましょう。
費用負担で揉めやすい
部分共有型や完全分離型の場合、共有スペースが少なくなるため住宅の建築費が高くなる傾向にあります。住宅の建築費用をどのように各世帯で負担するか事前に話し合っていないと、負担割合でトラブルになるかもしれません。
水道光熱費・メンテナンス費など維持管理費の負担も、トラブルの原因になりやすいポイントです。互いに納得できるルール作りをしておくことで、費用負担で揉める心配がなくなるでしょう。
相続問題に発展する可能性がある
親と子どもの共有名義で建てた場合、相続発生時に遺産分割で揉める可能性があります。協議の結果次第では、子どもが住宅に住み続けられなくなることもあるでしょう。
また、二世帯住宅は需要が限られるため、売却したくても買い手が付きにくい傾向があります。建築する前に将来売却する可能性も含めて、世帯が減ったときの対応を決めておくと良いでしょう。
二世帯住宅を建築する前に、親世帯が死亡したあとの対応方法を決めておくと、安心して過ごせます。
二世帯住宅で快適に暮らすための3つのポイント
二世帯住宅で発生しやすいトラブルは、事前の準備である程度避けられます。ここで解説する3つのポイントをふまえて、お互いが快適に暮らせる住まいづくりをしていきましょう。これらの点で十分な話し合いや調整が難しい場合は、二世帯住宅以外の住まいの形も視野に入れて検討するとよいでしょう。
家でのルールを話し合う
生活面のストレスを減らすため、お互いに生活スタイルを把握しておきましょう。共用部の使用方法や使用時間などをある程度決めておくのもおすすめです。
過干渉や甘えすぎにならないよう、適度な距離を保ちながら、互いに注意することが大切といえます。
間取りを工夫する
間取りは生活スタイルに合わせて決定するのが基本です。
子ども世帯は夜遅くまで起きている場合が多いため、子ども世帯のリビングを親世帯の寝室から離して配置するなど、生活スタイルに合った間取りにすることでトラブルの発生を防げます。
プライバシーを確保したいなら完全分離型の二世帯住宅がおすすめです。子どもの成長や親の高齢化など、生活の変化に合わせられる間取りにしておくと、住み心地を維持しやすいでしょう。
親がいなくなったあとの対応を事前に話し合っておく
相続トラブルを回避するため、相続発生時の対応を事前に決めておきましょう。引き続き住むのか、売却するのかといった点を親族にあらかじめ相談しておくことで、不動産の取扱いで揉める可能性を減らせます。
二世帯住宅の建築費・リフォーム費を抑えるなら
補助金を活用しよう
二世帯住宅は、水回りや設備が増えることから、一般的な単一世帯の一戸建てより建築コストが高くなりやすい傾向にあります。
そのため、費用負担を抑えるには、「二世帯住宅に関する補助金」と「省エネ性能など環境に配慮した住宅向けの補助金」を整理して活用することが重要です。
それぞれ目的や対象条件が異なるため、制度の特徴を理解したうえで検討しましょう。
①地域の住宅補助
住んでいる地域、住宅を購入する地域によって独自の住宅補助が受けられる場合があります。
たとえば、東京都の「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」では、東京都が定める「東京ゼロエミ住宅」の認証を受けた新築住宅を建築した人に対し、一定額を助成しています。
また、大阪府茨木市の「多世代近居・同居支援住宅取得補助事業」では、子世帯や親世帯が近居・同居する場合、住宅取得費用やリフォーム費用の一部を補助しています。
地方自治体によって制度の内容や条件が異なりますので、各都道府県庁や市区町村役場に問合せてみましょう。
②ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金は、新築戸建て住宅を建築・購入する個人と、新築戸建て住宅を販売する法人向けの補助事業です。
個人がZEHの定義に該当する戸建て住宅を建築・購入する際、最大55万円/戸まで補助を受けられます。蓄電システムや太陽熱利用システムなど、特定の追加設備を導入することで補助額が増加するため、追加設備の導入も検討している方におすすめです。
二世帯住宅へリフォームするときに気を付けること
これから二世帯住宅へリフォームしようか考えている方のために、リフォームする前に注意したいポイントをご紹介します。同居によるトラブルを回避するためにも、知っておきたいポイントは主に4つです。
リフォーム業者の探し方
二世帯リフォームの場合は、価値観の異なる世帯の同居トラブルを回避するために、それぞれの家族の要望をきちんと聞いてくれる業者に頼むことが大切です。たとえば、各世帯の要望を角が立たないように「第三者からの提案」という形で、二世帯が揃ったときにプランを提示してくれる業者を選ぶとよいでしょう。
注文住宅と同じように、時間をかけてじっくりとプランを検討する必要があります。多くの二世帯住宅を手掛けた経験のある業者なら、よくある二世帯ならではのトラブルを熟知しているので安心して頼めるでしょう。
建ぺい率、容積率の確認
二世帯住宅へのリフォームは、2つの家族が生活するスペースが必要となるため、通常の住宅よりも床面積が広くなりがちですが、建築基準法に適合した床面積の範囲内でのリフォーム工事が必須となります。
「どれくらいの広さまで増築リフォームができるのか」が重要になるので、プランニングの前に建ぺい率や容積率を必ず確認しておきましょう。建ぺい率や容積率は自治体ごとに定められており、市のホームページから居地の用途地域や建ぺい率・容積率を確認できます。
希望する間取りや設備、バリアフリー工事、住宅の状況によっても工事内容は異なるため、リフォーム業者や建築士とよく相談して、プランを作成しましょう。
光熱費の支払い
よくトラブルになるのが、電気・ガス・水道料金の負担の割合です。あらかじめ負担割合を決めておくか、最初から別契約にしておくと良いでしょう。
二世帯住宅の登記
登記の方法で家の間取りだけではなく、ローンや税金も変わってきます。工事費用を負担する割合によっても所有権の登記方法は異なるため、収入や財産の保有状況から、「どのような登記をしたほうが税制面でお得になるか」について専門家に相談することがおすすめです。
- 単独登記
二世帯の住宅を親か子かの単独の所有として登記するケース。工事費用を親と子で出し合って支払うと贈与税の対象になることも。 - 共有登記
親と子の共有名義で登記するケース。工事費用を出し合った金額により案分した持ち分で所有権の登記をすれば贈与税の問題は発生しません。 - 区分登記
完全分離型の二世帯住宅なら区分所有の登記ができ、二世帯の住宅を2戸とみなして登記することになります。所有者は世帯ごととなるので、税金の軽減措置もそれぞれの世帯で受けることが可能です。
二世帯住宅でローンを利用する際の注意点と
住宅ローン控除の手続き
これから二世帯住宅を建てる、または現在の住宅を改築して二世帯住宅にすることを検討されている方もいることでしょう。その際、住宅ローンや親子ローン、リフォームローンを利用する場合に、気を付けておきたい点があります。
ローンを組むときに気を付けておきたいこと
誰の名義でローンを組むかによって、住宅ローン控除も変わってきます。親子でもお金のことはトラブルになりやすいので、銀行で住宅ローンを組むならリフォーム費用の内訳や支払方法についてよく相談して、計画を進めていくことが必要です。
住宅ローン控除の手続き方法
住宅ローン控除とは、「住宅借入金等特別控除」の通称で、住宅ローンを利用して住宅の新築や取得、増改築などをした場合に、年末のローン残高の0.7%を所得税等から最大13年間控除する制度です。
住宅ローン控除を受けるための手続きは、初年度と2年目以降で方法が異なり、住宅を取得した1年目は、翌年2月15日から3月15日までに確定申告をする必要があります。会社員などの給与所得者は、2年目以降は生命保険料控除申告書と合わせて年末調整で住宅ローン控除を受けられます。
まとめ
二世帯住宅には、子育てや介護を互いにサポートでき、税負担を抑えられるなどのメリットがあります。プライバシーが守られにくいなどのデメリットもありますが、そうしたデメリットは事前の話し合いや工夫で解消可能です。
これから二世帯住宅で暮らすなら、家でのルールを話し合い、それぞれの生活を尊重できるよう間取りを工夫するなど、心地よく暮らせる仕組み作りを徹底しておきましょう。
二世帯住宅の建築費やリフォーム費の悩みを解消したいなら、補助金を活用するのがおすすめです。住宅ローンや親子ローン、リフォームローンなどの利用も検討しながら、快適に暮らせる住環境を整えていきましょう。
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本記事は2026年3月25日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。







