自転車事故の加害者になったら損害賠償はいくら?実際の事例も紹介

自転車事故の加害者になったら損害賠償はいくら?実際の事例も紹介

「自転車の走行中の事故で、高額の賠償金を請求された」という話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。それでも、エコロジーや健康増進、節約などの理由から、移動手段に自転車を利用する方は多いでしょう。

自転車事故で加害者となる可能性は誰にでもあります。万が一自転車事故で加害者となった場合の賠償金や、対応方法について理解を深めておきましょう。本記事では、自転車事故の責任の大きさや事故防止のポイントについて説明しつつ、自転車保険についても紹介します。

私が書きました
主なキャリア

生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

自転車事故が起きたときの賠償額はどのくらい?

自転車事故の加害者になったら損害賠償はいくら?実際の事例も紹介

まずは、自転車事故の損害賠償について過去の事例をいくつか紹介します。

9,500万円を超える
賠償金命令が認められたことも

自転車事故では、歩行者や自転車同士でぶつかり第三者にケガをさせたり、モノにぶつかり財物を壊したりするケースがあります。第三者や他者の財物に損害を与えた場合、事故の大きさによって高額な賠償金を払わなければならないこともあります。

過去には、数千万円~1億円近い賠償金支払いの判例が下った例もありました。

小学生が自転車事故の加害者となり、9,521万円の支払いを命じられた事例

“男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。(神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決)”

ペットボトルを片手に自転車走行中の男性が加害者となり、6,779万円の支払いを命じられた事例

“男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。(東京地方裁判所、平成15(2003)年9月30日判決)”

出典:自転車事故と保険(一般社団法人 日本損害保険協会のサイトへリンクします)

損害賠償金の額は事故の大きさや過失割合によって決まる

高額賠償金の例を紹介しましたが、実際には事故や損害の状況、双方の過失割合などによって損害賠償金額が決まります。交通事故では、双方に一定の過失がある場合も多くあります。

被害者にも過失が認められる場合、賠償責任の公平を図るために、被害者の過失分を加害者の負担すべき損害賠償額から差し引きます。

これを過失相殺といい、過失割合がある場合は事故の加害者一方が100%責任を負うわけではありません。

道路交通法上、自転車は車両の一種(軽車両)です。道路交通法に定められている優先関係、遵守事項などが適用され、不注意やルール違反などがあれば過失割合が高くなることもあります。

また、過去の事例を見ても被害者が死亡した場合や、重い後遺症が残った場合など、甚大な損害を受けるような場合は、賠償金が大きくなります。

未成年が加害者だった場合は
保護者が責任を負う場合も

被害者に対する賠償責任は、加害者が未成年であっても免れることはできません。ただし、未成年者の場合、責任能力や資力の面で賠償責任を負うことが難しい場合があります。

民法第712条では、「未成年者など責任能力を有していない場合、他人に損害を加えた行為について賠償の責任を負わない」といった規定があります。

しかし、民法第714条では「責任無能力者が責任を負わない場合、親など責任無能力者を監督する法定の監督義務者が賠償責任を負う」と規定されています。責任能力の有無は、年齢や環境、生育度・行為の種類などの視点で判断されます。

一般的に責任能力が認められる目安はおおむね12歳ごろからです。ただし、責任能力があっても親が賠償責任を負う場合もあります。

自転車事故の加害者に
なったときにやるべきこと

自転車事故を起こした場合、パニックになり冷静な対応ができない場合も考えられます。万が一、加害者になってしまった場合に何をするべきか、あらかじめ確認しておきましょう。

現場の安全を確保し、
救命措置を取る

負傷者がいる場合は、ケガの手当が最優先です。すぐに救急車を呼び、救命措置を取りましょう。この際、路肩など安全な場所に自転車を移動させ、2次被害の予防に努めることが大切です。

続いて、警察にも通報します。道路交通法では、警察への報告義務が定められており、仮に自転車での小さい事故でも警察への届けが必要です。

通報しなければ、報告義務・救援義務違反です。なお、警察への報告は交通事故証明書をもらうためにも必要です。

被害者と連絡先を交換し、
現場写真を撮っておく

被害者と連絡先を交換します。これは、後日被害者に損害を与えたことの謝罪やお見舞いをしたり、今後の交渉連絡をしたりするために必要です。

氏名・住所・電話番号など、連絡先は必ず交換するようにしましょう。また、現場の状況をスマートフォンなどで撮影し、写真に残しておくと現場状況があとで確認しやすくなります。万が一被害者から過大な賠償を求められても、証拠があれば反論しやすくなります。

加入している保険会社へ連絡を

自転車保険に加入している場合には、ただちに保険会社へ連絡し事故の状況を報告しましょう。一般的に、保険金を請求する際は、警察から発行される交通事故証明書が必要です。

なお、「自転車保険」という名称ではなくても、自動車保険や火災保険、傷害保険などに「個人賠償責任補償特約」や「日常生活賠償特約」が付加されている場合もあります。

ご自身や家族が加入している保険内容を再確認してみましょう。「保険に加入していない」「自転車事故による賠償責任補償が付加されていない」といった場合、賠償金は実費負担が必要です。

被害者と示談交渉

被害者への賠償金に関して示談交渉を行います。保険(賠償責任補償特約を含む)に加入している場合には、保険会社が示談交渉してくれるケースが多い傾向です。

ただし、保険会社が交渉代行してくれるのは民事事件の場合です。保険に加入していない場合には、加害者自らが直接被害者と示談交渉しなければなりません。

示談交渉がまとまらない場合は、訴訟に進展する可能性もあります。なお、保険に加入していた場合でも、示談代行サービスが付帯していない場合には、加害者自ら、もしくは弁護士に依頼して示談交渉を進めます。保険に加入している方も、改めて補償およびサービス内容を確認しておきましょう。

自転車事故の賠償金が
支払えない場合どうする?

自転車事故の賠償金が支払えない場合どうする?

示談や裁判の結果、確定した賠償金額によっては支払えない場合もあるかもしれません。そのような場合、加害者および賠償責任者としてどのような対応をすればいいのでしょうか。

被害者に相談する

まずは、払えないとわかった時点で被害者に相談しましょう。必ずしも、こちらの要求を受け入れてくれるとは限りません。しかし、誠心誠意の対応を心がけ、「払う気はあるけど払えない状況」を真剣に伝えてみましょう。分割による支払いを認めてもらえるケースもあるようです。

とにかく資金を集める

損害賠償金として支払えるだけの現金・預金がない場合には、できる限り資金を集める必要があります。例えば、保有している資産の売却や、銀行や知人からお金を借りるといった方法が考えられます。ただし、知人から借りる場合、金銭トラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。

たとえ、親しい間柄でも金銭の貸し借りをする際には、客観的な証拠となる借用書を作り、決められた返済スケジュールを守らなければなりません。万が一、返済が滞る際には早めに連絡するなどの心がけも大切です。

自己破産する場合も

どうしても資金が集められない場合には、最終判断として自己破産を選ばざるをえないケースもあるかもしれません。

ただし、自己破産をすると、財産を差し押さえられたりするなど、後々の生活にさまざまなデメリットがあります。
そのため、自己破産はあくまでも最終手段です。安易な選択は避けるようにしましょう。

例えば、故意または重大な過失により人の生命または身体を害してしまった損害賠償責任は自己破産したからといって支払い義務は免除されません。

重過失で発生した賠償金は一生かけて償うことになってしまうのです。

事故に備えて
自転車保険へ加入を

事故に備えて自転車保険へ加入を

近年では、自転車事故による高額賠償金の事例が増えており、全国の自治体では自転車保険への加入を義務付ける方向に進んでいます。

東京都や神奈川県、愛知県、大阪府など多くの都道府県で既に義務化となっており、現在努力義務の自治体に関しても、今後加入を義務とする可能性が高いです。

注意点は、義務化地域に住んでいる住民でなく、その地域を自転車で運転している人に対して加入が義務づけられている点です。義務化地域で保険に加入していないまま自転車を運転すると、条例違反となり通勤や通学で自転車を利用できなくなることもあるため、気をつけましょう。

自治体によっては、「賠償額が1億円以上であること」「示談交渉が付いていること」など、一定の基準を設け、その基準を満たす「自転車保険」への加入を推奨しているところもあります。
まずは、ご自身の自治体のホームページなどで加入義務について確認してみてください。

加入が義務化されていない自治体でも、賠償額が1億円近くにもなる事故を起こしてしまう可能性があることを理解し、必ず自転車保険へ加入するようにしましょう。

まとめ

自転車走行中の事故で、思いがけず加害者になってしまう可能性は、誰にでもあります。損害賠償金額は、「事故時の状況」「損害状況」「双方の過失割合」などにより決められますが、なかには数千万円から1億円近くの高額賠償金を支払うことになった事例も少なくありません。

自転車を利用する際は、交通ルールやマナーを守って安全に気を配り、また万が一の備えとして必ず自転車保険に加入してください。
自転車保険に加入する際に気をつけたいのが、現在加入している保険との重複です。補償内容が重複していると、保険料の負担が増えてしまうので、この機会に保険の見直しも行うことをおすすめします。

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本記事は2021年9月29日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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