【年代別】平均貯金額・平均貯蓄割合は?貯金を増やす3つのコツ

公開日:2020/03/30
更新日:2025/05/27

【年代別】平均貯金額・平均貯蓄割合は?貯金を増やす3つのコツ

教育費や年金、老後の資金など、お金に関する悩みは尽きません。将来に備えて貯金をしたいと思いながらも、「思うように貯められない」「いくら貯めればいいのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

「自分の貯金額は平均と比べてどれくらい?」
「30代や40代で貯金が少ないけれど、今からでも間に合う?」
「無理なく貯金を増やすコツはある?」

このような疑問を解消するには、まず自身の貯蓄状況を客観的に把握し、生活スタイルや将来設計に合った資産形成の方法を見つけることが大切です。

この記事では、年代別の平均貯金額・平均貯蓄割合や、ゼロから貯金をはじめる方法、貯金を増やすコツなどを解説します。

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【年代別】平均貯金額・平均貯蓄割合はどれくらい?

結婚、出産、住宅の購入、育児、教育──。ライフスタイルやライフステージの変化によって、必要な貯金額は変わります。まずは、2人以上世帯と単身世帯の年代別の世帯平均貯金額や、平均貯蓄割合などについて解説します。

【20代~50代】平均貯金額と金融資産保有額(平均値・中央値)

まずは、20代から50代の平均貯金額と金融資産保有額の平均値と中央値を見てみましょう。いずれも、金融資産を保有していない世帯を含みます。

2人以上世帯

2人以上世帯の20代から50代の平均貯金額と金融資産保有額の平均値と中央値は以下のとおりです。

世帯主の年齢 平均貯金額 金融資産保有額
(平均値)
金融資産保有額
(中央値)
20代 132万円 382万円 84万円
30代 349万円 677万円 180万円
40代 402万円 944万円 250万円
50代 468万円 1,168万円 250万円
  • 「平均貯金額」は預金と貯金の合計額、「金融資産保有額」は預金と貯金に株式や投資信託などの金融資産を加算した金額

単身世帯

以下は、単身世帯の20代から50代の平均貯金額と金融資産保有額の平均値と中央値です。

世帯主の年齢 平均貯金額 金融資産保有額
(平均値)
金融資産保有額
(中央値)
20代 91万円 161万円 15万円
30代 200万円 459万円 90万円
40代 331万円 883万円 85万円
50代 419万円 1,087万円 30万円

2人以上世帯と単身世帯のどちらも、年代が上がるにつれて、平均貯金額や金融資産保有額の値は増加しています。平均値は、調査対象すべての平均額であるのに対し、中央値は、調査対象すべてのなかで、中央にくる金額を表したものです。

どの年代においても、金融資産保有額の平均値と中央値には開きがあることから、金融資産を多く保有している方と、そうでない方との乖離が大きいことがわかります。

【20代~50代】年間手取り収入と平均貯蓄割合

次に、年代別の年間手取り収入の平均値・中央値、年金手取り収入から金融資産への振分け割合の平均値を、2人以上世帯と単身世帯に分けて見てみましょう。

2人以上世帯

2人以上世帯では、年代別の年間手取り収入の平均値・中央値、年金手取り収入からの貯蓄割合の平均値は以下のようになっています。

世帯主の年齢 年間手取り収入(税引き後)・
平均値
年間手取り収入(税引き後)・
中央値
年間手取り収入からの
金融資産への振り分け割合
(金融資産保有世帯)の平均値
20代 449万円 400万円 33%
30代 546万円 500万円 30%
40代 616万円 550万円 26%
50代 647万円 600万円 22%

年間手取り収入からの貯蓄割合の平均値を見ると、2人以上世帯では20代が最も高く33%、以降は年齢とともに徐々に低下しており、50代では22%にとどまっています。

これは、年齢が上がるにつれて住宅ローンや教育費、生活費などの支出が増えることにより、貯蓄に回せる割合が減少しているためと考えられます。

単身世帯

単身世帯の年間手取り収入と平均貯蓄割合は以下のとおりです。

世帯主の年齢 年間手取り収入(税引き後)・
平均値
年間手取り収入(税引き後)・
中央値
年間手取り収入からの
金融資産への振り分け割合
(金融資産保有世帯)の平均値
20代 252万円 220万円 30%
30代 399万円 300万円 30%
40代 311万円 300万円 32%
50代 279万円 230万円 28%

一方、単身世帯では40代が最も高く32%となっており、他の年代と比べてやや高い傾向が見られます。

ただし、単身世帯の貯蓄割合は全体的に30%前後で大きな差はなく、収入水準が上がる30代で一時的に割合が下がる点は、生活コストの増加やライフスタイルの変化が影響している可能性があります。

このように、世帯構成やライフステージにより、収入の増加が必ずしも貯蓄の増加につながらない実態が伺えます。

【20代~50代】「貯蓄しなかった」と回答した方の割合

20代から50代の「貯蓄しなかった」と回答した方の割合について、2人以上世帯と単身世帯に分けて紹介します。

2人以上世帯

2人以上世帯では、どの年代においても「貯蓄しなかった」と回答した割合が40%以上に達しており、年代別の差はあまり大きくありません。

世帯主の年齢 年間手取り収入(臨時収入を含む)から金融資産への
「振分けをしなかった」と回答した方の割合
20代 41.7%
30代 46.0%
40代 55.5%
50代 54.2%

特に40代で55.5%と最も高いのは、収入があったとしても支出が多く、貯蓄できない方がいる可能性も考えられます。

単身世帯

単身世帯では、年代によって「貯蓄しなかった」と回答した割合にばらつきが見られます。

世帯主の年齢 年間手取り収入(臨時収入を含む)から金融資産への
「振分けをしなかった」と回答した方の割合
20代 56.8%
30代 56.7%
40代 58.8%
50代 63.9%

貯蓄をしなかったと回答した割合は、全体的に50%を超えており、年齢が上がるにつれて徐々に増加する傾向が見られます。特に50代では63.9%と最も高く、単身世帯では年齢とともに貯蓄の難しさが増していることが伺えます。

これは、単身者が生活費をすべて自身で負担する中で、年齢とともに医療費や住居費などの固定支出が増えることにより、金融資産への振り分けが難しくなることが背景にあると考えられます。

ライフイベントごとに
必要な貯金額の目安

ライフイベントにはまとまったお金が必要ですが、事前に把握しておけば計画的に備えられます。結婚や出産、住宅購入、教育、老後など、それぞれの必要資金を確認していきましょう。

結婚

「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの費用総額の平均は343万9,000円です。

親や親族からの援助があった人は74.2%で、その援助額のうち挙式、披露宴・ウエディングパーティーに使った金額の平均は168万6,000円でした。また、当事者の自己負担額の平均は161万3,000円となっています。結婚に向けて余裕を持って資金を準備しておくと安心です。

出典:ブライダル総研「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」

結婚費用について詳しくは、以下の記事も参考にしてください。

出産

厚生労働省の調査によると、令和2年度の室料差額等を除いた公的病院の平均出産費用は45万2,000円、全施設の平均出産費用は46万7,000円です。

出典:厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」

出産の際には健康保険制度から50万円の出産育児一時金が支給されるため、多くの場合は負担額が抑えられます。しかし、新生児用品や諸経費を考慮すると給付金だけでは不足する可能性があります。資金準備を進めておきましょう。

出産費用に関する詳細は、以下の記事で解説しています。

住宅購入

住宅金融支援機構の調査によると、2023年度における住宅購入価格の全国平均は以下のとおりです。

  • 土地付注文住宅:4,903万円
  • 建売住宅:3,603万円
  • マンション(新築):5,245万円
  • 中古戸建て:2,536万円
  • 中古マンション:3,037万円

出典:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」

住宅購入時には、住宅ローンに加え、購入額の10%程度の頭金と10%程度の諸経費を準備しておくと無理のない返済計画を立てやすくなります。また、引越しの費用や家具・家電の購入費用も考慮しておくと安心です。

なお、住宅ローンに関連する以下の記事も併せてご覧ください。

教育

文部科学省の調査によると、幼稚園から高等学校までの子ども1人当たりの1年間の学習費総額(学校外活動費を含む)は以下のとおりです。

教育機関 公立の学習費総額 私立の学習費総額
幼稚園 18万4,646円 34万7,338円
小学校 33万6,265円 182万8,112円
中学校 54万2,475円 156万359円
高等学校 59万7,752円 103万283円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果について」

また、大学に進学した場合はさらに教育費が必要です。日本学生支援機構の調査によると、令和4年度の大学学部(昼間部)の1年間の学生生活費(学費と生活費の合計)は、平均で182万4,700円となっています。

出典:日本学生支援機構「令和4年度 学生生活調査結果」

教育費については以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。

老後

日本年金機構の発表によると、令和7年度の夫婦2人分の標準的な年金支給額(厚生年金加入の場合)は月額23万2,784円です。標準的とは、会社員の夫(老齢厚生年金+老齢基礎年金)と専業主婦の妻(老齢基礎年金)の場合であり、共働き世帯であれば、事情は異なります。

出典:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

一方、生命保険文化センターの調査では、夫婦で老後を送るために最低限必要な生活費は月額平均23万2,000円とされています。この差額をもとに、「年金受給は65歳から」「老後の生活費の発生は60歳から」と仮定して計算すると、90歳まで生活を続ける場合、収入が年金だけでは約1,368万円の不足です。

また、「ゆとりある老後」を想定した場合、必要な生活費は月額平均37万9,000円という結果も出ています。この場合、年金収入との差により90歳までの期間で約6,660万円の不足が生じると見込まれます。

出典:生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」

ただし、これらの試算はあくまで一例であり、実際の必要額は家庭ごとの年金受給額や生活スタイル、退職後の就労状況などによって異なるため、柔軟に備えましょう。

老後資金についての詳細は以下の記事で解説しています。

貯金のない人がこれから
貯金をはじめるには?

気付けば貯金がほとんどない…そのような状況に不安を感じている方もいるかもしれません。

結婚や子育て、住宅購入、子どもの進学(高校・大学)など、ライフイベントが重なる時期は特に出費が多くなりやすいです。そのため、こうした時期に貯金が十分にできていない状況は、決して珍しいことではありません。

ここでは、今すぐできる貯金のはじめ方を紹介します。

家計簿で収支を管理する

まずは、毎月どれだけの収支が発生しているのかを把握するために家計簿をつけることからはじめましょう。手取りの収入と毎月の支出を1つ1つ見直すには、家計簿をつけるのが一番です。収入=出費となっているようであれば、まずはそちらから見直す必要があります。

家計簿で収支を管理する際に便利なものが、銀行口座と連携できるアプリです。銀行口座のなかには、専用アプリで入出金明細や口座残高の確認、振込などのサービスを利用できるものもあります。

アプリを活用すれば、簡単にお金の流れが把握できるため、家計の管理がしやすくなります。

老後資金を把握してから毎月の貯蓄額を決める

まずは老後に必要なお金を計算して、目標貯金額を設定しましょう。日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」には、これまで支払った保険料の金額だけではなく、50歳超であれば将来もらえる年金の見込み額が記載されているので活用しましょう。

そして「毎月どれくらい貯金すれば目標に届くのか」を計算しましょう。老後までに備えておきたい貯金額を決めたら、現在の貯金残高を考え、毎月いくらずつ積立てれば目標に届くのか(例:毎月6万円積立てたとすると15年で1,080万円など)を検討しましょう。

実際に生活して積立額に無理がないかを確認する

毎月の手取り額から目標の貯金額を引いた額が生活費です。実際にその金額で生活し、「継続できるか」確かめてみましょう。無理があるようなら、調整する必要があります。また、もう少しがんばれるようなら、毎月の積立金額を増やすことも検討しましょう。

貯金を増やす3つのコツ

貯金を増やすにはコツがあります。3つのコツとして、「固定費を見直す」「無理に節約をしない」「貯金の優先度を上げる」を以下より詳しく紹介します。

1.固定費を見直す

固定費は、水道光熱費の基本料金や住宅ローン、家賃、保険料のように毎月一定額がかかる費用のことです。
毎月なにげなく口座引落しで支払っていることが多い固定費ですが、見直せるものがあるかもしれません。例えば、過剰または重複する補償内容になっている保険の見直しなどを検討することで、固定費を抑えることができるかもしれません。「固定費は削減できない」という先入観を切り捨てて、毎月の大きな支出になる固定費から家計のてこ入れをするのがポイントです。

2.無理な節約をしない

無理な節約は長続きしないので禁物です。貯金することでストレスがたまり、その反動からショッピングなどで浪費してしまっては元も子もありません。
貯金のコツは、具体的な期間や金額を決めて長く続けることです。

3.収入が入ったら
先取り貯金をする

残ったら貯めるのではなく、収入から一定額を先に控除して貯金にまわし、残った金額で生活することをおすすめします。「先取り貯蓄」は、着実に資産を積み上げることが可能です。つまり、「優先度を上げる」のもコツの1つです。

平均額以上の貯金がある人の共通点は?

きちんと貯金ができている方はどのような工夫をしているのでしょうか。ここからは、平均以上の貯金ができている方の共通点を紹介します。

ボーナスを貯蓄にまわしている

「ボーナスを臨時収入と考え、貯める」という傾向があります。しっかりと貯金できている方は、「ボーナスの30%は貯金」など、あらかじめ割合を決めて貯金をしています。

資産運用をしている

生活に支障のない範囲で貯金を資産運用に回し、貯蓄を増やしている方もいます。「万が一のための貯金」は残しつつ、余裕のある額で運用にチャレンジしてみましょう。

資産運用の初心者であれば、NISAやiDeCoを活用した積立てなど、毎月少額からはじめられる金融商品を利用するのも一つの方法です。

目的別に口座を分けている

目的別に口座を分けると、お金の把握がしやすくなります。口座の分け方の基本は、生活用口座・貯蓄用口座・投資用口座の3つです。

また、車の購入用の口座、子どもの進学のための口座など、利用目的ごとに口座を分けて管理するのもおすすめです。

まとめ

貯金額や貯蓄のペースは人それぞれ異なりますが、年代別の平均データを知ることで、自分の状況を客観的に見つめ直すきっかけになります。

大切なのは、他人と比べすぎず、自分の生活や目標に合った無理のない貯蓄計画を立てることです。

まずは、収入のなかから先に貯金を取り分ける「先取り貯蓄」や、目的別に口座を分けて管理する方法など、今日からできる工夫を少しずつ取り入れてみましょう。小さな積み重ねが、将来の安心につながっていきます。

そうした工夫を実践するには、日々のお金の管理がしやすい銀行口座を選ぶことも大切です。

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本記事は2025年5月27日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等または制度の改正等を保証する情報ではありません。

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