退職金はいつ・どれくらいもらえるのか?

退職金はいつ頃、どれくらいもらえるものなのか。これは、自己都合退職でも定年による退職でも気になる点ではないでしょうか。ここでは、一般的に退職金がいつ、どのくらいもらえるのかについてご紹介するとともに、まとまった退職金が入ったときの上手な貯め方・増やし方について解説します。ぜひ参考にしてください。
退職金がいつ支払われるかは企業による

退職金の支払い時期などは、明確に定められているわけではありません。そのため、いつ支払うのかは企業が自由に決めることができます。ただ、自由ではあるものの、一般的には退職から1~2ヵ月後に支払われることが多いようです。また、企業によっては、退職時の書類確認や承認などで時間がかかり、2ヵ月以上かかる場合もあります。
この退職金がいつもらえるかについては、通常は就業規則の退職金規則に記載されています。就業規則を確認したり、実際に退職をした会社の同僚などに体験談を聞いてみたりするとよいかもしれません。会社側に直接聞けるのであれば、退職金がもらえる時期の目安はある程度正確にわかるでしょう。
まとまった退職金を見込めるなら老後の生活費に充てたり、次の仕事が決まるまでの生活費に充てたりと、家計の計画を立てる上でも退職金がいつもらえるかという情報は必要です。万一、退職金の受け取りまで時間がかかる場合は、手持ちの貯蓄で対応しなければならなくなりますので、退職前にしっかりと計画を立てておくことをおすすめします。
特に、老後の生活費に充てる場合は、退職金で資産運用をしながら増やす方法も考えられるでしょう。具体的な金額をシミュレーションしながら計画してみてはいかがでしょうか。
退職金の相場はいくら?
退職金はいったいどれくらいになるのか、実際にもらえる退職金の金額は非常に気になるところでしょう。退職金の金額は、退職までの勤続年数、勤務時の実績などで異なるのが一般的です。
また、退職金制度は各企業が独自に定めている規則であるため、受け取れる退職金は企業によって異なります。ここでは、退職金の相場として東京都産業労働局の資料を参考に解説します。
東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」のモデル退職金によると、卒業後すぐに入社し、普通の能力・成績で勤務した場合、自己都合退職で高校卒の勤続10年(年齢28歳)の退職金は89万8,000円、高専・短大卒の勤続10年(年齢30歳)の退職金は106万円、大学卒の勤続10年(年齢32歳)の退職金は121万5,000円となっています。
また、定年まで勤続する会社都合退職で高校卒の退職金は1,126万8,000円、高専・短大卒の退職金は1,106万6,000円、大学卒の退職金は1,203万4,000円となっています。
学歴 | 勤続年数 | 自己都合退職 支給額 |
会社都合退職 支給額 |
---|---|---|---|
高校卒 | 10年 | 89万8,000円 | 122万7,000円 |
20年 | 279万6,000円 | 344万1,000円 | |
定年 | — | 1,126万8,000円 | |
高専・短大卒 | 10年 | 106万円 | 136万5,000円 |
20年 | 321万9,000円 | 376万5,000円 | |
定年 | — | 1,106万6,000円 | |
大学卒 | 10年 | 121万5,000円 | 157万4,000円 |
20年 | 373万3,000円 | 435万8,000円 | |
定年 | — | 1,203万4,000円 |
参考:東京都産業労働局 モデル退職金
大学卒の社員が22歳で入社し、60歳で定年を迎えるとすると、勤続年数は約38年になります。単純に勤務年数でいえば、定年までは10年勤続の3.8倍の年数になりますが、退職金で考えると、10年勤続(会社都合)157万4,000千円の約7.4倍の金額になっています。勤務年数が長くなればなるほど、退職金の金額が増えることがわかります。
上記の表は東京都産業労働局のモデル退職金になり、入社時の学歴と勤務年数をみることで、ある程度の目安にはなりますが、通常は企業が独自に退職金制度を設けていますので、正確な金額は就業規則などで確認することをおすすめします。
中小企業の場合「中小企業退職金共済制度(中退共制度)」があることも
大手企業などは、退職金となる資金を見込んで会社予算の中で確保しており、独自の退職金制度を設けていますが、中小企業の場合は、常に別途の退職金を確保しておくことが難しいものです。そこで、中小企業に向けた「中小企業退職金共済制度(中退共制度)」という助成制度が用意されています。
中退共制度とは?
中退共制度とは、中小企業の相互共済と国からの援助によって設けられた退職金制度です。企業は毎月の掛金を納付して積立をし、社員が退職したときには中退共から支払われるという仕組みです。
勤務している企業が中退共に加入しているかどうかは、一般的には就業規則に記載されています。中退共の場合、掛金の満額をいくらに設定しているかで、月々の掛金が変わりますが、掛金は企業が全額負担しているため、社員は掛金の満額を知らないケースがあります。定年退職まで勤務したときには、いくらの退職金になる想定なのかは、事前に確認をしておくと安心です。
中退共制度を利用した退職金はいつ支払われる?
中退共制度を利用した退職金は、「支払いの請求を受け付けてから約4週間」が目安となります。「退職日から約4週間」ではなく、「請求されてから約4週間」であることがポイントです。つまり、請求が遅くなればなるほど、退職金受取時期も遅くなるということです。
なお、退職金は退職された月までの掛金が入金されたことが確認されてから支払いの手続きに進むことになります。そのため、会社が退職月分の掛金納付を遅れると、支払いの手続きが遅くなり、2ヵ月以上かかることがあります。
退職金の支払い金額と振込み予定日は企業にも通知されるため、遅れていると何か不備があったのかと企業側に思われる可能性があります。退職金共済手帳を受け取ったら速やかに手続きを進めましょう。
もらえるはずの退職金がもらえない場合は労働基準監督署へ
ごくまれに自己都合の退職だからという理由で退職金を支払わなかったり、退職金の金額を減額されたりするケースがあるようです。このように、もしも企業側が退職金の支払いをしなかったり、退職金の支払いが著しく遅れていたりする場合は、最寄りの「労働基準監督署」へ。
労働基準監督署から企業に対して、就業規則に沿った退職金の支払いについて本人のかわりに交渉してくれますので、困ったときには相談してみましょう。
退職金の受取時期がわかったら、預け先を考えましょう
定年後の収入源は、おもに公的年金になる方が多いでしょう。まとまった退職金を受け取れるのであれば、ゆとりのあるセカンドライフのためにも、少しでも資産を増やせる預け先を選ぶことが大切です。大手銀行の中には、退職金専用の特別金利プランを用意しているところもあります。
60歳で定年退職を迎え、平均余命まで生きるとすれば、男性は23.67年、女性は28.91年分※のお金を準備しておかなければなりません。老後の安心のためにも、資産管理は重要です。
りそな銀行は、一人一人のご要望に沿って最適なプランをご提案します。退職された方や退職予定の方がご利用いただける特別プランも用意していますので、お気軽にお近くの窓口にご相談ください。
- ※厚生労働省「平成28年簡易生命表の概況」
退職金を増やすために資産運用をはじめるのもおすすめ
多くの銀行で退職者向けのサービスを扱っていますが、どこがどう違うのかわからない方、投資初心者の方も多いでしょう。「老後のために資金を増やしたいけど、誰に相談したらいい?」「資産運用に興味はあるけど、不勉強でよくわからない」という方は、お気軽にりそな銀行の窓口にお越しください。
りそな銀行は、半世紀にわたる資産運用実績が認められ、「マーサーMPA(JAPAN)アワード」や「R&Iファンド大賞」など、外部機関からも高い評価を得ていますので、安心してご相談いただけます。
一人一人異なるお金の使い方や老後の暮らしに合わせて、さまざまなニーズにお応えできるようなプランを用意しています。退職金を受取る前でも、口座がない方でも無料でご相談可能です。老後の不安を払拭するためにも、まずは退職金をどうするか考えることからはじめてみませんか。
まとめ
退職金がもらえるタイミングや金額は、企業によって異なります。今回ご紹介した相場もあくまで目安ですので、会社に直接問合せるのが最も正確でしょう。また、退職金を受取るには、本人が手続きをするケースもあり、手続きが遅れると退職金の受け取りが数ヵ月も遅れることもありますので、できるだけスムーズに手続きをすすめることが重要です。
そして、ある程度まとまった退職金を受取る場合は、退職金の資産運用を視野にいれて老後の計画を立てましょう。資産運用にはいろいろな方法があります。りそな銀行では退職金運用プランがいくつかあり、老後の暮らし方に合わせて資産運用を相談できますので、退職後の生活に備えてしっかりと計画をしましょう。
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本記事は2019年4月25日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。