残価設定ローンのメリット・デメリットは?向いている人の特徴や金利も解説
公開日:2021/08/10

車の購入方法としてよく利用されるものの一つに、残価設定ローンがあります。
残価設定ローンは毎月の返済額を抑えられる便利なもの、という印象があるかもしれませんが、実はデメリットも多くあるため、利用時には注意が必要です。
ここでは、残価設定ローンのメリット・デメリットや、銀行マイカーローンとの違い、そして金利などについて解説します。自身が残価設定ローンに向いているのかどうか、判断する際の参考にしてください。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強をはじめる。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
- ※りそなグループが監修しています
残価設定ローンの仕組みは?金利はいくらかかる?

そもそも残価設定ローンの「残価」とは、ローン最終回時点で残っている車の価値のことを指します。
残価は、経過年数や走行距離などをもとに決められ、ローン最終回時点での車の下取り価格ともいえます。
残価設定ローンとは、残価分を差し引いた額を毎月支払うローンで、残価が含まれない分、月々の支払額を抑えることができます。
残価設定ローンの仕組みについて、以下のケースを想定して確認しましょう。
- 車両価格:600万円
- 支払い回数:60回払い
- 残価:100万円
この場合、残価100万円は60回目の返済に据え置かれ、残りの500万円を59回に分けて返済します。つまり、残価設定ローンで支払うのは「車両価格-残価」ということです。
単純計算では、600万円を60回で返済するよりも、500万円を59回で返済したほうが、月々の支払額は安くなります。しかし、支払っていない残価は、もちろんそのままにしておくわけではありません。
残価の精算方法
支払っていない残価を精算する方法は3つあります。どの精算方法にするかは、残価設定ローンを組む前に決めておくことが望ましいでしょう。
新車に乗り換える
車を返却し、新しい車に乗り換える方法です。ただし、基本的に同じメーカーの車しか選ぶことができません。
残価で買い取る
残価を支払って車を買い取る方法です。上記事例であれば、100万円を払って車を買い取るか、一括で残価を支払うことが難しい場合は、ローンを再度利用します。
車を返却する
車を返却します。自身の所有物にしないため、残価を支払わずに精算ができる方法です。
ただし、残価設定ローンでは、月々の走行距離に上限が設けられています。規定よりも走行距離が上回った場合や、劣化や損傷が大きい場合は、追加料金を請求されることがあるため注意が必要です。
残価設定ローンの
金利相場は3%~5%前後
一般的に金利は、購入時期や販売店、車種、ローン期間などによって変わりますが、それは残価設定ローンでも同様です。なお、残価設定ローンでは、残価を含めた車両価格すべてに金利がかかります。
残価設定ローンの金利相場は3%~5%前後と、ディーラーローン(3%~10%前後)より安く、銀行マイカーローン(2%~4%前後)より高い傾向にあります。
残価設定ローンの金利負担はそれなりに高く、金利面では銀行マイカーローンのほうが有利といえるでしょう。
残価設定ローンの
メリット・デメリット

残価設定ローンのメリット・デメリットを表にまとめました。
メリット |
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デメリット |
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残価設定ローンの大きなメリットは、車両価格から残価を引くことで、月々の返済額を抑えられる点です。
しかし、走行距離の超過や損傷・劣化など、使用状態によって思わぬ出費が発生する点には十分注意してください。
残価設定ローンと銀行マイカーローン、
それぞれに向いているのはどんな人?

残価設定ローンと、銀行マイカーローンはどちらを選んだら良いのでしょうか?
それぞれ向いている人は、以下のとおりです。
残価設定ローンに向いている人
残価設定ローンは、基本的に購入するよりも支出を抑えられるので、購入時の頭金を出すのが難しい、かつ毎月の支払額を安く抑えたい人に向いています。
また、車の使用頻度が少なく走行距離が長くならない人や、車の利用期間が決まっている人などは、追加費用が発生する可能性が少ないので、お得に乗れるかもしれません。
銀行マイカーローンに
向いている人
銀行マイカーローンは、追加費用を心配する必要がなく自由に乗れるので、車の使用頻度が高い人や、一台の車に長く乗りたい人に向いています。
低金利で利用でき、総支払額を抑えられる点から見ても、一般的なマイカー購入であれば銀行マイカーローンがおすすめです。
また、残価設定ローンでは多くの場合、信販会社や販売店が車の所有権を持っているため、契約者の意志で売却などはできません。一方、銀行マイカーローンでは、中途売却やローンの一括返済も自由にできます。
まとめ
車を購入するときのローンには、残価設定ローンや、銀行マイカーローンなどいくつかの選択肢があります。
残価設定ローンは月々の返済が抑えられる反面、走行距離や使用状態などに気を配る必要がある、乗り換え時には同じメーカーしか選べないなど、デメリットもあります。
ローンを選ぶ際に大切なのは、月々の支払額だけにとらわれず、自身のライフスタイルに合わせた選び方をすることです。
また、残価設定ローンよりも、銀行マイカーローンのほうが低金利の傾向にあります。借換えも可能なので、残価設定ローンを組んでいても途中で銀行マイカーローンにすることで、返済額を減らせるケースも少なくありません。
残価設定ローンのデメリットが気になる場合は、銀行マイカーローンの利用も検討してみてください。車検費用、修理費用などオプション費用のみの借入れも可能です。
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本記事は2021年8月10日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。