外貨定期預金とは?向いている人や資産運用時のポイント

公開日:2024/11/26

外貨定期預金とは?向いている人や資産運用時のポイント

「外貨預金を資産運用で活用してみたいけど、仕組みがあまりよくわからない」という人はいませんか。外貨預金には、外貨定期預金や外貨普通預金などがあり、それぞれに異なる特徴があります。「外貨預金にお金を預けたけれど、あとでお金が必要なときに困る」とならないように、それぞれの特徴や違いを理解したうえではじめることが大切です。

本記事では、外貨預金の概要やメリットとデメリット、外貨定期預金と外貨普通預金の違いなどを解説しますので参考にしてください。

私が書きました
主なキャリア

生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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外貨定期預金とは?

外貨預金は、日本の通貨ではなく米ドルやユーロ、豪ドルといった外国通貨でお金を預ける預金です。一般的な円預金のように預けた資金に対して利息が付与されます。

しかし、その利息は預けた外国通貨で運用されるため、外国通貨の金利で利息額が計算され、支払いも外貨となる点が大きな違いです。また、預入れや引出しは、原則外国通貨で行われるため、為替レートの影響を受け、為替差益や為替差損が出ることもあります。

外貨預金のなかでも、預入時に一定の期間を定め、ある程度のまとまった資金を預ける仕組みの預金を「外貨定期預金」といいます。原則満期になるまで預金の引出しができないため、一般的に普通預金よりも高い金利が適用され、効率的な資産形成が期待できます。

外貨定期預金のメリット

外貨定期預金には、主に以下のようなメリットがあります。

将来の資金計画を立てやすい

外貨定期預金は、預けた日の金利が満期を迎えるまで適用される固定金利の預金です。満期を迎える際に利息をいくら受取れるのかを計算でき、資金計画を立てやすいメリットがあります。

預入期間は、金融機関によって異なりますが、多くの場合、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年などと選択肢が豊富です。例えば、子どもの進学資金や車の買い替え資金、海外旅行資金などと、資金が必要になる時期や用途に合わせて複数の預金に分けて運用することもできます。

また、複数の定期預金に分けることで、混同することなくさまざまな必要資金を準備しやすくなります。

高金利の通貨で預金できる

2024年3月に日本銀行がマイナス金利を解除し、日本は長く続いた超低金利の状況から徐々に脱却してきています。しかし、それでも日本よりも金利が高い海外諸国は多く、預ける通貨の国の政策金利をもとに金利が決められる外貨預金も円預金に比べて金利が高めの傾向です。

なかでも、外貨定期預金は外貨普通預金と比較して一般的に金利が高く設定されているため、より高金利を期待できるメリットがあります。また、「複利型」の外貨定期預金であれば、2回目の利息計算時からは元金に前回の利息を加えた元利合計額に対して利息が計算されるため、預金残高が効率的に増えていきやすくなります。

この複利効果は、利息額が多いほどより大きくなるため、金利が高めの外貨定期預金では効果的です。

外貨定期預金のデメリット

外貨定期預金には、デメリットもあります。以下で主なデメリットを紹介します。

満期前に金利が上昇しても恩恵を受けられない

外貨定期預金は、資金を預けたときから満期を迎えるまで金利が変わりません。これは、仮に満期前に市場金利が上昇しても「預金に対する金利は預けたときのままで上がらない」ことを意味します。

固定金利には、前述したように将来の資金計画が立てやすいメリットや、市場金利が下がったときでも高い金利を享受できるメリットもありますが、場合によってはデメリットにもなり得ることは理解しておきましょう。

原則として中途解約できない

外貨定期預金は、原則満期前に中途解約ができません。前述したように、外貨定期預金はある程度まとまった資金を一定期間預ける仕組みであり、一般的に外貨普通預金よりも高い金利が設定されています。やむを得ない状況で解約する場合、一般的には解約日までの適用金利が外貨普通預金の利率となるなどの対応がなされます。

また、金融機関や商品によっては預金者が事前に申し出ない場合、満期時に同じ預入期間で自動継続されるものもあります。自動継続になると、新たな満期日まで原則資金の引出しができないため、注意しましょう。

外貨定期預金と外貨普通預金の違い

ここまでは、主に「外貨定期預金」の特徴やメリット・デメリットについて説明してきましたが、「外貨普通預金」との違いも理解しておきましょう。

外貨定期預金

これまで説明したように、満期まで原則中途解約できない仕組みの外貨預金です。一定期間、資金の引出し制限があることもあり、一般的に外貨普通預金よりも金利が高めに設定されています。金利は、固定金利で預けたときの金利が満期まで変わりません。なお、満期日を迎えた際は以下のような複数の選択肢があります。

  • 外貨定期預金の元金と利息を円に換金し円預金に入金する方法
  • 元金と利息をそのまま外貨として外貨普通預金に入金する方法
  • 外貨定期預金を継続する方法 など

外貨普通預金

預ける通貨は外貨となるものの、仕組みは円普通預金と同様です。いつでも預金の出し入れができ、預入金額の制限もありません。金利面でも円預金と同様で、一般的に外貨定期預金よりも金利は低めです。

なお、外貨定期預金は満期まで金利が変わらない固定金利ですが、外貨普通預金は変動金利のため、金融情勢などに応じて適用金利が随時見直しされます。出し入れ自由ですぐに換金できるため、インターネットバンキングなどで自宅にいても換金できるサービスを提供する金融機関が増えています。

預入時よりも円安になったときに外貨を円貨に替えて利益を得たり、円高になりそうなときに円貨に換金して損失を防いだりと、為替変動リスクへの備えとして有効です。

外貨定期預金はどのような人におすすめ?

外貨定期預金の特徴や外貨普通預金との違いを踏まえると、外貨定期預金は以下のような人に向いているといえます。

  • 短期間での流動性は求めておらず、中長期的な資産運用を考えている人
  • 円建て預金よりも高金利で運用したい人
  • 日本円が下落した際のインフレ対策として運用したい人

外貨定期預金は、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年などと期間が定められており、一般的に期間が長くなるほど設定される金利も高くなります。そのため、中長期的にじっくりとお金を増やしていきたい人向きです。

預入期間が長いほど金利が上がる関係は、日本円の定期預金でも同様ですが、一般的に金利は外貨定期預金のほうが高いため、円建て預金よりも高金利で運用したい人に適しています。

外貨定期預金は、預入時よりも円安になると預けた資産の価値が増大します。そのため、インフレ対策になる金融商品で運用したい人向きです。多くの物資を輸入に頼る日本では、円安になるとさまざまな物の値段が上がるインフレにつながります。

インフレ時には、円預金に預けている資産価値は目減りするため、外貨定期預金はインフレ対策になるという仕組みです。

外貨定期預金で資産運用する際のポイント

実際に外貨定期預金を資産運用に活用する際は、以下のようなことを考慮して取り組むことが大切です。

  • 預入期間の選択は慎重に行う
  • 満期時の為替レートによっては自動継続も検討する
  • 複数の通貨やタイミングなど、分散投資する

上述したように、外貨定期預金は資金の引出しが一定期間制限されるため、短期・中期・長期で必要となる資金を考慮しながら預入期間を選択することが大切です。

また、満期時に元利金を円貨で受取る際には満期時点の為替レートで換金されます。預入時に比べて満期時点の為替レートが円高であれば為替差損が発生してしまうため、必要に応じて自動継続や外貨普通預金での受取りも検討しましょう。

為替変動リスクを軽減させるためには、分散投資の心がけも重要です。通貨や預けるタイミングを複数に分散して投資しましょう。

まとめ

外貨預金は、「円預金に比べて一般的に高金利」「為替差益を期待できる」などのメリットがあります。外貨預金を大別すると外貨普通預金と外貨定期預金がありますが、より高金利で中長期的な運用を検討している人には、外貨定期預金がおすすめです。

ただし、外貨定期預金は原則満期前に資金の引出しができないため、預入期間の選択は慎重に行いましょう。なお、満期時の為替レートが預入時より円高の場合は為替差損が発生するリスクがあります。

損失を避けるために、外貨定期預金の自動継続や外貨のまま外貨普通預金で受取る方法も選択可能です。また、円で受取らなくても困らないように、余裕資金で行うことも大切です。

外貨預金で資産運用したい人は、りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行の外貨預金もご検討ください。外貨預金の口座開設からお取引までアプリひとつでスムーズに行えます。

本記事は2024年11月26日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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  • 外貨預金には、為替相場の変動により為替差損が生じ、お引出時の円貨額がお預入時の払込円貨額を下回り、元本割れが生じるリスクがあります。(為替変動リスク)
  • 円を外貨に交換する際(お預入時)および外貨を円に交換する際(お引出時)は為替手数料がかかります。お預入時およびお引出時には、この為替手数料を含んだ当社所定の為替レートをそれぞれ適用します。
  • お預入時とお引出時の為替相場に変動がない場合でも、往復の為替手数料がかかるため、お引出時の円貨額がお預入時の払込円貨額を下回り、元本割れとなるリスクがあります。
  • 外貨預金は預金保険の対象ではありません。
  • 詳細については、契約締結前交付書面や説明書等をよくお読みください。