外貨預金のメリット・デメリットとは?運用のコツやはじめる方法も解説

2023/02/27最終更新

外貨預金のメリット・デメリットとは?運用のコツやはじめる方法も解説

近年、円安傾向の為替相場が続くなか、外貨預金の需要が高まっています。外貨預金をはじめるうえで、メリット・デメリットについて知りたい方も多いかもしれません。

外貨預金は、円預金よりも高金利になりやすいメリットがある一方、元本割れのリスクなどデメリットもあります。運用を安定させるには、コツをしっかりと把握することが大切です。

今回は、外貨預金のメリット・デメリットや種類を紹介したうえで、運用のコツ、はじめる方法も解説します。

私が書きました
主なキャリア

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強をはじめる。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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外貨預金のメリット3選

外貨預金のメリット3選

まずは、外貨預金を行う3つのメリットについて紹介します。

1円預金より高金利が狙える

外貨預金は、円預金よりも高い金利を目指しやすいメリットがあります。というのも、一般的に外貨へ付く金利のほうが、日本円よりも高い傾向にあるためです。

また、円安が進むと資産価値は相対的に下がりますが、外貨預金をしておくことで将来の備えにつながる利点もあります。

2為替差益を得られる

満期時の為替レートが預入時よりも円安の場合は、「為替差益」と呼ばれる利益を得られます。

例えば、1ドル100円のときに10万円分(1,000ドル)を預入れて、1ドル110円のときに円へ交換すると、引出額は11万円です。この場合は、差分の1万円を為替差益として受け取れます。

3初心者でもはじめやすい

外貨預金は、銀行を通じて預金するという明快な仕組みのため、外貨建て金融商品のなかでもスタートしやすい点がメリットです。

それに対し、外国株式をはじめる場合は、銘柄選びなどが欠かせません。一定の知識や手間は不可欠なため、外貨預金に比べると資産運用の難易度はやや高くなる可能性があります。

なお、外貨預金の種類は、以下のように大きく分けて2種類です。

種類 特徴
外貨普通預金 預入期間の定めがなく、いつでも自由に預金を引出せるタイプで、金利は随時変動する
外貨定期預金 原則、預入期間が満期になるまで預金を引出せないタイプで、金利は預入時のまま変わらない

上表のとおり、外貨普通預金と外貨定期預金の特徴は異なるため、自身のニーズに適した運用方法を選びましょう。

外貨預金にはデメリットもある

外貨預金にはメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

1為替手数料がかかる

円と外貨を交換する際は、為替手数料が発生します。金融機関によって為替手数料には違いがあるため、事前にチェックしておいてください。

また、短期間で解約すると運用収益で手数料をカバーできず損失となる可能性があるので、中長期での運用も想定しておく必要があります。

2元本割れのリスクがある

為替相場の変動を受けて、預入時よりも引出時のお金が減る「元本割れ」が起こる危険性があります。円高になると、預入時と比べて引出時の円貨額が低いケースもあるためです。

しかし、預金による利息が十分に得られている場合は、円高による差分をカバーできる可能性もあります。リスクを回避するためにも、後述する通貨別の特徴をぜひ参考にしてください。

3預金保険の対象にならない

外貨預金は、預金保険の対象になりません。預金保険とは、銀行などが破綻した場合に、1人あたり元本(1,000万円まで)や利息分等を保証してくれる制度のことです。

そのため、外貨預金を行う際は、できる限り信頼性の高い銀行等を選ぶようにしましょう。

外貨預金はどこがいい?
通貨別の特徴とは

外貨預金はどこがいい?通貨別の特徴とは

ここからは、外貨預金の投資先として選べる代表的な通貨の特徴を紹介します。

米ドル

米ドルは世界の基軸通貨で、国際的な金融取引や貿易の決済にも多く使用されています。取引量が多いうえに流動性も高いため、相場の変動は小さい傾向で、おすすめ通貨の一つといえます。

運用に際しては、金融政策や経済指標をチェックすることが大切です。例えば、アメリカの金融政策に関わるものとしては、FRB(連邦準備制度理事会)が「FOMC(米国連邦公開市場委員会)」を年8回実施しています。

また、経済指標に関しては、「米国雇用統計」「GDP(国内総生産)」「消費者物価指数(CPI)」などで確認可能です。例えば雇用統計の非農業者部門の雇用者数が前年同月比を上回ったり、市場予想を大きく上回るなど景気の改善が確認できる場合は、政策金利の引上げが意識され、ドル買いが見込めます。一方、景気の悪化が確認できる場合は、「ドル売り」が進みやすいため、定期的な確認が欠かせません。

ユーロ

ユーロは、EU加盟国、非EU加盟国のユーロ圏で使われる通貨で、取引量は米ドルに次ぐ世界第二位です。通貨の管理は、ユーロ圏の中央銀行であるECB(ヨーロッパ中央銀行)が実施しています。

なお、ユーロで外貨預金を行う際は、米ドルの動向にも気を配りましょう。というのも、ユーロは「米ドルの対価」としての性質も持ち、経済動向などに合わせて「米ドル売りユーロ買い」もしくは「ユーロ売り米ドル買い」が行われやすいためです。

出典:公益財団法人国際通貨研究所「国際通貨研レポート」2022年10月31日

オーストラリアドル(豪ドル)

豪ドルは、石炭や鉄鉱石などが豊富なオーストラリアの通貨で、資源国通貨の代表格です。世界的な資源高や、移民受け入れや自然増による人口増加などの理由により、オーストラリア国内の経済・政治は安定的で、外貨預金としての不安要素は少ないといえます。

なお、オーストラリアの貿易総額は、中国が全体のおよそ3割を占めています。そのため、中国の経済指標にも注意することで、豪ドルによる外貨預金の運用リスクを減らすことが可能です。

出典:外務省「オーストラリア基礎データ」

ニュージーランドドル
(NZドル)

ニュージーランドで流通しているNZドルは、豪ドルと同じく代表的な資源国通貨の一つといえます。ただし、一般的な資源国の輸出品が鉱物や原油であるのに対し、ニュージーランドの輸出品はおもに乳製品や食肉です。

そのため、NZドルを外貨預金で運用する際は、乳製品や食肉の価格動向に注意を払うことが重要とされています。

また、主要な貿易相手国が中国とオーストラリアであることから、豪ドルに似た値動きをしやすいことも特徴です。NZドルで外貨預金を行う際は、豪ドルと同様に、中国の経済指標を定期的に確認しておきましょう。

外貨預金を
賢く運用するコツ!

続いて、外貨預金を賢く運用する4つのコツを見ていきましょう。

1複数の外貨に分けて保有する

一口に外貨といっても、国ごとに為替相場は異なります。そのため、外貨預金を運用する際は1つの国の外貨のみに絞るのではなく、複数の外貨に分けて保有することが大切です。

複数の外貨に分けて保有すれば、為替相場のリスク分散が可能となるため、仮に1つの外貨が預入時より円高になったとしても、他の外貨でのリカバリーが期待できます。

2預金のタイミングを
分散させる

経済状況や政治情勢などで、為替相場は常に変化するため、預金のタイミングを分散させることは重要です。預金のタイミングを分けることで、為替相場のリスクを減らして外貨預金を行えます。

例えば、決まった金額を定期的に預金すれば、円高のときは多く、円安のときは少なく外貨を預入れられます。これは「ドル・コスト平均法」とも呼ばれる方法で、平均購入単価を平準化できるため、外貨預金を安定的に運用しやすくなるのです。

3余裕資金で運用する

外貨預金の引出しで発生する為替手数料を抑えるためにも、まずは余裕資金で運用することがおすすめです。

余裕資金で運用すれば、外貨預金からお金を引き出す必要性がないことから、長期運用が可能です。長期運用は為替レートの値動きを平均化させ、運用リスクを抑える効果が得られます。

預金の最低金額は、金融機関ごとに設定額が異なるため、あらかじめ確認したうえで運用をスタートさせましょう。

りそなの場合、外貨普通預金は「原則10通貨単位以上、または1,000円相当額以上」、外貨定期預金は「10万円相当額以上」で預入れできます。なお、どちらも1補助通貨単位(通貨単位の100分の1)まで預入れが可能なので、例えば米ドルの預入時は1セント単位で設定できます。

4値動きにつながる情報を
確認する

外貨預金の安定性を高めるには、外国の為替相場や政治・経済に関する情報を、こまめに確認することが重要です。万一、自身が預入れている外貨に不安要素が見つかった場合も、他国の外貨の割合を増やすなど早い段階で手を打てます。

りそなでは、「りそなマーケットフラッシュデイリー&ウィークリー」で、国内外のマーケットに関するレポートが閲覧可能です。週初発行分には、週間のマーケット情報が掲載されているので、忙しくて時間が取れない方も手軽に活用できます。

外貨預金をはじめる
3つの方法

外貨預金をはじめる3つの方法

ここからは、りそなで外貨預金をはじめる3つの方法を見ていきましょう。

方法1.アプリでスタート

まず紹介するのは、アプリを使ってスタートする方法です。りそなグループアプリなら、外貨預金の口座開設や取引きが簡単にできるうえ、普通預金口座の残高、入出金明細も確認できます。

また、リアルタイムの為替レートを確認しながら24時間365日いつでも手続き(※)できるため、タイミングを逃しづらいこともメリットです。
※平日10~17時以外の時間は予約受付

【アプリで外貨預金をはじめる手順】
  1. 1.アプリをダウンロードし、「マイページ」から「運用資産」をタップする
  2. 2.預金先の通貨を選択し、必要事項を入力する(口座開設が完了)
  3. 3.金額を入力後、必要事項を入力する(取引きが完了)

このように、スマートフォンがあれば3つのステップではじめられるので、銀行に足を運ぶ時間が取りづらい方にもおすすめです。

方法2.マイゲートでスタート

2つ目は、インターネットバンキング「マイゲート」を使う方法です。マイゲートは、外貨預金や振込、投資信託などにも利用できるシステムで、アプリと同様、リアルタイム為替レートの確認や、24時間365日の手続き(※)にも対応しています。
※平日10~17時以外の時間は予約受付

【マイゲートで外貨預金をはじめる手順】
  1. 1.マイゲートのトップ画面から、外貨預金を選ぶ
  2. 2.「外貨普通預金」もしくは「外貨定期預金」を選び、必要事項を入力する(口座開設が完了)
  3. 3.預入金額を入力して、内容を確認する(取引きが完了)
  • 定期預金の場合は、預入期間を1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年から選択する

上記のとおり、3ステップで完結できるので、パソコンやスマートフォンがあれば簡単に取引きを開始できます。

方法3.店舗でスタート

3つ目に紹介する、りそなの実店舗で取引きを開始する方法のメリットは、担当者に相談しながら通貨を選べる点です。

また、アプリ・マイゲートの場合は、一部取り扱っていない通貨がありますが、店舗の場合は最大10種類以上の通貨で取引きできる点もポイントといえます。

さらに、口座開設から取引きまで、最短即日で実行可能です。りそなの最寄りの店舗は簡単に検索できるため、Webで来店予約しておけばスムーズに手続きしやすくなります。

まとめ

外貨預金を行うメリットは、「円預金より高金利が狙える」「為替差益を得られる」など複数あり、米ドル・豪ドル・ユーロなど複数の外貨に分散させることで運用リスクを減らせます。

なお、りそなで外貨預金をはじめる場合、アプリ・マイゲートを使えば、リアルタイム為替レートで取引きできるうえ、24時間365日手続き可能(※)です。
※平日10~17時以外は予約受付

また、りそなの口座をお持ちでない方は店舗で手続きすれば、最短即日で口座開設から取引きまで実行でき、通貨は最大10種類以上から選べます。さらに、預入れによってポイントがたまり、20社以上の交換先から好きなポイントやマイルへ交換できるのも魅力です。

これから外貨預金をはじめたい方は、りそなで運用をスタートしてみてはいかがでしょうか。

本記事は2023年2月27日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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  • 外貨預金には、為替相場の変動により為替差損が生じ、お引出時の円貨額がお預入時の払込円貨額を下回り、元本割れが生じるリスクがあります。(為替変動リスク)
  • 円を外貨に交換する際(お預入時)および外貨を円に交換する際(お引出時)は為替手数料がかかります。お預入時およびお引出時には、この為替手数料を含んだ当社所定の為替レートをそれぞれ適用します。
  • お預入時とお引出時の為替相場に変動がない場合でも、往復の為替手数料がかかるため、お引出時の円貨額がお預入時の払込円貨額を下回り、元本割れとなるリスクがあります。
  • 外貨預金は預金保険の対象ではありません。
  • 詳細については、契約締結前交付書面や説明書等をよくお読みください。