外貨預金は円安・円高になったらどうなる?預入れと引出しのタイミング

2023/09/04最終更新

外貨預金は円安・円高になったらどうなる?預入れと引出しのタイミング

最近、外貨運用への関心が高まっています。外貨預金での運用に関心があるという方も増えていますが、「興味はあるけど、為替レートとか、難しそうだな」と思っている方もいるかもしれません。円安や円高になると、外貨預金にはどのような影響が出るのでしょうか。

本記事では、円安や円高が外貨預金に与える影響と、外貨預金運用のポイントを詳しく解説していきます。外貨預金をはじめようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

私が書きました
主なキャリア

元銀行員。若年層から高年層まで幅広い資産運用の提案を行なう。メディアを通じて、より多くのお客様に金融の知識を伝えたい気持ちが強くなり、退職を決意。
現在は、編集者として金融機関を中心にウェブコンテンツの編集・執筆業務に従事している。

  • りそなグループが監修しています

外貨預金の特徴とメリット・デメリット

円安や円高と外貨預金との関係性を解説する前に、外貨預金の特徴を解説します。

外貨預金の特徴

日本円を米ドルやユーロなどの外国の通貨に換えて預けることを「外貨預金」と呼びます。

外貨預金は日本円の預金と同様に利息がつき、利息は外貨で支払われます。また、外貨預金への預入れや引出しには手数料がかかる場合があります(金融機関によって取扱いが異なる)。

外貨預金のメリット・デメリット

外貨建ての金融商品には、外貨預金のほかにも外国債券や外貨建て投資信託などがあります。

外国債券や外貨建て投資信託は中身の銘柄選定も必要なため一定の知識が必要ですが、外貨預金は円が外国の通貨に置き換わっただけで、預金という仕組みが分かりやすいので、初心者でもはじめやすいというメリットがあります。

また、外貨預金は、預入時より円安になると為替差益という利益が期待できるのもメリットです。

ただし、為替差損が発生する場合もあるため、その点はデメリットとして注意が必要です。また、預入れる通貨によっては日本円で預金するよりも高い金利が期待でき、金利の力によって資産を増やすことも可能です。

外貨預金は、日本円だけでなく外貨を持つため、保有通貨を分散できます。そのため、円の価値が下がった場合でも資産全体への影響を抑えられ、リスクの分散が可能です。

円安が進行している昨今、外貨預金はインフレから資産を守る手段としても有効とされており、注目が集まっています。

外貨預金のメリット・デメリットについては下記関連記事でも詳しく解説していますので、併せてご確認ください。

外貨預金のメリット・デメリットとは?運用のコツやはじめる方法も解説

円安になると外貨預金はどうなる?

円安になると外貨預金はどうなる?

ここからは、円安・円高になった場合に外貨預金が受ける影響を具体的に解説します。

円安では外貨に対し円の価値が下がる

外貨に対して円の価値が下がる状況を「円安」と呼びます。例えば、1米ドル100円だった為替レートが1米ドル110円になった場合、1米ドルの価値が10円分高くなった、つまり、外貨に対して円の価値が下がったといえます。

外貨預金を預入れたときより引出したときが円安になっていた場合、為替差益が得られます。例えば、1米ドル100円で1,000米ドルを買い(10万円分)、1米ドル110円で1,000米ドルを売る場合(11万円受取)、差の1万円が為替差益です。

円安になったとき外貨預金はどうすべき?

外貨預金をしている場合、為替レートが預入時より円安になったら、外貨預金を引出して利益を確定してもよいでしょう。今後も円安傾向がしばらく続きそうであれば、引出さずに保持しておき、さらなる為替差益を狙うのも選択肢の一つです。

円安傾向のときに外貨に預入れ、その後円高となってしまった場合は、為替差損が発生してしまいます。これから外貨預金をはじめる方は、円高傾向になるまで待つのがおすすめです。

円高になると外貨預金はどうなる?

続いて、円高になった場合に外貨預金が受ける影響とその対処法を解説します。

円高では外貨に対し円の価値が高くなる

外貨に対して円の価値が高くなる状況を「円高」と呼びます。例えば、1米ドル110円で取引されていたものが1米ドル100円になった場合、1米ドルの価値が10円分低くなった、つまり、外貨に対して円の価値が高くなったといえます。

外貨預金を預入れたときより引出したときが円高になっていた場合、為替差損が発生します。例えば、1米ドル110円で1,000米ドルを買い(11万円分)、1米ドル100円で1,000米ドルを売る場合(10万円受取)、差の1万円が為替差損です。

円高になったら外貨預金はどうすべき?

円高傾向にあるときは外貨に対して円の価値が高くなるため、円安時に比べて外貨を安く買えます。そのため、円高時は外貨預金を預入れるのがおすすめです。預入れたあと、円安傾向になった際に引出せば、為替差益を得られます

すでに預入れしている外貨預金があれば、引出さずにそのまま保持するのが基本です。金利の高い通貨であれば、そのまま保持することで金利の力で外貨建ての金額を増やしていくことができます。そうして為替が円安になることを待つという選択肢も可能です。

また、今後も更に円高が続きそうな場合には、一旦引出して損失を確定することも選択肢のひとつです。いずれにせよ、短期的な値動きだけで預入れや引出しを判断せず、長期的・総合的に市況を見極めることが大切です。

ただし、上記で解説した預入れ・引出しの判断基準は、取引による手数料を考慮していません。手数料によっては預入れ・引出ししないほうが良い場合もあるため注意してください。

円安・円高以外にも!外貨預金の預入れ・引出しがおすすめなタイミング

円安や円高は、外貨預金の預入れや引出しを検討する良いタイミングですが、その動きを見極めるポイントをご紹介します。円安や円高に動きやすいポイントを知っておくとよりタイミングが検討しやすくなります。

外貨預金の預入れのタイミングとしては、円安に向かいそうな局面や、日本と海外の金利差が拡大している情勢などが考えられます。

例えば、失業率が高く、物価や賃金がなかなか上がらないなど経済が停滞していると、企業が新たな設備投資を控えるため、株価や金利が下がりやすくなります。そのため、円の魅力が低くなり、円安に向かう可能性があります。

また、円の金利が低水準にあり、海外の金利が上がっている局面にあれば、金利差が生まれ、利益が期待できます。例えば、今後海外で経済成長が加速したり、その国の政策に変化などがあれば、金利が上がり、日本との金利差が拡大する可能性があります。

円安時以外の外貨預金引出しのタイミングとしては、保有する通貨の国の社会情勢が不安定なときが挙げられます。通貨はそれを取り扱う国の社会情勢の影響を大きく受けます。

社会情勢が悪化すると先行きが不透明になってその国の通貨が売られやすくなり、通貨の価値が下がってしまうこともあるため、そうなる前に引出しを検討してみても良いかもしれません。

いずれにしても、為替の値動きを正確に予想するのは困難です。預入れや引出しのタイミングを複数回に分けることで、想定外の為替変動にともなう損失リスクを抑制できる場合もあるため、運用方法を工夫しながら預入れ・引出しのタイミングを決定しましょう。

外貨預金運用をする際の3つのポイント

外貨預金運用をする際の3つのポイント

ここからは、外貨預金を運用する際に注意しておきたい3つのポイントを解説します。ポイントを押さえて、運用の参考にしてください。

為替レートだけでなく為替手数料にも注意

円と外貨を換金する際は、金融機関に為替手数料を支払わなければなりません。為替手数料は金融機関によって異なるほか、同一の金融機関であっても窓口で行うかインターネットバンキングかで変わります。

為替レートが変わらなくても手数料はかかりますので注意しましょう。

預入れのタイミングを分散させてリスクを減らす

為替レートの動きを見極めることは大切ですが、変動のリスクを減らす方法もあります。毎月1万円など決まった金額でタイミングをずらして外貨を買うことで、購入単価を平準化する方法です。

一定期間ごとに一定額を預入れることによって購入単価を平準化すれば、円高・円安による外貨への影響を抑えられます。一定額を定期的に投資する手法は「ドル・コスト平均法」と呼び、外貨預金以外の金融商品を取引する際にもリスクを低減するのに有用な手法です。

値動きの異なる複数の通貨を組み合わせて、通貨分散を図ることも、為替変動によるリスクを低減できるため有効です。初心者は一度に多額の資金を投資するのを避け、少しずつ投資額を増やすとよいでしょう。

余裕資金で運用する

為替レートの動きを読むのは難しく、取引の判断が常に正確にできるとは限りません。外貨預金は元本割れするリスクもあります。そのため、生活費や最低限の貯蓄を確保し、余剰資金で長期的な視点を持って運用しましょう。

りそなで外貨預金をはじめよう

外貨預金をはじめるなら、口座管理や取引をアプリで完結できる「りそなグループアプリ」の利用がおすすめです。りそなの特徴と、りそなで外貨預金をはじめる方法を解説します。

りそなで外貨預金をはじめるメリット

外貨預金をりそなではじめるメリットの一つは、「アプリを利用した管理・取引のしやすさ」です。アプリで預金の状況確認や取引、残高照会、振り込みなどが可能で、米ドル、ユーロ、豪ドル、NZドルの主要4通貨を手軽に取引できます。スマートフォンで取引できるため、店頭に手続きに行けず、円安や円高のタイミングを逃してしまった……ということも避けられます。

また、りそななら預入れにより、りそなクラブポイントがたまります。たまったりそなクラブポイントは、スーパーやコンビニでの買い物や、ネットショッピングなどでも利用できるポイント・マイル等に交換できます。

りそなで外貨預金をはじめるには?

りそなの外貨預金には、外貨普通預金と外貨定期預金の2種類があります。外貨普通預金は、以下の3つのうちから、外貨定期預金はアプリ以外の以下の2つの方法からはじめられます。

  • アプリからはじめる
  • マイゲートからはじめる
  • 店舗ではじめる

ご自身に合った方法を選んでみてください。

まとめ

外貨預金は為替レートの影響を受け、価値が変化していきます。円安の場合は外貨預金引出し、円高の場合は外貨預金預入れの検討タイミングです。手数料や金利、今後の見込みなどを総合的に判断して引出し・預入れしていきましょう。

手軽に外貨預金をはじめたいなら、アプリで口座開設から取引・口座管理を完結できる「りそなグループアプリ」の利用がおすすめです。また、りそなの店舗では資産運用に関するご相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問合せください。

本記事は2023年9月4日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

目次に戻る

  • Line
  • このページのURLをコピーする