リフォームとリノベーションの違いとは?メリット・デメリット・費用相場

公開日:2022/03/07
更新日:2025/09/25

リフォームとリノベーションの違いとは?メリット・デメリット・費用相場

住まいを快適にするために、キッチンや浴室の改修、間取り変更などを検討する機会はありませんか?
その際によく耳にするのが「リフォーム」と「リノベーション」という言葉です。

リフォームは老朽化した設備の交換や壁紙の張り替えなど、元の状態に近づける工事が中心です。一方、リノベーションは間取り変更や断熱性能の向上など、住まいに新たな価値や機能を加える大規模な改修を指します。

この記事では、リフォームとリノベーションの違いやそれぞれのメリット・デメリット、費用相場の目安まで詳しく解説します。違いを理解すれば、自分に合った方法で理想の住まいづくりが進められるはずです。

リフォームとリノベーションの違いとは?

まずは、リフォームとリノベーションで異なる点を詳しく見ていきましょう。

リフォームは「戻す」、リノベーションは「高める」

リフォームは英語では「reform」と書き、日本語に訳すと改善・改良という意味があります。老朽化した建築物を新築の性能に戻すという意味で使われる言葉です。

長期にわたって住居に住んでいると、家具や電化製品の設置跡や、経年劣化による設備の損傷、水回りなどの損傷は避けられません。リフォームはこのような老朽化した箇所を改修し、新築に近い状態に近づけることです。

一方、リノベーションは英語で「renovation」と書き、日本語に訳すと修復・刷新です。主に既存の建築物に改修を加え、価値を高めることを表します。

リノベーションは、中古物件を購入して、間取りや配管を工夫することで自分好みの家にしたり、家族の増減などで暮らしやすい住まいに作り替えたりしたい場合などに活用されます。

このように、リフォームとリノベーションは区別して使用されることをまずは知っておきましょう。

工事の規模の違い

リフォームとリノベーションを比較すると、リノベーションのほうが工事の規模は大きくなります。

リフォームの主な例としては、壁紙(クロス)の張り替え、キッチンやユニットバス設備の交換、外壁の塗り替えなどです。

一方、リノベーションは間取りの変更、水道管や排水管の変更など大規模な改修が該当します。

居住設備の性能の違い

リフォームは、老朽化した居住設備を新築に近い状態に回復させる改修です。一方、リノベーションは設備の改修によって現状よりも高い性能にします。

設備を元の状態に戻すのか、より性能が良いものに改修するのかによって、リフォームかリノベーションかが決まります。

なお、リノベーションと似ている言葉として、「コンバージョン」がありますが、コンバージョンとは、改装によって賃貸オフィスから賃貸住宅にするなど、建物の用途そのものを変更することを表します。リノベーションとは異なるため、言葉の違いを覚えておきましょう。

リフォームとリノベーションの違い比較表

リフォームとリノベーションの主な違いを、以下の表にまとめました。具体的な違いとしては、目的、工事内容、工事の規模、設計の自由度、工期、費用などが挙げられます。

横スクロールできます。

リフォーム リノベーション
主な目的 新築当初の状態に回復させる 新築時に比べ性能、価値を向上させる
工事内容 老朽化部分の修繕、交換 間取り変更、内外装一新など
工事の規模 リノベーションと比べると小規模 リフォームと比べると大規模
設計の自由度 低い(既存の構造に依存) 高い(構造変更可能)
工期 比較的短い(数日~数週間) 長め(数ヵ月以上かかることもある)
費用 低め(数十万円~) 高め(数百万円~)

リフォームのメリット・デメリット

リフォームはリノベーションに比べて、工事の規模が小さい点が特徴です。以下、リフォームのメリット・デメリットについて解説します。

リフォームのメリット

リフォームのメリットは大きく分けて以下の2つです。

工事の期間が短め

リフォームはリノベーションに比べて工事の規模が小さく表面的な工事が多いため、短期間で工事が終了する傾向があります。

工事期間の目安は、トイレ交換の場合で数時間から1日程度、ユニットバス交換の場合で3~4日、畳からフローリングへの変更(6畳の場合)なら1日程度です。

このように、リフォームは数時間から数日程度、長くても1ヵ月で済むため、スムーズに入居が可能です。

また、リフォームは改修規模が小さいため、一般的にはリノベーションほど多額の費用はかかりません。

完成がイメージしやすい

リフォームは基本構造を変えずに、部分的な修繕のみで新築状態へ戻す工事であるため、完成後の状態をイメージすることが容易です。

また、リノベーションのように間取りや配管の位置が変わるほどの修繕はしないことから、家具の配置や生活動線にはあまり影響せず、入居後もスムーズに過ごせます。

今までの家がお気に入りで雰囲気を残したい場合、大きな工事をしないリフォームがおすすめです。

リフォームのデメリット

リフォームのデメリットは、大きく分けて以下の2つです。

設計の自由度が低い

リフォームの主な内容は、設備の交換や、内装の修繕などです。大きな修繕ではないため、設計の自由度はリノベーションほど高くありません。せっかく改修するのだからと欲が出たとしても、できることが限られるため、実現できない可能性があります。

デザイン性を重視しづらい

リフォームは一部分のみを変更・修繕するため、デザイン性は追求しづらく、リフォームをした箇所としていない箇所で統一感が失われてしまう可能性があります。

コンセプトを全体的に統一させたい場合は、リノベーションの検討が必要です。

リノベーションのメリット・デメリット

リノベーションは改修の規模が大きいため、費用も高額になりやすいです。メリットとデメリットを理解したうえで実施するかを検討しましょう。

リノベーションのメリット

リノベーションのメリットは、大きく分けて以下の2つです。

設計の自由度が高い

配管や水回り設備、間取りなどに大規模な改修を行うため、自身の利便性に合わせて設計が可能です。

例えば、「子どもが生まれた」「会社を辞めて独立した」「介護をすることになった」など、ライフスタイルに合わせて住居を作り替えたいのであれば、リノベーションを検討するとよいでしょう。

また、間取りや大幅な内装の変更ができるため、デザインに自分の好みを大きく反映できます。リフォームで起こりがちな、改修箇所とそれ以外の箇所にムラが生じるようなこともありません。

豊富な物件選択肢

自分が住みたい家を探そうとしても、新築や築浅物件だけに絞って探していては、物件数に限りがあります。

しかし、築古物件をリノベーションすれば、住みやすい住環境を作ることが可能です。リノベーションをすることを想定して、築古物件も含めた物件探しをすれば、より選択肢は広がります。

リノベーションのデメリット

リノベーションのデメリットは以下の2点です。

工事費用が高くなりやすい

リフォームよりも工事が大規模になるため、多額の費用が必要です。フルリノベーションを希望するような場合は、さらに工事範囲が大きくなり、工事費用も高額となるでしょう。

築古物件を新築より安く購入できたとしても、修繕箇所が大規模になれば、想定以上の費用がかかる可能性があります。リノベーションをする際は、工事費と物件購入費のバランスを考えることが大切です。

工事の期間が長め

リノベーションは工事の規模が大きいため、工事期間もリフォームに比べると長くなります。

フルリノベーションをする場合は、マンションなら2~3ヵ月、一戸建てなら3~4ヵ月が目安です。物件を手に入れてからフルリノベーションをするのであれば、設計をする期間として、さらに1~2ヵ月くらいは考えておきましょう。

また、工事期間が長いため、仮住まい費用の準備も必要となる点には留意しましょう。

リフォーム・リノベーションの値段は?費用相場を比較

リノベーション

リフォームとリノベーションの費用相場を見ていきましょう。

リフォームの費用相場

リフォームの費用相場は、どこを工事するかによって金額が変わります。国土交通省が公表した「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、リフォームにかける資金の平均額は137万円でした。

また、同報告書によると、リフォーム資金を借入れた場合の返済期間は10~20年未満と回答している割合が36.8%で、平均返済期間は9.6年となっています。

個別のリフォーム工事の費用相場は以下のとおりです。

トイレ交換 21~40万円
洗面所・システムバス、キッチンの設置 50~100万円
壁の張り替え、
屋根の塗り替え
5~50万円
畳からフローリング(6畳) 15万円~
リビング・
ダイニング
150万円~450万円

リノベーションの費用相場

リノベーションの費用相場は、面積やグレードによって変わり、600万円~1,700万円と幅があります。例えば、面積で見た場合、40㎡で600~850万円、80㎡で900万~1,700万円が費用相場です。

同じ面積でもグレードなどによって大きな差があるため、自身が希望するリノベーションがどのぐらいの費用になるか早めに調べておきましょう。

例えば、同じ面積でも既存の設備をどこまで生かすのか、全面的に工事をするかでも異なり、当然、全面的に工事をするほうが多くの費用が必要です。

リフォームやリノベーションの一般的な流れ・進め方

リフォームやリノベーションを成功させるには、事前の準備と流れを把握することが重要です。基本的な進め方は共通していますが、工事の規模や依頼先、物件の種類によって若干異なる場合もあります。

以下は、リフォームとリノベーションの一般的な流れや進め方です。

ステップ1:
  • 要望や目的を整理し、優先順位を明確にする
ステップ2:
  • 施工会社や工務店への相談・現地調査の依頼をする
ステップ3:
  • プラン提案・見積もりの比較・調整を行う
ステップ4:
  • 詳細設計とスケジュール調整、アフターサービスの内容など最終確認を行い、契約締結
ステップ5:
  • 工事(解体・施工・内装など)に取りかかる
ステップ6:
  • 完工後の引渡しを行う

大規模なリノベーションの場合は、仮住まいや引越しが必要になることもあります。そのため、早めにスケジュールを検討することが大切です。

リフォームとリノベーションどちらを選べば良い?後悔しないための選び方

リフォームとリノベーションの違いを理解したものの、それでもどちらを選ぶべきか悩んでしまうことがあるかもしれません。

それぞれに向いているケースがあるため、自分の目的やライフスタイルに合った選択が大切です。

リフォームが向いているケース

例えば、以下のようなことを希望する場合は、リフォームが向いていると考えられます。

  • 老朽化したキッチンや浴室などの設備を更新したい
  • 間取りや構造には満足しており大きな変更は求めていない
  • 予算を抑えて部分的な改修を行い快適な住環境に整えたい
  • 数日~数週間程度と、比較的短期間で工事を終えたい
  • 家に住みながら改修を行いたい
  • マンションや集合住宅など、物件の構造的制約が多い
  • 原状回復を目的とした修繕が中心の改修を行いたい

リフォームは主に「部分的な改修」に適しており、生活の不便を解消するための手段として手軽に導入しやすい点が特徴の一つです。

リノベーションが向いているケース

以下のような場合は、リノベーションが向いていると考えられます。

  • 中古住宅や中古マンションを購入し、自分好みに作り替えたい
  • 家族構成やライフスタイルの変化に応じて間取りを大幅に変更したい
  • デザイン性や利便性にこだわった理想の住空間を作りたい
  • 長く安心して住めるように断熱性や耐震性を高めたい
  • 資産価値を高めたい、または賃貸や売却に備えたい
  • 自由度の高いリフォームを求めるものの、規模的に制限があると感じている

リノベーションは「住まい全体の再構築」を行うことが可能なため、長期的な視点で理想の住環境を手に入れたい方に有効です。

リフォームとリノベーションの違いに関するよくある質問

ここでは、リフォームとリノベーションにおいて、特によくある3つの疑問に答えながら、違いへの理解を深めるポイントを紹介します。

「スケルトンリフォーム」はリノベーション?

スケルトンリフォームとは、建物の柱や梁などの構造体だけを残し、内装や設備、配管などをすべて撤去して一新する大規模な工事です。

名称には「リフォーム」が使われますが、その工事内容は間取り変更や性能向上を含むことが多く、実質的には「リノベーション」と見なされることが一般的です。

最近では、内装や壁、屋根などをすべて取り払い、建物の躯体構造のみ(スケルトン状態)にしてからリノベーションを行う「フルリノベーション」も注目されています。

工事の規模が大きく、設計の自由度も高いため、リフォームとリノベーションの区分に迷う場合は、施工会社に確認するのが確実です。

リフォームやリノベーションは賃貸でもできる?

賃貸物件では、原則として借主が単独で大規模な改修工事を行うことはできません。

壁紙の張り替えや棚の設置といった軽微な修繕であれば、大家や管理会社の許可を得ることで認められるケースもあります。

ただし、賃貸では「原状回復」が基本ルールであるため、工事内容に関しては事前確認が必要です。

住宅ローン控除はどちらでも使える?

住宅ローン控除は、条件を満たせばリフォーム・リノベーションのどちらにも適用できる可能性があります。

対象となる工事として挙げられるのは、耐震補強や省エネ改修、バリアフリー化などです。

ただし、適用には登記面積・年収などの細かな要件があるため、事前に制度内容をよく確認し、必要に応じて専門家に相談しましょう。

リフォーム・リノベーションなら!りそなの「リフォームローン」がおすすめ

女性

りそなのリフォームローンは、リフォームのためにご利用できるローンです。借入可能額は10万円~1,000万円までで、1万円単位でもご利用いただけます。

また、リフォームだけでなく、用途がリノベーションの場合でもご利用可能です。上限は1,000万円のため、費用が借入額上限を上回ってしまうかもしれませんが、その際は自己資金と併用してご利用ください。

りそなのリフォームローンの返済期間は最大15年となっています。国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」で発表されているリフォーム費用の平均返済期間は9.6年のため、多くの方にとって十分な返済期間を設定できるはずです。

さらにお借入金利に年0.3%を上乗せいただければ、団体信用生命保険にも加入できるほか、特定の条件を満たしているお客さまには、金利特典もございます。

※関西みらい銀行の借入可能額は10万円~1,500万円です。解体資金は借入可能額が異なりますので、詳細はホームページにてご確認ください。

参考:国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」

まとめ

リフォームとリノベーションには、工事の規模や費用、自由度などの違いがあります。それぞれの違いを理解したうえで、自分の理想をかなえられるほうを選択することが大切です。

また、条件を満たすことで住宅ローン控除が適用されます。工事内容や借入先、登記面積など、適用条件は細かく設定されているため注意が必要です。

理想の住まいづくりを検討中の方は、自己資金と合わせて、りそなのリフォームローンの活用も選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

また、「りそなグループアプリ」の利用で、インターネットで返済状況や残高の確認ができ、管理がしやすい特徴があります。これからリフォームローンを検討される方は、ぜひりそなのリフォームローンをご利用ください。

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本記事は2025年9月25日の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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