私立学校の学費はいくら?就学支援金制度の概要・学費の準備方法も解説

2023/02/16最終更新

私立学校の学費はいくら?就学支援金制度の概要・学費の準備方法も解説

子どもを私立学校に通わせるうえで、「学費平均額はいくら必要か?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。私立学校の学費平均額は、公立学校よりも高い傾向である一方、独自のカリキュラムで子どもが学べるなどのメリットもあります。

計画的に学費を支払い、家計の負担を少しでも減らすためにも、学費を準備する方法について把握しておくことが大切です。

今回は、私立学校の学費平均額を、公立学校との違いも交えながら紹介します。併せて、「高等学校等就学支援金」制度の概要や、学費の準備方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強をはじめる。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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私立学校の学費はいくら?公立学校との違いとは

私立学校の学費はいくら?公立学校との違いとは

まずは、幼稚園から大学までの私立学校の学費平均額を、公立学校との違いも交えながら解説します。

なお、幼稚園から高校までは文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」を参照しています。後述する「年間学費平均額」と「学費総額」は参照したデータが異なるため、一致しない場合があります。大学では日本政策金融公庫「令和3年度『教育費負担の実態調査結果』」のデータを参照しています。

【幼稚園】私立・公立の
学費平均額

幼稚園の学費平均額は3~5歳まで通った場合、私立が158万4,777円、公立が64万9,088円です。1年あたりの平均額は、私立が52万7,916円、公立が22万3,647円で、私立は公立に対して約2.4倍の学費がかかる計算です。

また、学費は以下のような項目に分けられることも特徴です。

  • 学校教育費:授業料や通学関係費などを含めた費用
  • 学校外活動費:学習塾や芸術文化活動などにかかる費用
  • 学校給食費:子どもが食べる給食の食材購入にかかる費用

幼稚園の項目別の平均費用は、以下のとおりです。

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  年間学費平均額 学校教育費 学校外活動費 学校給食費 学費総額
(3歳~5歳)
私立 52万7,916円 33万1,378円 16万5,658円 3万880円 158万4,777円
公立 22万3,647円 12万738円 8万3,895円 1万9,014円 64万9,088円

いずれの平均費用に関しても、公立よりも私立のほうが高く、学費として負担の大きいことがわかります。

【小学校】私立・公立の
学費平均額

小学校の学費平均額は6年間で、私立が959万2,145円、公立が192万6,809円です。1年あたりの平均額は、私立が159万8,691円、公立が32万1,281円で、私立は公立に対して約5.0倍の学費がかかります。

また、項目別の平均費用は以下のとおりです。

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  年間学費平均額 学校教育費 学校外活動費 学校給食費 学費総額
(6年間)
私立 159万8,691円 90万4,164円 64万6,889円 4万7,638円 959万2,145円
公立 32万1,281円 6万3,102円 21万4,451円 4万3,728円 192万6,809円

学校給食費には大きな差がない一方、学校教育費は約14.3倍もの差が発生しています。

【中学校】私立・公立の
学費平均額

中学校の学費平均額は3年間で、私立が421万7,172円、公立が146万2,113円となっています。1年あたりの平均額は、私立が140万6,433円、公立が48万8,397円で、私立は公立に対して約2.9倍の学費がかかる計算です。

項目別の平均費用は、以下のとおりです。

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  年間学費平均額 学校教育費 学校外活動費 学校給食費 学費総額
(3年間)
私立 140万6,433円 107万1,438円 33万1,264円 3,731円 421万7,172円
公立 48万8,397円 13万8,961円 30万6,491円 4万2,945円 146万2,113円

学校給食費は私立よりも公立のほうが平均費用は高い一方、学校教育費は私立が約7.7倍も高い結果です。

【高校】私立・公立の
学費平均額

高校の学費平均額は3年間で、私立が290万4,230円、公立が137万2,072円です。例えば、幼稚園から高校まですべて私立学校に通った場合の学費総額平均は、1,829万8,324円。一方、すべて公立学校に通った場合の学費総額平均は541万82円のため、約3.4倍も差があります。

また、1年あたりの平均額は、私立が96万9,911円、公立が45万7,380円で、私立は公立に対して約2.1倍の学費がかかります。

項目別の平均費用についても見てみましょう。

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  年間学費平均額 学校教育費 学校外活動費 学費総額
(3年間)
私立 290万4,230円 71万9,051円 25万860円 96万9,911円
公立 137万2,072円 28万487円 17万6,893円 45万7,380円

※高校では「学校給食費」が除外

学校教育費は約2.6倍、学校外活動費は約1.4倍、私立のほうが公立よりも高い結果です。とはいえ、特に高校での学習期間は将来の進路にも大きく影響する可能性があります。

学費による家計への負担を解消するためには、補助金制度や教育ローンなどでやりくりすることが大切です。詳しい内容は後述するので、ぜひ参考にしてください。

【大学】私立・国公立の
学費平均額

大学の学費平均額は、私立大学理系が821万6,000円、私立大学文系が689万8,000円、国公立大学が481万2,000円という結果です。国公立と私立の学費平均額を比べると、私立大学理系で340万4,000円、私立大学文系で208万6,000円の差があります。

幼稚園から高校までの学費平均額と同様、国公立大学と比べて私立大学のほうが高い傾向です。

また、1年あたりの平均在学費用は、私立大学理系が183万2,000円、私立大学文系が152万円、国公立大学が103万5,000円です。

さらに、自宅外通学をはじめるための費用は、1人あたり38万7,000円かかるため、一人暮らしの資金なども準備しておかなければなりません。

私立学校に通う
3つのメリット

私立学校に通う3つのメリット

子どもが私立学校に通うメリットには、おもに以下の3点が挙げられます。

  • 学校独自のカリキュラムで学べる
  • 教育設備が整っている
  • 先生の異動が少なく信頼関係を育みやすい

上記のなかでも大きなメリットは、学校独自のカリキュラムのもとで子どもが学べる点です。例えば、英語教育に力を入れている学校や、難関校の受験に力を入れている学校など、私立学校ならではの特色があるため、子どもの教育方針に合わせた学校選びができます。

特に高校の場合は、進学校に入学することで大学受験に特化したカリキュラムで学ぶことが可能です。場合によっては、学年を先取りして授業を進める「中高一貫校」に入学することで、大学入試に向けた対策が取りやすくなります。

「高等学校等就学支援金」制度とは?無償化される?

「高等学校等就学支援金」制度とは?無償化される?

続いて、「高等学校等就学支援金」制度の特徴や、支給額について解説します。

平均的な授業料が
「実質無償化」される

「高等学校等就学支援金」制度とは、全国の私立高校の平均的な授業料を実質無償化できる制度のことです。授業料を支援する国の制度のため、返済の必要がありません。

2020年4月より、年収約590万円未満の世帯を対象に、私立高校(全日制)の就学支援金上限額が39万6,000円へ引上げられました。ちなみに、私立高校(通信制)の上限は29万7,000円、国公立の高等専門学校(1~3年)の上限は23万4,600円です。

ただし、学校によって授業料には差があるため、平均よりも授業料が高い場合、差額は自己負担しなければなりません。

条件によって支給額は異なる

「高等学校等就学支援金」制度の支給額は、世帯年収や子どもの人数によって変わります。具体的には、以下の計算式(保護者が両親2人の場合は合計額)を用いて判定が実施されます。

  • 計算式:市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額(※)
    • 政令指定都市の場合は、3/4を乗じて計算

上記の計算式による算出額が15万4,500円未満の場合、支給額は最大39万6,000円です。一方、算出額が30万4,200円未満の場合、支給額は11万8,800円に減ります。

例えば、両親が共働きで中学生と高校生の子どもが1人ずついる場合、世帯年収約660万円未満で39万6,000円、世帯年収約660万円以上~約1,030万円未満で11万8,800円を支給される可能性があります。

私立学校の学費を
準備する方法

1学費補助の制度を活用する

私立学校の学費をまかなうために、学費補助の制度を活用する方法があります。例を挙げると、母子家庭や父子家庭、もしくは父母のいない子どもの場合、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」を利用し、修学資金の貸付けを受けられます。

貸付けを受けることで、高校や大学の授業料や書籍代、交通費などへの使用が可能です。また、貸付期間は就学期間中で、償還期間は20年以内(専修学校の一般過程の場合は5年以内)のため、事前に計画を立てておけば余裕を持った返済も可能でしょう。

なお、限度額(※)は、高校、専修学校(高等課程)で月額5万2,500円、大学で月額14万6,000円です。
※私立学校へ自宅外通学する場合の限度額

2特待生制度を活用する

私立学校によっては「特待生制度」が設けられているため、学費の負担軽減が可能です。特待生制度とは、入学金や授業料、施設費などが減額、もしくは免除される制度で、学校によって減額・免除の対象となる費用は異なります。

なお、特待生として認定される方法は、おもに以下の3つです。

  • 入学試験の結果による認定
  • 内申書による認定
  • 入学後の成績による認定

上記からもわかるように、特待生として認定されるには、試験や内申書の成績がいずれも上位でなくてはなりません。また、特待生の認定を継続させるために、1年ごとに審査が実施される学校も多いので、一定レベルの学力維持は不可欠といえます。

3教育ローンを利用する

私立学校の学費を準備するため、教育ローンを利用するのも一つの手です。教育ローンなら、子どもの教育に必要な入学金や授業料、教科書代、アパート資金など幅広い用途に使えます。

教育ローンは大きく2種類に分かれており、金融機関や信用金庫などが運営する「民間の教育ローン」と、日本政策金融公庫が運営する「国の教育ローン」があります。

例えば、りそなの教育ローンなら、世帯年収の上限なしで、借入上限は最大1,000万円(学部によっては最大2,000万円)と高額の借入れも可能です。一方、国の教育ローンの場合、世帯年収に上限があり、借入上限は最大350万円(一定の要件を満たせば最大450万円)の借入れとなっています。

このように、民間の教育ローンと国の教育ローンは借入上限などに違いがあるため、ニーズに応じて選ぶことが大切です。

まとめ

まとめ

幼稚園から大学にかけて、私立学校の学費平均額は公立学校よりも高い傾向にありますが、独自のカリキュラムがある私立学校では大学入試対策を行いやすいなどのメリットがあります。

学費を計画的に管理するためには、学費補助制度や教育ローンをうまく活用することが大切です。

りそなの学生向け教育ローンは、1,000万円まで一括での借入れが可能な「証書貸付タイプ」と、1,000万円まで回数制限なしで借入れが可能な「当座貸越タイプ」の2種類から選べます。

また、入試合格前や入学後も教育ローンの申込みが可能なうえ、以下のように幅広い資金ニーズに対応していることも特長です。

  • 入学金・授業料・教科書代・制服代・アパート敷金などの教育費用
  • 他社教育ローンの借りかえ資金(※1)
  • 申込日から3ヵ月前までの期間中で、学校などに自己資金でお支払済みの教育費用(※2)
    • ※1りそなグループ各社でご利用中の教育ローンの借りかえはできません。
    • ※2納付書、領収書などでお支払いが確認できるものに限ります。

なお、りそなの住宅ローンをご利用の場合、教育ローンの金利優遇を受けられるケースもあります。

また、「りそなグループアプリ」の利用で、インターネットで返済状況や残高の確認ができ、管理がしやすい特徴があります。

私立学校の学費の準備に悩んでいる方は、ぜひりそなの教育ローンをご検討してみてください。

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本記事は2023年2月16日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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