キャッシュレス決済とは?それぞれの種類とメリットデメリットを解説

現金払いからキャッシュレス決済に移行している人が増えています。政府が実施したキャッシュレス・ポイント還元制度をはじめ、キャッシュレス決済には現金払いにないメリットが多くあるからでしょう。

キャッシュレス決済の種類は大きく分けて「クレジットカード」「デビットカード」「QR決済」の3つ。どれも似ているようで、異なる特徴を持っています。本稿では、それぞれの種類やメリット、デメリットについて解説します。

キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、文字通り「Cash(現金)」を「Less(少なくする)」ことを目的とした決済方法です。経済産業省が平成30年に公表した「キャッシュレス・ビジョン」のなかでは、「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」と定義されています。

人の経済交流は、長い間「現金」をもとにおこなわれてきました。その現金を「電子マネー」という形のないお金に換え、新たな経済交流をしようと考え出されたのがキャッシュレス決済です。

初めてキャッシュレスによる決済方法が生まれたのは、1950年頃。きっかけは、あるアメリカの実業家がレストランでの支払い時に財布を忘れたことでした。そのことから、財布がなくても支払いできるシステムを考え出し、クレジットカードが誕生しました。

日本ではその10年後の1960年にクレジットカード会社が初めて設立されました。高度成長期の最中で人々の消費行動も活発となり、そのあとも数々のクレジットカード会社が設立されました。

その後も、決済時に銀行口座から即時引落としされるデビットカードや、最近ではスマホを活用したQR決済など、さまざまなキャッシュレス決済手段が増えています。

キャッシュレス決済の機械的な仕組みについて

現代では多くのキャッシュレス決済が存在しますが、その仕組みは以下の3種類に分けられます。

接触IC決済

クレジットカードやデビットカードなど、カードに組み込まれているICチップを読み込んで支払いをおこないます。レジで会計をする際、店員が端末にカードを差し込んで暗証番号を入力した経験がある人は多いでしょう。

このような方法でICカードのデータを端末で読み取り、決済する方法を「接触IC決済」といいます。

非接触IC決済

非接触IC決済は、近接型非接触IC技術(NFC・FeliCaなど)を用い、専用端末にかざすことでICを読み取って決済します。NFC、FeliCaに対応したスマートフォンやICカードがこの方法を採用しており、代表的なものとしては、SuicaやPASMOといった交通系ICカードが挙げられます。

また、スマートフォンでは、Apple PayやGoogle Payなどがこの方法を採用しています。さらに最近ではクレジットカードのなかにも非接触IC決済に対応しているものが出てきています。

QR決済

QR決済は、近年急速に普及している新しい決済方法です。あらかじめスマートフォンにインストールしておいた決済アプリを使って、QRコードによって決済をおこないます。利用する際の具体的な方法は、以下の2つです。

  • レジでの決済時にスマートフォンの決済アプリを立ち上げQRコードを表示した画面を店側に読み取ってもらう
  • 店側のQRコードやバーコードを自分のスマートフォンで読み取る

PayPayやLINE Payなど、最近よく耳にする「○○Pay」と名のついた多くの決済がこの方法を採用しています。

キャッシュレス決済の清算方法も3つ存在する

キャッシュレス決済をしたときの清算方法についても見ていきましょう。主に以下の3種類の方法があります。

前払いタイプ

あらかじめ電子マネーなどに「お金をチャージ」しておき、そのチャージしたお金を使って支払いをするタイプです。SuicaやPASMOをイメージするとわかりやすいでしょう。チャージ分が少なくなってきたら追加でチャージして利用します。

なお、サービス業者によっては、クレジットカードと連携させることでオートチャージができる機能を付帯しているところもあります。

即時払い(即時振替)タイプ

レジで支払いがされると同時に、銀行口座から決済金額が引落としされるタイプです。当然ですが、銀行口座の残高の範囲内でしか利用できません。代表的なものとしては、銀行が発行しているデビットカードが挙げられます。また、最近増えてきているQR決済の一部のサービスでも即時払いタイプのものがあります。

後払いタイプ

購入時に口座からお金を引落としせず、指定の日にそれまでの利用決済額がまとめて引落とされるタイプです。代表的なのものとしては、クレジットカードが挙げられます。

クレジットカードを申し込む際は、収入や職業状況などの審査がおこなわれ、発行されたカードには信用度に基づいた与信枠(利用限度枠)が設定されます。この与信枠の範囲内であれば、少額から比較的大きな金額の支払いも可能です。なお、QR決済のなかでクレジットカードと紐付けしているものは、クレジットカードによる精算となります。

キャッシュレス決済のメリット

ここでは、キャッシュレス決済を利用するメリットを見ていきましょう。これまで説明したようにキャッシュレス決済にはさまざまな種類がありますが、ここではキャッシュレス決済を「クレジットカード」「デビットカード」「QR決済」と仮定した場合で紹介します。

支払いの手軽さ(タイムレス)

「現金を財布から取り出し、金額を確認し、お釣りをもらう」という一連の作業がありません。カードやスマートフォン端末をかざすだけで決済処理されるため、支払いをスピーディーにおこなうことができます。

例えば、時間が限られている昼休みにコンビニや飲食店を利用する人であれば、レジでスムーズに決済ができるだけでその便利さが実感できるでしょう。また、そもそも現金を持ち歩く必要がないため、ATMなどでお金を下ろす手間も省くことができます。手数料の節約にも繋がりやすいといえるでしょう。

ポイント還元

カード会社やスマートフォン決済の多くのサービス業者は、ポイント還元制度を実施しています。還元率は決済事業者によってさまざまですが、キャンペーンなどで還元率が大幅に上がることもあります。たまったポイントは、そのまま電子マネーとして利用できたり、決済事業者が提供しているギフト品と交換できます。

支払い管理のしやすさ

これまで紙の家計簿をつけていた方にとっても、キャッシュレス決済はメリットがあるでしょう。家計簿をつける際は、別途レシートを保存したり、書き込んだりといった手間が発生しますが、ほとんどの電子マネーは支払い情報がすべてデータ化され履歴として残っています。そのため、このような手間をかける必要がありません。なかには、レジで支払い後、すぐにアプリで確認できるものもあるため、家計管理がしやすいのです。

キャッシュレス決済のデメリット

キャッシュレス決済を利用することのデメリットについても、しっかりと押さえておきましょう。上記同様、「クレジットカード」「デビットカード」「QR決済」と仮定した場合で考えます。

セキュリティ問題が付きまとう(クレジットカード・デビットカード)

スキミングによるカード不正利用の事件があとを絶ちません。これは、カード情報を不正に入手する方法で、「知らないうちに自分のクレジットカードが支払いに使われていた」というトラブルです。

不正利用に気づいた場合は、速やかにカード会社に連絡するようにしてください。また、キャッシュレス決済をおこなう際は、決済利用時にメール通知が来るよう事前に設定しておくのも重要です。そうすれば、万が一不正に利用されても、すぐに気づくことができます。

また、多くのカード会社は不正利用に対して補償制度があることも覚えておきましょう。

分割支払いには金利や手数料が発生する(クレジットカード)

クレジットカードは分割払いができるというメリットがありますが、分割払いは手数料や分割に伴う金利が発生する場合があります。分割することで一回の支払い額を抑えることができるため、支払い負担が軽くなると思う方もいますが、度が過ぎると毎月の引落とし額が自分の支払い能力を超える恐れがあります。

年会費が発生する可能性がある(クレジットカード・デビットカード)

カード会社によっては、年会費が発生する場合があります。ただし、多くのカード会社は年間の利用額によって年会費を無料にしたり、年会費がある分還元率を高めに設定しているため、一概に年会費がかかることがデメリットとは限りません。年会費があるものは、サービスが充実している場合も多いため、用途や利用額に合わせて選ぶようにしましょう。

スマートフォン紛失に伴う不正利用の可能性がある(クレジットカード、デビットカード、QR決済)

QR決済では、基本的にそのQRに関わるデータはスマートフォンに保存されています。そのため、スマートフォンを紛失すると不正に利用される可能性があります。スマートフォンには二重にロックをかけたり、顔認証や指紋認証といった生体認証の設定を忘れないようにしましょう。

また、既存のQRコードの上から偽物のQRコードを張り付け、不正利用をおこなう「ステッカー詐欺」と呼ばれる詐欺が発生しています。信頼できるQRコードか読み取る前にしっかり確認をする習慣をつけておきましょう。

まとめ

現金を使用することなく支払いを完了させるキャッシュレス決済には、支払いがスピーディーにできるなど、さまざまなメリットがあります。現在は「クレジットカード」以外にも、「デビットカード」や「QR決済」など、その方式も多様化しています。どの種類を利用するかによって、精算が前払い・即時払い・後払いと違ってきますので、それぞれの仕組みや特徴を知って自分に合ったキャッシュレス決済方法を利用するようにしてください。

本記事は2020年3月時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

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