デビットカードの不正利用に補償・返金はある?トラブルの対処法とよくある手口を紹介

キャッシュレス化が進み電子マネーが普及している現代、スキミング犯罪急増のニュースを聞くたびに不安になる人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、デビットカードが不正利用された場合の対処法とよくある手口、事前にできる不正利用対策を紹介します。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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銀行に20年以上勤務し、融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士及び特定社会保険労務士を取得し、退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。
デビットカードが不正利用されて身に覚えのない引落としが……どうすればよい?
デビットカードには、不正利用をされた場合の補償があります。万が一、口座から身に覚えのない引落としを見つけて不正利用が発覚したときには、被害拡大を防ぐためにも慌てずに素早く対処しなければなりません。では、まずは何をすべきか、順に説明します。
すぐに銀行に電話する
デビットカードの不正利用に気づいたら1秒でも早くデビットカードを発行している銀行に連絡して、利用を停止してください。カードの再発行や喪失の手続きは後回しでもかまいません。細かい手続きはあとからでも銀行から教えてもらうことができます。
盗難紛失専用の受付デスクは24時間年中無休です。警察への相談や連絡が必要となることも多いので、どのようにすべきか銀行の指示に従ってください。
警察へ相談する・連絡した履歴を残す
デビットカードの盗難にあったときは損害に対し補償が適用されますが、損害防止や軽減の措置を怠り、警察に届出をおこなわなかった場合には補償されないことがあります。したがってカード保持者は、警察へ連絡し、その連絡した事実を記録として残す必要があります。被害届に記載された日付を思い浮かべる人もいらっしゃるかも知れませんが、実は、カード保持者は被害届を提出することができません。デビットカードの場合、銀行が口座利用者から借りているお金に対する被害となりますので、被害届はカード保持者ではなく、銀行が提出することになります。記録を残す際は、発信履歴をキャプチャーしておくなどして残しておくようにしましょう。
銀行から届く不正利用に関する届出書を記入、返送する
不正利用に関する届出書など銀行所定の用紙が届いたら記入をして返送します。「デビットカードを作成した支店で処理をするのか」「別の専用の窓口で手続きをするのか」は銀行によって異なります。電話で連絡した際に、よく手続きの方法を聞いて、書類を返送してください。
海外でカードの不正利用に気がついたら、サポートデスクへ連絡
海外渡航中にカードを紛失したり盗難に遭った場合は、海外からの相談や緊急時の連絡を受付ける紛失盗難専用のサポートデスクへ連絡をしてください。連絡先は、カードを発行した銀行のホームページに載っていますが、万一に備えて、渡航前に緊急連絡先をメモしておきましょう。
デビットカードの不正利用、補償・返金はしてもらえる?
次にデビットカードが不正利用された場合の補償の内容や返金の時期について説明します。
補償限度額や条件はあるが、不正利用は原則補償される
銀行によって補償の限度額や対応にかかる期間は異なりますが、デビットカードの不正利用は預金者保護法により原則補償を受けることができます。しかし、あくまで原則であるため、被害を受けても補償されないケースもゼロではありません。各銀行の盗難補償規定や補償方針などで、補償の限度額や補償されない場合を細かく定めています。あらかじめ調べておくようにしましょう。例えば、りそなデビットカードの場合は以下のようになっています。
りそなデビットカードの場合
旅先などのトラブルをサポートする保険が付帯。不正利用の補償のほか、カードを利用して海外で購入した品物が破損した場合や、盗難を対象とした保険も付保されているのが特徴です。
- 盗難、偽造カード等が第三者に不正利用された場合の不正利用補償は年間150万円まで
- 年間最大50万円までのショッピング保険(海外利用のみ。購入日より90日間、自己負担額1事故あたり5,000円)
また、海外でカードを紛失した場合には「海外緊急カード」が発行できます。
【要注意】不正利用の補償が適用されないケースもある
以下の場合には「利用者に過失がある」と判断され、補償されない場合もあるので注意が必要です。
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- 1.カードの管理がずさんだった
- 誰でも使える場所にカードを放置していたなど故意または重大な過失によって生じた損害
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- 2.暗証番号の管理がずさんだった
- 暗証番号を書き留めたメモをカードと一緒に持ち歩いていたなど他人に暗証番号を知られないよう管理をしていなかった場合
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- 3.自分以外の人にカードを使わせていた
- 「他人にカードを渡す」「暗証番号を知らせる」などカードの管理に問題がある場合
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- 4.セキュリティ面で問題のある暗証番号を設定していた
- 自分や子供の誕生日、車のナンバー、電話番号など推測されやすい番号を暗証番号に設定していた場合
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- 5.カードの裏面にサインをしていなかった
- カード発行後、所定の署名欄に自署していない場合
デビットカード不正利用のよくある手口~紛失によるなりすましから高度な詐欺まで
近年の詐欺の手口は高度化し非常に巧妙です。銀行は、セキュリティの強化に日々努めていますが、自身でもどういう手口があるのか知っておき、対策をしておくとよいでしょう。
なりすましによる不正利用
カードの盗難・紛失、番号を盗み見られてしまうことで起こります。第三者が不正に入手したクレジットカードの番号を本人になりすまして使用します。EC(電子商取引)事業者からのカード情報漏洩が起因する場合もあります。
フィッシング詐欺
メールやSMSで金融機関などのポータルサイトを装ったサイトのURLを送信し、偽サイトに誘導する手口です。「キャンペーンに当選しました」「カードが無効になっています」などといってカード情報を不正に入手しようとするので、不審なメールは開かないようにする必要があります。
スキミング
専用の装置(スキマー)でカードの磁気データを読みこみ、データを偽造カードにコピーする手口です。この場合、カードが手元にあるので不正利用の発見が遅れるケースが多く、被害が拡大する可能性があります。スキミングの防止ケースを利用するというような対策が必要です。
ネットショッピング詐欺
架空のネットショップのサイトで架空の商品を販売する手口です。カード決済後も商品は届かないので、怪しいサイトから商品を注文しないようにすることが防止策になります。
悪質サイトによる詐欺
悪質なサイトに登録させて、クレジットカードを使いポイントを買わせる手口です。購入者も自分の意思でサイトを利用した負い目から泣き寝入りする被害者も多くいます。
EC事業者による情報漏洩
サイバーアタックによるEC(電子商取引)サイトへの不正侵入で、ネットショップなどに登録された個人情報からカード情報を盗み出し、不正利用する手口です。セキュリティを万全にし、不審な注文の履歴がないかをチェックすることが防止につながります。
デビットカード不正利用の危険性を回避するための対策方法
デビットカードの不正利用対策には、誰にでも簡単に始められるものもありますので紹介します。
貯蓄用のメイン口座を引落とし先にしない
デビットカードは、口座残高の範囲内でしか利用できないため、高額の入金は控えるのも方法の一つです。貯蓄用には定期預金、普段の生活費や公共料金の引落とし口座は家計用と、口座を使い分けることで使いすぎ防止だけではなく、不正利用の危険性回避にもなります。
利用限度額を設定する
デビットカードは、1日・1回・1ヵ月の利用限度額を自由に設定することができます。利用限度額を低めに設定しておくことで、不正利用時の被害額を軽減することが可能です。りそなのデビットカードなら、アプリと連携することで利用限度額の変更がスムーズにできるほか、カードの利用停止も設定可能です。
利用通知メールは必ずすべて確認する
デビットカードは、メールで利用通知が届くよう設定できます。デビットカードの利用履歴は、必ずチェックすることが必要です。メールの利用金額を確認し、身に覚えのない利用通知のメールが来たら、すぐに銀行に被害を連絡して利用停止措置をしてもらいましょう。
海外に渡航予定がなければ、海外利用の機能を停止しておく
デビットカードは、海外でも利用でき現地通貨での引出しも可能です。海外に行く予定がないのであれば、海外利用の機能を「利用停止」に設定することをおすすめします。
各種認証サービスを設定する
例えば、Visa Secureなどをあらかじめ設定する方法があります。これは、Visa Secure参加加盟店でネットショッピングをおこなう際、カード情報とあわせて、お届けの携帯電話番号へ配信されるワンタイムパスワードもしくはお客さまにて事前設定された専用のパスワードを入力することでカードの不正利用を防止するサービスです。なお、りそなデビットカードは、Visa Secureが設定できます。
まとめ
不正利用の手口は高度化し、巧妙になっています。被害にあったとしても補償を受けることはできますが、カードの保管や利用者の重大な過失があると補償されない場合があるので注意が必要です。
また、デビットカードの利用履歴を確認することは、不正利用発見のためにも大切です。もしも身に覚えのない利用履歴を見つけたら、銀行にすぐに電話をして必要な指示を受けてください。これからデビットカードを作る場合は、不正利用補償やショッピング保険など補償内容が充実した、安心して使えるりそなデビットカードがおすすめです。
さらに「りそなグループアプリ」なら、お金の管理もスマートフォンで簡単にでき、万一に備えて限度額の変更も即時可能です。不正利用にもすぐに気がついて対応できる、りそなデビットカードをぜひご検討ください。
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本記事は2020年3月時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。
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