デビットカードの不正利用に補償・返金はある?トラブルの対処法とよくある手口を紹介
公開日:2020/04/03
更新日:2023/09/22

近年キャッシュレス化が進み、デビットカードを利用される方も増え、不正利用も増加傾向にあります。もしも、不正利用に気づいた場合には、まずカード発行会社に連絡することが重要です。
しかし、なんとなく対処方法はわかっていても、実際に身に覚えのない引落しがあると気づいたときに「正しい対処方法がわからない」方もいるのではないでしょうか。
「また被害を受けるのではないか」という不安を解消するためにも、不正利用の手口についても理解を深めておくことをおすすめします。
ここでは、デビットカードが不正利用された場合の対処と併せて、不正利用の手口やリスクを回避する方法を紹介します。
- 私が書きました
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- 主なキャリア
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IT業界に約10年在籍し、銀行・官公庁などの高セキュリティが要求される現場を経験。サイバー攻撃の検知・分析を専門とする組織「SOC」への在籍経験もあり。その経験を元にライティングを行っており、IT・Webの技術記事執筆からセキュリティ対策方法、セキュリティ製品の解説などを専門としている。クレジットカードのセキュリティ関連記事も多数執筆。
- ※りそなグループが監修しています
カードの不正利用被害額の状況
カードの不正利用は誰もが被害に遭う可能性があり、注意しなければなりません。実際の不正利用の状況について、日本クレジットカード協会のデータをもとに紹介します。
一般社団法人日本クレジット協会によれば、2022年のクレジットカードの不正利用による被害額は436億7,000万円で、統計を取り始めた1997年以降最多でした。
被害額の内訳は、番号盗用被害が最も多く411億7,000万円、次いで偽造カード被害が1億7,000万円、その他の不正利用が23億3,000万円となっています。
番号盗用とは、クレジットカード・デビットカードの番号やパスワードなどの情報が盗み取られることです。
クレジットカードやデビットカードは盗難・紛失した場合だけでなく、番号などを知られてしまうことで悪用される可能性があります。
近年は攻撃の手口が巧妙化し、偽のWebサイトに誘導して番号盗用をする「フィッシング詐欺」も横行しています。このような手口の恐ろしいところは、カード情報を入力した本人には騙された自覚がない、という点です。
不正利用の被害に遭わないためには、あなたのカード情報は狙われているということを常に念頭に置き、不正利用の手口や対処方法を事前に理解しておくことが重要です。
デビットカードが不正利用されて身に覚えのない引落としが……どうすればよい?
デビットカードには、不正利用をされた場合の補償があります。万が一、口座から身に覚えのない引落としを見つけて不正利用が発覚したときには、被害拡大を防ぐためにも慌てずに素早く対処しなければなりません。では、まずは何をすべきか、順に説明します。
カード発行会社に電話する
デビットカードの不正利用に気づいたら1秒でも早くデビットカードを発行しているカード発行会社に連絡して、利用を停止してください。
一般的に盗難紛失専用の受付デスクは24時間年中無休です。警察への相談や連絡が必要となることもあるため、その後の対応はカード発行会社の案内に沿ってください。
警察へ相談する・連絡した履歴を残す
デビットカードの不正利用にあったときは損害に対し補償が適用されますが、補償にあたり、警察への届出が条件となる場合があります。なお、被害届を誰が提出するかなど、具体的な対応方法はカード発行会社によって異なります。
また、カード発行会社の規約により補償を受けられる条件として「不正利用被害からの日数」が設定されています。したがって、不正利用に気づいたら早めにカード発行会社に連絡して記録を残すことが重要です。記録を残す際は、スマートフォンで発信履歴のスクリーンショットを撮るなどして残しておくようにしましょう。
カード発行会社から届く不正利用に関する届出書を記入、返送する
不正利用に関する届出書などカード発行会社所定の用紙が届いたら記入をして返送します。「デビットカードを作成した支店で処理をするのか」「別の専用の窓口で手続きをするのか」はカード発行会社によって異なります。電話で連絡した際に、よく手続きの方法を聞いて、書類を返送してください。
海外でカードの不正利用に気がついたら、サポートデスクへ連絡
海外渡航中にカードを紛失したり盗難に遭った場合は、緊急時の連絡を受付ける紛失盗難専用のサポートデスクへ連絡をしてください。連絡先は、カード発行会社のホームページに載っていますが、万一に備えて、渡航前に緊急連絡先をメモしておきましょう。
デビットカードの不正利用、補償・返金はしてもらえる?
次にデビットカードが不正利用された場合の補償の内容や返金の時期について説明します。
補償限度額や条件はあるが、不正利用は原則、補償される
カード発行会社によって補償の限度額や対応にかかる期間は異なりますが、デビットカードの不正利用があった場合は原則、補償を受けることができます。しかし、あくまで原則であるため、被害を受けても補償されないケースもゼロではありません。各銀行の盗難補償規定や補償方針などで、補償の限度額や補償されない場合を細かく定めています。あらかじめ調べておくようにしましょう。例えば、りそなデビットカード(Visa)の場合は以下のようになっています。
りそなデビットカード(Visa)の場合
不正利用の補償のほか、カードを利用して海外で購入した品物が破損した場合のショッピング保険もあるのが特徴です。
- 盗難、偽造カード等が第三者に不正利用された場合の不正利用補償は年間150万円まで
- 年間最大100万円※までのショッピング保険(海外利用のみ。購入日より90日間、自己負担額1事故あたり5,000円)
- ※カードのランクが〈プレミアム〉の場合は国内・海外とも年間最大100万円までショッピング保険の補償対象
また、海外でカードを紛失した場合には「緊急カード」が発行できます。
【要注意】不正利用の補償が適用されないケースもある
以下の場合には「利用者に過失がある」と判断され、補償されない場合もあるので注意が必要です。
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- 1.カードの管理がずさんだった
- 誰でも使える場所にカードを放置していたなど故意または重大な過失によって生じた損害
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- 2.暗証番号の管理がずさんだった
- 暗証番号を書き留めたメモをカードと一緒に持ち歩いていたなど他人に暗証番号を知られないよう管理をしていなかった場合
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- 3.自分以外の人にカードを使わせていた
- 「他人にカードを渡す」「暗証番号を知らせる」などカードの管理に問題がある場合
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- 4.セキュリティ面で問題のある暗証番号を設定していた
- 自分や子供の誕生日、車のナンバー、電話番号など推測されやすい番号を暗証番号に設定していた場合
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- 5.カードの裏面にサインをしていなかった
- カード発行後、所定の署名欄に自署していない場合(※カードに署名欄がない場合を除く)
デビットカード不正利用のよくある手口
近年の詐欺の手口は巧妙化しています。銀行は、セキュリティの強化に日々努めていますが、自身でもどういう手口があるのか知っておき、対策をしておきましょう。
盗難・紛失
カードの盗難・紛失や、番号を盗み見られてしまうことで、第三者が不正に入手したクレジットカードの情報を本人になりすまして使用します。EC(電子商取引)事業者からのカード情報漏洩が起因する場合もあります。
フィッシング詐欺
メールやSMSで金融機関などのポータルサイトを装ったサイトのURLを送信し、偽サイトに誘導する手口です。「キャンペーンに当選しました」「カードが無効になっています」のほか、「セキュリティ強化」「アカウント再設定」などといってカード情報を不正に入手しようとするので、不審なメールは開かないようにする必要があります。
フィッシング詐欺で用いられるメールやホームページは、一見しただけでは本物と見分けがつかないほど巧妙に作られています。
メールやSMSに記載されているリンクからはアクセスしないようにしてください。仮にアクセスしたとしても、カード番号や暗証番号等の情報は入力しないようにしましょう。お気に入り(ブックマーク)などに正しいサイトを登録しておき、そこからアクセスするようにすると安全です。
スキミング
専用の装置(スキマー)でカードの磁気データを読みこみ、データを偽造カードにコピーする手口です。この場合、カードが手元にあるので不正利用の発見が遅れるケースが多く、被害が拡大する可能性があります。スキミングの防止ケースを利用するというような対策が必要です。
近年のカードにはICチップが搭載されているため、カードの偽造は従来よりも困難になりました。しかし、防犯性能が向上したとはいえリスクがゼロになったわけではないため、十分に注意する必要があります。
ネットショッピング詐欺
架空のネットショップのサイトで架空の商品を販売する手口です。カード決済後も商品は届かないので、怪しいサイトから商品を注文しないようにしましょう。
悪質サイトによる詐欺
悪質なサイトに登録させて、クレジットカードを使いポイントを買わせる手口です。購入者も自分の意思でサイトを利用した負い目から泣き寝入りする被害者も多くいます。
EC事業者による情報漏洩
サイバー攻撃によるEC(電子商取引)サイトへの不正侵入で、ネットショップなどに登録された個人情報からカード情報を盗み出し、不正利用する手口です。
インターネットの普及により、今や誰もが気軽にネットショッピングを利用しています。しかし、なかには十分にセキュリティ対策がなされていないECサイトもあるため注意が必要です。
EC事業者からカード情報などが漏洩した場合、本人に気づかれないように少額で不正利用をしているケースも増えています。
このような不正利用は、今後も早期の発覚を逃れるために続くと考えられ、EC事業者だけでなく利用者としても対策が必要です。セキュリティを万全にし、不審な注文の履歴がないかを定期的にチェックすることをおすすめします。
QRコードを利用した詐欺
QRコードを活用したキャッシュレス決済の支払方法に、デビットカードを登録している方もいるでしょう。QRコードで決済する際には、「QRコードの盗撮」に注意する必要があります。
また、QRコード決済サービスを装ったフィッシングメールや、QRコード決済サービスに対する不正アクセスなどのリスクもあります。
知らない送信元から受け取ったメールに記載されているQRコードには安易にスキャンしないようにしましょう。
フリーWi-Fiによる情報漏洩
ECサイトなどでデビットカードを利用する際には、フリーWi-Fiによる情報漏洩のリスクについても知っておきましょう。コンビニや空港、カフェなどで利用できるフリーWi-Fiのなかには、通信内容が暗号化されていないものもあります。
暗号化されていない通信をしていると、個人情報やパスワードなどの重要な情報が盗まれ、なりすましや不正アクセスの被害に遭うリスクがあるのです。
また、通信内容を書き換えられて不正なWebサイトに誘導され、ウイルス(マルウェア)に感染してしまう可能性も考えられます。
このようなリスクを回避するためにも、フリーWi-Fiを利用する際には、ネットワークが暗号化通信(TLS)であることを確認してください。加えて、提供元が明確でないフリーWi-Fiは利用しない、という対策も有効です。
デビットカード不正利用の危険性を回避するための対策方法
デビットカードの不正利用対策には、誰にでも簡単に始められるものもありますので紹介します。
貯蓄用と家計用の口座を使い分ける
デビットカードは、口座残高の範囲内でしか利用できないため、高額の入金は控えるのも方法の一つです。貯蓄用には定期預金、普段の生活費や公共料金の引落し口座は家計用と、口座を使い分けることで使いすぎ防止だけではなく、万が一の不正利用の場合の被害軽減につながります。
利用限度額を設定する
デビットカードは、1日・1回・1ヵ月の利用限度額を自由に設定することができます。利用限度額を低めに設定しておくことで、不正利用時の被害額を軽減することが可能です。りそなのデビットカードなら、アプリと連携することで利用限度額の変更がスムーズにできるほか、カードの利用停止も設定可能です。
利用履歴は必ずすべて確認する
デビットカードは、アプリやメールで利用通知を確認できます。デビットカードの利用履歴は、必ずチェックすることが必要です。身に覚えのない利用履歴があればすぐにカード発行会社に連絡して利用停止措置をしてもらいましょう。
海外に渡航予定がなければ、海外利用の機能を停止しておく
デビットカードは、海外でも利用でき現地通貨での引出しも可能です。海外に行く予定がないのであれば、海外利用の機能を「利用停止」に設定しておくことをおすすめします。なお、りそなデビットカード(Visa)の海外利用は、初期設定で「利用停止」になっています。
りそなデビットカード(Visa)の不正利用対策
デビットカードの不正利用に気づいた場合には、即座に対応することが重要です。りそなデビットカード(Visa)では、24時間365日体制で不正検知モニタリングを実施しています。
また、不正と思われる取引が検知できなかったとしても、カードの盗難や紛失時にカード機能を止めるための窓口も24時間受付けているため、万が一の場合でも即座に対応可能です。
海外でのカード盗難・紛失時には、一時的に仮のデビットカードを緊急再発行する仕組みもあり、海外でデビットカードを利用する機会がある方でも安心してご利用いただけます。
その他、りそなデビットカード(Visa)には、安全なネットショッピングを目的とした本人認証サービスであるVisa Secureが付帯されています。
Visa Secure参加加盟店でネットショッピングをおこなう際、取引状況に応じて、お届けの携帯電話番号へ配信されるワンタイムパスワードもしくはお客さまにて事前設定された専用のパスワードを入力することで、第三者のなりすましなどのカードの不正利用を防止することが出来ます。
さらに、りそなグループアプリを利用すれば、自身でカード機能を停止することも可能です。アプリを使うことで迅速に対応できるため、被害を最小限に抑えられるでしょう。
まとめ
不正利用の手口は高度化し、巧妙になっています。被害にあったとしても原則、補償を受けることはできますが、カードの保管など利用者自身に重大な過失があると補償されない場合があるので注意が必要です。
今後もインターネットショッピングはさらに拡大すると考えられ、不正利用のリスクは常にあると用心しておかなければなりません。
そのため、デビットカードの利用履歴を定期的に確認する、Webサイトで安易にカード番号を入力しない、といった対策を意識づけましょう。
もしも身に覚えのない利用履歴を見つけたら、カード発行会社にすぐに電話をして必要な指示を受けてください。これからデビットカードを作る場合は、不正利用補償やショッピング保険など補償内容が充実した、安心して使えるりそなデビットカード(Visa)がおすすめです。
さらに「りそなグループアプリ」なら、お金の管理もスマートフォンで簡単にでき、万一に備えて限度額の変更も即時可能です。不正利用にもすぐに気がついて対応できる、りそなデビットカード(Visa)をぜひご検討ください。
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本記事は2023年9月22日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。