証券特性線

(しょうけんとくせいせん)

証券あるいはポートフォリオの収益率と市場ポートフォリオの収益率との関係を表す次のような直線を「証券特性線」と呼びます。

ri = αi + βi × rm
ri:ある証券iの収益率
rm:市場ポートフォリオの収益率

αi、βiの係数は過去の証券や市場ポートフォリオの収益データから推計されます。
βiはベータ係数と呼ばれるもので、市場ポートフォリオに対する変動性(リスク)を表わします。βiが1より大きければ市場ポートフォリオよりも変動性が大きく、一方、1より小さければ市場ポートフォリオより変動性が小さくなります。したがって、市場が上昇局面にあるときには1より大きなベータ係数をもつ、逆に市場が下降局面にあるときには、1より小さいベータ係数をもつ証券を保有したり、ポートフォリオを構築することによって、市場ポートフォリオを上回る収益率を狙うことができます。また、マイナスのベータ係数をもつ証券があれば、市場の下降局面でそれを保有することにより、市場ポートフォリオがマイナスの収益率を示すなか、プラスの収益率を確保することも可能となります。
αiは市場ポートフォリオの変動とは無関係に生み出される収益部分を表しています。αiがプラスであるような証券やポートフォリオがあれば、リスクに見合う以上の収益率をあげることができます。