定期預金のメリットとは?デメリットや資産管理方法も併せて解説!

2023/08/25最終更新

定期預金のメリット

定期預金とはどのような預金で、どのようなメリット・デメリットがあるのかご存じでしょうか?定期預金は、一定期間金融機関にお金を預け入れる商品です。

この記事では、定期預金の定義や種類、メリット・デメリット、定期預金のメリットを生かした資産管理方法などについて解説します。

私が書きました
主なキャリア

生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

  • りそなグループが監修しています

定期預金とは

定期預金とは、銀行などの金融機関が提供する金融商品の一つで、1ヵ月~10年程度の期間をあらかじめ指定したうえで、金融機関にお金を預ける商品です。指定できる預入期間は金融機関によって異なり、例えばりそなでは5年が上限となっています。指定した期間(満期)を過ぎるまでは、中途解約しない限り預金を引き出すことはできません。

定期預金は、お金を確保しておきやすく、将来の資産形成や目的が決まっている資金の確保に向いています。

定期預金の主な3つの種類

定期預金には、主に3つの種類があります。以下でそれぞれの特徴について見ていきましょう。

一般定期預金

一般定期預金とは、定期預金のスタンダード商品で、まとまった金額のお金を一括で預けるタイプの定期預金を指します。預入期間は1ヵ月以上10年以内が一般的です。

一般定期預金のうち固定金利の場合は、預け入れた時点での金利が満期日まで適用され、預入金額が300万円未満の場合は「スーパー定期」、300万円以上であれば「スーパー定期300」と呼ばれることがあります。

また、一般定期預金のうち変動金利の場合は、適用される金利が6ヵ月ごとなどで変更されるのが特徴です。

さらに、一般定期預金には、一定期間預ける「定型方式」と、預金者が満期日を自由に決められる「満期日指定方式」があります。

大口定期預金

大口定期預金とは、最低預入金額が1,000万円以上の定期預金です。預入期間は金融機関によって異なりますが、一般定期預金同様に1ヵ月以上10年以内程度で、定型方式と満期日指定方式があります。

退職金や不動産売却で得たお金など、1,000万円以上のまとまったお金を預けたい人に適した商品です。

積立式定期預金

積立式定期預金とは、毎月決まった額を決められた日に、普通預金口座から自動的に振り替えて積み立てていくタイプの定期預金です。毎月の積立額や契約期間などは金融機関によって異なります。

積立式定期預金は、一度金額を設定すれば自動的に積み立てることが可能です。そのため、自分でコツコツと貯蓄をすることが苦手な方や、旅行費や車購入費、住宅購入資金など目標額を決めて貯蓄をしたい方などに向いています。

定期預金の4つのメリット

ここでは、定期預金の主なメリットを4つ紹介します。

1普通預金と比べると金利がやや高い

定期預金 指定した期間は中途解約しないとお金を引き出せないが、普通預金と比べ金利がやや高い

定期預金の金利は、金融機関や預入期間、金額などの条件によって異なります。しかし、同じ金融機関の普通預金よりも、高く設定されていることが一般的です。

そのため、同額を同期間だけ預ける場合は、普通預金よりも定期預金に預けるほうが、より多くの利息を得られるメリットがあります。

しばらく使う予定のないお金であれば、定期預金に預けるのがおすすめです。とはいえ、超低金利時代においては、普通預金と定期預金の金利の差は大きくありません。より多くの利息を期待したい場合は、定期預金に預ける前に、普通預金と定期預金の金利差を確認しておきましょう。

2一定額まで元本保証される(預金保険制度)

定期預金は、預金保険制度の対象となるため、一定限度額まで元本が保証されます。元本が保証されている安全性の高い金融商品を活用することは、将来に向けた資産形成をするうえで大切なポイントです。

預金保険制度では、万が一金融機関が破綻した場合でも、その金融機関に預けている1,000万円までの元本および破綻日までの利息を、預金保険機構が保証してくれます。また、対象となる元本1,000万円は、普通預金(有利子)なども合算した預金額です。

そもそも定期預金は、株式などの投資商品とは異なり、預け入れた一定額の元本が保証されるため安心して資産形成できるというメリットがあります。

また前述の「預金を簡単に引き出せない」という特徴も、「口座に残高があると、ついお金を使ってしまう」といった方にとって浪費を抑制し計画的な資産形成が可能という効果が期待できます。

3将来の予定に合わせて期間を選べる

定期預金の預入期間は、各金融機関が提供しているラインナップのなかから自分で自由に選ぶことが可能です。ラインナップの種類は金融機関によって異なりますが、1ヵ月・3ヵ月・6ヵ月・1年・2年・3年・4年・5年……など、多くの選択肢が提供されています。

短期間から長期間まで選択肢が豊富なため、例えば、以下のように複数の定期預金に分けることもできます。

  • 1年後に予定している車の買替え資金用
  • 5年後の子どもの進学資金用

また、固定金利の定期預金の場合は預入時の金利が適用され、預入額および預入期間に応じて計算された利息が付与されます。あらかじめ、満期時にいくら受け取れるのかを計算できるため、今後のライフプランに合わせた資産形成をするうえでも安心です。

4手数料がかからない

例えば投資信託の場合、購入・保有・売却の各段階で以下のような手数料がかかります(ファンドによって異なります)。

  • 購入時手数料
  • 運用管理費用
  • 監査報酬
  • 売買委託手数料
  • 信託財産留保額 など

その点、定期預金は、預入れ・引出し・中途解約の際に手数料がかからないのも魅力です。

ただ、定期預金を中途解約すると、預入時に定められていた利率とは異なる利率が適用され受け取れる利息が少なくなる場合があるため、注意が必要です。

定期預金にはデメリットもある

定期預金にはいくつかのデメリットもあります。ここでは、主なデメリットを2つ紹介します。

1投資性商品に比べてお金が増えにくい

前述したように、定期預金は普通預金よりも金利が高いとはいえ、超低金利時代においては、あまり差がありません。そのため、定期預金の運用効率は投資信託や株式などの投資性商品に比べると低くお金が増えにくい点はデメリットです。

定期預金の金利は、預入期間が長ければ長いほど、高めに設定される傾向にあります。預入期間が短い場合は、特に資産運用としてのメリットを感じにくくなるかもしれません。

なお、定期預金の金利は、預入期間が1ヵ月や6ヵ月といった1年未満のものでも、年率で表示されている傾向があるため、注意が必要です。

実際には、1年を365日とする日割計算(付利単位1円)した利息が付与されるため、預入期間が短ければ、付与される利息もその分少なくなります。ライフプランのさまざまな資金使途に合わせて、適切な期間を選ぶことは大切です。

必要時期が決まっていないお金の場合は、できるだけ預入期間が長めのものを選ぶとよいでしょう。

2中途解約しないとお金を引出せない

定期預金は原則満期までお金を引き出せないことは前述の通りです。しかし、満期前にお金が必要な場合は、一部解約または中途解約の手続きを取ることが必要です。

中途解約をしても手数料はかかりません。ただし、中途解約をすると、預入時に約束されていた金利ではなく、それよりも低い期限前解約利率が適用されます。金融機関にもよりますが、多くの場合、期限前解約利率は普通預金金利と同じ率です。

そのため、せっかく普通預金金利よりも高い金利を期待して預けても、結局は普通預金として預けた場合と同じ金額の利息しかもらえなくなる可能性もあります。このような事態にならないように、預入期間を選ぶときには将来の予定などをしっかりと確認し、資金の必要時期に合わせるようにしましょう。

年代別で見る資産運用のバナー年代別で見る資産運用のバナー

普通預金や積立式定期預金との違い

ここまで、定期預金のメリットとデメリットについて説明しました。ここであらためて、普通預金と積立式定期預金との違いを確認しておきましょう。

普通預金との違い

普通預金と定期預金の最も大きな違いは、「必要なときにいつでもお金を引き出せるかどうか」です。

普通預金

預金残高の範囲内であれば好きなときに好きなだけ、ATMや金融機関の窓口などでお金を引き出すことができる一般的な預金です。生活費など、すぐに必要になるお金を預けておくのに適しています。

定期預金

中途解約しない限り、満期まで預金を引き出すことができません。満期後の取扱いは、金融機関によっても異なりますが、満期に合わせてお金を引き出したい場合は定期預金に預けていた元金と利息が普通預金口座に入金されるのが一般的です。

積立式定期預金との違い

積立式定期預金と定期預金の最も大きな違いは、「預入れの方法とタイミング」です。

積立式定期預金

一定の金額を定期的に積み立てる預金です。例えば、毎月の指定日に決まった額が普通預金口座から自動振替され、定期預金として積み立てることができます。

また、積立式定期預金は、積立金額の全額を中途解約しなくても、一部だけを引き出すことができます。

定期預金

定期預金は、まとまった金額を一度で預け入れ、満期を迎えた際もその全額を一度に引き出すことになります。

例えば、結婚費用の準備のために、すでにまとまった額がある場合は「定期預金」でお金を確保しておき、これから準備する場合は「積立式定期預金」でコツコツ積み立てると良いでしょう。

定期預金の満期後の選択肢は3つある

定期預金の満期時の取扱いは、預入時に以下の3つの方法から選択します。

元利自動継続

預入時の元金および満期時の利息を合算した金額を元金として、同期間の定期預金を継続する方法です。継続後の定期預金金利は、継続日の金利が適用されます。利息を元金に含んで継続するため、利息が高ければ複利効果が期待できます。

元金自動継続

満期時の利息は普通預金口座に入金され、預入時の元金部分を同期間の定期預金として継続する方法です。継続後の定期預金金利は、継続日の金利が適用されます。

自動解約

定期預金の元金と利息を合算した金額が、普通預金口座に入金されます。普通預金口座に入金された後は、普通預金の金利が適用されます。

定期預金の満期を放置したらどうなる?

続いて、定期預金の満期を放置した際の措置について解説します。

「休眠預金」とみなされる場合がある

満期後の取扱いによっては、休眠預金とみなされる場合があるため、注意が必要です。休眠預金とは、10年間引出しや預入れなどの取引がない預金口座を指します。2019年以降に発生する休眠預金は、預金保険機構に移管後、民間の公益的な活動の支援に活用される仕組みとなっています。

財形貯蓄や外貨預金など、対象外の預金口座もありますが、定期預金や普通預金は休眠預金の対象です。これまで説明したとおり、定期預金の満期後は、自動解約あるいは自動継続のどちらかです。自動継続の場合は、最初に到来する満期日を起点に10年間がカウントされます。

したがって、使う予定がないからと自動継続を繰り返しているうちに、10年間預金を放置したことになる可能性があるのです。

休眠預金になる前に金融機関から通知がくる

預金利息の入金(金融機関による利子の支払い)を除く入出金、残高照会などが「異動」とみなされますが、預金口座を最後に動かしてから9年経過すると、各金融機関のWebサイトで公告が行われます。ただし、異動の定義は金融機関によって異なり、入出金だけに限られている場合や、残高照会も異動に含まれる場合があります。事前に確認しておきましょう。

預金残高が1万円以上ある場合は、休眠預金になるのを防げるように金融機関から郵送やメールで通知が届きます。しかし、金融機関に届け出ている住所に住んでおらず通知を受け取れない場合や、宛先不明によりメールを受け取れない場合などは、気づかないうちに休眠預金になる可能性もあるため、注意しましょう。

休眠預金後でも預金の引出しは可能

定期預金が休眠預金になったとしても、預金の引出しは可能です。ただし、引出しの手続方法は金融機関によって異なるため、各金融機関に問い合わせましょう。

定期預金のメリットを生かした資産管理方法

銀行員の女性

前述のとおり、超低金利時代において定期預金は、運用効率があまり高くありません。しかし、それでも資産形成のツールの一つとしてうまく活用したい金融商品です。ここでは、定期預金のメリットを生かしながら資産運用する方法を紹介します。

預金の種類を3つに分けて
管理する

資産管理をする際には、お金の用途に合わせて預金の種類を以下の3つに分けましょう。

  • 1.生活資金
  • 2.ライフイベントに向けた資金
  • 3.しばらく使う予定のない資金

1生活資金

日常の買い物や家賃・光熱費・電話代などの支払いのため、現金引出し、振込、口座振替などに利用するお金は、いつでも出し入れできるように普通預金で管理しましょう。

2ライフイベントに向けた資金

ライフイベントに向けた資金は、目的が定まっているため、定期預金に預けておくと安心です。普通預金として資金を貯めておくこともできますが、さまざまな口座振替設定がされていると、生活資金として使ってしまう可能性があります。

定期預金であれば、ついお金を引き出してしまうことを防げるだけでなく、元本割れの心配がないため、将来必要となる資金を確実に準備することも可能です。すでにある預貯金を必要時期に合わせて定期預金へ預け替えたり、ボーナスなどのまとまった収入を預け入れたりするのもよいでしょう。

また、積立式定期預金のなかには目標時期(満期日)を決められるものもあるため、毎月コツコツと積み立てていくこともできます。

3しばらく使う予定のない資金

しばらく使う予定のない資金は、3年・5年など長期的な目線で管理・運用を行うことができるということになります。次に紹介するような預金以外の方法も取り入れることによってより効率的に運用できる可能性があります。

分散投資型商品と組み合わせる

定期預金の金利の低さが気になる方は、他の金融商品の活用も検討してみましょう。例えば、定期預金と投資信託の両方で資産形成をしていく方法です。投資信託の収益性によって、定期預金の低金利を補うことを期待できます。

また、定期預金の高い堅実性に、投資信託などの分散投資型商品を組み合わせることで、定期預金だけでは対処しきれない「物価上昇」「インフレリスク」に対応することも可能です。さらに金融機関のなかには、投資信託と定期預金を同時にはじめることで、定期預金金利が大幅に上乗せされる商品もあります。

定期預金を利用するときには、このような金融機関を選び、資産形成の効率性を高めるのもおすすめです。

まとめ

定期預金とは、あらかじめ期間を指定して金融機関にお金を預け入れる商品です。普通預金と比較して基本的に金利が高く、一定額まで元本保証されるなどのメリットがあります。

超低金利時代であっても、投資信託といった商品との組み合わせでインフレリスクを軽減でき、運用効率を高めることが可能です。

さらにりそなグループでは、定期預金と投資信託を組み合わせた「資金運用プラン」も提供しています。定期預金金利の上乗せというメリットもあるので、これから運用を始めてみようという方や、まとまった資金のある方は、将来の資産形成のために活用してみてはいかがでしょうか。

定期預金について相談する!

本記事は2023年8月25日時点の情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場等や市場環境等、制度の改正等を保証する情報ではありません。

目次に戻る

アプリですぐに始められる!定期預金
アプリですぐに始められる!定期預金
アプリですぐに始められる!定期預金
アプリですぐに始められる!定期預金
  • Line
  • このページのURLをコピーする