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Vol.93 遺言執行者とは何か?

Q

遺言を書こうと知人に相談したところ、遺言執行者を指定しておいた方がいいと言われました。遺言執行者とはどういう人のことでしょうか?

Sさん 76歳 男性

A

遺言執行者とは?

 遺言執行者とは遺言の内容を実現する人のことを言います。遺言の内容を実現するには様々な手続が必要です。遺言を書いておけば自動的にその内容が実現されるというわけではありません。遺言の内容を実現するための手続には、遺産の調査・遺産の管理・相続財産目録の作成・不動産の相続登記・預貯金株式等の名義変更や解約・遺産の引渡し等があります。こうした手続を相続人の代理人として行うのが遺言執行者です。(民法第1015条ー遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。)
 遺言者は、遺言執行者を遺言で指定することができます。(民法第1006条)
 遺言執行者は、民法第1012条により「相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。」と定められています。即ち、不動産の名義変更・金融資産の名義変更及び解約等の煩雑な手続は遺言執行者の仕事になり、相続人は直接手続をする必要がなくなります。裏をかえすと、遺言執行者を指定すると、相続人には相続財産を処分する権限がなくなるという意味もあります。
 不動産の名義変更・金融資産の名義変更及び解約等には様々な書類が必要です。特に金融資産を預けている金融機関の数が多いと、手続が煩雑です。それらの手続には不動産・法律・相続税・金融商品等に関係する知識が必要です。できれば遺言執行者は専門家を指定した方がよろしいでしょう。
 遺言執行者の職務は、遺言の内容を確実に実現することにあり、その立場は各相続人の代理人という位置付けですから、全相続人に対して公平な立場で対応しなければなりません。公平な立場で対応するということは、相続人間の利害調整を図ることは許されないということです。

遺言執行者指定のメリット

 遺言執行者を指定することで、多くの相続人は煩雑な相続手続から解放されます。とりわけ、相続人以外の、利害関係のない第三者を遺言執行者に指定しておけば、これに加えて手続に透明性が出て公平感が増すため、次世代への資産移転が、よりスムーズになります。
 遺言執行者には相続財産目録の交付義務があります。相続財産目録とは相続財産の一覧表のことで、遺言の執行対象財産を明確にするためのものです。相続財産目録は非常に重要です。なぜなら、自分の財産のことは分かっていても、親の財産や配偶者の財産の内容をよく知らないことがほとんどだからです。相続手続に相続対象となる財産がもれていては大変です。相続財産目録があり、「相続財産が何か」はっきりと分かっていれば手続も安心して進めることができます。
 利害関係のない第三者が遺言執行者として指定されていることで相続がスムーズに進むのは、例えばこんなケースです。
 ①事情があって相続人同士で直接会って話すことが困難な場合です。遺言執行者経由で話ができるという利点があります。他の相続人へ直接言いにくいことも、第三者経由であれば角がたたずに済むこともあります。このような場合、遺言執行者がいなければ手続は進みません。相続税の申告など期限のある手続もあるので遺言執行者の役割は重要です。
 ②相続手続を相続人自身が行うとその中身が不透明になり、相続人間に不信感が生まれてしまうことが多くあります。金銭に関係する領収書や入出金の記録を残しておかないと他の相続人から相続財産を勝手に費消したと言われ、もめることがあります。利害関係のない第三者が遺言執行者であれば、公明正大な手続を執り行うことで金銭にまつわるトラブルは回避できます。

遺言執行者の指定に際しての注意点

 遺言執行者は、原則として自然人のみならず、法人でもなることができます。(例外:民法第1009条ー未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。)一般的には推定相続人や弁護士、法人では信託銀行等がなるケースが多いようです。
 相続手続には広範な知識が必要になるので、一般の方が全ての相続人に手続の案内や必要書類を説明するのは非常に困難です。実際、遺言執行者に指定された相続人から執行の事務手続を代行してほしいというご依頼も、数多くいただきます。手続の煩雑さ、相続人の人間関係などを考慮すると利害関係のない第三者で「専門家」を遺言執行者に指定しておくのがよろしいかと思います。そのような専門家として信託機能を有する「りそな銀行」は多数の遺言書をお預かりしており、十分なノウハウを蓄積しております。遺言書を作成される場合は是非りそなの「遺言信託」をご利用ください。

(注意事項)

税務の詳細につきましては、所轄の税務署や税理士等の専門家にご相談ください。

(2016年4月現在)

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今回の回答者
りそな銀行ファイナンシャルプランナー 植田 泰生氏
1989年入社後、営業店勤務を経て現職を担当し、10年目。東京本社勤務、宅地建物取引士、1級FP技能士。
 
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