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Vol.92 円滑な事業承継をするために

Q

30年前に会社を設立。事業も順調なので、数年の間に退職をして、余生をのんびり過ごそうと思っています。会社を息子に継がせるにあたってのポイントは何でしょうか。

Aさん 70歳 男性

A

 親族内承継であれば、まずは「人的承継」(後継者の育成、引き継ぎ)と「物的承継」(自社株式の移転)が重要です。また、社長個人の財産(自社株式、社長名義で会社に貸している不動産、会社への貸付金等)は、ご自身の相続にも深く関わってきます。
事業承継問題が相続問題の一部として表面化してしまうことは珍しくありません。会社のことと家族のことを考えると、事業承継とは極めて複雑なことなのです。無策のまま突然の相続を迎えてしまうことだけは避けるべきでしょう。万全な事業承継対策・相続対策は、会社の従業員の方およびそのご家族、さらには後継者を含む社長のご一族をも守ることになります。事業承継対策は、個人の相続対策も考慮して、検討・実行することが重要でしょう。

「人的承継」について

 事業承継計画策定や組織の構築、幹部などの人材育成は短い時間でできるものではなく、長い時間をかけて行っていくものです。後継者に他社で修業を積ませたり、社長としての心構えや会社への想いを伝えること等が必要です。

「物的承継」について

 社長は会社を設立された際に、出資をされて、自社株式を取得されたことと思います。後継者の方はその自社株式も承継しなければなりません。社長にご認識いただきたいことは、非上場株式の評価は出資をした金額そのものではなく、毎期の決算の影響等を受けて算出されることから、思いもよらない高額となる場合があるということです。

「非上場株式の評価方法」

 非上場会社の株式の評価方法は、「利益」「配当」「純資産」の3つの要素を貴社と類似した業種の上場会社平均と比較して株価を算出する「類似業種比準価額方式」と、会社の純資産を基に評価をする「純資産価額方式」が主なものです。もし貴社が長年にわたり利益を計上しているのであれば、すぐに現状の株価を把握しておくべきでしょう。本来会社の利益が出ることは喜ばしいことです。しかし予想外に株価が高く、株式の移転(相続、贈与、譲渡等)の際に多大なコストがかかる可能性があります。また、非上場株式は上場株式と違って市場で売却をすることもできませんし、そうかと言って外部に売却しづらい面があります。いまから将来の株価の上昇を見据えて、現時点での株価で譲渡や贈与を考えることも必要です。

「相続対策」について

 昨年、相続税法が改正され、多くの方が相続対策に関心を持つようになりました。一般的な対策は様々あり、どれを採用するかは個別の判断が必要です。中でも、社長のような企業オーナーの場合、自社株式や会社絡みの不動産など、事業に関わる財産は「後継者が引き継ぐべき」とお考えになることが多く、財産の大半を後継者が相続することに、他の相続人の納得が得られるかという問題があります。さらに後継者には納税資金の確保も大きな課題となります。無策のまま相続を迎えたら、事業に支障をきたすことも考えられます。相続を経験した方の、次のようなお言葉が印象に残っています。「遺産分割協議がとにかく大変だった。会社に関係する財産が多かったけれど、それらを会社に関係のない弟や妹に渡すわけにはいかなかったから。いまだから言えるけど、あの頃は数カ月間仕事が手につかなかったよ」

最後に

 事業承継についての話題は後継者からは切り出しにくいものです。「社長が交代したその時から事業承継は始まっている」とも言われます。社長自らが承継対策の必要性を認識して、お元気なうちに、後継者と共に事業承継に取り組まれてはいかがでしょうか。
りそなグループはお客さまのニーズを伺いながら、お一人おひとりに合わせたプランをご用意します。お気軽にご相談ください。

(注意事項)

税務の詳細につきましては、所轄の税務署や税理士等の専門家にご相談ください。

(2016年2月現在)

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今回の回答者
埼玉りそな銀行ファイナンシャルプランナー 佐藤 究氏
2010年入社。2012年より埼玉りそな銀行プライベートバンキング室所属。現在、羽生支店・岡部支店のお客さまを担当。1級FP技能士。
 
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