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Vol.88 債務が多くても遺産分割で思わぬ相続税が!

Q

私は賃貸マンションの経営をしています。
債務の方が財産より多いのですが、遺産分割の仕方によっては相続税が課税されると聞きました。詳しく教えてください。

Tさん 70歳 男性

A

 賃貸マンションの経営者は、今回のTさんのように借入をして建物を建築される方が少なくないと思います。そして債務が多い場合、相続税は課税されないと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ところが、Tさんが質問されたように、遺産分割の仕方によっては、債務の方が財産より多くても、相続税が課税されるケースがあります。

相続税計算の仕組み

 相続税は、法定相続人が法定相続分通りに相続した場合、被相続人の財産から債務等を控除した後の課税価格が、基礎控除額以下であると課税されません。このことは、多くの方が理解されていることと思います。ただし、実際の課税価格の算出は、まず「各人の課税価格」を計算し、それを合計して課税価格の合計額を算出することになっており、ここにひとつのポイントがあります。
そのポイントとは「各人の課税価格」を計算するところです。この課税価格の計算においては、財産を取得した各人の純資産額(財産から債務等を控除した金額)がマイナスの場合でも「ゼロ」として計算するというルールがあります。このため、純資産額がマイナスになる相続人の取得財産と、プラスになる相続人の取得財産とは通算できないことから、相続税が課税されるケースが生じてくることになるのです。下図をご参照ください。

図

相続税が課税されるケースとは

 賃貸マンションを相続する人がその借入金も一緒に相続することは珍しくありません。特に、後継者が賃貸マンションや自宅を相続し、他の相続人がそれ以外の財産(金融資産などプラスの財産)を相続するケースはよくあるのではないでしょうか。この場合、仮に後継者の純資産額がマイナスであっても、他の相続人が相続した純資産額が基礎控除額を超えると、相続税が課税されることになります。
このように、資産より債務の方が多い場合であっても、相続税が課税されるケースがありますので、相続発生時に相続人がお困りにならないよう、事前に専門家へご相談されることをお勧めします。

遺言書があれば

 いままで申し上げましたように、同じ相続財産でも、遺産分割の仕方によって負担する相続税が違う場合があります。相続税の問題ばかりでなく、そもそも相続が発生した場合、遺言書がなければ法定相続人全員による遺産分割協議により、相続財産の分割方法を定める必要があります。
今回のご質問のように、賃貸物件マンションのオーナーの方であれば、なおさら誰に事業を承継させるかは大きな問題です。遺言書があれば、万が一の場合に、ご自身の財産をどのように承継してほしいかという「想い」を形にして残すことが可能になります。相続税がかかる場合、どのように納税をするかまで検討のうえ作成した遺言書は相続トラブルの防止になるとともに、ご家族からも感謝されることでしょう。お元気なうちにこそ、遺言書の作成を検討されてはいかがでしょうか。

りそなグループでは、ご相続やご遺言・土地活用に関するご相談を承っております。経験豊かなファイナンシャルプランナーが皆さまのお手伝いをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
(注意事項)税務の詳細につきましては、所轄の税務署や税理士等の専門家にご相談ください。

(2015年3月現在)

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今回の回答者
埼玉りそな銀行ファイナンシャルプランナー 鈴木 敏嗣氏
昭和63年入社。平成14年より埼玉りそな銀行プライベートバンキング室所属。現在、三郷支店・八潮支店のお客さまを担当。1級FP技能士。CFP®認定者。
 
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