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Vol.86 生前贈与を上手に活用しましょう!

Q

 平成27年1月より相続税の課税が強化されると聞きました。
それに伴い、生前贈与の話を耳にする機会が増えました。
生前贈与について教えてください。

Aさん 75歳 男性

A

 平成27年からの相続税増税が目前に迫ってまいりました。将来の相続対策として、生前贈与への関心が高まっています。早期に資産を次世代に贈ることで、相続財産の圧縮を図る方法です。贈与税の基礎控除(年110万円)の他、父母や祖父母などの直系尊属から子や孫などへ住宅取得資金や教育資金を非課税で贈与できる制度が創設されました。世代間での資金移転を促して消費を刺激したいという政府の思惑も透けてきますが、せっかくの恩典だけに活用を検討される方も多いようです。

 直系尊属から住宅取得資金の贈与を受ける際、一定の要件を満たすときは一般住宅では500万円、省エネ耐震住宅では1,000万円(平成26年の場合)までは、贈与税がかかりません。もらう側の合計所得金額が2,000万円以下、家屋の床面積が50u以上240u以下といった条件があり、贈与税の申告も必要となります。国税庁によりますと、この「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置」により贈与を受けた人は平成25年には約64,000人いらっしゃったそうです。

 教育資金についても、平成25年4月より直系尊属から一人あたり1500万円までの贈与が非課税になる制度(「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置」)が新設されました。そもそも教育資金は、扶養義務者から必要額をその都度もらう限り課税はされませんが、本制度では一定の条件のもと当面使う必要のない資金も含めまとめて非課税で贈与ができるようになりました。贈与を受ける子や孫は30歳未満であり、銀行・信託銀行等で専用の口座を開く必要があります。信託協会によりますと、関連する信託商品の契約数は平成26年6月末に約77,000件で、利用者は急増しています。

 いずれの制度も一括で相応の資金を非課税で贈与でき、贈与した方に万一相続が発生した際も相続税の課税価格に加算されません。これらの制度を活用するポイントとして、住宅取得資金の贈与では、一定の要件があり、要件に合致するか事前に確認しておく必要があります。また教育資金については、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置」で贈与を受けた資金を教育資金以外の目的で使えば、贈与税の課税の対象になってしまいますので、注意が必要です。まずは都度贈与を検討してから本制度の利用を考えた方が良いかもしれません。

 また相続にからんで問題となるケースもあります。母親と子ども2人兄弟で、兄は母親から生前に多額の住宅資金・教育資金を受け取っていました。もめ事が起こったのは、母親に相続が発生し、遺産相続をめぐって兄弟で話し合ったときのことでした。兄への多額の贈与を知った弟から、贈与の分を考慮すれば、自分には多くの遺産をもらう権利があると主張され、兄弟の仲が険悪になってしまいました。公平性を無視した贈与はトラブルのもとになりやすいようです。無用の争いを防ぐためにも、相続税や配分について総合的に考慮した上で、贈与を検討すべきでしょう。また家族の求めるままにならないことも重要です。子どもの家計が助かっても、自分の生活資金が不足しては元も子もありません。

 最後にこれらの住宅資金贈与、教育資金贈与についての非課税制度は時限措置ですが、政府は期限の延長や制度の拡充を検討中のようです。まわりの声に惑わされて慌てて贈与することは避けたいところです。贈与をすれば財産が減り、相続の際に遺族にかかる相続税負担を減らせます。ご自身の資産状況を把握し、何を目的として贈与するのか考慮した上で、贈与することが望ましいでしょう。

りそなグループでは、ご相続や生前贈与に関するご相談を承っております。経験豊かなファイナンシャルプランナーが皆さまのお手伝いをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

(2014年12月現在)

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今回の回答者
埼玉りそな銀行ファイナンシャルプランナー 黒澤 彰氏
昭和58年入社。平成14年より埼玉りそな銀行プライベートバンキング室所属。現在、大宮支店・東大宮支店のお客さまを担当。1級FP技能士、宅地建物取引主任者。
 
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