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Vol.84 不動産売却時期の違いによる影響について

Q

 父親が所有する土地の売却を考えています。生前に売却した場合と、相続発生後に売却した場合の違いについて教えてください。

Mさん 61歳 男性

A

 不動産を円滑に次の世代に引き継ぎたいとお考えの方も多いのではないかと思います。一方で、不動産については「分割しにくい」「流動性に乏しい」「維持費がかかる」等のデメリットがあるため、相続を考える上では、その不動産を維持していくのか、将来売却するのかといった「色分け」から考えていく必要があります。また、売却するにしても、そのタイミングによって、価格、税負担も異なることからお悩みの方も多いようです。
 不動産の売却を検討する上では、相続の発生前と発生後で確認しておきたいポイントがあります。

取得費加算の特例

 相続発生後に不動産を売却した際に使える特例として「取得費加算の特例」があります。これは相続により取得した土地、建物、株式等を、相続税申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合、相続税額のうち、その資産の相続税評価額に対応する金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです【図】。
 この特例は相続人が相続した資産を譲渡した場合に使うことができます。譲渡所得の計算上、取得費に加えられる金額が増え、結果的に、譲渡益が減り、譲渡所得の金額が小さくなります。
 ただし、ひとつ注意したいポイントがあります。図の通り、譲渡した資産に対応する相続税額を取得費に加えて譲渡所得を計算しますので、そもそも相続税の納税が発生しない相続人(例えば、配偶者の税額軽減の適用により、相続税負担が発生しない場合の配偶者等)の場合、この特例の適用はありません。そのため、この特例を最大限活用するためには納税負担のある人に譲渡予定の資産を相続させる等、財産の分割については十分に検討することが必要です。
 平成26年(2014年)の税制改正により、平成27年1月1日以後の相続により取得した土地等を譲渡した場合については、この取得費加算の特例の適用幅が縮小されることとなりました【図】。
 従来ほどの効果は見込めませんが、相続発生後に不動産の売却を検討する上で有利な特例であるといえます。

図

@2014.12.31以前の相続により取得した資産を譲渡した場合
A2015.1.1以後の相続により取得した資産を譲渡した場合

生前の売却についても確認

 上記の通り、相続発生後に不動産を売却した場合には取得費加算の特例を活用することができますが、申告期限までに納税資金を確保するための売却である場合等、時間的制約があるときは、必ずしも希望する価格で売却できるとは限りません。いわゆる「売り急ぐ」こととなるため、生前に売却を検討したほうが時間的に余裕があることから、希望する価格で売却できる可能性は高くなると思われます。
 また不動産の価格は市況による影響が大きいため、今後価格が上昇に向かうのか下降するのか、不動産市場の動向についても情報収集が必要です。2020年には東京オリンピック開催も控えており、首都圏中心に地価の上昇を期待される方もいらっしゃるようです。

 りそなグループでは不動産の売買・土地活用等に関するご相談やコンサルティングサービスを行っております。お悩みの方は、是非ともお近くの支店にてご相談ください。

<注意事項>

※税務の詳細につきましては、所轄の税務署や税理士等の専門家にご相談ください。

(2014年8月現在)

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今回の回答者
埼玉りそな銀行ファイナンシャルプランナー 加藤 聡氏
平成17年入社。平成22年より埼玉りそな銀行プライベートバンキング室所属。
現在、行田支店・羽生支店を担当。1級FP技能士。
 
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